第44話 はいかいいえかで言えば、いいえです
前回のお話。空船建造を以下略、ゴーレムを手にして町に戻って来たはいいが当然の如くミヤちゃんの制裁を受けるのであった。
現在、シルル教会にはミヤちゃんのお土産総量2tがゴチャゴチャと置かれている。それを彼は今ゴーレムを使って荷物整理中なのだが・・・。
「凄いでしょ~このゴーレムってやつは。重たい物でもこんな楽々運べてさ」
「凄い~じゃ、ないです!また荷物が来るんですけどっ!?」
「いやぁ~・・参ったね」
まだ追加で教会に運ばれてくるお土産が列を成していたのだった。どうやらエヴァンが保険でお土産を2t以上用意していたらしく、それも運ばれて来てるらしい。
「ん~~・・。ん、ん?ん~~~・・・」
「なんだこれ?ハクギンカイロ?あっ。すげえ熱くなったぞこれ!?」
「おりたたみイス?座るところないけど。あれ?座るところないのに座れる。凄なこれ~」
「はあ。全く、こんな量どうするのよ。でもこの服いいわね。あいつにしてはいいセンスしてるのよ」
そんでもってまだミヤちゃんとメルダー達はお土産をお漁り中。
君達、そろそろ再会の言葉の一つ掛けてもいいんじゃない?
「それでミルティア先生。自分は暴力を受け、反省文も書き、誓約書まで書かされ今に至るわけだけど・・」
「それがどうしましたか?」
因みにお土産が運ばれてからのその後の彼は、ミルティア先生に怒られたのは勿論のこと、彼の言葉通り色々と言われては書かされて精神的にも追い詰められていたそうな。
「あの~それで、そろそろ手足の関節戻していただけませんでしょうか?」
さらに信用性皆無の彼が勝手に逃げないようにミヤちゃんによって関節を外されていたりもしていた。
「ミヤちゃんの機嫌が直らないとまた関節外されますよ?」
「・・・ですよねぇーー・・はぁ」
一方は与吉はゴーレムと一緒に荷物整理中。その後教会と言う天井が高い構造を生かして、糸で天上から吊り上げる空中収容術を編み出すもミルティアに却下される。
チチィ(良いアイデアなのに)・・。
んで・・・。
「ふぅ~~色々見たな~。あ。クラ!久しぶりだな!元気してたかー?」
ある程度の物色が終えたメルダーがやっと彼に視線が向いた。
「元気に見える?関節外されたこの姿が」
「いつものことじゃんか。だけど本当に久しぶりだな。教会に兵隊が来た時はホントびっくりしたんだぜ。あれ何しにさせたんだ?」
そんなメルダーの質問に淡々と答える。
「あの時ちょっと町に戻る用があって、ミヤちゃん捕まると面倒だから足止めに使いました」
「それだけ!?いや、あ~でも兵隊を呼ぶとかクラってもしかして偉かったりするのか?」
兵隊を動かせるなんてそう出来ることではない。そんな事出来る人と言えば貴族とか王族の人ぐらいと思っていたらしいのだ。だが。
「金で雇った」
それに彼は淡々と答える。
「何か世の末を聞いた気分になったな」
すると今度はクロエがやって来た。
「あ。いたいたメルダー。あ~クラリオン君のところにいたのね。久しぶり~」
「クロエ~久しぶり~。だけど本当に久しぶりの再会なんだからこう、もっと喜ぶべきと言うか、数日振りの再会程度の扱いに涙が出そうなんだけど」
「そうかな~?戻って来てくれてうれしいと思ってるよ?」
「あんたら。散らかした物ぐらい元に位置に戻しておきなさいのよっ」
「マルリもいつも通りお元気そう何より」
マルリもやって来て、ため息を吐くといつもの口調で彼に言い寄った。
「あんたはもうっ!普通に戻って来れないのかしらっ!?あの時といい、この時もいい、いい加減にしなさいのよっっ!!」
「自分もさ、普通に戻ってきたかったのよ。何故こんな目に遭うのか自分も知りたい・・・」
「あんたは普通に確信犯でしょうがっっ!!!」
「お互いの理解が足りなかった為に起きた悲しい出来事だったと思います。でも大体ミヤちゃんが悪い」
「それがいけないって何でいつも学習出来ないのよっ!!」
マルリを適当に受け流しつつ、彼はミヤちゃんの様子を窺う。
ん~。ミヤちゃんの機嫌が良くなればいいんだけど・・。
まだ物色を続けるミヤちゃんの手にはお土産にあった刃物を持っている事に機嫌を損なえば襲ってきそうだから、まだ静観しておこうと決めた。
「んでさ、あれ何なんだ?今まで変なの見たけどあれも魔道具とかそんなもんなのか?」
メルダーが疑問を持ちながら指を差すとそこには今もお土産を整理しているゴーレムであった。それに他の子も気にはなっていたようで、メルダー以外の子も首を頷けた。
「ふっ。よくぞ聞いてくれた。そう、あれこそがゴーレム!今回の長旅で手にする為にやっと思いで手に入った動ける骨董品なんだよっ!!」
ここから彼の言葉が滑舌になっていく。なんせ今までゴーレムを手に入れる為に頑張ってきたのだから説明に熱が入る。
「・・と言う感じで。かなり希少だったわけで・・・」
ここまで道のりやらゴーレムの長々の説明が入り出すと皆どうでもいい顔になり始める。
まあゴーレムなんて知らない人からすれば意味が分からない内容だし、今の彼は信用無いから話し自体も内容が怪しいところ。なのでこれ以上はミルティアが「はいはい」と話しを止める。
「クラリオン君。そこまでですよ~。それよりこの荷物の数をどうにかしないと元も子もないですからね?」
「まだ色々と語りたいところなんだけど・・。けど、置くにしてもしまうにしてもこの町にそんな場所はな~」
お土産の量的に明らかに教会の中で置ける量ではない。どこか倉庫でも借りる手もあるが、慢性的な倉庫不足の町にそう簡単に借りれるところはないだろう。
どこも倉庫不足だしな~。こうなると・・。
「教会の一角にプレハブ小屋でも作って置くとか?」
しかしそれにミルティアは難色を示す。
「そんなことしたら優美で荘厳な教会が・・」
「優美?」
優美で荘厳かは分からないが、教会の土地と建物の位置からどこに物置小屋を建てても人目についてしまうのが嫌らしい。
「え~もう壁や天井に穴空けたり与吉糸だらけなのに?」
ミヤちゃんとで結構派手に暴れたりした記憶から今更な気が・・。
「誰のせいですか?だ・れ・の?」
「ミヤちゃんがわる・・い、かは分からないけどっ、ま、まあ後は・・増築か地下室作るかだな~。あっ・・」
余計な事言ったと今までの行いを思い出す。大体壊したりすれば簡易的な修繕や応急処置やDIYもしてきたのだ。きっとミルティアの目からすれば改築も増築も出来るだろうと思っているのだろう。
でも流石に子どもにそこまでさせ・・る、気ある目してますね、はい・・。
今まで色々やっていますし、そんぐらいできる資金持ってるんだからやってくれますよね?とそんな顔をミルティアはしていた。
「あのね、ミルティア先生。物置小屋なら作れる自信はある。けど建築関係は専門外だから無理」
「だけどクラリオン君なら何とか出来ますよね?今までだって、今もですけど迷惑かけた分、いい差し引きになると思うんですけど?どうですかね?ね?」
この際増築プラス改装もさせる勢いで迫る。
「このシスター、段々強欲になってきてないか?」
その話しに他の子らもここぞとばかりに乗ってくる。
「俺、もう少し大きな部屋とかあったらいいなと思うな~」
「窓も風通しもどうにかしたいよね~。寒い時に風入ってくると余計に寒いし」
君達や、自分は財布じゃないんだぞ?もうね、お金もカツカツなんだぞ、いやけど1オウカもしなければ・・安いか?
しかしこれ以上余計な事言われないのであれば、まだ現金で解決できる内は有りなのでは?とは思い始める彼も彼である。
「・・・もし、増築したら差し引きゼロになるんですね?」
「ゼロにはなりませんけど20は残りますね」
残るんかい。しかも20ってどんぐらいの数値よ。
だけど・・・
「・・手配すればいいんですね、はい、業者辺りに頼んでおきます」
「はい!これで決まりですねっ」
交渉は成立したとミルティアは笑顔で手を叩く。そしてメルダー達に目を向けると。
「じゃあクラリオン君が帰って来たお祝いしましょうか。元々そうするはずでしたからね」
それにメルダー達も「はっ!」と思い出す。
「あ。そうだったそうだった。何か途中からやる事変わったからすっかり忘れてたぜ」
「帰って来たら盛大に何かやろうねって準備してたよね。途中まで」
「私も思い出したのよ。大きなテーブル作って、それでお祝いしようとしたら磔台の台になったのだわ」
あの磔台は元はテーブルだったのか・・。
マルリの言葉に自分が磔にされた台を見つめた。
「磔のところは・・。よいしょっと」
ミルティアが磔台のところに行くと。。
「はい。外せて元のテーブルに戻せる設計にしてあるから大丈夫ですよ」
ミルティアが監督を務めたこともあってかテーブルに戻れる使用になっていた。
自分が磔にされた台でお祝いされるんか・・。
「ミルティア先生・・。でもその台、若干血が染みてあれですけど」
「削れば大丈夫ですよ」
「ワー。ポジティブ~~」
その後、ミルティアと与吉で料理を作り、そのテーブルで皆でお祝いされた。
なおミヤちゃんは彼をまだ許したわけではなく、お土産にあった首輪とリードを付けられてお祝いされたのだった。
な~んでお土産に首輪とリードを入れるかねエヴァン君よ。使う機会なんて無かろうに・・。
ともあれこれでひと段落?した彼は、やっとゴーレムの研究ができる、と言う程甘くない。他にも済ませたい用事はあるのだ。
はぁ。教会の増築か改築云々は業者に任せるとして、知人関係にお土産配りにバーバリエ宿屋に戻って荷物やゴーレムも置いておきたいな~。ただなぁ~そうするとアスラお姉様に会うだろうから、また色々言われて引っ付かれるんだろうな~。
「はぁ。なんでこんなに疲れないといけないんであろうか・・」
それとギルドに顔を出して状況の把握もしておきたいな~。
フェレストリア王国との戦略級魔導石取引で、中継でギルドを挟んでせいで何故か王国とギルドの仲がギクシャクさせてしまったらしいことにギルドにとって今自分はどんな立ち位置になってるか知っておきたかった。
「んで、これが一番重大な課題なんだが・・・」
チラっと横目で見ればムスッとした顔で彼の隣を歩くミヤちゃんがいた。
現在彼らはまずバーバリエ宿屋にゴーレムと荷物を置きに向かっているのだが、逃げる恐れがある彼を放っておくはずもなく、リードを付けられたままミヤちゃんと歩いているのだ。
「このリードは外せませんか?」
「だめ」
「・・左様で」
ついでに彼らはいつもより周囲から目を引かれていた。何しろ後ろにはゴーレムに2体が何故かゴマをすりながら随伴しているのだから余計に目立っていたのだから。
その後バーバリエ宿屋に着けば秒でアスラに捕まって・・・。
「うわぁぁぁぁぁん!!クラァリ・・オンッ君!!今っ、今までどこに行っていたのよぉ~~~~!!」
と、しばらくオイオイと泣きながら離す気配もないアスラをこの後何とか引き離し、ゴーレム達を部屋に置いて行き・・・。
「迷宮に行きますか・・」
「ん」
そろそろ一緒に迷宮に行かないとミヤちゃんの不満が爆発しそうだから、今日はここまでだな、と久しぶりに迷宮に向かうことになった。
だって短剣チャキチャキと音立たされれば、こりゃもう行くしかないでしょう。ねえ?
それで迷宮上層に着けば、ミヤちゃんは今までのストレスを解消するかの如くモンスターを切るは燃やすは氷結させるはで凄かった。
「うわ・・。千はいるモンスターが・・。一振りで何十体も・・」
短剣の威力があるからこそだが、それを遺憾なく発揮出来てるミヤちゃんの戦闘センスの上達が伊達じゃない。以前よりもキレが増していた。
「ミヤちゃ~ん。炎はあまり出しちゃ駄目ねーー。辺りが一酸化炭素中毒エリアになるから~~」
しかしモンスターを屠ることに夢中で聞こえていない。
「いいストレス発散になって倒しているんだろうなぁ~」
もはや上級冒険者レベルでの戦闘と大差ない光景である。
そしてその場のモンスターを殲滅すると・・・。
「次・・」
「中層でいいですか?」
「ん」
今度は中層に。モンスターの群れる数は数十体程度だが、個体値は上層のモンスターよりもかなり強い。が、ミヤちゃんの前では大差はなかった。
「ンッ・・!」
「・・歩きながらモンスターを倒しておられる・・」
ヂィ・・。
何かのバク技ようなモンスターの倒し方に彼と与吉は目を擦る。
もはや自分よりチートなのでは?
こうしてしばらくミヤちゃんのストレスを発散し続けて時刻は夕方。ミヤちゃんを教会まで見送って彼も「よし帰るか」とバーバリエ宿屋に戻って寝たいところ。だが。
「ん・・・」
ミヤちゃんに袖を掴まれる。
はいはい、やっぱりそう帰してくれませんよね。まあ分かってたけどさ。
いつもの如く教会に寝泊まるのである。
そして夜・・・。
ゴキッ、ゴキ、ゴキゴキ・・。
「せめてリードだけで勘弁してもらえませんかね」
「ダメ」
子ども部屋のベットで彼が逃亡しないようにミヤちゃんが安心を込めて四肢の関節を外される。
「いつものことなのよ」
「でた。クラの抱き枕」
「久しぶり見ると安心するよね~」
そしてその光景が日常と言わんばかりに見慣れたメルダー達はその有り様を見終えると就寝し始めた。
この子達、隣に死んでる人がいても普通に寝れるタイプなんだろうな~。
そして皆が眠りに着く頃、彼は天井を眺めていた。
「・・・・・」
なんか変に眠れんな・・。疲労困憊なのに。
「世のしがらみから外れたこの異世界で自由のはずなのに何故こうも自由が無いんだろうか」
・・ネットでも見よ。
寝付けないので猫の動画でも見ようとステータス画面を開き、ネットに接続しようとした。が。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
いつ起きていたのか、それとも最初から起きていたのか。彼の上の猫がジッと見つめてた。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
何とも言えない空気の中、彼はただ見つめ返すことしか出来ない。
いやまあ、関節外されてる以上何も出来ないし、見つめることぐらいしか出来ないんだけどね。
モゾッ・・。
そんな事思っていたらミヤちゃんが首辺りまで顔を近付けて・・・。
「ン・・」
いつものように首を嚙みついてきた。そして舌で噛んだところを舐めては吸い、首や肩を周りを念入りに舐める。
クチャ、チュゥ・・。
皆の寝息の中で、涎が滴る音が静かに響く。
ゆっくり舌で首筋をなぞり、彼の耳元まで舌が伸びれば耳を甘嚙みしては舐めては吸う・・。
クチュ、ジュルッ・・・。ハァ・・。チュル・・・。
耳に響くミヤちゃんの舌の動きや吐息に彼の動悸が高まっていく。
チュゥゥ、チュル・・。クチャッ。
うち・・耳引き千切られるのかな・・・・。
だが官能的な響きにも聞こえるも彼が感じていたのは獲物を舌舐めしてるようにしか思えなかった。ミヤちゃんならあり得ると。
耳喰われても治癒スキルで直りますように・・。
「クラ・・」
「あの、引き千切るのは勘弁してもらっていいですか・・」
「・・・・・」
一瞬呆れて目を細められるもミヤちゃんは彼を見下ろして言う。
「クラはうちのことキライ?」
「・・はいかいいえかで言えば、いいえです」
これ、答えを間違えるとどんな運命を辿るのであろうか・・。
いつものミヤちゃんのご機嫌取りの会話になりそうと彼は思うが、当のミヤちゃんは至って真面目な話し。
「・・じゃあなぜにげる?」
「いや、逃げてる訳じゃなくてね、自分にも予定があったりとか、あとミヤちゃんの拘束力が強すぎたり・・」
あれ?なんかこんな話し以前にもしなかったけ?。
「?」
「とにかく無理に隣にいさせようとするのは駄目」
「ちかくじゃないとダメ、ぜったい」
ミヤちゃんからすれば彼と対等かそれ以上でいたいのだ。初めて自分と違う強さを持った彼と出会って自分も強くなりたいと思い、彼と同じ場所で同じ事をして、一緒に迷宮探索もした。しかしそれでも追いつけない・・。
もっと強く・・・。そうすれば・・。
だけど彼は逃げようとする。今度は工国に行きたいと物申してずっと帰って来なかった。
心配したし、怒ったし、探しに行こうとした。けど皆ダメって言う。母にも頼んだけどダメだった。強くないから・・。
もっと迷宮で修行をしないと。だけどクラと一緒じゃないと迷宮に行っちゃいけない約束が。もどかしい・・・。
そんなモヤモヤした日々にやっと彼は帰ってきたのだ。もう簡単に離しはしないだろう。
「ずっと一緒、じゃなきゃダメ」
「・・ミヤちゃん、もう少し大きくなってから今の言葉を考えようね」
だが彼は子どもが口にする約束だとそこまで真面目に捉えず軽く受けながす。
「変わらん」
「・・・・」
そしてその後はいつもの言い合いに。会話が有耶無耶になっていくもミヤちゃんはその日の話しを忘れることは無かった。
そして朝・・・。
「・・ッん~、よく寝たぁ~」
一番に目を覚ましたメルダーは、背伸びをして欠伸をする。
「お。ミヤが起きてないのか、めずらしいな。いつもなら一番に目を覚ましていたのに」
周りを見渡したら少し意外と声を出した。
「あぁ~・・おはよう、どうしたのメルダー?」
「・・おはようですの」
「クロエとマルリも起きたか。ほらミヤがまだ寝てるんだよ。めずらしいだろ?」
そんな言葉にミヤがいる方向に皆が視線を向けると。やはりと言わんばかりに納得した様子で話した。
「あ~。本当だね。でもこれは納得だね」
「つまりいつもの朝ってことね。はぁ、これでミヤのふきげんが治るのはいいけど、さわがしくなるはやめてほしいのよ、まったく」
「そうか~?俺はさわがしいほうがいいけどな」
そこにはどこか安心した顔で眠るミヤちゃんとその下で苦痛そうな寝顔の彼ことクラリオンの姿がいた。
「・・起きた」
そして周りの声が聞こえたのかムクッと起き上がるミヤちゃん。そして・・・。
「迷宮・・」
そのまま彼を掴みながら部屋を出ようとすると皆が止める。
「ミヤ、待て待て。迷宮に行く前に色々とあるだろ」
「ミル姉にあいさつとご飯とクラの治癒と血の跡が付いたシーツ出したり・・」
「朝のやる事終わってから、こいつ引きずって迷宮に行きなさいよ」
「・・・・分かった」
こうしてミヤちゃん達の日常が戻り始めてきたのだった。
そして結局のところ、彼はゴーレムの研究は出来ずしまいで、再びミヤちゃんの迷宮に付き合うことになるのである。
しかしそれ以前にいつになったら空船建造は再開するのか。彼の目的はまだ先が長そうである。
結構遅くなり申し訳ないです。
世の中の流動が激しく疲れまくっております。特にウクライナ情勢では自分ができることは募金で貢献することしかできず、何かこうもっとできることはあるのではないか悶々した日々を感じています。
何かしたいのに行動する勇気が出せず自分の思いが現実に表すことできない。ここで思いを書くことでしかできない自分が情けなくなってくる・・・。




