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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
54/82

第35話 短編part1 リリア・ティア・F・ティトニアについて

 前回のお話。空船建造を一旦保留にして以下略、謎のコアがゴーレムの部品なのかを工国で調べに回るも今のところ手掛かりなし。しかし地元から地下迷宮と称される廃駅にあるかもと言われて向かうことにしたのである。が、今回は・・・。



 クラリオンから足軽一兵卒と呼ばれるリリアことリリア・ティア・F・ティトニアとその友人エリアスの話である。


 トントン。


 どこかのメイドが部屋をノックする・・・。


「失礼します。エリアス様。リリア様がお着きになりました」


 部屋の中は綺麗整っており、如何にも上流階級と言った内装や家具が置かれ、所々に王族の家紋が施されていた。そしてその部屋にはエリアスと呼ばれた女の子がいた。


「リリアが?今どこにいるのっ!?」


 メイドの言葉に急いで駆け寄るもメイドは落ち着かせるように言い聞かせる。


「落ち着いてください。もう王城内にお着きですから。今、こちらに向かっている最中ですよ」

「ああ。良かった・・」


 胸をなで下ろし安心する。


「では私は紅茶の用意をしておきますね。いつものでよろしいですか」

「あれがいいわ。色が変わる紅茶。見ているだけでも飽きないんですもの」

「あれですか。色の変わるのは面白いと思いますが、客人に出せる飲み物では・・」


 ブルーマロウ、マロウブルー、読み方に差異があるもレモン汁を垂らすと色が変わるハーブティーであるが、味があるとは言えない飲み物である。

 因みにマロウブルーは薬用でもあるが、この異世界では便利な治癒スキルがあるので薬用になることは分かっていない。


「でもそれがいいの!きっとリリアも喜ぶわよ」

「かしこまりました。ご用意させてもらいます」

「うん!」


 数十分後・・・。


「エリアス様っ!ただいま戻りましたわ!」

「リリア!」


 リリアが部屋に来るとお互いに手を握りしめて無事を喜びあう。

 リリアはしばらくの間、空賊に捕まっていたり、遭難したり()()あったのである。故に久しぶりの再会なのだ。その間にメイドは紅茶の支度を済ませ、部屋を後にする。


「すいません。本当はもっと早く着けるはずだったんですが」

「ううん、事情は全部知っているわ。本当なら裁判も止めたかったんだけど」

「エリアス様流石にそれは・・。それに私が裁判になったんじゃなくて、裁判になった犯人・・と不本意ながら行動を共にすることになったせいで、事情聴取やら色々回されることになって・・」


 それにエリアスは何か思うことがあって重たく口を開ける。


「そうね・・。私も分かってはいたんです。ですけど口止めされて・・」

「口止め?」

「ええリリアが捕まってから色々あって・・。とりあえず今は紅茶を飲みながら話しましょう。お互いに何があったのか」



 それから2人は親密にある話し合いをはじめた。


「それでエリアス様。今回の作戦で一つ空賊になる賊はいなくなったのですが、()()はどんな感じですの?」

「・・まだ()()()()()()わ。リリアの方は?」

「はあ。こっちもですわ。まだ空に見えてますの」

「『未来視』と『未来分岐』。それがあっても・・ねえ、やっぱり今回も事もあるし・・」


 暗い顔をするエリアスにリリアは明るく振る舞おうとする。


「だ、大丈夫ですのっ!今までまともに出来なかったことなんて、城の秘密の抜け道作るの失敗したことぐらいしかないじゃないですか!次はイケますわ!」


 その話にエリアスは笑う。


「ふふ。アルセーヌの怪盗の本通りなら上手く作れていたのにね」

「ええ。結局、見つかって埋められてしまいましたけど。まさか衛兵に見つかるかモンスターに見つかるかの2択だったなんて今でも嫌な思い出ですの。てっきりバレるか成功するかの2択だと思っていましたし」

「あのあと私達凄く怒られたわよね、だけど。ふふふ・・」

「あれは死ぬまで残る思い出になりましたのよ」


 過去に割と洒落にならない事を語っているが、実言うと2人はまだ出会ってから一年もしてない。それでもお互いに家族以上の信頼があった。

しかし何故2人がそこまで信頼しているのか。それは2人が持っている『未来視』と『未来分岐』が関わってくる。


 

 ある日の出来事・・・。



 2人の出会いはパーティーだった。何の集まりだったか、国で名のある貴族や王族も参加するパーティーで、2人は親の挨拶周りに同伴する形での参加していた。

 そんな挨拶周りに2人が面と向かい合って話す機会が訪れた。


「・・エリアス・フェレストリアと申します」

「リリア・ティア・F・ティトニアです」


 だが最初はお互い形式的な簡単なあいさつを交わすだけ。


「・・・・・・」

「・・・・・・」


 その後はお互いに無言で気まずい雰囲気に。さらにエリアスの顔は暗く、あまり体調が優れていなさそうな顔をしており、そんでもってリリアは難しい顔をしていた。

 三つ、ありますの・・。

 そのリリアにはあるものが見えていた。先天的に持っていた非常に稀で特殊に凝ったスキル『未来分岐』による面倒なものが・・・。



 『未来分岐』。それは自分の未来が行動次第で変わる。または歴史が変わる分岐点を視認できるスキル。ただ分岐点がどんなもので分岐先がどうなるかは分からない。あくまで分岐点があると言うことだけが分かるだけである。しかしステータスの運が高いと直感的に自分にとって良い方向に導きやすくなる、らしい・・・。

 


 つまりリリアは今現在、分岐点と言う存在が見えてしまっているのだ。つまりどう動くかで未来が大きく変わることを知っているからこそ慎重ならないといけない。しかも話している相手、エリアスはまだ語ってない現王族の娘なのである。

 相手が相手である以上なおさら様子を伺うしかなかったのだ。

 

「ほら2人共。歳も近いんだからもっと色々話してもいいのよ」

「いつもならお喋りなのにね。それとも私達がいると話しにくいのかしら?」


 なお母親達は子ども達が話しやすいように促すもリリアとしては「オホホホどころじゃないのお母さん!下手すれば家の未来にも関わるから!ヤジは黙って!!」とこの歳でリリアはストレスの胃痛の辛さを知っているのだ。


「・・・・・・」

「・・・・・・」


 しかしそれでも2人は見合うだけ。そんな膠着で沈黙が続きそうな流れだったが、エリアスは焦るようにどこかに視線を向ける。

 もう時間が・・・。

 今度は意を決したように母親を見た。


「すいません。お母さま、やっぱりお母さまとパーティーを後に・・出来ないでしょうか?」

「もう。そう言うこと言って・・。ごめんなさいね~。今日エリアスの機嫌が少し悪くて・・」


 そう母親である王妃が弁明していると・・・。


 パシャァァァンンーーーーーーー!!


 甲高いガラスが割れる音がパーティー会場にいきなり鳴り響く。


 ラ゜ァァ・・ガガ・・・アァァアアア゛ア゛ア゜ア゜~~~。


「な、なんですのっ!?」


 リリアは音の方向に目を向けるとそこにいたのは見たこともない小型のモンスターが横たわっていた。

 見た目は魚、鯨、モグラにも見える異様な姿。尾びれが異常に大きく、ヒレなのか足なのかそれもまた大きく発達している。

 

「あ。これが原因ですのね」


 間違いなく分岐点に関わる何かであるのは間違いないと分かったリリア。が、明らかに自分でどうにかできる力量を越えている事態に流石にどうしようも出来ない。


「キャーーーーー!!!」

「モ、モンスター、モンスターだぁぁーーー!!」

「警備はどうしたっ!?」


 モンスターに気づいた周りは叫び、ある者は逃げ、或いは対応しようと前に出る者もいる。


「戦える自信がある奴は前へ!それ以外はホールからすぐ出るようっ!」

「兵を呼んで来いっ!」

「この辺りで見慣れないモンスターだぞこいつ」

「何かあると厄介だな。おい誰か治癒と異常解除のスキル持ちはいるか?」

 

 周りが混乱する中でリリアは、親に手を引かれながら逃げるも落ち着いて考える。

 やっぱりこれどうにかするなんて無理なのよっ!?ん?でも『未来分岐』が出いるなら、やっぱり自分の手で何かできることがあるってこのよね?


 しかし。


 ァアアア゛アラ゜~ア゛アーーー。

 

「って追って来ましたのーーーーっっ!!?」


 モンスターが明らかにリリア達の方に目がけて襲ってきた。


「きゃっ!!」

「母さまっ!」


 そして逃げようとした王妃様が転んでしまう。しかし絶体絶命の瞬間であったがリリアは見逃さながった。転んだ拍子に王妃の足元に転がる何かが視界端に映ると今まで三つしかなかった分岐点が二つになったのだ。

 これなのよっ!!


 恐らくこれが分岐になり得る何か。

 リリアは手を握る母親の手を振り解き、急いで王妃の近くに転がるそれを取ると・・・。


「セイヤァァァアアアアアーーーーーーーー!!!!」


 野球選手さながらの見事な投球ホームで窓の向こうに投げ飛ばす。


 ア゛アーーーラ゜ァアアア゛ーーーーー。


 するとモンスターも方向転換して追いかけるように向かって行く。

 そしてリリアの視界から分岐点が無くなった。つまりこれ以上何か起きないと分かり・・・。


「勝ったぁぁぁあああーーっ!!」


 まだモンスターが倒された訳ではないが1人で思いきっり勝どきを上げた。

 その後モンスターは周りの人で倒されて灰になったが、空中を浮遊するモンスターではないかと推測された。と言うのもリリアが投げた物が龍涎香を使った香水であったという。それを踏まえて考察すると香りか龍涎香に生じる独自の魔力に寄せられたと位置づけたのだ。

 

 しかしそんな考察は後にして、その後リリア達がどうなったかと言うと・・・。


「この度を功績を称え、ティトニア家を子爵に昇格するものとする」


 結果として王妃と娘の命を救ったことになり、それはもう感謝されて爵位をポンっと上げてくれた。


 なお王様は・・・。


「伯爵とか辺境伯でもいいんだぞ?。妻と娘を救ってくれたんだ。それぐら」

「王様っ、一気にそんなポンポン爵位上げないでください。他と示しがつきませんから」


※フェレストリア王国は迷宮でバブル経済並みに躍進していたから、景気良く爵位をあげようとしていた。


「またリリア・ティア・F・ティトニアの機転の立ち回りを評し、騎士勲章を授与するものとする」


 それとリリア個人に対しても勲章が授与された。しかもその勲章がヴィクトリア十字章ぐらいの凄いやつである。

 私、戦ってもいないんですけど・・・。

 戦ってはいないが迫るモンスターの前に立ち向かい、さらに投球ホームが高評価されて評価点に加算されたらしい。


 と、まあそんなことがあって王妃達とはお近づきの関係となった。



 そして後日、急遽リリアの勲章式が行われた。ただその場にはエリアスは気分が優れていなかったのか来ることはなかった。



「・・で。・・リリア様に・・・。エリアス様が・・」

「ああ、こちらは構わないが・・」


 そして勲章式の終わり頃になるとリリアも疲れた様子。その間にリリア父とメイドが遠巻きで話しをしていた。

その後、話しが終わってリリア父は娘に先ほどのメイドとの話をした。


「リリア。このあとエリアス様が君と話したいことがあるそうなんだ」

「エリアス様が?」

「ああ。どうしてもと言うらしい」

「ええ、行きますわお父様。流石に断るわけにもいかないですし」

「ゔっ・・お父さん、娘がどんどん成長して嬉しいぞ。爵位も上がって、勲章式なんて・・三冠王おめでとう!」


 リリア父は何か勘違いしていた。


「お父様。騎士勲章ですわ」

「ああ。投手の三冠王だろ。皆リリアがいいホームだったと褒めていたよ」

「お父様、(わたくし)1シーズンどころか一試合も出ていませんので違いますわ。あと騎士勲章ですわ、お父様」

「あれ?違ったかい?もしかしてナイン賞の方かな?ごめんな。お父さん、そんな野球には詳しくなくてね」

「まあまあ知ってる口ぶりですわよ。それより私エリアス様のところに行ってきますわ」

「そうだった。失礼のないようにね」


 はあ。一度思い込んだらああなるのは辞めてほしいのよお父様。



 そしてリリアはメイドに案内されながらエリアスが待つ部屋へと連れられると・・・。



「では、ご用があればそちらのベルでお呼び下さい」


 部屋に着いたらメイドがそそくさと出て行き、2人きりになるも・・・。


「・・・・・・」

「・・エリアス様。お久しぶりですわ。ご気分が優れていないとお聞きしましたが・・」

「・・・・・・」

「・・・あの~、それで話したいと言うのは」

「・・・・・・」


 エリアスは無言のまま。しかしやっと口を開くも・・・。


「あの・・三冠、おめでとう」


 ここでもですのね・・っ!

 膝がガクッと折れる。


「皆、ホームがいいって・・言って・・いたから・・」


 エリアスもまた鵜吞みに聞いてしまったようだ。


「あ、ありがとう・・ございますのっ。けど騎士勲章ですわ、エリアス様」


 少し顔を引きつりながら訂正する。


「え?あ・・ご、ごめんなさい」

「い、いえ。あのそれで、お話しは・・」


 そしてやっとエリアスは中々言出せなかった事を聞きはじめた。


「あのパーティーにモンスターが出たことなんだけど・・」

「ええ、あの時は色々大変でしたわ。せっかくのパーティーが・・」

「どうしてあの時助かったのっ!?」


 エリアスは大きな声でリリアの言葉を遮った。


「へ?」

「だからどうしてあの時助かったのっ?あの時・・皆死んじゃうのに・・だから止めようとしたのにっ、でも・・」


 突然声をあらたげたことにリリアは戸惑う。


「エ、エリアス様、いったん落ち着きましょうっ!私いい落ち着き方知ってますのよ。自分よりダメな人が隣で一緒に悩んでいると自分がしっかりしなきゃって、落ち着きますの」


 もう少し違う落ち着き方はなかったのであろうか?


「そんなのどうでもいいのっ!」

「どうでも・・」

「ねえっ!どうやって()()を変えたの!?どうして変えらるのっ!?」

「未来?」


 未来と言う言葉にリリアは引っ掛かる。


「っ!」

「エリアス様。エリアス様も未来が見える・・のですの?」

「そ、それは・・」


 口ごもるエリアスであるが、「はは~ん」とリリアは謎が解けた様子で言う。


「大丈夫ですわよ。ステータスを見る限り何も起きてませんわ」

「え・・。でも未来のスキルを知られると」

「確かに最初出た時はびっくりしましたが、まあステータスに何か変化が無ければ問題無しってことですわ」


 と言うのも稀にスキルには習得した際に忠告文がステータスに表記されることがあるのだ。


 その中で未来に関わるスキルには。


『貴方がこのスキルを他者に知られると改変する場合があります。このスキルの習得が取り消しになる場合があります。このスキルの再習得が不可能となる場合があります。


 スキルの使用で基準値を越えた場合は使用者の概念の消滅が確定されます。基準値を一定値に戻す際に揺り戻しが発生する場合があります。一定値に戻らない場合は一定値になるまで貴方の関係者から概念の消滅が確定されます」


 という意味が謎だらけの怪文に近い忠告文が出る。が、明らかに危険な内容とだけは分かる。

 まあそんな忠告文がスキルによって出たりするわけで人にスキルを教えなかったり、ぼかしたり、ステータスを見せなかったりとこうした差が生まれる一つの要因であったりしている。



 話しは戻って・・・。

 


「だから大丈夫ですわ、エリアス様」


 本当に大丈夫かは疑問だが、リリアも未来系のスキル持ちだからこそエリアスの悩みを理解できた。

人に言っていいのか駄目なのか、どこまでスキルを使っていいのかも分からない。むしろ無い方が気が楽になれる。だからリリアはそれをかき消すよう話し続けた。


「で、でも」

「私も未来が見えるスキルがありますのよ?信じてくれませんか?」

「あなたも?」

「ええ。私のは『未来分岐』って言うスキルですわ。まあ未来が見える・・というより変わるスキルかしら?正直、胃がきつくなるスキルですのよ・・」


 諦めたような半笑いでリリアは自分を笑う。

 そんなリリアに自分自身も話すかどうか迷う。リリアの言葉が本当なら今まで見て変えられなかった未来を変えれる唯一の人物。


 すぐに決めれることではないけれど、それでも途中途中で言葉を引っ込めながらエリアスは一旦一呼吸して・・・。


「・・・私、私のは・・『未来視』。この先に起こることを教えてくれるの」



 『未来視』は、言葉通り未来を見ることができる。正確に言えば確定する未来の結末を見ることができるスキルで、未来が見えても未来を変えることはできない。



「そうでしたの。それでエリアス様、何か変わったことがありました?」

「えっと・・」


 自分のステータスを確認したり、身体を動かしたりするも・・・。


「何も・・変わってない?」

「まあ絶対に知られていけないわけではないのですわ。少しぐらいバレても大丈夫ですのよ」


 ※絶対にバレてはいけないわけではないがバレても大丈夫な訳でもない。


「そう・・なの?」

「ええ。何も無ければそうですわ。それでどうして未来を変えたのか?と言うお話でしたわね?」

「っ!そう!それ!私が見たのはあの時モンスターにお母さまや・・あなたも襲われて・・・。だからパーティーに出ないように色々やって、でも変わらなくて・・」


 それからエリアスは未来を変えようと何をしたのか色々と話してくれた。


 そして・・・。


「なるほどですの。それでその『未来視』で襲われるのが見えたと」

「うん・・」

「だけど見えた未来は変えられないと・・」

「それをあなたが変えたの。未来は変えられないのに」


 う~ん。やっぱり未来の見え方が違いますのね。

 

「え~っとエリアス様。まず私の『未来分岐』は複数の未来があるのが分かりますの」

「複数の?」


 そしてリリアはポケットからコインを取り出した。


「ええ、例えるならコインを投げるとしますの。そしたらどうなると思います?」

「えっとコインの表と裏を当てる、あれ?」

「まあそんな感じですわ。それでどちらになると思います?」

「じゃあ・・表」


 それを聞いてリリアはコインを投げるが。


 チャリ~ン・・。


 コインを掴めず床に転がった。


「まあこんな感じですわね」

「えっと・・」


 意味が分からずエリアスは困惑する。


「コインの裏表・・。それもありますけどコインを掴める掴めないかの場合もありますのよ。つまりどんなことに未来に関わるのか分からない。だけど変わる分岐があるのは分かる。それが『未来分岐』ですの」

「う~ん。分かるような、分からないような」


 少し理解がいる説明にエリアスは頭を唸らせる。


「つまりですわ。未来が変わる分岐があってそれを選んだから今が助かったのですわ」

「だけど私は変えられなかった。もし変えれたら・・」

「エリアス様。これはむかしのお爺様の言葉で・・言い方が悪くなるのですが、未来が見えても知っていても未来が変えれるわけじゃありませんの。ですからエリアス様には変えれる力は無いと・・思いますわ」

「じゃあ私は変えられないの?」


 そんな言葉にエリアスは深く心に刺されそうになる。

 しかしリリアは・・・。


「だからエリアス様っ!私と一緒に未来を見ませんか?いえ、見ましょう!見るべきです!」

「え?えっと・・」

「だって私も私以外に未来が見える人と会えるなんて思っていなかったんですもの!初めてこんなの話せる友達ができるなんてこれって結構凄いことですわよっ!ええ、多分!それでエリアス様が未来が見えるスキルをお持ちだと分かって「おおーーっ!」って、そりゃもう本当に「おおーーっ!!」って心でめっちゃ騒いでましたわ!!」

「う、うん」


 さっきまで声を上げるような人だと思ってもいなかったからエリアスはただ頷く。


「それにさっきも言いましたが私のは未来が見えるとは少し違いますの。未来を変えることが出来たとしてもそれが良いか悪いかなんて分からない・・。だからエリアス様が見て、私が分岐を変えれば、未来はもっと良くなりますわ!そうすればまたモンスターに襲われても今度は華麗に避けて顔面にアウトボール入れてやりますわよっ!」

「そ、それは・・」

「それにお母さまもお父さまも危ない目に合わなくすむようになりますし」

「っ!」

「私だって自分の選択でお母さまやお父さままで危ない目に会っていたんじゃないかって思う時もあるのですのよ?本当はもっと良い選択が出来たんじゃないかって。あまり人にも言えませんしね」

「・・・・・」

「だから少しでもいい未来を見たいんですの」


 エリアスもリリアが本心で語っているのが分かる。だからエリアスも強く語る。


「わ、私も!もっといい未来を・・見たい!」

「私もですわ。だから一緒に未来を見て変えましょうっ!!まさに未来は明るいと言うやつですわ!」

「ふふ、なにそれ」

「な!?笑わなくてもいいじゃありませんか。本当に明るいのですのよっ!?」

「うん、そうね。ふふ・・。よろしくね、リリア」

「ええ、エリアス様」


 以降その日を境に2人は親友になった。

 お互いに王城やティトニア家の屋敷に行き来し、スキルの悩みの相談やただ自由に一日遊ぶだけだったりと子どもらしく楽しむ日々を過ごしていく・・訳でもなかったのだから・・・。

 皆~久しぶりっ!何か月も投稿してなかったけど死んでないよっ!!あとpart2も近いうちに投稿するよ!


 もうね、ウマの育成とかイベントもこなして、wotもやってね。予想以上に時間掛けちゃった。

 あとBF5、初めてFPSやってみたけど、うん・・あれは慣れが必要だ。steamでセールだったからやってみたけどwotとは違うね。


 p.s 何でまだターボ実装されないん?

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