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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
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第33話 今の手持ちがこれです

 前回のお話。空船建造を一旦保留にして以下略、裁判なのかすら怪しい裁判であったが打ち首獄門はギリギリ免れた彼。しかし今度は特務情報機関とか言う名探偵もどきが王様からの勅令状持って身柄を引き渡されることに。



「いつか王城に呼ばれる可能性も無くはないと思っていたけど、こんなに行きたくない気分になるもんなんだね・・。降りていい?」


 現在、彼は馬車に揺られて王城へと移動中。勿論そこには名探偵もどきも当然いるし、与吉もリリアもいる。


「お兄ちゃん。今逃げたら打ち首獄門は逃れられないよ?」

「安心しろ。もしあのままだったら逃亡するし復讐もする。例え国が相手になったとしても一心不乱の大戦争仕掛けてやるさ。ふざけた裁判の判決した奴らもそれに加わる全てに平等に平行にだ」

「ずいぶん末恐ろしいこと言うね。だけど王城に着いたらそんなの言っちゃ駄目だからね?」


 間違いなくあのままならやりそうな彼の態度に名探偵もどきは苦笑いするしかなかった。

 

「あ、あの~。お話中すいませんが・・ど、どうして私も一緒に王城に・・・」


 そしてリリアはどうして自分も呼ばれのか不安そう。


「ん?ああ、君は姫様から連れて来て欲しいってついでに頼まれていただけだよ。お兄ちゃんとは別件。まあ詳しいことは知らないけどなんか姫様から話したいことがあるらしいよ?それだけ伝えれば分かるって言ったけど」

「エリアス様が・・。分かりました。城に着いたらお会いしに行きますわ」


 何か察しがついた様子。そうすると少し余裕が戻ったのか今度は名探偵もどきについて気になり始めた。


「それでですね。あの貴方は・・裁判所で確か特務情報機関とか言っていましたが、それがどうして彼を王城に連れて行くんですの?」

「それはね~お兄ちゃんがクラリオン君だからだよ。一部お偉いさん達では噂の人物だからね~。あ。そう言えばちゃんと挨拶していなかったね。初めまして僕は・・・」


 途中で言葉を区切り、笑みを浮かべると名探偵もどきの身体の周りが光出した。


「な!?なんですの!??」


 みるみる大きくなると光は収まり、着ている服も姿も変わり大人の男性へと変わっていったのだ。


「改めまして僕は特務情報機関所属、エヴァンさ。皆これでびっくりするんだよね~。変装のスキルって見た目や声以外にもレベルが上がると着てる服も少し変えられるんだよ」

「え・・えぇ、びっくりしましたわ」


 しかし。


「う~~ん。でもお兄ちゃんと与吉が無反応なのはちょっと凹むかな~」

「・・・・・・」


 彼はエヴァンが変装スキルを解く中、一切振り返ることもせず窓の外を眺めており、与吉は見ているも無反応。


「う~~ん。子どもの姿なら親しみやすいと思っていたんだけど逆効果だったかな?」

「・・一言言うなら狭い馬車の中で光るな」

「あはは・・それは手厳しい。まあそれで僕達、特務情報機関って言うのは国内情勢について色々と調べていてね。殆ど迷宮関連かな?まあそんな訳で呼ばれる理由は何となく察してはいるだろうけどさ」


 彼に目線を向けるも未だ窓の外を見続けて。


「はっ。どうせ面倒くさいことやらせるんだろ?お前が何者だろうが、足軽がいようがスカイブルーが広がる広大な鬱の前では、ハウスダストの一塵にすぎん。はあ・・・」


 大きなため息をつくと再び窓の外を眺めはじめた。


「ねえねえ。確かリリアちゃんだったけ?彼ってこんな感じなの?」

「いえ、私も付き合いは短い方でして、ですがあんな感じなのは初めてですわね。だいたいふざけていると思うんですけど」


 こそこそと2人は内緒話でもするかのように話す。


「確か事前資料だとそんな風にも書かれていたな~。結構派手に暴れるとかあったし」

「そもそも私もそんな彼について詳しくありませんの。そんな噂の人なんですの?」

「あれ?知らなかったのかい?彼って迷宮で結構大きい魔石や魔導石発掘してるんだよ。それも国家予算の何割かほど」

「な゛っ!?マジですの?!」

「本当本当。でも発掘が派手なのか迷宮でよく爆発起こすんだって。普通は捕まってもおかしくないほどやちゃっているのよ」


 更に2人はこそこそと話を続ける。


「あ~。でも何となく想像できますわね。それが分かる光景を近くで見ましたから」


 思い浮かぶ空船での戦闘の出来事を遠い目で思い出す。


「でもこっちは彼が捕まって大人しくしていたのが驚きだったんだよ。船が落とされた話を聞いて、そこに彼の名前があって、大人しく事情聞かれてるとか、え?本当に彼?って思っていたほど」

「確かに・・よく考えればあいつが大人しく捕まっていたのがおかしな話ね」

「でしょう?それにこっちは毎年人手不足でね。本人かどうか調べに行くの遅くなっちゃったって今に至るわけさ」

「人手不足ですか。分かりますわ~。学校に空船科の科目が入ったとか。お陰で最近は空船の操縦まで家で勉強するようになりましたの。今回その操縦が活かすことになりましたが」

「うんうん。迷宮までの領土編入。迷宮管理、今まで無かった空船産業。どこも人手も人材もいないし、育成も必須なって・・。この数十年ドタバタで今も収まりついてないし」


 その後も国のお家事情に振り回されてるあるある話に傾き、2人は盛り上がるのである。



 そして王城に到着すると。



「では私はこれで。エリアス様にお会いしに行きますわ」

「いってらっしゃ~い」

「さらば偽り人足軽よ」


 チチィ~。


「あんたは最後までちゃんと人の名前で呼ぶつもりは無いのかしら?」

「最初からちゃんと名前を教えない奴に名前が言われるとでも?」

「ぐっ。まあいいのよ。これで会うことはないと思いますからね。それではご機嫌よう」


 最後にそう言ってリリアは2人の元から去って行った。


「んじゃ、僕達は王様に会いに行かないとね」

「・・言うが絶対に頭下げるつもりはないぞ。自分は媚びる時は媚びるが今回全く敬う気持ちも媚びる気持ちも無いっ!」

「せめて謙虚にしてくれるかなお兄ちゃん。僕の首飛ぶようなことはしないでくれると嬉しいんだけど」

「はっ。敬いたければ敬われるだけの対応することだな」


 絶対に態度は変えるつもりはないらしい。

 う~ん、これなら大人しくしてくれていた方が良かったかもね~。

 元々裁判所によっては本気で国と相対する覚悟はあったので、これから面倒な事をやらされると思うとこれが唯一できるささやかな抵抗活動なのである。


「う~ん。想像以上にこのお兄ちゃんは面倒だぞ~」


 そんなエヴァンは心で叫ぶ。

 せんぱ~い、僕一人だど厳しい感じがするんですが~。保護して王様まで合わせるだけの簡単なお仕事じゃないんですけど~。

 顔は笑顔でも心の中では不安を渦巻きながら彼を王様のところまで案内するしかないエヴァンであった。


 そしてとある部屋まで案内すると・・・。


「じゃあここで待っていてくれるかな。まず王様に会う前に合わせておきたい人がいるから」

「お茶とお菓子」

「うん。手配しておくから大人しく待っていてよね?」

「トリックオアトリートって知ってるかい?お菓子求めて家に襲撃かける文化が「そこの侍女さ~ん、至急お菓子でも果物でもいいから持ってきてくれませんかーー?」


 絶対に良からぬことをするであろう前振りの発言に偶然廊下を歩いていた侍女達にエヴァンは必死に呼び止めるのである。


 んで・・・。


「んーーー。流石王城だけに出される物のお味は違いますな」

「・・満足そうで何よりです」

「うむ。与吉も大変美味だと喜んでいるぞ。見てみ、あの姿」


 ムシャァァァァアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ーーーーーーーー!!!!


 机に置かれた大量のお菓子の上では、与吉がとてもアグレッシブに豪快に食べている音で視線を向けなくても十分に分かる。

 与吉と呼ばれてる蜘蛛もまた普通じゃなさそうだな~~。まあ予想はしていたけど。


「・・与吉君も口に合って良かったよ」

「久しぶりにあの姿見たな~」


 そんな訳でお菓子に釣られていると。


 ギィ・・。


 ドアが開き、部屋に1人入って来る。


「本当に子どもなのか。まさかこの者も変装スキルやらで見た目変えてるなどなかろうな?」


 彼の姿を見るなり疑わしそうに視線を送る老人。しかし着ている服装から明らかに高官だと見て分かる。そしてその姿を見たエヴァンは、緊張した顔向きになる。


「あ~~。クラリオン君。こちらフェレストリア王国の財務大臣、カルロさん。うちの親戚の叔父にあたる人なんだ~」

「エヴァン。公私は分けるようにいつも言っているよな?」


 エヴァンの説明の仕方に強めに視線をカルロは向ける。


「そうなんだけどさ~。多分と言うか絶対・・う~ん、彼の一言を聞けば分かると思うけど・・。クラリオン君、カルロさんに何か一言」


 レポーターように彼に近づくとお菓子に夢中だったのか、カルロの存在を今確認したようで。


「ん?誰このじいさん?言うがこの菓子はうちらの物やぞ。ん?でも待て。なんか会わせたい人云々言っていたような・・。はっ!それがこのじいさんか!おい!さっさと要件話せよ。こっちは工国にすぐ向かいたいんだよ。あとこのお菓子はテイクアウトできますか!」


 思ってたを全て吐き出して喋る。


「はい。という感じでね。公私とか敬語云々じゃないんだよね。あとこれを王様に合わせないといけない」

「・・口が汚いとかそういうことじゃないな。エヴァン。少し耳を貸せ」


 そう言って2人は彼に背を向けるとカルロは素になって話す。


「え?あの子大丈夫?うちらの財源の何割かこの子からなんだけど?聞いていたより不安なんだけど?え?これいけるの?」

「カルロおじいちゃん。不安なのは分かるけどあの子さっきまで裁判掛けられていたんだよ」

「え?何やっちゃった系?」

「ほら軍艦を撃沈したあれ」

「あ~あれかー。あ。それで機嫌悪いとか?」

「それもね。でも何かやらされるのが嫌いぽっくてさ」

「え~。それお願い聞いてくれる?ちょっと君が売る魔導石がしばらく続くと思って予算組んだり、早く君の魔導石売れって中央国家から取立てが来そうだから、ちょっと現物用意できません?ってお願いするの無理そうだけど」


 そう。これが彼を王城にまで連れて来られた理由である。


 と言うのも彼が発掘したことになっている魔石や魔導石は戦略級と言われ、それ一つで隣国との軍事バランスが一気に激変させる程。当然そんなのが売りに出されれば、それを巡ってあらゆる国家による争奪戦を引き起こすことがしばしばある。


 そんなのを大量発掘しては売ってるのがフェレストリア王国のみ。そして今はただいま入荷待ち。いちよ予約の形で入手次第取引を開始すると各国に通達しているのだが、一部の中央国家から売るを渋っている、他国を優先し我が国を蔑ろにしてるのは何様だとご立腹してるのだ。


 つまりだ。彼ことクラリオンとフェレストリア王国は、短期間でポンポンと戦略級魔導石を作ってポンポンと売ったおかげで唐突に大陸の国家間で緊張状態が起こり・・・。



 世はまさに大戦争時代!!なんてことが起きる2、3歩前にさせていた。

 


「空船事業はお金掛かるからな~。あの魔導石が高値で売れるのは国として良かったんだかな~。どうしてこうなっちゃったのかな~~」

「カルロおじいちゃん。気をしっかり持たないと駄目だよ」


 フェレストリア王国ももちろん戦略級魔導石の価値は理解している。が、国家事業の改革で、資金が色々と必要なこともあり資金工面の一つとしか見ていなかった。なので中央国家のご立腹でようやく大陸間の緊張状態を把握した始末なのである。

 そして戦争が起きれば巻き込まれる事が必至となることを理解した王城内では、胃痛者が続出したらしい。



 ともかく大戦争を回避させるには、中央国家群に彼の魔導石を平等に売り、軍事バランスの差を無くすことである。少なくても中央国家間が戦争を起こさなければ、大戦争は起こらないはず・・と思いたいな~と(遠い目で)フェレストリア王国は考えたのである。



「与吉与吉。とりあえずこっちのは今食べて、あっちのは長持ちしそうだからテイクアウトしよう」


 チチ。チィチ?


「果物系入っているから長持ちはしないな~。あ。メイドさんこれお代わり。あとこっちの四つテイクアウトできますか?」


 なお彼はそんな事を露程も知らずテイクアウトを淡々と頼む。

 気を取り直してエヴァンとカルロは顔を引きつかせながら笑顔で彼に話てみる。


「あの~そう言えば工国に行きたいとか何かクラリオン君言っていたけどさ」

「お金とか必要じゃないか?ほら、旅はお金掛かるって言うし、うち財務大臣だからちょっと融通利くよ?ちょっとお高く魔導石買っちゃうこともできるんだよ?」


 そんな2人の言葉に。


「別に。とにかく工国に行きたいんだよ。もうね、そろそろ工国に行く目的忘れそうなの。忘れる前にさっさと行きたいんだよこっちは」


 忘れかける工国に行く理由。空船建造に難航して、今はゴーレムについて調べる為に向かうこと。そしてその過程でミヤちゃん達と契約記号紙で交わしたお土産問題。

 あ~そうだ、ミヤちゃんからお土産2tとか言われたんだよな~。あと行く日数とか決めていたような・・。あ~でも予定って書いたから厳密な日数じゃないから大丈夫か。大丈夫だよな?


「あ~思い出したくない記憶が蘇る・・」


 あ~。と項垂れはじめた。


「あれ?また大人しくなった」

「彼情緒不安定過ぎない?」

「お前らは分からんだろうな。何かするにつれて遠回りや負担が押しかかる辛さが」


 彼は2人にスッとミヤちゃん達と約束した工国に行く条件の契約記号紙を見せる。


「あれ?これさっきの裁判用の記号紙・・じゃないね?なんで個人でそんな高価な記号紙持っているんだい?」

「しかも内容がまた・・。記号紙に書かせる程でもなくない?」

「うん、自分も書かせるもんじゃないと思うんだよね、でもこれが現実なんだ」


 相当辛そうな彼の様子に2人はピンとくる。


「あ。クラリオン君、この記号紙に書かれてるお土産、こっちで何とかしようか?」

「ッ!!マジか!」

「ああ。あとお土産2tと言うのはよく分からんが、まあ弁護士に見せれば良い対策もしてくれよう。もし必要なら運搬用の空船の手配もしておくし、工国までの往復の空船も用意しよう。儂、大臣だから余裕だぞ?」

「おお・・。おおおおおおーーーー!!!!」


 今までの工国までの苦労の道のりを考えると彼にとっては大変ありがたい内容。しかもここから工国まで直通で往復もできる道のりは余りにも魅力的だった。それにカルロは手ごたえを感じて・・・。


「それで条件ではないが・・君の発掘してる魔導石を売ってくれないかな?」

「今の手持ちがこれです」


 速攻で彼は手持ちの魔導石を差し出す。


「あ~出来ればこんぐらいあれば嬉しいんだが・・・」


 口には言いにくいのか指で数を示すが。


「う~ん、一旦町に戻って素材用持って来ても・・。迷宮で魔石取りに行かないとむ「なら迷宮まで船を出そう!もちろん数を用意すれば、その場で工国に行けるようにしよう。どうだ?」

「ん~~・・・・・・」


 食い気味にカルロは彼の言葉を遮って提案する。それに彼は悩み声をあげる。町に戻ればミヤちゃんに遭遇する確率があるから悩ましいようであったが・・・。


「ふっ。今まで交渉には裏があって散々な目に会ってきたが・・・いいだろう。裏があったとしてもこっちのデメリット要素は最小。交渉成立だ!」

「ああ。交渉成立だな」


 彼はカルロと握手を交わす。大戦争は回避された。

 2人の握手にエヴァンは深く安堵する。

 はあ~~~。クラリオン君がどんな事をするのか心配したけど、本当に何事も無く済んで良かった~~。あとは王様に合わせるだけだ。


「じゃあお兄ちゃん。これから王様のところに行くけど、お兄ちゃんを呼んだのって今の魔導石での話のことだったんだよね」

「なるほどそうだったのか。あい分かった。上司である王様とは穏便に話そう」

「その言葉信じていいのかな~?」

「ふっ。何を言っている。こんなwinwinな交渉を無くすような真似はしないさ。媚びる時は媚びる!今がその時!」


 この強気と言うのか媚びと言うのかそんな態度にエヴァンは再度思った。


「う~ん、やっぱりこのお兄ちゃんは面倒だな~」



 それから再び時間が立って謁見の間に連れて行かれ・・・。



「おお、君がクラリオンか!いや、かしずかんでいい。君が発掘した魔石が我が国に大きな支えなってくれていた。今回その礼が言えて大変嬉しく思うぞ」


 王様とご面会。


「勿体ないお言葉です」


 そして今まで見せたこともない礼儀正しくお辞儀斜め45度で頭を下げる。

 わ~本当にさっきまでとは態度が違うな~。

 エヴァンは彼の仕草に空笑い。


「しかし君の魔石で戦争になるとは。だがカルロから聞いたぞ!足りない分の魔石を発掘してくれるとはっ!本当にっ!本当にっ!礼を言う!!」

「ん?え?まあ今一状況を呑み込めませんが、今はお互いがお互いを必要としている時!ならば協力するのは必然!魔導石は必ずや必要な分を用意しましょう!安心ください!」

「子どもながら頼もしい言葉だ!君だけが頼りだ!」

「お任せてください!直ちに迷宮に向かわせてもらいます!」


 こうして王様から熱い信頼を得た。


 それから・・・。


「カルロ。口や態度が目に余ると言っていたが礼儀正しく熱意ある子ではなかったか」

「王様。あれは猫を被っていると思って下さい。王様に通す前に話しをしましたが、あれちょっと頭が危ない子です」

「そうなのか?」

「ええ、交渉次第で全く手を貸さなかったと思います」

「私にはそうは見えなかったんだがな」

「王様。世の中例外という人は多いんですよ・・・」



 それで彼は・・・。



「これから共に迷宮の町オヴェスト・トレンボに向かう船員、同士達よ!よく聞け!お前達には町に着いたら仕事をしてもらう!」


 これから迷宮の町に行く空船の上で勝手に演説ぽっいことをしていた。


「一つ、シルル教会にいるミヤちゃんと言う獣人幼女を探せ!迷宮には寄らせるな!教会に籠らせろ。そして刺激させるな!あれは普通に人を殺す。ソースは自分だ!お菓子とか武器とか興味があるからそれで釣らせろ!」


 もちろん周りは彼の声に反応はするが聞く耳持たず。しかしそれでも気にせず演説を続けた。


「だがお前達が言いたいことも分かるっ!大した金を出さず薄給で、ボーナスも無く、労働組合の設立も許されない憐れな自分達が何故そんな危険な場所に行かされるんだとっっ!」


 別にそう言うわけでないが突き刺さる言葉に流石に目を向け始める。


「だが約束しよう!危険な仕事であるからこそ、それ相応の見返りがあると!!我が名であるクラリオンに誓おう!」


 クラリオンと言う言葉に周りは少しざわめき・・・。


「お前達も何処かで我が名を聞いたことはあるだろう、善し悪し流れる噂を耳にしただろう、それを聞いて思うところはあるだろう・・。だがっっ!これだけは!言わせてもらおうっっ!!!!」


 無駄に一呼吸おいて。


「我が名はクラリオンッッ!!迷宮の町で魔石を売り、巨万な富を築き上げた大富豪である!!我が実力で得た自慢の功績だっ!だが大金を得たが故に散財癖が着いた愚か者だ!はっきりと言おう!!私は欲しい物を得る為に多額の金を使うことに迷いはないとっ!!成功を収めるために惜しまないとっ!」


 一体何を言いたいのか。次の言葉で周りは騒いだ。


「お前達が惜しみない実力を発揮できるように!私が欲しい物を得るためにっっ!!この仕事に賛同する者に1人20ハクだっ!!20ハクの金を分け与えよう!!」



 彼らの給料に換算するなら数ヵ月分ぐらい。臨時報酬でもこれはかなり美味しい話であるのは間違いない。


「無論働き方次第ではボーナスもある!今の20ハクは最低金額。場合によっては・・1オウカも稼ぐこともできるっ!」


 オウカの金額に更に周りは騒めき、何人かは彼に聞き返すも・・・。


「我が言葉に偽り無し!すでにここに契約記号紙に今の内容を書き記した物がある!あとは名前を書くだけで契約成立だ!」


 彼はビラのように周りに契約記号紙をまき散らす。それを周りが手に取って確かめると・・・。


「マジかよ。本当かよ」

「嘘・・じゃないだと!?」


 などなど騒ぐ。そして彼はタイミングを見計らい・・・。


「お前らっ!着いて来る気はあるかっっ!!!」


『オオーーーッ!!!!』


「声が小さい!!」


『オ゛オ゛オ゛ーーーーーーーーーッッッ!!!!!!』


「よっしゃあああ!!出港じゃぁぁぁああああああーーーーーー!!!!」


『ヴオ゛オ゛オ゛オ゛ーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!』


 鼓舞するの上手いな~。する必要があったのか知らないけど。

 この光景にエヴァンはこの先が不安で仕方なかったと語るのであった。

明けてしまっておめでとう!もう日数立ってるけどおめでとう!


話が全然っ進まん!!投稿も月一間隔になっているし、はあ・・辛い。でもこれからも書くよ。


あ。あと新年の抱負は小学生時代に戻りたいです。もはや抱負じゃないけど最近よく思います。

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