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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
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第26話 皆さん、自分と与吉は今どこにいるでしょう~か?

 前回の話。空船建造を一旦保留にして、ゴーレムを手にしようと何とかミヤちゃんから工国に行く許しを得た彼ことクラリオン。しかし出発直後、逮捕されるオチがあった。



 そして時は立って・・・。


「皆さん、自分と与吉は今どこにいるでしょう~か?」


 チィ~チチ?


 いきなり始まるクラリオンと与吉を探せ。


「正解は工国・・!じゃなくてまだオヴェスト・トレンボの隣町だよ畜生っ!!」


 一人でノリ突っ込みする彼は、やっとの思いで町から出て工国に着いたと思えばまだ隣町までしか移動していなかったのである。


「刑務所行きになったけど賄賂で次の日には出れたまでは良かったっっ!だけどっ・・。あいつが、あいつが待ち構えていたんだっっ!!」


 なので逮捕されてから町に出るまで何があったか過去を振り返りながら隣町に着くまで何があったのか軽く教えよう。


 チチィ(まさかの初手回想)・・・。



 それは彼がブタ箱から出所した時のことだった。荷物は全部返還してもらい、意気揚々と彼と与吉は空船港を目指すもそこにはあいつがいたのだ。


「出所は短くても10日は掛かると思っていたのにね~。朝一で連絡が来たんですもの~。まさかこんな早くお迎えするなんて思ってもいなかったわ~」


 フレアである。どうやらギルドは刑務所の情報まで網羅していたらしい。

 とのことで彼は今度はギルドに連行されて行くのだった。


「最初逮捕した時さ、ギルドの管轄じゃないとかそんな云々言ってませんでした?」

「法で裁けぬ悪ならギルドで裁く場合もあるのよ~」

「わー。ギルドって怖いなぁ~」


 そんな話を挟みつつその後ギルドで軽く尋問。なお、その時の彼が語ったのは、刑務所で嬉しいことがあると踊ってしまう病でスリラーを踊っただけとか何とか言っていた。


「自分はただ踊っただけなんだっ!ポケットにたくさん小粒の高質魔導石を入れていたけど!お一つお値段高値で売れるけど!踊ってる最中にポロっと一つや二つ落ちるかもしれない!でもきっと完コピの踊りに感動して出所を早く許してくれただけかもしれないじゃないかっっ!!」

「今度は監獄10年行きかギルドの奉仕活動の参加に反省文どっちがい~い?」

「自分は教会によく行く慈善溢れる心の持ち主!奉仕活動なんて簡単よっ!」


 10日間ギルドで雑務、書類仕事をされた。しかも定時と言う概念は彼には当てはめてくれなかった。まあ寧ろその程度で済んだのは不幸中の幸いだったかもしれないが。


 そしてギルドのブラック活動を終えて本当にやっと空船港に向かうも・・・。


「・・おかしいな。相場の100倍のお金出すと言ってもどこも乗せてくれないのは何故だろう?」


 行政からのブラックリスト入り。以前に騒動起こしたこともあって、どの船からも乗艦拒否されてしまうのである。


 チィ~・・(いつになったら行けるのかな~・・)。


 しかし彼にはボードで飛べるから空船に乗らないで自力で行けなくもない。が、道のりがどの程度なのか分からないので、迷子になるようなことはしたくないのと普通に空船に乗りたかった。


「・・・・すっごい気が滅入るけど。仕方がない。一番頼りたくない人に頼もう」


 そこで彼が向かったのはパレス工房。以前に自称美男子のお兄さんが空船を用意してくれたことがあったので、唯一空船を用意してくれる可能性があったからだ。

 もし条件とか出してきたら諦めて自力で行こう。


 そう心に決めて会いに行くと・・・。


「やあやあ。久しぶりかな?刑務所に行ったりギルドで雑務されてるとか噂は聞いていたよ。それで一体何の用でここに来たんだい?」

「・・・駄目だ。顔を見たら頼りたくなくなった」

「相変わらず君はいつも通りのようだね」


 それでも内容と話すと二つ返事で空船を寄こしてくれると言ってくれた。

 え?胡散臭すぎるんだけど?


「まあそれでなんだけど、少し簡単な頼みをしてほしいことがあってだね」

「よし与吉。食料の買物に行くぞ~。ボードでの旅になりそうだ」

「いや本当に簡単なことだよ?少し前に武具の素材の金属を注文したら粗悪品でね。他の金属の混じりが酷く多くて分離に苦労してるのさ。良ければその分離の手伝いと・・そうだ。武具の製作もしてみないかい?また色々と学べる機会もあっていい提案だと私は思うんだけどな?」

「ん~~~」


 別段彼すれば難しくない条件。詳細な内容もあとで聞くも問題になる内容も無かった。だが相手が相手なので迷うも彼は結局引き受けた。


 ほお。やはり彼は思っていた通り大体の金属は操作できるようだ。

 お兄さんは軽く微笑む。と言うのも彼に分離させてる金属はどれも希少金属ばかり。そう簡単に操作できるものではないからだ。

 ん~そうだな。ここまで順調ならこの希少金属で彼に武具を作らせてみようか。出来が悪くてもそこらにはない武具は作れそうなわけだし。商品としては申し分さなそうだしね。

 もちろん彼はそんな事情も知らないし、分別していたのが希少金属だと言うのも分かっていない。


 そしてパレス工房でも10日間経って・・・。


「やっと空船に・・・」


 チチィ・・。


 やっと町にお兄さんが手配した空船が来てくれた。いちよ口裏として彼は工房の見習いとして乗せる手筈になっている。しかしそんな事はどうでもよかった。彼はあることを失念していた。彼がいる町は東西南北全てが未開拓地で作られた町。即ち隣町に行くのに空船を使っても10日間掛かる遠い場所であることを分かっていなかった。

だから最初隣町に着いた時は工国に着いたと思ってはしゃいでいたら、船長が「いや、お前ここ隣町だぞ?」と言われたから「ん?」と理解するのに時間を呈したほど。


 以上、隣町に着くまでのに隣町に着いた出来事を含め1ヶ月の苦労を思い出すのだった。


 

「たかが隣町に着くのに1ヶ月掛かるってどんな初めての旅だよっ!いや、空船の生活は斬新で楽しかったよっ!?でも空船のやつら『いや、うちらこれから工国とは反対のこの国の王都の方に行くんで』とか降ろすしっ!自分、子どもやぞっ!?心配しないんかいっ!」


 中々思い通りには進まなすぎて騒ぐも程なくして彼は落ち着きを取り戻す。


「はあ~。仕方ない。ここでどこかの船に乗せて・・・もらえるのかな~~・・・」


 しかし不安は尽きない。


「どうしよう。この隣町でもしばらく過ごすはめになるのかな~。与吉どうしようか・・?」


 チ。チッチ?(泊まるところを見つけるべき?)


「あ~。そうだね。一発で船に乗せてくれるところなんているはずもないよね」


 と言うことでまずは宿探し。そしてこの隣町についても色々と知った。

 この隣町の名はノルド。最初は人口50人にも満たない村であったが、迷宮が発見された当時ここを拠点としながらオヴェスト・トレンボの町の建設資材やら人員の駐在拠点となり、村から町に変貌したそうだ。


「なるほど。外観がオヴェストに似てるわけだ」


 チィ~。


 またノルドはオヴェスト・トレンボの町の建設モデルとしてもなっていたらしく、ある意味オヴェスト・トレンボとは姉妹都市みたいな関係でもあるらしい。

 そしてノエルの町最大の特徴はオヴェスト・トレンボに()()通じてる町であること。ここから各地方に迷宮資源が行き渡る貿易都市の役割にもなっているのだ。

 

「しかも人柄と言うか職種の違いと言うのか商人が多いような・・気もしなくもない」


 チチィ?


 迷宮資源でもある魔石やモンスターの部位などを取引する為に多くの商人が見えるのもオヴェスト・トレンボとは違う風景があり、商人の見習いである子どもらしい姿もちらほら見えるのもオヴェストとは違う雰囲気である。


「オヴェストは冒険者中心。ノエルは商人中心って感じなのかな~。んーー、こう見ると人が旅したくなるも分からなくもないな~~」


 途中から観光気分で町を散策を始め、色々と目移りしてきた。しかし彼は気付いていない。ここでも大変目立っていることに。


「おい、なんだあれ?」

「なんか四角いのが飛んでるな・・」

「あれは鉄・・板?いや、なんで飛んで・・」


 ここでも変わらず彼はボードで飛んで町の中を移動しているのである。


「あ!オヴェストで噂になってるあいつじゃないか?」

「あいつ?あいつって誰だ?」

「なんだ知らないのか?迷宮に潜る子どもいるそうなんだが、そいつがとんでもねえ魔石やら魔導石を発掘した話だよ」

「ああ。あの魔石か!確か魔導石に至っては戦略級、中央国家でも釘付けになる魔導石らしいってな」

「もう既に買い付けたらしいぞ。しかも護衛船100隻でのお出迎したらしい」

「そりゃあすげぇわ」

「けどな。あいつのは噂はそれだじゃない」


 まだ裏があると言いたげにそこだけはわざと小声で話し始める。


「何でもその魔導石の発掘の為に落盤させるほど爆発起こして発掘してるらしい。周りに人がいてもお構いなしだそうだ」

「おいおい。落盤って・・迷宮じゃあタブーだろ。流石にギルドや兵が黙ってないだろ?」

「だがな。それでもあいつのが持ってくるのは戦略級の魔導石。そんな掘り手を失う痛手は・・したくないだろ?」

「見逃しているのかよ」

「さあな。まあ流石にそこまでは分からんがそう噂になってるらしいがな」

「はあーー。そんなヤバい奴なのかよ。うわ。関わらんでおこ」


 誤解ではないが誤解に近い噂が飛んでる姿が見える度に広まってるいるのを彼は分かってないのである。


「あ。宿屋ぽっいの見っけ。お、あそこにもあるな。どこの宿屋に泊まろうかな~~」

 

 チ、チッ!


「ん?あれ?別にいいぞ。じゃあ泊まれるか行ってみるか」


 その後、彼らが宿屋に泊まれるかどうかは言うまでもなかった。

2020.09.03 一部行数ミスのところを修正。

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