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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
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24.5話 工国について

 特に本編とは関係ない設定の話です。

 工国。そこは今クラリオンがいる国同様の辺境国家の一角である。しかし国の存在としては異質であり、この辺りの辺境一体に大きな影響力を持った国であった。



 工国の成り立ち。



 そもそも工国は元々国ではなかった。異常なまでに物欲が強いどこかの元貴族の男が自分の収集物を置く場所の為だけに私邸を建てようとしたのが始まりだった。

 男の生い立ちは不明。何故貴族を追われたのか、そもそも貴族だったのか今でも議論の話題にされる時があるが、ただ分かっていることが男は多くの財産と資産を持ち、生涯において不自由な生活に無縁であったそうだ。


 大抵の人は男がどうあれ大金と物欲から浪費家と思い浮かぶ。しかし男は決してそうではなかった。偶然か奇跡か男は商人の才覚があったのだ。

 男は物欲は強いも見飽きたコレクション品などは売り払っていた。ただそれが最初買った値段より何故か高値で買われるのだ。今では無い品、地域によっては高値、普段からある物だが非常時で高値になっていた、などなど。とにかく高値で売れてしまう。


 商人ならばそれは凄い才能であると言っても良かった。が、当の本人は元貴族であったからかそれが商人に向いているとは思ってもなかったらしい。


 こうして更に大金を得ればまた多くの物を買い続けた。しかし物には限度がある。買っても家に飾る場所も置く場所がなく、廊下には無造作に物で溢れる始末になっていくのだ。こうなると今度は新しい私邸を買ったり建てたりして、また新しい置き場を作る。

これを繰り返し別荘がもう500戸以上になった。


 それに男は悩んだ。

 欲しい物は買った。目に付いた物も全て買って、全てを物を揃えた。ミシャロ商会が出す食玩のシークレットもだ。シークレットだけで100種類超えるとか糞だったが全部揃えてやった。だが目にしたい物を見に別荘の往復は面倒だ。どうにかならないだろうかと。


 「ああ。そうか・・これを建てよう」


 そして男は今の私邸に飾ってある何百枚とある絵画の中で一枚の絵画を見つめた。それは誰が描いたか分からない空想上の『バベルの塔』の絵画だった。

 これが始まりとなった。あれと同じ物を建てて家にしよう。そこに自分が持つ全ての物を置こうと。


 そこからが凄かった。かなりの巨大な建物になるだろうから、作る場所は周辺に人もいない辺境の地で作ろうと思った。そして自分の収集物を全て作る場所へと大輸送させる。物だけで数百万点。しかも物の中には者もいる。従者、奴隷、愛玩、稀少種族、おまけに付いていた者、etx・・・。それだけで1万人弱もいる。しかも冒険者ギルドに護衛を頼み、総勢3万人強の大輸送となった。これには周辺国家も何事かと慌てふためいたそうだ。


 そしてこの大輸送が目的の場所に辿り着けば、また凄い勢いで建築が始まった。男のバベルの塔の建築もそうだが、そこには最低でも1万弱の人も住むんだからインフラ整備や仮設住宅も必要となってくる。こうなるともはや町づくりに近かった。


 しかし建設場所の国の国王が建築をやめろと言ってきた。それはそうだ。自国民の半数規模で人が来ては、町やらバベルの塔みたいなのを建てるんだから、止めに入るだろう。

 これに男は怒った。これでも正式な手続きを済ませ、土地を買い、その目的もちゃんと私邸を建てる為と伝えてはいたのだ。しかし暴力や事を無視して荒らげるようなことはしない。男に出来ることはただ一つ・・・。


それは建設の邪魔になるものを全部買い占めることだけだった。地位、名誉、権利、領土も丸々全て買い取り、自分の邪魔するものをいなくさせた。そしていらない物や権利は隣国に売り、代わりに隣接する領土を買い取る始末で領土拡大までさせた。


 そして男は国王になってしまった。ただ自分の収集物を置く場所の為だけに私邸を建てようとしただけで、王になるつもりなんてなかった。だからか政治は奴隷達に執らせて任せていたと言う。


 それだけでもとんでもないビックニュースであるが、そんなの関係ないと周辺国家を動き回る人達が現れた。そう、それは商人達であった。数万人と言う大規模な人の流れ、大輸送の中にある品や金目の物、これに商会や商人達が食いついた。無論、男は見飽きた物を売るだけだが、辺境に地にはお目に見えない中央大陸の道具や技術もあり、それらを学ぼうとしたり真似しようと商人以外の人達も集まるようになって、そこで物作りは行われ、いつの間にか工業産業までになる始末・・・。



 かくして工業まで発展させる結果を作り、辺境の地に巨大な物流を生み、今では工業国家を取って工国と呼ばれてるようになっていったのが工国の始まりである。


 なおその後の王様となった男は、塔の完成と自分のコレクション品を愛でることだけに生涯を懸けたが塔は未完のまま生涯を終え、その後の塔の建築は政治を執っていた奴隷達に即中止にされたと言う話題が残されている。

 次の話で工国に行く話の流れを作ろうと思ったんだけど、工国をどんな国にしようか設定を色々と考えたら・・なんかこここまで設定を作り上げてしまった。

 補足コーナー枠にしようと思ったけど、そこまで重要でもないから「う~ん」と悩んだ末、まあとりあえず投稿するかと投稿しただけの文です。

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