第23話 身体の一部か・・
前回のお話。空船建造を一旦保留にすることにした彼。その間何もすること無くなったので、以前ミシャロ商会で買った謎のコアについて調べてみることにしたのである。
「・・・・・・」
うーーん。
「・・・・・・」
んーー。
「ん・・」
カチ。
ピーー。ピーー。ピ。ピ。ピーー。ピーー。ピ。ピ。ピーー。ピーー。ピ。ピ・・・。
「・・・・」
ピーー。ピーー。ピ・・・。
え。ホント何この現象・・・。
コアを通電させようとすると、通電が途切れ途切れに鳴る発電装置。さっきから何回か試しているのだが、何でこうなるのか全く原因が分からずにいた。
「しかも何回か途切れるリズム違うし。えーー、これ何かのエラーメッセージ?その内三三七拍子しだすわけじゃないよな・・」
最初途切れ途切れに鳴り始めた発電装置にその後どこか不具合がないか確認してみたが、これといったことはなく正常に動いていた。
我ながらこの発電機は上手くできたよな~。記号式はコピペだけどさ。
「ふぅぅーーーむ・・・。となると原因はコアしかないんだよな~。接点が悪いわけじゃないだろうし、どこか回路が切れかけてるわけでもなさそうだし・・・。何かそうさせる仕組みかプログラムされてるとか?」
・・・やっぱり何も分からん。
これが不具合によるものか意図的なものかすら判断が付かず仕舞い。
チッチィーー。
「あら与吉、お出掛けしてたん?」
チチ。
そしたら部屋の窓から与吉が入ってきた。どうやら買い物に行っていたようである。
「そう言えば最近いない時多いな~とは思っていたけど」
チチィ。チッチ、チーチィーー。
「あーー。それでお店に?ああ、ごめん。今この謎のコアが謎の現象起こして、どう判断すればいいのか悩んでいてさ」
チチィ・・。
「あーでも、そうだな・・。あ、そう言えば与吉の武器?防具・・だったけ?忘れ・・未完成のやつあるじゃん?あれを包丁とかフライパンとか持てるように改造してみるよ。もし自分で料理してみたくなった用に」
しばらく与吉に構っていなかったから何かしてあげようと彼は、結構前に与吉の武器か防具みたいな物を途中まで作り掛けていたやつをコアの一件で思い出して、与吉にプレゼントしようと思ったのだ。
チッチ。
「うん、勿論包丁、フライパン、まな板、調理道具一式与吉サイズに合わせて作ろう。あ、でもフライパンは鉄フライパンになりそうだから油ならしは自分でしてくれ」
これに与吉はどこか満足そうであった。
チチィ~~。
「うむうむ。ついでに料理服とかコック帽もオーダーメイドで頼んで用意してあげよう」
チィ~。
ちょっと嬉しいのかちょこちょこ動き始めた。
んーー可愛い。
それから数日・・・。
「う~ん。これも駄目か」
あれからも色々と彼はコアを試した。ミシャロ製簡易顕微鏡を使って通電中の様子を目で見える範囲で何か分からないか、電気の流れが見えるスキルを作ってみようとしたりした。しかしこれといって原因は分からなかった。
「あーーー。これもお手上げになりそうだな~~」
ピーー。ピーー。ピ。ピ・・。ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピ。ピピピ・・・。
「あ~~。また変な感じで鳴り始めたな~・・。これに何の意味があるのか」
チ~・・・チチ?
端子にピンを繋げぱっなしにして音が出る発電装置に与吉も耳を傾ける。最近この「ピ」と鳴る音を聞き流していたのだが、調理道具一式に料理服とコック帽を貰って、手伝えることがあればと思って耳を澄ましてみたのだ。すると・・・。
チッ・・チ?チィ・・チチ?チチチ・・・?
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピーー。
チチィ?チチチチィ?
「・・・会話しとる。え?与吉には分かる系な何か?」
与吉とコアが会話をしてる雰囲気にまさかと彼は思った。そしてその後も与吉とコアは会話は続いた。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピピ。ピ。
チチ?チィ~・・・。
う~ん。本当に会話しているのか・・。だとしたら意思疎通ができることを教える為に今まで通電を切ったり繋げたりしていたと・・。そして与吉には伝わったと・・。う~ん、だけど何で与吉?まさかモンスターの一部だったり?こう何か機械モンスター的な・・。高度文明によって生み出された機械モンスター・・・。
「・・あり得なくはないな」
こっちでこちっも何か色々と妄想し始めた。
チッチ!
会話が終わったのか与吉が彼に声を掛けた。
「おお、与吉。どんな話が出来た?言葉普通に通じる系の相手だった?」
しかし。
チッチ(こいつ言葉通じねぇ)。
前脚でブンブンと横に振ってジェスチャー。
「じゃあさっきまでの会話ぽっいあれは!?」
チチィ・・チー、チィ?
「え?でも何か言ってるのか分かったの?」
チー。チィ~?
「赤ちゃんみたいで曖昧って・・」
どうやら会話が出来るものではないらしく、向こうが一方的に話しているのこと。しかもどうも言葉の所々がよく分からなく、喋り方が赤ちゃんに近いらしい。
それで結局・・・。
「でも何か言ってるというのが分かっただけでも大きな進歩」
とりあえず発電装置の不具合でもコアの故障でもエラーでもないことが分かっただけでも良かった。
だけどな~。そろそろミヤちゃんの迷宮探索が始める日が近くなってきたんだよな~。やっと色々と分かっていけそうな時に・・。
なので。
「んー、与吉さんや。お小遣い一日10バレルでコアのお守りで何を言いたそうなのか、しばらく聞いておいてくれないかい?」
チ(やる)!
お金が貰えると言うことで与吉は速攻で返事した。こうしてしばらくの間、コアについて与吉に任せることにしたのだ。
「あ。でも与吉、別に本当にお守りとかはしなくていいんよ?」
チ・・・。
それを聞いてボトっと持っていた物を落とした。コアの周りには、糸のハンモックに何かの部品(おもちゃ代わり)、食べ物と本当に子守をする気でいたようであった。
そして次の日には彼はミヤちゃんの迷宮探索に行き、今日から部屋にはコアと与吉だけになった。
チィ~~。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
チチィ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
チィ~・・。
何か言いたいのは分かる。けど一体何を言いたいだろう。と与吉も頑張って聞いているがやっぱり何か言いたいのか分からずため息が出る。
チチィ・・(これ、ずっと聞いて分かるかな~)。
ある種苦行になりそうだったが、それでもお小遣いが貰えるから根気よく耳を傾け続けた。
それから数日・・・。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピピピピピ。
・・・・・。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピ。ピピピピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピピピ。ピピピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピ。ピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピ。ピピピピピピ。
・・・・・。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピピ。ピピピピピピピピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピピピ。ピピピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピピ。ピー。
チ~~・・。チィ~~~・・・・。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピ。ピピピ。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピピ。ピピピピピピ。ピー。
チッ!!チチチッッ!?
来る日も来る日もずっと「ピ」と鳴る音を聞くだけの与吉。しかし突然ずっと聞いている内にハッ!とあることに気付いた。
それから10日後。彼はミヤちゃんとの迷宮探索から帰還。
「与吉~ただいまー。お守り大丈夫だった?あれから何か分かった?」
彼が迷宮から帰ってきたところで、与吉は今まで聞いて分かった事を彼に教えた。
チッチィ~~。チチィ。チチチ・・・・。
与吉曰く、どうも何か身体の一部について言っており、それを一定して繰り返し言ってるのこと。しかも身体の一部以外のことも言ってるぽっいが、それが何なのか何を言ってるかまではどう聞いても分からなかったようだった。
「身体の一部か・・」
チチィ。チッチ(あと数も言っていた)
「数?」
チ、チッチ。チチチ、チィー。チチ。
「一、目?三、足?」
チィー。
「さっぱり分からん」
謎が謎を呼んだ。それでも彼はいちよペンと紙を取って、メモ程度に内容を書き記しておく。
そしたら。
バキ・・。
「クラ」
「・・ミヤちゃん。ナチュラルに部屋の扉壊して来ないでくれるかい?もう何回弁償したことか。んで、何の用ですか?さっき迷宮から帰ってきたばかりなのに」
ミヤちゃんが来襲してきた。
「なんかこれ熱くなってる」
「ん?短剣一号が?んーー。ん?あ、これグリップ内部の記号式潰れてない?いつからこんな感じ?」
どうやら短剣に不調が出ているから、彼のところに来たらしい。
「最近。さっきいつもより熱くなった」
「最近か~。でもグリップって金属仕様だったはず・・。ん?あれ?金属を変形させる程の握・・力?」
しかし正確には火導石の熱による熱膨張とミヤちゃんの握力によって、日頃からグリップ歪んでいったのが原因であるが、それは置いておき・・・。
ピピピピピピピピピ。ピピピピピピピピ。ピピピピピ。ピー。
ピピピピピピピピ。ピピ。ピー。ピー。
「なにこの音?」
「音による会話的手段の・・何か?」
「・・・・」
「いや、ほんとそんな感じで。と言うか一旦短剣オーバーホールしないと駄目かもな。んーー。ついでに二号も貸して。二つ共見るから。あー。あと記号式も新しいので組もうかな。多分性能と魔力伝達精度は良くなるはずだし」
「分かった」
今は短剣を直す方を優先しないといけなそうだった。
それから数時間・・・。
「うん。まあ、こんな感じか。相変わらず二号は水じゃなくて氷が出るけど。それ以外は程よく改良出来た感じだな。で、しばらく魔力伝達に異常ないか確かめたいから・・。そうだな。この魔導石を繋いでしばらく様子みるか」
とりあえず一通りのことは終わったようである。その間暇をしていたミヤちゃんは、机に置いてあったペンと紙で与吉と一緒に何か絵を描いていた。
ミヤちゃん。インクと紙は地味にお値段するんだぞ・・。
「直った?」
「直ったけど、しばらく魔力伝達の効率具合知りたいから様子見」
「ふ~ん」
しかしミヤちゃんは分かってない顔である。
「あとクラ。この音・・」
「だから音による会話的手段で・・」
再びミヤちゃんが音なる発電装置に指を向け、それに彼はもう一度説明しようとするが、ミヤちゃんが遮って言った。
「なんで身体のこと言ってるの?」
何も音の内容も教えてないのにミヤちゃんは言い当てたのだった。
2020.06.24 文の一部修正。ピの文字のところです。打ち間違いの個所があったのでそこを修正しました。
2021.12.15 脱字一部修正。




