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自由に気ままに異世界大陸指名犯 ー空賊ライフー  作者: クラ108
エピソード0 まだ最初の時
31/82

第16話 ミヤちゃん!!暴力、暴力で決めてはいけない!

 前回のお話し。ミルティアの課題クエストでプリエオルバに寄生する山菜採取をすることになったミヤちゃんら。迷宮初日はメルンパーティーと再会したり、触手を見たりとまずは気の向くままに探索したのだった。



 最初の迷宮探索から7日後・・・。


「中層の大体は見て回りましたが・・プリ何とかは発見できていませんっ。はいっ。何か案ある人!!」

「よく見て探す」


 チチッチ(諦める)。


 現在、迷宮中層でミルティアの課題クエストであるプリエオルバを探す彼らは、今日までずっと手掛かりすら発見出来ずにいた。

 期限まであと12日間。この状況を打破すべく相談するもしても今のところまともな案が出ない始末になっていた。


「と言うかボードで結構な範囲探しまくっているのに見つからないとか・・。これもう駄目じゃね。時間の無駄なら新しい記号式作って武器とか道具に彫りたいんだけど」

「だめ」

「えぇ~。もう中層で回ってないところだと、横道に繋がってる小道ぐらいなんだけど。あそこ飛びにくいし、入り組んでいるからあんま行きたくないんだけどな~」


 こうなってくると今まで見逃していた小道周りを地道に探すしかなくなる。しかし面倒だから彼は行きたくない。


「じゃあさ、ギルドで情報を集めよう。無闇に飛んで探しても見つからないし」


 なので自分が楽になる方へとミヤちゃんは誘導する。


「・・・・・・分かった」


 納得していないがミヤちゃんからのお許しに心の中で、彼はガッツポーズする。

 っしゃっ!これで休みじゃけぇ!!



 とのことで迷宮探索を切り上げてギルドに行くと・・・。



「う~~ん。プリエオルバね~」

「フレアさん。そう言うのギルドで聞きません?」

 何の遠慮なく貴賓室に入ってお菓子とお茶を用意してもらい、ギルド内を見回りしていたフレアを見つけて話しを聞いてもらった。

 ふむ、お菓子は変わらず。グレードは下がっていないようだ。ミヤ母が余計なこと言っていないようで何より何より。

 未だに彼の中ではミヤ母は色々とギルドと関わっていると誤解したままである。


「報告に上がる程プリエオルバの話しは聞かないわね~。だけどクラリオン君パーティー組んだのね~。しかも可愛い女の子じゃないかしら~。いいわね~クラリオン君は~」

「ふっ。フレアよ。ギルド職員なのに見る目がないな。ミヤちゃんはなぁ、噛むし、骨折ってくるし、我儘でそれを可愛いとバァっファ!?」


 人の目では認識できない速度で彼の胸に衝撃が走る。

 あら。まだ子どもなのに恐ろしく早い手刀ね~。私じゃないと見逃しちゃうわね~。


「・・っ!こ、これが・・可愛いと・・・今でも、言え・・るか」

「私達の町の将来がたくましく手何よりだわ~」


 少し小休憩が入って・・・。


「そっか~。やっぱ聞かないか~」


 再度プリエオルバについて聞いてもギルドでもあまり情報は入ってこないらしい。

 ミヤちゃんと与吉はさっきからお菓子の前では無言で手を伸ばし頬張る。おかげで彼の分のおやつが無くなっていた。


「おかわりください」


 チチ。

 

 しかもミヤちゃんと与吉はお代わりの要求までする。

 う~ん。自分も結構自分勝手なところあると自覚してるけど、割とミヤちゃんって自分より図々しい時があるよね。

 そんな態度にフレアは。


「いいわよ~」

「あれ?自分の時は一度もおかわり出してもらったことないのに」

「子どもだからつい甘やかしちゃうのよ~」


 おかしいな。自分も子どもなのに。

 再度お菓子を用意してもらうと、そこにフレアは何か思い出しかのようにある話をしてくれた。ただその笑顔から何か嫌な予感が彼の中でよぎる。


「あ。だけどクラリオン君。今、下層の前線でシロアリの亜種が大量発生しているのは知ってる?」

「知らん。ミヤちゃん、急いで帰ろう」


 間違いない。こやつ、何かやらせる気だっ・・!

 すぐに帰ろうとミヤちゃん達を急かすもフレアはお構いなしに勝手に話し続ける。


「今も大量発生続けていてね~。結論から言うとおかしいのよ~。もう周辺には餌になるモンスターもいないし、共食いだってありえるのにそんな兆しもないし、増えすぎて困っちゃうわ~」

「ふ~~ん」


 この時点でフレアが何を言いたいのか察する。彼がもう目が細くして聞いているのが証拠だ。


「ギルドの予想は~、女王なるモンスターが大量に生み続けてる。共生してるモンスターがいて、餌の代用が存在する。の二つと読んでいるの~」


 そして極めつけに・・・。


「プリエオルバも共生できるモンスターの一体として数に入るわね~」


 わーー。理由にかこつけて面倒事を押し付けようとしてる~。

 早期解決の糸口として問題事を巻き込む気満々のフレア。微笑があくどい。しかしそんな手に彼が乗らないのは承知。だから狙いは・・・。


「行こう」


 ミヤちゃんである。


「やめてミヤちゃん。その即決はやめて。パーティーの意見を聞いて」

「リーダーの命令は絶対」

「そんな王様ゲームに参加した覚えは無いわっ!」


 ミヤちゃんを行く気満々にさせることに成功した。

 うっわっ。大人汚いっ!。

 だってクラリオン君、ギルドに協力あまりしてくれないしね~。お菓子食べに来るだけの時もあるしね~。

 ミヤちゃんを挟んで視線で会話する彼とフレア。そしてさらに。

 

「はいこれミヤちゃんと与吉君。お菓子のお土産~。あと下層の簡易地図も袋と一緒に入れておくわね~」


 さらにお菓子で釣り上げようとする。


「待て!それは孔明の・・っ」


 が。


「もらう」


 チチ。


 見事に釣られる。しかも地図も入っていてご満悦なミヤちゃん。与吉は袋を頭から突っ込んでお菓子を貪る。あくどく微笑んでいるフレアの姿が、ただの悪魔の微笑みに彼は見えてくる。


「大人ホント汚いっ!これがギルドのやり口かっ!?」

「別に私はクエストを頼んだ訳じゃないわよ~?聞いてどう動くかはその人次第なわけだしね~」


 予期せぬ言いくるめを受けた彼は、その後もミヤちゃんを納得させようとするが覆水盆に返らず。仕方なしに下層に向かう準備を今日から始めるしかなかった。

 因みに貰ったお菓子をミヤちゃんは教会の皆で分けて食べたのこと。

 時々そう優しいところもあるよねミヤちゃんは・・・。



 次の日・・・。



「うんむっ。中々の出来だ」


 チィ~~。


 徹夜で彼はボードにあらゆる装備を施したいつもと違うボードの姿に満足気な様子。今まで下層なんて行ったことがなかったから、あらゆる想定に備えて準備したのだ。

 そしてそのボードの姿はいつもより大きめなサイズなっており、ゴリゴリに武装や装備が過剰に搭載されている。


「無駄に大量の武装もまたロマン」


 特にお気に入りはボード下部の右側に付けられたボードより長い自作アハトアハトモドキ砲。と言うのも8.8㎝ではなく、7.4㎝とまた微妙な大きさ(定規とかサイズを測る物が無かったため、大よそで作った)。また砲弾(砲丸)が一発のみ。知識と技術力と資源の少なさから、再現できたのが素人が作ったなんちゃって砲である。しかも砲身の強度も反動も威力も分かってなく、勿論試し撃ちもしてない。撃てばどうなるか分からない代物になっている。


「んじゃ、ミヤちゃん呼んで迷宮に行こうかね」


 チチ。


「行くぜ!新規2(トゥー)ボード発進!!」


 いつもならミヤちゃんが起こしに来るのだが、徹夜明けの彼の方が珍しくミヤちゃんより先に起きているから、徹夜明けのテンションでミヤちゃん迎えにシルル教会まで飛んで行った。

 その後、豹変したボードにミヤちゃんは目を細めるもにボードには乗ってくれた。

 なお町で浮かぶそのボードの姿は大変悪目立ちしたと言う。理由はボードの武装の中にミシャロ商会の文字があったからそうで、天災の恐れがあるとかないとかで。



 そして下層に入る前に・・・。



「はい。まず皆に言っておくことあります」

「ん?」


チ?


「下層での戦闘は極力しないこと。自身の生命の危険のみ戦闘を許す」

「なんで?」

「いや、よく考えてみ?中層の探索ではこれといってモンスターとは戦わなかったけど、自分とミヤちゃん、広範囲攻撃かつ加減の調整できてないじゃん?間違いなく他の冒険者いたら巻き添えにさせる自信があるよね?」


 2人の前に人がいれば絶対にやらかしかねない事案もの。しかも下層では亜種のモンスターでなんたらとギルドが冒険者集めて対策してるだろうから、下層は人が多いかもしれない。


「解せぬ」

「このパーティー本当に大丈夫かな・・・」


 だけど確かシロアリの亜種が大量発生だっけ?もしパンバリアと同じぐらい硬かったら嫌だな~。しかも虫型だから壁の側面や天井にも引っ付いてくるだろうし・・。


「大道から外れて横道と小道で下層に行くか・・」


 ギルドの思惑に乗りたくもないし、何より下層のモンスターは中層より強いと言われ、どんなモンスターがいるか彼らは知らない。なのでモンスターがいなそう道を選んで、遠回りになっても下層を目指すことにした。



 しかしそれがいけなかった・・・。



「マグマだこれ・・・」

「あつい」


 ヂ~~。


 下層目指していたら大地蠢くマグマの世界に出会ってしまった。そう、彼らはギルドの思惑やらモンスターやら全てを抜き去って、まだ誰も踏み入ったこともない人類未踏の地と言うべき最下層まで行ってしまったのだ。


しかも行き過ぎたという自覚がない。迷宮が地下に続いているのであれば、マグマぐらいはあっても不思議じゃないと彼は思わなかったし、ミヤちゃんも迷宮に詳しい訳でもないからおかしいかどうかも分かってなかった。


「凄いな~。マグマって初めて見るな~」


 これが大自然というのか~。しかしマグマが溢れる深さまで潜るって・・。気圧とか地熱とか色々あると思うんだけど・・・。


 ここで彼の元いた世界のテレビて知った惑星内部に行くほど温度と気圧が上がるという知識が浮かぶ。しかしどこまで深さまで潜ったかどうかなんて、正確な深度なんて彼には分かりもしないし、しかもここは異世界で地球とは違う。魔法やらスキルがあって、地球には無い未知の物質もある。地球と同じ物理法則が当てはめられるのか何とも言えない。だから・・・。


「まあいいか」


 ファンタジーあるあるだから深くは考えないことにした。それから彼らはどんどん先に進んで行く。


「クラ、あれ」

「ん?え?マジか」

 

 進んだ先にまずミヤちゃんが見つけたものは、大の大人よりも何十倍と巨大なクリスタル結晶があった。更に進めば、迷宮の明かり代わりの光る結晶も巨大であったり、そこらじゅうに結晶があって、とにかく全てがデカい。


「これ凄いな」

「きれい」


 そんな景色がある中、与吉は熱さでバテ気味だったのだが・・・。


 チチ・・。


 何かの異変に気づく。ミヤちゃんも何かを感じ取って耳をしきりに動かし始める。


「・・・来る」

「え?何が?」


 呟くミヤちゃんに彼は意味が分からなかったが、自分達が進む先から異様な音が聞こえ始めて、彼も今まで培った直感というべき危機察知センサーが強く反応する。


 ゴゴゴ・・・。


「あ。待って。この音・・。これ、迷宮初日並みの危機感を感じる」


 ただ周りをよく見れば、ここがどんな場所が気づけたかもしれない。どこを見渡しても溶岩でできた道、溶岩洞であることを。そしてなによりも常に熱気がこもっている。その意味は・・・。


 ドバアアアアアァァァァァァァーーーーーーーーー!!!!


「っっ!!どこのインディー・ジョーンズだこれっ!?」


 行く予定の道奥から鉄砲水の如くマグマがこちらに向かって流れ出す。

 逃げきれなければ明確な死に久しぶりに彼は本気でボードを飛ばした。


 そして・・・。


「・・・なるほど。下層はモンスターだけが敵じゃないってことか」

「おつかれ」


 肩に手を置くミヤちゃん。何とかマグマから逃げ切って今は一休憩入れている。

 なんでミヤちゃんはそんなに肝が太いのであろうか・・。

 こんなことになっても取り乱す様子もないミヤちゃんに本当に肝が太いだけか危険を理解していないのか、何とも言えない気持ちにさせられる。

 とにかく下層(最下層)はかなり危険であると身をもって分かった。

 

 それから・・・。


「はい。第何回パーティーかーいぎ!!下層は自分達には早すぎると思うから、引き続き中層で探すor数日下層でキャンプ!の2択になりましたっ!多数決で決めたいと思います。反論は一切受け付けつけない!」

「分かった」


 今後の方針について考えようとパーティー会議を開く。この先どう考えても危ないから話し合うことにしたら、この2択となった。

 だがなミヤちゃんよ。自分達、まだ迷宮初心者だからな。ミヤちゃんは特に日が浅いからな?こんなところ長居しちゃいけないよ?だが、言質は取った!


「よし。決まりだ!」


 多数決と言ってもミヤちゃんと彼以外にいるのは与吉だけ。つまり与吉の1票で決まる分けだが、どちらに1票を入れるかは容易く想像できる。しかし忘れてはいけない。相手はミヤちゃん。ただの多数決で決まるはずがない。



「では与吉よ。中層に戻るか、このまましばらく下層にいるか。どっちにぃぃぃーーーーーーー!!!???」

「このままここにいる人・・」


 ミヤちゃんが彼の顔にアイアンクローを極める。


「ミヤちゃん!!暴力、暴力で決めてはいけない!」

「これは顔面マッサージ。反論は一切受け付けつけない」


 こやつ、最初から聞く気無かったな!!

 今度は与吉を見つめてミヤちゃんはまた同じことを言う。


「ここにいる人・・」

「ミヤちゃん!!多数決の意味知って・・・っ!あ゛あ゛待って!ギブギブギブギブギブッッ!!」


 ヴォォォって叫び始める彼を見る与吉。そして目を背け始める。そしたら彼をクローしたままミヤちゃんは与吉に近づいて・・・。


「ここにいる人・・」


 与吉は無抵抗で脚を上げさせられる。与吉は屈した。ミヤちゃんの暴力はモンスター目線でも危険でしかないようだ。


「2票。勝った」

「これのどこが多数決だよ・・」

 


 兎に角にもここが最下層であるのを知らずに探索は続くことになった。



 それから数日。地面からマグマが噴き出すじゃないかと与吉の糸でボードを天井に固定して寝たり、短剣2号から氷を出して涼んだり、大型モンスターを発見したりと色々とあったが、ここでちょっと問題が起きた。


「自分達はこんな過酷な環境でも頑張ってきました。しかしながらこの下層の熱気で食糧が焦げたり、2号から出した氷が解けてもろに食糧に浸かるなどして、まともな食糧がもうありませんっ!」


 それなりに用意していた食糧が9割近くがふやけて、しかも最下層の熱気で蒸焼きにもなったりして美味しく食べられない物に変わってしまったのだ。


「ミヤちゃんさ。暑いからってこそっり氷出して寝る時涼んでいませんでした?」

「・・・事実確認中で、すぐの返答はできない」 

「いや、事実は目の前にあるからな。起きたら服がびちゃびちゃになっていたからな。漏らしてもあそこまでならないからな」


 目が覚めたら服が濡れてるどころかボードが水浸し状態になっていたから、急遽このような緊急会議を開くことになったのである。


「とにかく次は気をつけるように」

「すまぬ」

「まあ過ぎたことはここまでとして、だ。食糧に関しては、半日ぐらいでならここから地上に戻れるからギリ無問題。だからこれは問題ではない。あともう一つの問題の方が重要」

「ん?」


 食糧問題は別にどうにかなるし、いざとなればモンスターを狩って食べることも出来なくはない。では、一体何が問題なのかと言うと・・・。


「ではここで本題っ!第何回パーティー緊急会議。ここ本当に下層?と言うかここ何日過ごした?問題です!」


 ここ数日で他の冒険者と会わないことから「もしかして下層じゃない?」と薄々ながら彼はやっと気づいた。そして今、自分達が何日この場にとどまっているのか分かっていないことである。


「・・・・?・・ッ!!」


 ミヤちゃんは一瞬キョトンとするが意味が分かった。あと何日でプリエオルバを見つけないといけないのか分からなかったのだ。


「・・あかん」


 ミヤちゃんの口から珍しく焦る感じで彼の口癖が出る。

 本来迷宮に潜る場合、周りに時間を計るものはないから時間を計る道具を持つわけだが、簡単に迷宮と地上を往復できる彼は、そんな道具は持ち合わせていないし、まず知らない。


 また彼は普段から赴くまま自由な生活だから不規則な生活で時間にルーズ。ミヤちゃんと与吉も基本規則正しい生活を送っているが、食べたい時に食べ、寝たい時に寝る、本能的要素が強く、あまり日付とか気にしないタイプなのである。

 よって彼らは時間感覚がずれているか曖昧なのである。なので誰も迷宮潜って何日目なのか把握できていなかったのだ。と言う今何時なのかも分からない。


「ふっ。ミヤちゃんも気付いたか。この問題に」

「すぐ探す。もっと下探しに行く」

「やめて世界がブレる・・・」


 この事実を知ったミヤちゃんは、彼を揺さぶる。


「うむ。だがミヤちゃんよ。これ以上、下に向かうのは駄目だ」


 そして彼は与吉を指さす。

 

「さっきからずっと無言の与吉を見なさいな。食糧が無くなって悲しみにくれているあの姿を」


 そこには今までずっと一言も喋らずに打ちひしがれてる与吉がいた。

 迷宮で過ごしていた与吉は、地上に連れられてから食事は激変した。何を食べても地上の物はどれも美味。味を占めてグルメになってしまった与吉は、ご飯が食べられなくなるのはそれはもうキツイのである。


「・・・・・」

「そんな与吉もあって、一旦地上に戻る案が考慮されます」

「・・・・・」

「ではここで再びの多数決を取ります。今回は暴力は無しで」


 悲しくなってる与吉の姿に考慮すべき事案と言うことで、彼は再び多数決を決めることにする。


「では票を入れたいと思いま~す・・」

「・・・・・」


 だがやはり・・・。



「・・・・暴力は無しで言ったやん」

「今のはつぼマッサージ」

「的確に点穴狙うつぼマッサージって何なん・・・」


 ミヤちゃんはミヤちゃんであった。なお、心が折れてる与吉が動かないことをいいことにミヤちゃんは、また自分の方に票を入れる。

 結果。この状況でもさらに最下層の下を目指すことになった。ただそれでも彼はごねてみるも・・・。


「あのね。絶対ここ下層じゃないと思うんだよ。人いないし、大型モンスター多いし、そもそも人がいられる環境でもないし、これ以上危ないと思うんだけど」

「人いないからこの剣使える」


 人に会わないから短剣一号と二号を火炎と氷を気軽にぶっ放せるとポジティブ思考なミヤちゃん。下に行くことは止められないようである。



 そして最下層の下に向かって何日経ったかも知らず、今日・・・。



「とりあえずこのデカいモンスターは灰にならないで残ったけど・・・」

「食えるの?」


 ついに食糧が切れた。なのでモンスターを狩って、初めて下層のモンスターを食べることになったのである。

そして虫型の大型モンスターを倒して、数ヶ月は食べていけれそうな肉を手に入れたが、問題はそのモンスターは食べられるのかどうかであった。だからミヤちゃんからごもっともな疑問を彼に投げつけられる。それに彼は・・・。


「与吉が食べて大丈夫なら食べられるはず」


 チッ!?


 与吉に毒味をさせる回答を出す。与吉もまさか毒味させられるとは思ってもいなかっただけに大きなリアクションをする。


 彼も彼で与吉に酷なことをさせるが仕方なかった。毒があった場合、ボードを飛ばせるのは彼のみで無闇に食べる訳にはいかないのである。しかし毒さえなければ彼自身は自分が毒味をしてもいいと思っていた。と言うのも彼はトイレ石(黒石)は座薬タイプだから、お腹下そうと下痢になろうが問題ないからだ。


 あとミヤちゃんに毒味させる選択肢もあるが、無理無理食べされば逆に自分達に嚙みついて捕食してくるかもしれないから、消去法で与吉になったわけである。

 すまぬ与吉・・。


 チチ・・。チチチ、チチィ。チッチチ・・・(知ってる?味付けや香辛料って偉大なんだよ)。


「まさか与吉が文明の偉大さを説くとは」


 それでも与吉に食べてもらうと・・・。


 チッチ・・。チチィー、チーチチ・・・(美味しいご飯食べたい。もうやだ。こんな生活・・・)。


 味は土とザリガニの脱皮した殻を混ぜたような味。必要なのはレモンか塩コショウ。やはり味付けに必要な香辛料は偉大だと与吉は再確認する。これが初めて下層のモンスターを食べた感想であった。

 因みに食べる与吉から大丈夫そうと分かると彼とミヤちゃんも食べてみる。


「・・・・うん。不味いが食える」

「・・下の中」


 2人は不味くても食べられるのなら問題ない様子であった。与吉以外、食糧問題はどうにかなった。それからと言うと未知の最下層でありながら、意外にも彼らは順応していった。



「ぬおおおーー!ノコギリ持ち上げた!イケっ!そこ!落とせ・・・!」


 最下層では大型モンスターの怪獣ファイトの光景をよく目にする機会がある。

 特に全長何百mもあるコーカサスオオカブトとノコギリクワガタのムシキングバトルは迫力満点で、彼は汗握って観戦したりしている。

 なお彼が好きな甲虫はカナブン。よじ登る感触と触角がコマ可愛いらしいとのこと。

 そんな感じで彼は適応していた。



「・・・・・・」


 ミヤちゃんはこの最下層では特に不自由はなかった。ただプリエオルバを探しても見つかるのは大型モンスター。そしてよく怪獣ファイトをしている。また目が悪いのか目の前を横切っても何の反応もしない。それをいいことに彼と与吉は頭の上に乗って、腕を組んでよく仁王立ちしてる。


 カチャリ・・・。


 短剣で大型モンスターを深々刺せてもダメージにも痛みにもならない。その様子を見た彼はモンスターの頭の上に乗りながら、何故か不敵に笑いながら見下ろす。


 ゴオオオオオォォォォーーーーー!!!!


 なので躊躇なく燃やすことにした。鬱憤を晴らすように短剣一号の大火力を火炎放射器の如く出し続ける。花火をアリに向けるみたいに。


「だから迷宮でその炎は駄目って・・!!自分まだ頭に上に乗ってるから!いるからっ!!」


 ミヤちゃんこんな感じで最下層ではよく大型モンスターを燃やす危ない子になっていた。

 こんな思い思いに最下層で過ごすも当初のプリエオルバの捜索は難航。全くもって手掛かりはなく、さらにどんどんと迷宮奥へと進んで彼ら・・・。


で・・・。


「キャンプの延長、是か非か!はい皆っ!」


 チチ!(非!)


 今までと違ってかなり強気で挙手する与吉。流石にこれ以上の生活は嫌なようである。


「ミヤちゃん。ここまで与吉が自己主張するんだからそろそろ戻らない?」

「や」


 出たよ。ミヤちゃんの「や」。経験則から語るミヤちゃんの頑固さ。どう納得させるか考えたいところだが、プリエオルバをまだ探すと言わんばかりにミヤちゃんは彼にロメロスペシャルを炸裂させる。


「クッ!もはや話し合いすらないっ!!」


 そしてメキメキと彼の身体がしなる音がする。


「だけどミヤちゃん・・っ。これ以上は絶対モンスターは・・っ。プリ何とかも・・草生える環境もないし・・。待って!一旦緩めて・・!」

「・・・・・・」


 迷宮の下に向かうにつれてマグマが噴き上げてる環境が多くなってきており、モンスターがいられる環境ではなかった。しかしミヤちゃんは・・・。


「そこら辺にいる」


彼に掛けている技を一旦やめて「ん」と指を指すと、そこにはよく見ないと分からない溢れ出るマグマの近くで溶岩に擬態している虫型の中型モンスターが数匹いた。どうやら彼は見逃しているだけでモンスターはいるようである。


「・・・ホントだ。え。待って。これはよく見ないと・・。え?もしかして今まで自分が気づいてないだけ?」

「あっちにもいる」

「マジか。与吉は?」


 ・・・ヂィ。


 与吉もいるのは知っていた。誰も気づいてないだろうと思っていたし、言ってしまえば更に迷宮の奥に行く理由付けができてしまうと今まで黙っていた。が、ミヤちゃんも気づいていたことを知り、若干不機嫌で答えた。


「なるほど。これは自分がいけないのか」


 唯一自分だけが気づけていなかったことに彼は気づく。


「え~じゃあさ、この辺りにどんくらいモンスターいるの?」

「ん~・・。20?」

「マジか。1体もいないかと思ってた」


 しかし周りを見ても全然いるように見えない。

 え~。ちょっと待って。こんな環境でもモンスターいるのか。


「はよ進む」

「分かった。ミヤちゃん、分かった。だから一回その技やめようか」


 チヂィ(地上に戻ること叶わず)・・・。


 再びミヤちゃんはロメロスペシャルを彼にキメる。

 こんな環境でもモンスターがいてもプリオエルバはいるかどうか怪しいのは彼の中では変わらなかったが、仕方なしにさらに先へと進ませるのである。



 さらに最下層の下に下へと進み・・・。



「う~ん。深くに進むと大型より中型モンスターが主体なのかね?深い所って水圧とか気圧に耐えるのに身体が大きくなるとか聞くけど。何だろうかな~この迷宮って」


 彼には見つけられないモンスターをミヤちゃんが代わり見つけて教えてもらうことから、この辺りいるモンスターは中型が多いようであった。


 そんなことを思いつつ奥に進み続ける。しかし突如として前触れもなく彼は突然ボードの制御を失ってしまった。


「なっ!?う・・っ!」

「メーデー」


 チーチッ!


 棒読みで言うミヤちゃん。不安定になってるボードの上でも器用にバランスが取れている。


「この・・っ!!おらぁぁぁああああーーーーーっっっ!!!」


 かなりの魔力を消費して強引にボードのバランスを立て直し、一気にこの場所から離脱する。


「あ~~。焦ったぁ~・・。え、なにいきなり突然・・・」

「いんしゅ?」


 チチチ(あおり)?


「飲んでないし、人もいないわ」


 態勢を立て直してボードの制御が失った場所を警戒するもこれといって何か起きる様子が無い。


「え~~。なんか外から力加えられた感じしたんだけど。モンスター?何かスキル飛ばされてきたとか?」


 低空低速度で警戒厳にしながら原因を探ってみると、ボードがその周辺に近づくにつれて再びバランスが悪くなり始める。それでも強引に飛び続けるとあることを発見する。


「・・・・浮いてる?」


 地面を見ると大きい石が無数に浮いていた。試しに持ってみると。


「おもっ!?」


 その石はかなり重く、両手使っても持ち上げられない。


「取れる」


 ミヤちゃんは普通に片手で掴みとる。


「この腕力で自分は毎度襲われているんだな・・・」


 相変わらず獣人は末恐ろしいな。


「だけどミヤちゃん。それ離して。見た目に反して何十㎏もある。ちょっとボードに負担が掛かってる」

「ん」


 ん~。でもこの石が原因でボードのバランスが崩れたのか?

 与吉も興味が出たのか、浮かんでる石に飛び移ろうとする。が。


 チ。チッ!?チィィ~~~~ーーーーーーッッ!!!?


 ボードから離れた瞬間与吉が突然浮かび上がり、弾かれるように一気に高く飛ばされる。


「与吉っ!?」


 飛ばされた与吉を追いかける為にボードに着いた幾つかの装備をパージしながら追いつこうと彼は飛ばす。


「大丈夫かぁぁあああーーっ!与吉ぃぃいいーーーっ!!」


 チッ!?チチ!?チー!チチッヂィィーーーー!!!???


 与吉も訳が分からない様子で混乱しながら飛ばされる。


「捕まえたぁっっ!!」


 与吉に追いついて掴むが天井間近。かなりのスピードを出しており、衝突するかと思いきや、またボードに強い力が加わりギリギリで衝突を回避する。しかしそんなことは束の間。止まったと思えば気の緩みでボードの操作を怠り、またボードのバランスが崩れる。


「うっ!またかっ!!」

「慢心だめ」


 チチ(ろくなことがない)・・・。


 そしてまたかなりの魔力使って何かとバランスを立て直し、すぐにこの場から離れた。


「ホント何ここ・・・」



 未知の現象に振り回されたが、また改めて彼らは原因を探る。ここでこの事象を解明しておかないとこの先こんな見えない何かに巻き込まれるのかたまったもんじゃない。と彼は調べたかったのである。ただミヤちゃんはそれよりプリエオルバが先と奥に行きたいようだったが、我慢してもらった。いや、正確には我慢してない。不服顔で彼の首後ろに嚙みついている。



 それから彼は色々ある道具を使って調べると少しずつ分かってきた。



「ふ~~む・・。重力が乱れて・・いる?」


 飛ばされないように杭と与吉ロープを使って、未知の現象が働いてない場所に杭を刺して安全網を用意。それをボードと繋ぎ合わせて進むと、彼のボード制御範囲から離れたロープが反発するかのように唸るのだ。そしてロープを伸ばして、どこまでが未知の現象の範囲なのか測定に成功。さらに反発の仕方から未知の現象は、重力に影響を与えてる()()が波状的に広がっている重力異常と推測までできた。


「これならある程度説明できる・・かな?」


 浮かんでる重い石も重力の影響で浮かんでいると説明できるし、ボードから離れた与吉が飛ばされたのも自分のボードの制御範囲外に出たから、重力の影響を受けて飛ばされた・・。うん、説明がつく。


「ん~。与吉は今までこんな感じの場所とか見たことある?」


 チチ。


 迷宮出身の与吉にも聞いてみるがやっぱり知らないらしい。

 まあ飛ばされたしな。


「ならこの下層のみに発生する重力異常?でいいのかな~?この先こんな見えないトラップ多発しているとすごく嫌なんだが」


 何か浮かんでいれば目で見えて分かるが、何もないところで重力異常が発生しているとまたボードが不安定になりかねない。


「まあボードに棒状なもの伸ばして重力異常を受けて軋むの感じとるぐらいかな~。あと速度出し過ぎにも注意して・・・」


 とりあえずできそうな対策は準備しておく。

 だけど何が原因で重力異常なんて起きるんだろか?元いた世界でこんな重力事象なんて聞かないし自然科学ではないだろうし・・やっぱ魔力関係?あ。でも元の世界にない物質なんか普通にあるか、魔石とか。ならこの重力異常もこの異世界なら自然科学としても成立し得る?


「あら?なら自分がいた世界の化学とは全て同じとは限らない?」


 お~。そうなると地下深くでも気圧とか地熱云々がないのも理由に・・は~、なる、のか、な~~?

 どんどん彼の中で知的興味でこの異世界の考察が勝手に深まっていく。


「ああ~。世界の謎が深まる・・・」

「終わったか?」


 ここまでずっと彼の首後ろを噛んでいたミヤちゃん。もう用が終わったなら、早く先に行こうと口を開いた。


「え?まだ調べたいんだが?この重力異常が魔力的なものか自然科学的なものか、またはそれ以外なのか調べ上げたいんだが?」

「は?」

「これで原因が分かれば対策の幅が広がる。それにこの先ボードを運転する身として理解を深めな・・っ!ミヤちゃん!ギブギブギブギブッッ!腕の関節が増えるっ!!」


 腕の関節技をキメられるもどうにかその後納得してないが納得してもらい、ミヤちゃんと与吉とボードを安全な場所に置いて単身で調べに行った。



「重力の強弱から波状に広がっていなら中心点がどこかにあるはず。それをどう見つけるかだが」


 久しぶりに『スキル開発』で作った魔眼系のスキルを使って周囲を見渡してみるがこれといったのは確認できず。


「う~~ん。魔力的反応はなし。ならこの重力異常は魔力じゃなくて自然科学の範囲で起きている?」


 今度はどこが重力異常が一番強く起きているか与吉みたく飛ばされないようにあらゆるスキルを使って、動き回ってみる。


「あ。ここが・・ヤバいな」


 壁を一点に見つめる。どうやら壁向こうに何かあるようだ。同時にヤバいと言うのは、重力の影響で身体血の巡りが悪くなっていることで指の先が青くなっているのだ。なのですぐに調べ始める。


「何があるのかね・・・っ」


 魔力反応なければ今度は物質に干渉する『万物追及』で壁一面を操作してみる。すると何が手応えを感じた。


「ん?何だこれ?今まで触れたことない感触・・・。これ絶対異世界の物質だな。何か異形な感じなものがあるっ!」


 さらに彼は魔力を流す。


「待ってこれ、かなりデカいぞっ!?あっ。あと魔力的反応も・・!まさか大きすぎて反応があったのに気づけなかったパターンかこれっ!?」


 しかも彼が重力異常の原因なる物の大きさが壁一面をスキルで操ってるのとほぼ同じくらい。

 無理矢理引っ張り上げようとするが大きすぎて洞窟が不穏に揺れる。それを察して彼は動きを止めて、仕方なく手に持てる大きさだけもぎ取って引っ張ることにした。


「採れたああああーーーーー!!!っっ!」


 しかし採れた瞬間を手に取るのを見ると、冷え汗をかいてすぐにミヤちゃん達がいる場所に戻る。



「おかえり」


 チッチィ~~。


「手が青え~・・・」


 両手に足と先端から半分が青くなっていた。どう見ても血の巡りが危ないこと過ぎて、流石の彼も血の気が引いている。


「ぐろい」


 ミヤちゃんも与吉も引いている。


「こういう時、治癒スキルが欲しいな~・・」


 仕方なく自然に血の流れが元に戻るまで大人しく横になった。


 話は戻り・・・。


「んで、手足青くして取ってきたのがこれです」

「石?」


 チ?


 手足が普段の肌色に戻ったところで、何を取ってきたかミヤちゃん達に見せた。


「これがさっきまでの重力異常の原因の物質です」


 見る視線の先には彼の手に浮かぶ石。それを地面に置いても勝手に浮かぶ。


「面白い」

「だろ。取ってきた甲斐があった」


 チチ~?


 ミヤちゃんも与吉も不思議に見つめる。かという彼も・・・。

 これが俗に言う重!力!石!凄いなテンション上がるわこれ!血の気引いたけど。しかし、これ科学で説明できる?空想科学でも無理だろ。


 新しく発見したファンタジーの異物に改めてテンション爆上がりの彼である。なのでこれが何に使えるか応用できるかあれこれ考え始める。

 彼にとってこれだけで迷宮の成果としては充分で、すぐにでも色々と実験したいようだ。


「はい。と言うわけでこれで迷宮探索を終わりにしたいと思います。お疲れ様しった」

「プリエオルバ・・・」


 帰る準備と言わんばかりにボードに乗ろうとするが、ミヤちゃんの前を通り過ぎたらアイアンクローが彼に襲う。


「また血の気が・・・」

「探しに行く」


 プリエオルバが見つかるまでは迷宮の探索はまだまだ続く。

 


 その後の道中で。



「あ。これ。魔力流すと重力範囲広くなる。魔力的な要素の方が強いのか?この重力石は?」

「よそ見ダメ」


 チィ、チッ。


「大丈夫だって。低速だし、低く飛んでるから、落ちても怪我はしない」

「うえ」

「上?」


 よそ見しながら重力石で色々試している彼に「うえ」と言って指をさすミヤちゃん。彼も上を差す方を見上げると。


「落石っ!?」


 自分達より何百倍もある巨大な岩が彼らの頭上に落ちてきたのであった!


 やっとね。空船に今後関わってくる物が出てくるの書けたよ。それでもタイトルにはまだ程遠い感じがするけど・・・。まあ頑張って書き続けます。


 あ。あと誤字脱字あったら教えて。可能な限り修正するから


 2020.07.28 誤字一部修正。

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