第6回 ん?もはや定期?いやいや不定期ですよ。第6話と迷宮の補足コーナー
「は~い。みんな大好き補足コーナー。実況はいつも通りクラリオンと」
「ゲストで呼ばれたフェリカ・アイリスです。って!なんでお姉ちゃん差し置いて私なのよっ!」
「お姉ちゃんはお仕事で忙しいから代役で妹が選ばれました~」
「わ・た・し・もっ!し・ご・と・が・あ・る・の・よ!」
「はいこれ。ギルドからの辞令書」
怒りの拳が降りかかる前にパッと一枚フェリカの前に出す。
「何これ・・・。補足コーナーのお仕事お願い・・。愛するフレアお姉ちゃんより・・・」
「ほら。ギルドの判子もあるし。はい!ということでやっていきたいと思いま~す」
「納得いかないんだけどっ!!」
お題『魔弾』について。
「魔弾か~。あれ説明するほどでもないと思うんだけどな~。ただの魔力の塊だし」
説明と言ってもこれと言ってする気がない彼。
「いや、あんたが魔弾とか言う魔球普通じゃないわよ。あれ初めて見た時、魔球だなて思わなかったんだから。というかあんた魔力ありすぎなのよっ!魔導士もびっくりするわよ!」
「え~そう?形状、構造、魔力の強弱とか考えれば誰でもできると思うんだけど」
その発言にフェリカはため息を吐いた。
「あのね。誰でも出来る魔球をあそこまで極めようなんて人いないわよ」
「やればできる。まあでも注意点はあるな。弾速程の速度だとまず魔弾を操ろうと思っても速すぎて操れない。あと魔力は空間に分散しやすい性質があるから、魔弾の魔力量、構造、距離の計算を考えないとダメだぞ」
「たかが魔球でそこまで考えたくないわよ・・」
なお魔力は質量と結び付いている場合は重力の影響を受け、純粋の魔力のみであれば重力の影響を受けない。彼の魔弾は純粋の魔力のため、空中に魔力が分散しながら水平に進む。
次『迷宮の構造』。
「ではフェリカさん。どうぞ」
「どうぞ、ってね~・・。まあ迷宮って言うのは大体地下に向かう大穴で続いているのよ。あと大穴に沿うように周りに幹線って、ある程度の広さを持った横道が何百何千とあるわ」
「そう言えばいつもの大穴の道にちょくちょくあるよね」
「まあね。大穴って場所によって落盤で埋まっていたり、厄介なモンスターが縄張りにしていたり、迂回するのに幹線は使うわ。例えば上層のモンスターの群れかしら?刺激しないように大抵は幹線を通って中層に向かうのよ」
「へ~~」
道理で人がいない訳だ・・・。
いつも上層の道で他の冒険者と会わない理由が今ここで分かった彼である。
「それと迷宮は地上から上層、中層、下層の三つに分けて呼んでるの」
上層は知っての通りモンスターは弱くても1000以上の数で群れていることがザラ。
中層になるとモンスターの種族ごとに単体か数十~百ぐらいで群れており、中型、大型モンスターが出始める。
オヴェスト・トレンボでは冒険者達の基本的な活動場所であり、中継地点のアラクニードがある。
下層は中型、大型のモンスターがかなり多くなる。中層のモンスターより格段に強い。
「それと下層は未だに最下層まで攻略できてないの。未探索から先になる場所を前線と呼ばれていて、現攻略地点の最前線があるんだけど・・・あんたオヴェストいるんだからそれぐらい知ってるんでしょうね?」
「ここ最近知りました」
「だと思ったわ。あ。あとアラクニード場所は、最下層攻略の基地としての役割も担っているわ」
最後に『モンスター』についてを。
「は~いこれ自分もかなり不思議に思っていることがありま~す」
「ろくな質問しなさそうね・・・」
「モンスターを倒す時に死骸と煙になるモンスターがいますが、あれは一体どういう原理?あとモンスターの魔石取れるのも煙になる奴しか獲れない理由とかも」
この異世界ではモンスターの消え方が二つある謎。
「ああ。それね」
フェリカは頷いた。
「まだそれらは解明されてないの。結構前から・・いいえ、数百年前から研究はされてはいるのよ。けど今現在もお手上げね。だけど今に始まったことじゃないし、そんな気にする人はいないわよ」
「ふ~ん。モンスター以外にも煙になって死んだりする奴とかいるのかね~?」
彼のちょっとした呟きに思い出したかのようにフェリカは懐かしむ。
「そう言えば小さい頃に人も煙になって死ぬとかそんな噂話しがあったわね~」
「なんか怪談話しにありそうだな」
「どちらにしろ煙になる解明は遥か先まで掛かりそうってことね」
「そのうち自分が解き明かすかもしれないけど・・。まあ、今回はここまでと言うことで。次回も頑張っていきたいと思います」
次回もあったらお楽しみに。終わり。




