10/22
国の現状、ルーチェルの気持ち
翌日、フィリアは早速、行動を開始した。
イスタイル国の様子を見に行った。
俺はその間はいつも通り畑を耕しつつのんびり過ごしていた。
夕方には戻って来たのだが、フィリアの表情は怒りを隠していなかった。
「変装して潜入したんですが、アルノイド様の言う通りでしたよっ! みんな、弟さんの話ばっかりでしたっ!」
まぁ、それは想像出来たよ。
「城の中はどうだった?」
「城内は賑やかでしたね。慌てている空気は無かったです。アルノイド様がいなくなったのが気づかれていないかもしれません。」
「家族は?」
「気づいてはいるみたいですが、事の重大さに気づいているのは弟さんだけみたいです。国王に必死にアルノイド様の捜索を頼んでいるのを見かけました。」
「ルーチェルが?」
「はい、心配してるみたいでした。」
ルーチェルとの関係は悪くはない。
幼い頃はルーチェルはいつも俺の後をついてきてくれた。
だけど、いつの間にか壁が出来て会話する事も無くなった。
ルーチェルの周りにはいつも人がいたからな。
「弟さんが何か力を使っていた可能性を考えたんですが、あの様子だと弟さんは関わっていないかもしれません。もしくは無意識的に使っているかどうかですが、弟さんはアルノイドさんの事を慕っている事は確かです。」
その気持ちだけで嬉しかった。




