表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/4

ほんとに弱いのね

「お、女の子!?」


一本の樹の上から弓で狙撃を行う少女を見て、驚愕の思いと戦慄が体を走る。


「グオラアァ!」


現れた少女を脅威と判断したのか小鬼ゴブリン共は、威嚇するように大声を上げて樹に向かっていく。

数では、小鬼ゴブリンが圧倒的に有利。しかしーー


「グオッ!?」

「ガラァ!?」

「グラァ!?」


次々と倒れていったのは、小鬼ゴブリン共の方だった。


「その程度?」


樹の上で少女は、余裕の笑みを浮かべていた。

彼女の放つ矢は、まるで意思を持っているかのようにホーミングして小鬼ゴブリンの頭を貫いていく。


「凄い……」


その人間離れした精密狙撃に素直に驚いていると、一匹の小鬼ゴブリンが俺の方を振り向いて閃いたように目を光らせてこちらに跳んできた。

そして、そのまま俺の首に短剣を当てて、


「グルルゥ!」


まるで、「この人質がどうなってもいいのか!?」的なジェスチャーを取る。


「それで?」


だが、少女は余裕の笑みを崩さない。


「それにしても、ヒト族ってほんとに弱いのね。小鬼ゴブリン一匹にその様ってちょっとやばくない?」


少女が俺にかけてくれた言葉は、思いの外辛辣だった。


「ついでに言っとくと、わたしそのヒト族とは知り合いって訳じゃないから人質としての価値ないよ?」

「ちょっと、ひどくね!?」

「グルオラァ!?」


俺と小鬼ゴブリンが同時に突っ込みを入れる。


「まあ、ここで小鬼ゴブリンからヒト族一匹救えなかったらエルフとして恥だから助けてあげるけど」


そう言うと、少女は躊躇なく矢を放つ。放たれた矢は、複雑なカーブを描き小鬼ゴブリンの持つ短剣の柄にヒットした。

弾かれた短剣は、綺麗に孤を描いて飛んでいった。

俺と小鬼ゴブリンは、しばらくポカーンと短剣が飛んでいった方を見ていた。


「はい、余裕♪」

「す、凄げえ!」

「グルウゥ!?」


エルフの少女の余裕の笑い声と俺の感嘆の声と小鬼ゴブリンの驚愕の声が暗い森に響いた。





更新です!

よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ