デスノートを拾ったらまず、蚊と書こう
蚊というものはすごく気分を害するものである。
特に今のような夏場はとくにむかつく。
俺が知っている蚊の対処法は
1手でたたく。
2アース○ェットをまきちらす。(自分に被害がくるが。)
3リセッシ○さんを使う。(ついでに部屋も良い匂いになって一石二鳥だ。)
4デスノート…!!!!はないので断念。
リ○ッシュさんは効果覿面だったりする。
だが蚊を見つけるたびに撒き散らさないといけないので、すぐに無くなってしまう。
そして使いたいときにないという…。
「あ~あ。デスノートないのかなぁ…」
-あったら蚊と書くのに。
「……あったらいいのにねぇ~」
今、返答したのは10年来の友達であり、俺の良き理解者、山本紅空だ。
「ねぇ歌音、もしデスノートが本当にあったらどうする?」
俺は即答した。
「そりゃもちろん"蚊"と書くだろう。後、ついでに紅空とも書いたりするかもな…。」
後半は真顔で言ってやった。
「や~め~て~」
紅空は涙目で俺にすがる。
俺は笑いながら、
「冗談だよww」
と言う。
紅空は「本当?」とまだ俺を疑っている。
俺は「冗談だから。ホントに」と軽くあしらった。
いつもみたいに他愛のない会話をして歩いていると、道端に一件、知らない店があった。
その店はあきらかに黒いオーラを放っている。
道行く人は「何この店…」みたいな目で一瞬みて通りすがっていく。
「歌音、あの店明らかにおかしくないか…」
「うん。おかしいね。」
とりあえず、凝視してみる。
その店の店主と目が合った。俺は反射的に視線をそらす。
『そこのお兄さん。ちょっと寄っていきませんか……?』
妖艶な表情で俺たちに語りかけてくる。だめだアイツ早く何とかしないと…。
俺は平然を装って、歩き出した。
「紅空行くぞ-――っておわっ!」
急に紅空に服の裾をつかまれた。
「ねーねー歌音!よってこうよ!」
俺の友人は目をキラキラさせている。変なスイッチが入ってしまったみたいだ。
こいつをほかっておけない…
俺は仕方なく店に寄っていくことにした。
―---
店に並んでいるものは世にも奇妙なものばかりだった。
「はやく帰りたい…」
そんな事をつぶやきながら商品をみる。
「歌音~見て~このノート~」
まさか買う気じゃないだろうな…と思い近寄る。
『お客さん……いいものに目をつけましたね……。それはデスノートですよ…』
ハッまさか…
『よければ何か書き込んでもいいですよ…?』
俺と紅空は顔を見合わせた。
そして、俺は生唾を飲み、"蚊"と書いた。
その瞬間、どうやら本当に蚊が居なくなったみたいだ。
俺と紅空は頷きあった。
そして全力で逃げた。
全力で走り続けた。
……まさか……な……。
それ以来、蚊に刺されなくなったのは誰も知らない…はず―――……
初めまして、涼暮歌音です。
蚊音じゃないです。歌音です。
本当に蚊は居なくなって欲しいですね。
主人公は自分です。どちらかというと自分をイメージして書きました。