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影の果てに

 世界のどこにも、私の居場所はなかった。


 歩いても、声を上げても、触れても、すべては風に流されるように消える。

 助けた命も、避けた災害も、偶然として忘れ去られる。

 胸に残るのは、孤独だけだった。


 村の広場では、人々が笑い、日常を送る。

 私の存在は透明で、まるでそこにいないかのように扱われる。

 呼びかけても応答はなく、触れようとしても世界が押し返す。


 森で見かけた魔物も、子どもたちの笑顔も、

 私の関与は消され、記録には残らない。

 影だけが揺れる。

 しかしその影さえ、誰の目にも映らない。


 夜、部屋に戻ると、天井の影が静かに揺れている。

 光も声も、温もりも、胸には届かない。

 存在しても、意味はない。

 生きているだけで、孤独は増し、胸の奥の痛みは深くなる。


 ――世界に触れず、誰にも触れられず、

 私は孤独の果てに立ち尽くす。

 希望も救いもなく、ただ影として存在するだけ。


 存在しても意味のない、無色の絶望が、静かに広がった。


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