静かなる絶望
朝の光は、今日も私に届かない。
世界は静かに、しかし確実に、私を無色として扱う。
声を上げても、振り返る人はいない。
触れても、誰も気づかない。
存在しても、意味はない。
昨日助けた子どもも、森で避けた魔物も、
偶然の産物として消えていった。
胸に残るのは、達成感でも感謝でもなく、空虚だけ。
歩く道には影が落ちる。
だが、その影は誰にも映らない。
呼吸するたびに胸が締め付けられ、孤独が確実に重なる。
村の広場では、人々の笑い声が響く。
でも、私の存在は透明だった。
触れようとしても、すべては空気に溶ける。
握手も、声も、行動も、誰にも届かない。
夜、部屋の中で天井を見上げる。
静寂が心を押し潰す。
存在している意味すら、世界に拒絶される。
――希望はない。
報われることも、認められることも、許されない。
無色は、世界の外に置かれた孤独な存在。
胸の奥の重みだけが、確かにそこにある。
それ以外に、何もない。
光も声も温もりも、触れられることも、すべて私には届かない。
生きているだけで、孤独は拡がる。
静かなる絶望が、私を包み込む。
そして、世界は無色を忘れ、消し去ろうとしていた。




