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11話 憧れの女子会

 


 なんか女子会みたいね 憧れてもいたけど 前世のわたしには縁が無いイベントだった…。


 折角せっかくだから 紅茶でも入れましょっ「はい みんなこっちに」


 わたしは 昨夜ゆうべ作った 鞄から…って言っても笑顔のマーク上に あるだけだから 空間からテーブルセットとティーセットを出して 焼いて置いたクッキーを 振舞った。


『小梅随分嬉しそうだな』『女子でおしゃべりなんて…あっべ 別にボッチじゃないからね』


『自分で皆まで言うな…』


 ユーリとルルは口をあんぐりとし立ち尽くしていた


「ユーリにルル いつまで突っ立とる はよ座れ」二人は小夏の言葉で 我に返った


「小梅さ…小梅、今のは?」今の?「テーブルとティーセット!」


『神様 不味かったかな』『かまわんじゃろ』『折角だから 神法に付いて聞いて見るかのう』


「ユーリとルルも使えるのじゃろ神法を」


「ええそれは そうなのだけれど 小梅が見せた神法は初めて見るし 何が何だか…わからないわ」


 だいぶ混乱してるようだ「小梅が見せたのは 空間を操る神法じゃ」


「そんな神法聞いた事もないし 考えた事もなかった」「小梅じゃからのう わしの姉はすごいじゃろ」


「凄いなんて もんじゃないわ!」


「そうじゃろ そうじゃろ」神様が嬉しそうだよ


「小梅に聞いたのじゃが 神法師と名乗った様じゃが 神法師とそうで無い者に違いがあるのか?」


「教会が決めているのよ 基準もあいまいなの」


「ただ 神法師の方が強力な神法を使えると思われているわ」


 みんなに紅茶とクッキーを勧めた「美味しい!これは何て言う食べ物なの?」


「クッキーと言う焼き菓子ね♪」「そ、そう、焼き菓…子…ね」


「小梅は凄いじゃろ お菓子も作れるのじゃ」「神のすべ…」


「ルル なにか言った?…」「な、なにも言ってない…ご馳走になります…」


 『おぬしも自重じちょうしなくなったのう』『だって 楽しいんだもん♪…』


 『そっか なら良し!此れからも遠慮はいらん』


 ユーリとルルも クッキーを口にして 手が止まらなくなっていた


「ユーリにルル 装甲の刃とはどういうパーティーなのじゃ?」


「あっ!わたしも聞きたい」小夏がジト目でわたしを見た…。→_→


「幼馴染よ みんな孤児だったのよ 何処に居るのか 自分が誰なのかもわからなかったわ あの頃は…」


 ユーリは そこまで話して黙ってしまった 続いてルルが


「お母さんに 拾われた 本当のお母さんではなかったけど 優しかった…みんなとは其処で一緒に暮らしてた お母さんの家は 家と呼べる様なものじゃ無かったけど…」


 …暫しの沈黙の後ユーリが話し出した…


「デクとボーは お母さんと出会うまえから 一緒にいたらしいわ デクはお調子者で いつも輪の中心にいたわ ボーは 人見知りで おとなしかった ボーはデクに憧れていたみたいで デクの真似ばかりしていたけど 不器用だから デクもボーもああ見えて やさしくて真面目なの… 二人にはごめんなさいね」


「 誰も近づかない 森深くに迷い込んで みんな もう終わりと思った それでも 何時もと変わらないように あの二人はふるまってたの …そう、そうする事が 生きた証になるかの様に…」


 …静寂のあと 話を続けた…


「私たち四人だけじゃないの お母さんの子供は……、でも 私たちだけになってしまった」


 わたしはなんて愚かだったんだ …そうだよ 平和な現代の日本とは違うんだ わたしだって 少なからず経験してたじゃないか!


 浮かれていた自分が情けなくて 震えが止まらな い …そんな わたしの膝の上に小夏がちょこんと座った

…小夏をぎゅっとしながら、訪ねた


「お母さんは今はどうなされているの?」


「亡くなった もう随分と前に…お母さんは デリーゼ帝国から来たと言っていた 教会を破門になって 逃げてきたらしい」



「ルルは お母さんからヒールを習った」



「デリーゼ帝国は教皇が納める国なの エントールに有る教会もその教会なの お母さんが 亡くなったあと 私とルルは素養が有ると教会に招かれた」


「デクとボーは 冒険者になるしかなかった 冒険者ギルドに住み込みで 依頼を受けて暮らしていて それでも彼らはエントールのギルドでは 一、二を争う冒険者なの」


「今回の探索は誰もが危険なものになると思っていた 王族近衛師団おうぞくこのえしだんでなければ 無理と言われていたの」


「近衛師団の団員には貴族のご子息が多く 貴族からの 強い反対があった」


 そうだ親からしてみれば…反対した貴族を責められるものではない


「とは言っても放置する訳にもいかず 国王陛下からギルドに依頼があった で 矢面やおもてに立ったのが デクとボーなの」


「パーティーメンバーであるおぬしらが必然的に来たというわけじゃな」


「いいえ そうじゃないの私たちはパーティーを組んだ事はないわ」


 …?「では、装甲の刃とやらは?」「今回だけのパーティーね」「そうか 幼馴染を見捨てられずにか…」


「違うわ 教会にも依頼があって 孤児だった私たちが指名されたわ」


「誰にじゃ」「司教によ」…


「でも…司教から指名されなくとも デクとボーが 行く事になったと知っていれば 付いて来たわ!…家族だから」


「そう 家族 お母さんに名をもらった家族」


 …


「小梅… デクとボーは わしが見てやる」「いいの?」


「えっ小、小夏ちゃんが あの男共を? だ 大丈夫?」


「大丈夫じゃ わしがギルドではなく神球 ”一、二”にしてやろう」


 ****


  その後 ユーリとルルは再び口をあんぐりと立ち尽くす事になった


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