113話 小夏vsタッチャン
「ガハハハプレイボール!ガハハハ」「ウウー!」
「ガハハ野球のルール知っているの?」「小梅の家のテレビで野球中継見てましたからな」あらそう
「竜也!スリーアウトの一回勝負じゃ!」「小夏様 野球に関して手加減は出来ませんよ!」「手加減じゃとわしを誰じゃと思っている…見よ」あれは!一本脚…なんでピンク色のユニホーム?
「フラミンゴだ」「僕もフラミンゴになりたいにゃん」「あらあらヴィクトリアに作ってもらいましょう」「かぐやも着たいです」姉妹揃ってピンクか…。
「竜也さまー!頑張って!」
「あらあらサラったら竜也に夢中ですこと…」なに…小春嫉妬⁉︎「小夏!特大ホームラン打たないと…」「先を言え!怖いだろ小春!」「ふふ」これは打たないと怖いよ!
竜也が第一球を…おいおいあんなに足を…投げた!
…消えた!「バシ!」「ストライーク!」小夏が見逃した…と言うより見えなかった?因みにキャッチャーは鬼平だ!「ほほうーなるほどな…タイムじゃあ」どうしたのかな?…水を撒き出したよ小夏?
「流石小夏様もう見切りましたか」「はは これでもう消えまい!」
第二球…今度は普通に投げた!…小夏の直前で球が幾つにも…小夏のバットが空を斬った!「ストライクツー!」「な なんじゃと」「あらあら小夏…」ふふ 小夏が冷や汗をかいてるよ
第三球!…飛んだ!バットがまた空を斬る!「ストライク!バッターアウト!」「おいおい待て待て 今のはボークじゃろ!」「ガハハハ小夏様細かいこと言っているとモテませんぞガハハハ」「あらあら…」「玉は小夏が好き」「わたしもです」「私も」「僕も好きにゃん」「あらあらモテモテですわね…負けたけど…」ギクっ!
「ハハしょうがないのう わしの負けじゃ!」こうして小夏vs竜也のスリーアウト一本勝負は竜也の勝ちで幕を閉じた
『小夏…』『なんじゃ』『本当は打てたでしょ』『…さあな』『あらあら』『ふふ』「さあみんな湯屋でお風呂に入ってご飯にしましょう」「はーい」「ご飯にゃん」「今日はコーヒー牛乳にしようかな」
『小夏』『なんじゃ』『最近猫が僕って言うようになったね』『じゃな なにか変化でもあったのじゃろ』『そうなんだ』『大した事ではないじゃろ』『あらあら』大した事でないと小夏が言うなら…ま いっか!
―― 僕。――
僕の名前は宗二郎 兄妹と父母の5人家族だ
僕は病弱で床に伏せている事が多い 家の仕事は農家で父も兄も朝早くから畑仕事に行っている 母は僕の側にいるので畑仕事には行っていない…物心ついた頃からそうだったのでそう言う物だと思っていた…
「にばんめのあにー…だいじょうぶ?」
2つ年下の妹だ「大丈夫だよ…どうしたの?」「ううんなんでもない」妹はたまにこうして僕の様子を観にくる…僕も早く元気になって畑仕事をしなくては…どうすれば元気になれるのだろう…僕にできる事は何かないか…。
いつも寝たきりで考えていた…気がつかなかった…妹の姿が消えた事に…!…。
今この国は戦争が続いていると兄が言っていた わからなかった戦争がどういう物なのか 僕の世界は余りにも狭い畳み数枚のこの部屋の中だけだった
それは真夜中だっただろう母が父に僕の薬がもう少ししか無いと…
そう薬は貴重なのだ お国のため戦っている人がいるのに寝たきりの僕の為に使う薬など…
僕は愚かだった僕がいる為に父が…母が…兄が…そして妹が…
遅くなったが僕の出来ることが見つかった…それは僕がいなくなる事
いつもの様に父と兄が畑仕事に向かった昼すぎ 行商の人と話をしている母…今しかない 僕は床から這い出た!外の土 揺れる木々…最初で最後の僕の冒険だ!「すぅ――っふぅ――空気が旨い」
畑のある方角とは逆の山へと向かった 途中木の枝があったのでそれを杖代わりに…これが自然かチカラがみち溢れている そう感じた「さーーさーー」うん?沢の音?僕はけもの道を水の音のする方へ向かう…ゆっくりだが確実に…一歩…一歩…あっ川だ!「ガサッ!ガサガサガサ!」崖から落ちる僕…
僕の最初で最後の冒険は終わる…
僕は成し遂げた僕の人生を…これで妹も帰ってくるだろう…心残りは…四人が楽しく暮らす姿が観たかった …
…
…。




