109話 バラ色の未来 終話 私の未来はバラ色なのだから
「うーん、タマランのう」
「1枚しか焼かんのか?」
「ええ、小夏ちゃんの」
「馬鹿もん!みんなで食べてこそじゃ、お主の分もいっぱい焼け」
「は、はい」
「冷蔵庫に、バターとメイプルシロップが入っとるから」
えっーと、ほんとだ。
「早く早く」
「…?」
「召し上がれって言え!」
「め、召し上がれ」
「頂きます!」
「頂きますにゃん」
「猫みっけ!」
「しまったにゃん」
えーっと、さっきの猫ちゃんなのかな?
「ふう、美味かったぞ、楓」
「良かったです」
「で、なにを泣いておった?」
私は今までの事を、小夏ちゃんと猫ちゃんに、全部話した。
「なるほどな、猫はわかるか」
「楓はまだ、死んでないにゃん」
「それで、記憶も相待って物質創造が出来たのかもな」
「でも、もう時間がないにゃん」
…時間が無い…私は死ぬのね…
「楓、泣くな、地球から こちらの世界に来たのは 寧ろ運が良かったじゃろ」
「こうして、わしにも会えたのだからな」
「そうですね、みんなにお別れの挨拶をしなくちゃ」
「楓、お母さんとお父さんが 呼んでるにゃん」
えっ!…
「あ、猫泣かした!」
「えーっ!猫にゃん」
「猫、日本に連れて行ってやるんだろ」
「勿論にゃん」
「楓、この世界でお世話になった人にお別れの挨拶をして来い」
お世話になった人…。
「お世話になった人は遠い国にいるので、今、マロン教国にいる人達だけで」
「なにを言っておる、わしがおるのじゃ、連れて行ってやる」
「猫もいくにゃん」
私は立ち尽くしていた。
「UFOですか?」
「そうじゃな」
「でかいですね」
「小さいのは小梅にあげたからな」
「そうなんですね」
「ロイゾン国のナデシナ村、湖の辺りじゃな」
「はい」
えーっと
「着いとるぞ」
「早!」
「パイロン!パイヤ!パミ!」
「楓!帰って来たのか」
「うーうん、私ね、違う世界の人間なの」
「…。」
「でね、もう直ぐ死ぬんだ…だから」
「かえで…」
「みんなありがとうね、バイバイ」
「かえで!」
突然現れたかと思ったら…霧が晴れるかのように消えてしまった…
「パパ ママ かえでは死んじゃうの?」
「…大丈夫さ あの楓だぞ!」「そうねきっと…」
※※※
「良いのか」
「うん」
「じゃあ戻るぞ」
「ドレンチ、メイビ、サリー、サーシャ、カモ助」
「おうっ⁉ どうした、楓…どこから現れた⁉」
「なんで、みんなダンジョンにいるの?」
「ハハ、少しでも強くなって、楓のチカラに…」
「どうした!楓!」
「みんな、ありがとう!それとごめん!」
「みんなをこんなに遠くに連れてきて置いて、私、違う世界の人間なの…そして、もう直ぐ死ぬの…ごめんね、みんな」
「…。」
「謝る事なんかないぞ、夢の国に連れて来てくれたんだ楓は…」
「そうよ…ありがとう」
「じゃあ行くね、バイバイ」
「消えちゃった…また会えるわよね…」
「ああ」
※※※
「…グスッ…はあーっ」
「小夏ちゃん、ありがとう」
「もう良いのか」
「うん」
「猫頼んだぞ」
「わかったにゃん」
※※※
「ピ――――!!!…」
「楓!」
『にゃー』
「お母さん、お父さん」
「…楓」
「ごめんね、私、死んじゃうけど、死ぬ前に、お別れの時間を 神小夏ちゃんがくれたの」
「私ね、さっき迄違う世界で冒険をしてたんだよ、信じられる、ふふ」
「楓…」
「先立つ親不孝者でごめんね」
「元気で…お母さんお父さん大好きだよ!」「楓…」
※※※
「ありがとう猫ちゃん、ありがとう小夏ちゃん」
「へへ」
「良いのにゃん」
「で、これから私はどうなるんだ?」
「まあ待て今来るから」
「小夏!」
「あら、貴女が楓ちゃんね、私は小梅、話は聞いたわ」
「地球の神には連絡しといたから」
「じゃあ 行きましょうか」
「行くって何処にですか?」
「ふふ、神界よ、今から貴女は私の姉妹だから、よろしくね」
えっ姉妹!よろしくねって!私 死んだんだよね…?
「丁度、玉ちゃんと同い年位かな?」
「そう言えば、玉ちゃんわ?」
「あっ」
「小夏?」
「いやいや、忘れておったわ、かくれんぼの最中だった」
「小夏…」
「いやいや、楓が、いけないんじゃ」
「えーっ!」
「小夏?」
「はい、探して来ます」
「ふふ、後でみんなを紹介するわね 楓の話も日本の話もいっぱい聞かせてね」
「でも、日本の事も地球の事も みんなには内緒よ、わたし達姉妹だけのひみつだから」
「因みに、楓を入れて、わたし達は7姉妹だから」
はあ…。
「楓は、4番目か5番目ね、ふふ」
「あのう、皇帝には会って行かれないんですか?」
「ああ、あの子ね…別に良いでしょ会わなくても」
そっけないけど…なにかやらかしたのかな皇帝?
「じゃあ早いとこ玉ちゃんを見つけて帰りましょう、楓も一緒に探してくれる」
「玉ちゃんとは?」
「丁度楓ぐらいの女の子よ、しっぽがあるけど」
しっぽのある女の子か…ふふ
「わかりました見つけて見せます」
こうして、私のバラ色の未来が始まる事になる
※※※
数日後…
「あなた、あの子別の世界で冒険をしてたって…神…小夏ちゃん」
「ああ、神様をちゃん付けで呼んでたな…あはは」
「ニャー」
「あら猫ちゃん 可愛いわね」
猫がくわえていた 神石を二人の前に置いた。
「あら綺麗な石ね あっ」
「ちりんちりんちりん」
行ってしまったわ…。
「楓からの贈り物かもな」
そうね…向こうでも言っているんでしょうね。ふふ
バラ色の未来




