100話 バラ色の未来 14 何よりだよ。
私達はサミュエルさんに連れられて、大きな門の前に立っている。何処までも高い頑丈そうな塀が続いていた。
門番さんに、サミュエルさんが挨拶して、私達も続いた、その先にある詰所?で、入国手続きをしている。
「みなさんは、どちらから来られたのですか?」
「この子がサテライトからで、私達はロイゾン国からです」
「ステイタスカードは、お持ちですか?」
「私達は、カードを提示した」
「楓、私はステイタスカード持ってない」
サーシャはステイタスカードを持ってないようだ。
「大丈夫ですよ」
サミュエルが受付の人に何かを話している。
「サーシャさん、此方に来て」
あれは、いつぞや見た静脈認証機?
「サーシャさんのカードは、サーティー所属にしておきました」
サーシャさん嬉しそう。良かったね。
無事に入国手続きを終えて、水路をゴンドラ?に乗って、サーティーに、道中サミュエルさんから、マロン教国のルールなどを聞いた。
なんとマロン教国には、通貨はないそうだ。
教国の住民は衣食住を保証され、怪我や病気もすぐさまに、治して貰えるそうだ。
ただし、自分の出来る仕事をするとの事。
私の出来る事は…お金の勘定…うっ、この国では無駄スキルだよ!
ゴンドラの揺れが心地よい、綺麗な街並みも相まって、確かに夢の国だ!
…、あそこにいるのは、オーク?あっちにはオーガ?何かを運んでいるみたいだよ、サミュエルさんの話ではマロン教国では、色々な種族が共存していると言う。
それから、是非食堂で食事を食べて行ってくださいと…料理にも自信があるのかな?
「着きましたよ」
なんて事だ、眼前にそびえ立つお城が、これは王宮と言う奴だ。
サミュエルさんは王様?
サミュエルさんの話では、元々は、サテライトの王族で、サミュエルさんは王子だったそうだ。
軍国に、侵略を受けそうな時に、神様の御慈悲で、この地に住まわせて貰ったそうだ。
城は今は教会として、使って貰っていると言う、サミュエルさんは、元城の横にドアーフが作ってくれた…古民家?古民家だよね!此れ!住んでいると言う。
以前は、神様の家の敷地に、住んでいたそうだが、神様が神界に帰られたので、此方に移ったそうだ。
此方の家をと、滞在中は好きに使って構わないと…マジックバックから古民家を出した!
皆、驚愕だよ!
サミュエルさんの執務室で、話しましょうと、誘われたのだが、私達が一緒より、サーシャひとりの方が良いと思い、私達は遠慮したのだが、サーシャが一緒にいて欲しいと言うので、今は執務室のソファーに…ふかふかだよ!
「先ずは、私とサーシャさんの関係から話しましょう」
サーシャは、サミュエルのはとこの子になるそうだ。
「サーシャさんを救ってくれて、ありがとう」
元王子様にお礼を言われたよ。
「サーシャさんは、エルフの里を目指していたんだよね」
「はい、サテライト大陸の民を助けて頂けないかと」
「サーシャさんは、何故ひとりで?」
「…。」
私はつい口を挟んでしまった。
「サテライト大陸の民は、サーシャが王族と知っていて、自分達が苦労しているのはサーシャのせいと…思い詰めたサーシャがひとり小舟に乗って」
「そうですか、サーシャのせいではないですよ」
「あの者達は、自ら望んであの地に戻ったのです」
戻った?
「あの者達もまた、神の慈悲で一度はこの地で暮らしていたのです…自らあの地に帰りたいと望んだのです」
「あの地の王族もまた、それとは別にあの地に戻りました」
「サーシャの母サブリナは、何もわからないまま、親に連れて行かれただけです。なので、サーシャが気にする事は何もないのです」
サミュエルさん少しお怒りかな?
「ですので、サーシャさん、私はあの地の民を救う事は出来ません」
「…わかりました」
「旅で疲れたでしょう、今日はゆっくりと休んでください。明日私がマロン教国を案内しましょう」
私達は執務室を後にして、古民家へ。
サーシャ大丈夫かな、きっと辛い思いをして来たはずなのに…、サーシャを虐めるなんて許せない!…私も怒りが込み上げて来ちゃうよ!
いかんいかん、サーシャは優しい子なんだね。
気持ちを切り替えて、みんなで食堂に行く事に。
おいおい!自販機だよね此れ!
注文しても食べれるんだ…このメニューは…唐揚げにハンバーグ、魚の煮付けにステーキ…定食セットはいかが?っておい!
みんな、何を頼んで良いか迷ってるよ、知らない物ばかりだもんね。
「どれも美味しい物ばかりだよ、コチラから選んで、セットでと注文すれば良いよ」
みんな覚悟を決めたようだ。
「なんじゃこれは!」
オヤジ共黙れ!お上りさんみたいで恥ずかしいだろに!ふふ、でも気持ちはわかるよ。まさか、日本のあの味が…あれ…。
「楓…大丈夫?」
「ごめんごめん、大丈夫だよ、あまりに美味しくて」
「本当よね、どれも初めて見るものばかりだけど、こんなに美味しい料理は食べたことないわ」
サーシャも…がっついて食ってるな、おい!
元気が出たようで何よりだよ。




