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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第七十八話:ミッドナイト基地・戦後処理会議

 新宿での激戦を終え、ミッドナイト基地には重い空気が流れていた。


「…今回の一件で、はっきりと分かった」

 服部夜刃が、沈痛な面持ちで口を開く。

「【伏】の宝玉とその主である佐藤玲奈の損失は、我々にとって致命傷となる。本来、八犬士は東京魔法陣を守護し、その力を伏姫から還元されることで成り立っている。その力の源泉そのものを、敵はいつでも奪えると知ってしまった」


 その言葉を聞きながら、ユウマは無言で、帰還したばかりの玲奈の肩を強く抱きしめていた。玲奈も、誘拐されていた間の恐怖が後から襲ってきたのか、彼の胸で静かに泣いている。

 星荘(ほしな)はいいなぁと指をくわえて羨ましがり、桜親(さくら)はそんな星荘(ほしな)を嗜める…雷道(ライカ)は…雑念を払うが如く、なにやらノートPCに向き合っている。


「今回は伊賀九曜衆の活躍もあって、なんとか回収できたが…今後、どうする?」

 夜刃の問いは、全員に向けられていた。


「…よもや、玲奈を政府施設の地下にでも監禁するつもりか?」

 ユウマが、訝しむように夜刃を睨む。


「話はそこじゃないと思う」

 その緊張を破ったのは、彩花の冷静な指摘だった。

「そもそも、なんで【伏】の宝玉だけが、玲奈ちゃんと共にあるの?他の八犬士の宝玉は、魔法陣の基礎になっているとはいえ、山手線駅の近郊に配置され、それを使役している皆は、宝玉から離れても戦えているのに?」


「…もっともな疑問です」安倍星華が頷く。

「ですが、八犬士の母たる伏姫の宝玉に関する記述は、ほとんど残されていない。残された資料にも、どうすれば宝玉を本体から分離できるのか、その方法は…」


「…あのさぁ」

 議論が行き詰ったその時、健太がおもむろに口を開いた。

「二人がチューして覚醒したんなら、もう一回やってみたら?」


 シーン…と、基地が静まり返る。そして、

「「「ナルホド!」」」

 健太とユウマ、玲奈以外の全員の声が、綺麗にハモった。


「なっ、なんで人前でそんなことしなきゃなんないのよ!」

「そ、そうだぞ!プライバシーとか色々あるだろ!」

 顔を真っ赤にして抵抗するユウマと玲奈。


「前回はヤっただろ?」

 彩花がニヤニヤしながら突っ込む。

「あん時は、緊急事態だったの!」

「今が、その緊急事態だ」

 服部夜刃が、真顔で、しかし有無を言わせぬ圧力で告げた。


「「う…」」

 二人は、しぶしぶといった様子で向き合う。

「…ぜ、全員、絶対、目をつぶっててよね!」


 玲奈の悲鳴のようなお願いを聞きながらも、八犬士たちが興奮した様子で、指の隙間からその様子を垣間見ている。

 ユウマと玲奈の唇が、ゆっくりと重なる。


 その瞬間。

 玲奈の胸に宿っていた宝玉が、これまでになく眩い光を放った。

 そして、その光は、二人が重なる唇の間から、ゆっくりと、しかし確かに、物理的な宝玉として、姿を現したのだった。


「うっわ、エロ~」二人の唇の間から唾液に濡れた【伏】の宝玉をみて揶揄う健太。

 彩花が肘鉄を喰らわせるが、これが伝説級の宝玉の顕現か…まさかこの目で見ることが叶うなんて!と興奮しながらまたノートにがりがりと書き込んでいる。


「もうさぁ~これで、証明されてない?」星荘(ほしな)がヤバイ目をして抱き合う二人に近づく…

 あ、おい!と桜親(さくら)が止めに入るより前にユウマを無理やり自分の方に向かせキスをする。


 宝玉を手に取り、少し呆けていた玲奈が正気に戻り、ガチギレする「ちょ!星荘(ほしな)?!アンタ目の前で親友の彼氏奪うとか…」

 だが、その星荘(ほしな)は……なぜか目を回して倒れていた。

星荘(ほしな)ぁ~!しっかりしろ!」桜親(さくら)が抱えて看病するが…顔を赤くして硬直している「馬鹿野郎無理しやがって!」どうやら、ファーストキスだったようだ…逆上(のぼ)せて倒れる星荘(ほしな)をほっといて…


 玲奈は手に持つ【伏】の宝玉掲げて、その神秘の光が自身にも流れ込む力の元であることを自覚していた。

「取り出すことに成功したけど…コレどうするんだ?」ユウマはそれはそれで困ったぞという顔で夜刃と聖華に聞く。


八犬義盟(はっけんぎめい)不壊之陣(ふえのじん)!」


 宝玉を防御するために八犬士が防御結界を…と構えるが、星荘(ほしな)離脱で失敗…

石川五愛萌(いしかわ・ごえも)!」夜刃が声を掛けると、すぐさまに「ここに」と石川五愛萌が現れる。「死守して安倍聖華殿と共に星詠司の総本山に奉納せよ」「御意」

 安倍聖華も「では、夜刃さん…後をお願いします」「致し方ない」と姿を消す。





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