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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第六十話:第四戦線:【奇策】の幻惑 vs 【忠】と【孝】の真実

他の戦線が、力と技がぶつかり合う物理的な激戦を繰り広げる中、第四戦線は、人の五感と運命そのものを弄ぶ、異質で不気味な攻防が繰り広げられていた。


「ふふっ、算段はついたわ。あんたたちの霊力、ここで封じたげる! 『結界術・太閤検地』!」

ツンデレ秀才・石田美咲(いしだ・みさき)が算盤型法器「天地秤」を高速で弾くと、犬飼聖乃(いぬかい・せいら)犬塚華信(いぬづか・はな)の周囲の空間が歪み、霊力の流れが数値化されて強制的に抑制される。体が鉛のように重くなり、技の発動が著しく困難になる、厄介極まりない結界術だ。


「あはっ、動けへんようになったところに、ウチの幻術はいかが? 『幻術・上田城絡繰』!」

 小悪魔系メイド・真田幸(さなだ・みゆき)が印を結ぶと、無数の狐の幻影が出現し、数多の分身となって聖乃と華信を嘲笑うように取り囲む。どれが本物で、どれが幻か、もはや見分けがつかない。


能力を封じられ、幻に惑わされる。じわじわと精神を削り、確実に仕留める。それが、この二人組の必勝パターンだった。


「…聖乃(せいら)さん!」

「…分かっているわ、華信(はな)!」


だが、この八犬士コンビは、そんな常識的な戦術が通用する相手ではなかった。


聖乃は、その身に宿す【忠】の宝玉を輝かせる。主君(ユウマと玲奈)への揺るぎない忠誠心は、幸の幻術ごときでは決して惑わされない精神の道標となる。



「あなたの幻、私の『忠義』の目には、全て見えているわ!」

彼女は目を閉じ、心の目で本物の幸の気配だけを捉えると、その手に持つ鎖鎌を天高く掲げた。

「その小賢しい動き、この星鎖鎌で縫い付けてあげる! 『災星(ステイラー・)追弾(ファング)』!」


聖乃から放たれた分銅は、蛇のようにうねりながら、無数の幻影をすり抜け、一直線に真田幸本体へと襲い掛かる。

「きゃっ!なんでバレたん!?」

驚く幸の動きを、聖乃の鎖が確実に絡め取っていく。

「ちっ!こうなったら…『真正堅牢真田丸!』」

櫓の様な空中に浮かぶ浮遊小型要塞に身を固める真田幸…防御に徹する彼女の結界は破られた。


視聴者さんたち(ウォッチャーズ)!石田三成は秀吉亡き後関ヶ原でその忠臣ぶりを示して徳川に最後まで抵抗したけど、嫌われ者だったよね…冷徹で人間味がない杓子定規の人間に、心の強さの変化は分からない!みんな!応援よろしく!」ユウマの心のスキを突くためのツッコミが入る

「石田杓子定規」「太閤検地の嫌われ者」「戦国サイボーグ」「クール美人」「出来る上司は嫌われる

」「美人なら良し」

「次は、あなたの番よ!」

華信が、美咲の結界に向かって、その手に持つ十手「華音手」を突き出した。

「私のお父さん、お母さん、そして渋谷のみんなへの感謝の気持ち…【孝】の想いがこもったこの音で、あなたの歪んだ計算、全部吹き飛ばしてあげる!」

封音律(ふうおんりつ)孝断ノ型(こうだんのかた)!」


キィィィィン!

華信の十手から放たれたのは、物理的な衝撃ではなく、清らかな音の波動だった。

その音色は、美咲が構築した霊力封じの結界の構造式そのものを内側から揺さぶり、共振させ、ガラスのように粉々に砕け散らせた。


「馬鹿な…!私の計算が、こんな非論理的な力に…!」

幻術を破られ、結界を砕かれる。連合軍の中でも最も厄介とされた奇策コンビは、予測不能な鎖鎌と、全てを浄化する音の前では、その牙を抜かれたも同然だった。


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