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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第四十二話:戦乙女プロデュース企画会議

 北海道での一件を経て、ユウマは早速、最初のターゲットとして犬川星荘(いぬかわ・ほしな)に向き直った。


星荘(ほしな)、君を支えるファンを作るために、君に出来る事を教えてくれ。どんな些細なことでもいいんだ」


 真剣な眼差しで迫るユウマに、星荘(ほしな)は困惑した表情を浮かべた。

「え、なにそれ…私、普段は学生で、執事喫茶でバイトしてるくらいだよ…?これといって、何にもないよ…?」

 彼女は少し考えて、自信なさげに付け加える。

「推しキャラの話とか、好きなゲームの実況とかなら、できるかもだけど…それって、その道の先達には絶対に勝ち目ないよね?…そんなに喋り慣れている感じでもないし…実況動画見るのは好きだけど」


「うーん……」ユウマは腕を組む。「でも、戦乙女(バトル・メイデン)としての君の凄さは、もう十分に伝わってる。だからこそ、戦う以外の魅力を上手く伝えて、ファンとの交流を深めたいんだ。とにかく、何があっても応援してくれる、強力な固定ファンをつけたいんだよ」

 ユウマの熱意に、星荘(ほしな)はなおも難色を示す。その時だった。


「この際、思い切って衣装チェンジとかどうっすか?!」

 健太が、目を輝かせて提案する。

「え?……え、えっちな衣装は着ませんよ?!」

 星荘が顔を真っ赤にして慌てると、ユウマが素朴な疑問を口にした。

「そういや、なんで戦乙女のメイド服ってみんなデザインが違うんだ?」


 その問いに、静観していた安倍星華(あべ・せいか)が答える。

「それは…この武技礼装(メイド・コス)が、装着者本人の意思や信念を、ある程度反映するからです」

「じゃあ、『スカート短くなれ』とか意識したらミニスカになるの?!」

 健太の目がギラギラと輝く。その側頭部に、彩花の鉄拳がめり込んだ。

「布の面積は霊力の総量とは関係ありませんので。まあ、ある程度は自由になります」


「ばんざーい!」

 星華の言葉に、健太は喜びの声を上げる。「あ、ああ…」とユウマは若干引いている。


「コスチュームチェンジはイメージ戦略で使えそっす!伊達聖夜みたいなコスは垢BANくらいそうで逆に困るけど、色替えやイメージアクセサリ等グッズに絡むような展開で推し活が出来る様にしていくのはありっす!」健太はノリノリである。彩花もツッコむのを諦めてしまっている…


「もちろん、最終的に選んで着るのは星荘さんっすから!」

 健太はそう言うと、タブレットに用意していた参考画像を見せ始めた。そこに並んでいたのは、星荘が危惧していたような過激な衣装ではなく、デザイン的に凝った、スタイリッシュなコスプレ風のバトルスーツだった。


「あ、これなら…可愛いかも」


 意外な提案に、星荘も少し乗り気になる。「こんなんで、良いのかな…」とユウマが戸惑っていると、健太は「いやいや、ユウマ先輩!これからが本番っすよ!」と、さらに捲し立てた。


「まず、有名動画配信者とコラボしまくりましょう!武道武術系のチャンネルとか、コスプレ界隈とか!知名度を一気に上げるんです!」

 健太の指が、猛烈な勢いでタブレットをスワイプする。


「ついでに、ゲーム会社に企画を持ち込む!『バトル・メイド・サーヴァント』、絶対売れますよ!あと、配信の敵という見方もあるけど、オールドメディアも使うんです!TVやCM、なんなら映画会社に売り込みましょう!」


「どうせなら、盛大なメディアミックスを仕掛けるんですよ!」


 健太の凄まじい勢いに、ユウマは完全に気圧されていた。だが、彼の頭は冷静だった。自分のチャンネルだけに固執していては、中華チャンネルのような物量作戦には勝てない。情報の拡大には、多角的なアプローチが必要だ。


「…分かった」


 ユウマは決心した。

「健太、お前の言う通りだ。もはや、正攻法とか裏技とか言ってる場合じゃない。やれることは、全部やる。始めようぜ、俺たちの…いや、戦乙女(バトル・メイデン)たちのメディアミックスプロジェクトを!」


「本当に大丈夫?!星華さんの忠告聞いたばかりだけど…」玲奈は少しだけ客観的になって意見するが、そこも健太が制する。

「大丈夫っす!全部コンテンツビジネスの体を取り寧ろ『これはフィクションで宣伝なんだ』って思ってもらいながらも人気が出る方が結果良い形になるハズ!」

「まあ、本人の認識阻害もあるし、プライベートと上手く切り分ける様にしよう…どうかな?」とユウマは星荘(ほしな)に話を振る。


「う、うーん…まあ、ユウマの頼みなら…それに、私だって役に立って行きたいし」と少し前向きになる星荘(ほしな)。ユウマは真剣なまなざしで「大丈夫…俺たちが全力でサポートするから」というと「だから心配なんだってば」と玲奈がツッコむ。「確かに…」と笑いが起きる。


 ■星荘(ほしな)の場合


「では僭越ながら、私田中健太が星荘(ほしな)さんプロデュース企画を発表させていただきます」

健太が目の色変えながらホワイトボードに書き出す。


1:執事喫茶をベースにした男装麗人ベースにしたメイドコスチューム

・執事とメイドのお悩み相談コーナー(桜親(さくら)のメイド喫茶とコラボ)

・お嬢様向けマナー講座

2:乙女ロード最先端同人ガイド

・乙女ロード書店、グッズ販売店の売り上げランキングや新作レビュー

・乙女ロードに集いし同志との推し対談

3:星嵐十字槍術武術講座

・技の解説

・戦乙女同士の模擬戦配信


「――という感じで、星荘(ほしな)さんの特色を生かした企画を用意しました」


「「「おおー」」」と皆一様に驚く。健太の企画力はそれなりに形になっている。

「ただのドルオタじゃなかったんだな!」「ドルオタは僕の一面でしかないっす」

「ははは……言うなぁ~」ユウマは思ったより瞬発的に出てくる企画に関心する。

どうかな星荘(ほしな)?というユウマに「はい、なんかどれも楽しそうです」

とまんざらではない様子。


時間をかけて準備する企画ものもあれば、瞬発的にネタに走るものも含めて

バランスよく采配すれば、ネットに生きてきたユウマにとっても何とかなりそうな気が健太の企画から感じ取っていた。

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