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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第二十二話: 独眼竜の憂い

 東京魔法陣サミットで導き出された「両面作戦」に基づき、ユウマたちは次なる一手として、星詠司(ほしよみつかさ)の監視下にある伊達一派『隻眼(ドラコ)北斗龍(セプテムステレス)』との面会を取り付けた。

 上野駅襲撃の初戦で降伏した彼女らから、敵の連携の裏にある情報を引き出すためだ。


 場所は、東京ドームの地下深くに位置する星詠司(ほしよみつかさ)の尋問施設。霊的な結界と最新のセキュリティが幾重にも張り巡らされた一室で、ユウマ、玲奈、そして尋問のサポート役として【智】の宝玉を持つ犬山雷道(いぬやま・らいか)が、安倍星華(あべ・せいか)と共に待っていた。

 健太と彩花は「東京ミッドナイト」のオフィスに残ってもらい、視聴者情報の精査やXを使っての情報収集とポストしての反応などを処理してもらっている。


 やがて、重い扉が開き、二人の戦乙女(バトル・メイデン)が入ってくる。一人は、伊達政宗の魂を継ぐとされるリーダー、|伊達星夜(セイヤ)《だて・セイヤ》。黒いボンテージ風のメイド衣装はいつ見ても挑発的だ。右目にはトレードマークの眼帯がかけられている。もう一人は、その側近で片倉小十郎の魂を継ぐ、冷静沈着な片倉影(かたくら・えい)だ。二人の手足には、霊力を封じる枷が嵌められている。


「……何の用だ、東京ミッドナイト。敗軍の将に聞くことなど、何もないはずだが」

 星夜(セイヤ)は、冷たい声でユウマたちを睨みつけた。


「そんなこと無いですよ!伊達さんのそのエロカッコよな衣装は人気取れると思いま…ぐふぅ」

隣の玲奈が強烈な肘打ちを鳩尾に決めていた。

「そんな話をしに来たんじゃないでしょ?」

「す、すまん…レイナ最近容赦も躊躇もないよな…」

「フン……!」


 改めてユウマは単刀直入に切り出した。「あんたたちが東京を襲った理由、そして蝦夷共和国(エゾレガリア)と手を組んだ訳を聞きに来た。あんたたちの行動が、結果的に武田や上杉を呼び込むきっかけになったんだ。全部話してもらうぜ」


「我らの憂いを、ぬくぬくと都で暮らすお前たちに理解できるはずもない」星夜(セイヤ)(あざけ)るように鼻を鳴らした。


 その時、雷道(ライカ)が静かに口を開いた。

「合理性に欠けるわ、伊達星夜(セイヤ)。あなたたち奥州伊達軍は、北の守りの要。そのあなたたちが東京魔法陣を攻撃すれば、日本の防衛機能は著しく低下する。それは外部の脅威を呼び込むだけの、自殺行為に等しい。あなたの行動は、目的と手段が矛盾している。本当の狙いは何?」


 雷道(ライカ)の論理的な指摘に、星夜(セイヤ)は一瞬言葉を詰まらせ、やがて重い口を開いた。


「…お前たちに、北の現状が分かるか」


 星夜(セイヤ)の声には、深い絶望と怒りが込められていた。

「我ら奥州は、何百年も前から北からの脅威に晒されてきた。そして今、その脅威はかつてないほど現実のものとなっている。…ロシアよ」


「ロシア…?」ユウマが眉をひそめる。


「奴らの特殊部隊や、彼らが使役する忌まわしき妖魔ダーマによる領海、領土への侵犯行為が、ここ数年で激増している。北海道の東端、そして我らが守る東北の沿岸は、既に奴らの草刈り場と化しているのだ」

 側近の片倉影(かたくら・えい)も、悔しげに付け加える。「我々は何度も政府に警告し、対策を求めた。だが、彼らは見て見ぬふり。国際問題になることを恐れ、この『静かなる侵略』を黙殺し続けている」


 星夜(セイヤ)は、拳を強く握りしめた。「このままでは、日本は北から喰われる。だから、我らが立ち上がるしかなかったのだ!眠りこける中央ちゅうおうの目を覚まさせ、我ら自身の手で、北に強力な防衛結界を築くために!」


 その強い想いに、ユウマたちは言葉を失う。彼女たちの行動は、故郷を想うが故の、悲壮な決意だったのだ。


「その危機感は、分かった」ユウマは頷いた。「でも、だとしたら尚更おかしい。なんで、同じく北を守るはずの蝦夷共和国と手を組んだ? あいつらも敵じゃないのか?」


「…フン。北条氷華(ほうじょう・ひょうか)も、狐のように賢しい女よ」星夜(セイヤ)は自嘲気味に笑った。「あの女もまた、我らと同じ危機感を抱いていた。ロシアの侵攻に備え、戦力を、そしてより強固な結界の力を求めていたのだ」


 衝撃の事実に、部屋が静まり返る。


「我らと蝦夷は、”共通の敵”を前に、一時的に手を結んだに過ぎん。目的は一つ。東京魔法陣と三種の神器の力を奪い、北の地に、ロシアの侵略を完全に阻む絶対的な防衛ラインを構築すること。それが、我らの真の目的だった」


「じゃあ、なんで東京を総攻撃するような形になったんだ?」


「…そこにこそ、我らの計算違いがあった」星夜(セイヤ)は、初めて悔しげに顔を歪めた。「我らと北条の共闘を仲介し、計画を焚きつけた者がいる。その者の囁きにより、我らの計画は、いつの間にか単なる東京への全面攻撃へと歪められていたのだ。今思えば、我らも北条も…その『黒幕』の掌の上で踊らされていたのかもしれん…」


「黒幕…!」


 ユウマと雷道(らいか)は顔を見合わせる。武田と上杉、そして伊達と蝦夷。敵対する勢力を次々と連携させる、謎の存在。その輪郭が、また少しだけ濃くなった。


 面会が終わり、重い足取りで尋問施設を後にする一行。


「ロシアの静かなる侵略…そして、全ての裏で糸を引く黒幕…」ユウマが呟く。


 隣を歩いていた安倍星華(あべ・せいか)が、静かに、しかし確信を込めて言った。

「黒幕というが、具体的な組織名も個人名も出てきていない…そもそも認識しているのか…?ロシアのちょっかいなどは表裏一体で今に始まった問題ではないが、それは影刃が逐次対応している。別に放置はしていない…どうにも陰謀論の様な雲をつかむような話になってしまった。」


「政府の不安定さ…ってやっぱり政治の問題なんすかね?最近政治政党の切り抜きバズってて、オカルト系は押され気味なんすよね…」ユウマは配信者としての立場での見識を述べる。

「メイドのルックで稼げるぜって息巻いていた癖に…ホント男って」玲奈はいつものツッコミ。

「レイナは何怒ってんだよ……」

「ところで、星華さん…私ずっと気になっていたんですが…」ユウマを無視して玲奈は質問する。


「何でメイドのコスなんですか?」


「え?今そこツッコむところ?」というユウマ。玲奈の問いに巫女姿の安倍星華はすこしだけ困った顔をしたうえで雷道(ライカ)に話をパスする「雷道(ライカ)、当人たちから教えてやれ」

「対して面白い話じゃないけど…」と雷道(ライカ)

「え?聞かせてくれるの?!」食いつくユウマ。


「話が脱線しまくっているが、海外の侵攻は実際存在し、この日本を支配しようとする組織は多い。丁度良い歴史の認識を正しくすれば何か良い情報が共鳴者(レゾネーター)として覚醒するかもしれないからな」

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