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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第百十五話:ミッドナイト基地・新たなる決意

『―――次に会う時は、更なる強敵と対峙することになるだろう。精進したまえ、我が息子よ』


 高梨(たかなし・)宗一郎(そういちろう)のその言葉を最後に、通話は、一方的に切られた。ミッドナイト基地の司令室には、スマートフォンの無機質な通話終了音だけが、虚しく響き渡る。


 ユウマは、呆然とスマートフォンを見つめていた。 「…あのオヤジ…全部、知ってた…」


「『紅蓮の龍女』…中華勢力は、今回は退けられた。だけど…」 玲奈が、不安そうに呟く。

「歴史の長い土地には、呂布や関羽以外にも、数え切れないほどの英雄が眠っているはず。斉天大聖も倒したわけでは無いし…脅威は、去ったにしても一時的なものでしょうか…」

「ラスプーチナ以降、しばらく大人しいロシアも、いつ、我々に牙を剥いてこないとも限りません」

 星華も、厳しい表情で同意する。


 だが、今、この場にいる全員が、真に恐るべき敵を、再認識していた。

「…だけど、やっぱり、一番警戒すべきは、八咫烏(やたがらす)…アイツらだ」

 ユウマが、父の嘲笑を振り払うように言った。


「なあ、星華さん」 ユウマは、日本の霊的組織のトップである安倍星華に、根本的な疑問をぶつけた。 「アイツらも、星華さんたちと同じ、陰陽師の仲間なのか?」


「…いいえ」 星華は、静かに首を横に振った。 「その認識は、おそらく、違う。先ほどの、あなたのお父上の言葉…『日本の未来を憂いる修験者の行き着く場所』。そこに、ヒントがある気がします」


 彼女は、古文書が並ぶ自らの書庫へと視線を向けた。

「陰陽師が『朝廷』や『幕府』といった『表』の権力と共にあったのに対し、『修験者』は、古来より山に籠り、独自の呪術と信仰を育んできた、『裏』の存在。…八咫烏の正体、その思想の根源、もう一度、深く調べる必要がありそうです」

「それで言うと、少しに気なることがあります…八咫烏が認知されてから急激に海外の戦乙女がバトルを仕掛けてきました…実はハブになっているのが八咫烏なのでは?」星荘(ほしな)がずっと気になってたという感じで聞いてくる。

「確かに…」ユウマもそれは感じていた。

「そもそも八咫烏のメンバーは誰一人闘ってない…新選組が寝返ったりしたのも裏で動いていそうです」

服部夜刃もそこは気づいている。


 重苦しい空気が漂う中、これまで黙ってモニターを眺めていた健太が、ポン、と手を打った。

「ま、つまりだ!俺たちに今できることは、一つ!」

「一つ?」

「いや、三つか!とりあえずは、今まで通り、修行を積んでパワーアップする!戦乙女同士の連携をもっと深める!そして、日本に眠る、更なる『眠れる獅子』…いや、『眠れる戦乙女』を探し出す!これっきゃないっしょ!」


 その、あまりに的を射た、シンプルな結論。

 ユウマは、思わず感心したように、健太を見た。

「健太…。お前、たまには、すげーいいこと言うじゃん」


「だろ?」 健太は、ニヤリと笑って、その本音を漏らした。


「だって、かわいい仲間が、もっと増えれば…」


 ゴスッ!


「いったぁ!?」

 健太の言葉が終わる前に、彩花の完璧なツッコミ(物理)が、その後頭部にクリーンヒットした。

「みんなが、真剣に悩んでる時に!この、エロガッパ!」


「なんでだよ!戦力増強は事実だろ!」


 その、いつも通りの光景に、張り詰めていた司令室の空気が、ふっと和らいだ。

 どれほど強大な敵が現れようと、どれほど深い闇が待ち受けようと、彼らの日常と、その絆は、確かにここにある。


「よし!」 ユウマは、仲間たちの顔を見渡し、改めて、強く拳を握りしめた。 「やることは決まったな!みんな、頑張るぞ!」

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