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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第百十三話:ミッドナイト基地・戦後処理会議

 新宿での戦いを終えたミッドナイト基地は、安堵と、それ以上に重い緊張感に包まれていた。


 ボロボロになりながらも生還した八犬士と、オンラインで参加する宮本飛鳥ら剣豪たち、そして織田焔ら戦国武将たちが、一堂に会していた。


「―――まず、よくぞ、凌ぎ切った」


 会議の冒頭、安倍星華(あべ・せいか)が、その場にいる全員に向けて、深々と頭を下げた。

 隣で、服部夜刃(はっとり・やいば)も、その仮面の下で厳しい表情を崩さなかったが、珍しく同意するように頷いている。


「あれだけの戦力、それも、この国に深く浸透させていたソーラーシステムという法術まで利用する中国勢力を、正面から押し戻せたことは、我々の歴史において非常に大きな勝利だ。皆の働きを、心から褒め称えたい」


 星華からの最大級の賛辞に、しかし、誰も喜ぶ者はいなかった。

「…ギリギリ、でした」 ユウマが、包帯の巻かれた腕を見つめながら、絞り出すように言う。

「玲奈の【伏】の力と、皆さんの応援がなければ、今頃、東京は…」 玲奈も、その時の恐怖を思い出し、小さく頷いた。


 夜刃が、崩壊した都庁の映像をモニターに映し出す。

「問題は、これからだ。今後、この規模の侵略が常態化すると仮定して、いったいどうやって対抗する?都庁は、リアルに瓦解した。国内の敵同士…例えば、我々と八咫烏との魔法陣戦が、今後、新宿のような市街地で何度も起きれば、日本は、敵の手を借りずとも自滅する」


 その重い現実に、剣豪たちも、武将たちも、表情を引き締める。


 織田焔(おだ・ほむら)が、腕を組んで言った。 「確かに、呂布なる鬼神の武は、規格外であった。我らも、国内で覇権を争うだけでは、この国は強くならぬと、改めて決断した。八犬士の成長も認める。今後は、この『オールジャパン』体制で、防衛と反撃の策を練る必要があるな」

「そこは『全日本』と言ってほしいところだが概ね同意する」 宮本飛鳥(みやもと・あすか)も、その意見に強く同意した。


 議論が白熱する中、彩花が、ふと、基地のテレビで流れていたニュース映像に目を留めた。

「…見てください。今回のテロ騒動(フェイク)の責任を取って、内閣が総辞職。そして…新しい総理大臣も、女性になりました」


 その言葉に、一同はハッとする。

「これだけ裏での戦いの主役が、私たち戦乙女(バトル・メイデン)…女性が中心になっている中で、表の政治のトップまでもが、女性に…。なんだか、時代の大きなうねりを感じませんか?」

 彩花は、不安そうに続けた。

「この流れ…もしかしたら、私たちは、本当の『世界大戦』…霊的な力を使った、第三次世界大戦の、入り口に立っているんじゃないでしょうか?」


 その、あまりにも重い懸念に、誰もが言葉を失う。


 沈黙を破ったのは、安倍星華だった。彼女は、モニターに、八咫烏(やたがらす)のシンボルである三本足の烏を映し出した。その瞳には、今までにないほどの、静かで、しかし燃え盛るような怒りが宿っていた。


「―――アイツらを手引きし、この国を戦場に変えようとしている黒幕は、ただ一つ。八咫烏です」 星華は、強く、言い切った。


「これまでは、守りに徹してきた。だが、もう、限界です。奴らを、この国の闇の奥から見つけ出し、その罪を、今度こそ、我々の手で懲らしめる。…その必要性を、私は、強く感じています」


 それは、守護者であった「星詠司(ほしよみつかさ)」の長が、初めて「反撃」を宣言した瞬間だった。

「それをするにしても…奴らってどこに潜んでいるんだ?」ユウマは父親が噛んでいるとはいえ、その正体が不明すぎる組織に関して素朴に聞く。

「電話してみたら親父さん出てくれるんじゃね?」健太が茶化すが…「それもそうだな」と父親の携帯に電話をしてみる。


トゥルルルル…トゥルルルル…むなしく鳴り響くコール音。


トゥルルルル…カチャ

「え?」

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