表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/168

第百十一話:新宿最終決戦・日ノ本、総反撃

「―――玲奈!」 「―――はい!」


 ユウマの叫びと、玲奈の共鳴が、奇跡の引き金となる。 地に立ち、再び鬼神と対峙した八犬士。彼女たちの矜持は、残された最後の霊力を、一つの目的のために集束させていた。


「我らが【絆】の力、そしてこの国の【歴史】の力!その全てをもって、汝が理不尽なる武を、今、封じる!」


 八犬士が、呂奉仙を囲むように、完璧な八方位の陣形を組む。 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌。八つの徳が、中華の占術理論である「八卦」と共鳴し、日本の神道における「封神」の儀式へと昇華される。


「「「―――八掛炉(はっけろ)封神撃滅陣(ふうじんげきめつじん)!!」」」


 放たれたのは、攻撃ではない。絶対的な「理」の書き換え。 陣の中心に囚われた呂奉仙は、目を見開いた。 「なっ…力が…!」 彼女を護っていた金剛不壊の加護が、日輪の炎を纏う赤兎馬の神性が、方天戟に宿る魔性が、八つの徳によって、一つ、また一つと、強制的に削ぎ落とされていく。


 中華の英雄を護っていた、あらゆる「特殊効果」が解除され、彼女は、ただの「武」のみを極めた、一人の武人へと引き戻されたのだ。


「―――今じゃ!うつけ共!」 この、千載一遇の好機を、第六天魔王が見逃さない。 織田焔が、その身に天魔のオーラを最大まで高める。 「『天下布武・三千世界』!」


「応!」 奥州の覇者・伊達政宗もまた、その隻眼に北斗七星を宿らせた。 「『奥義・独眼竜咆哮(ドラゴンズ・ロア)』!」


 武田、上杉、そして日本中から集った武将たちが、自らの最強の奥義を、一斉に、丸裸となった呂奉仙へと叩き込んだ!


 凄まじい霊力の爆発が、新宿の夜空を真昼のように照らし出す。 だが、その爆炎の中心から、呂奉仙は、なおも立っていた。 「…面白い。面白いぞ、日ノ本の英雄たちよ…!」 全ての加護を失ってもなお、彼女の武は、その全てを受け止めていた。


 だが、その足は、確かに大地に縫い付けられている。 その、最後の瞬間を、八犬士の二人のエースが、見逃すはずもなかった。


「―――今、ここで、終わらせる!」 犬川星荘(いぬかわ・ほしな)(ほしな)が、砕け折れた槍の穂先を握りしめ、自らの【義】の霊力を、黄金の槍へと変えて突き出す。 「あなたの振るう無慈悲な暴力!私の【義】が、それを断ち切る!」


「―――もう、誰も傷つけさせない!」 犬江桜親(いぬえ・さくら)(さくら)もまた、その身に【仁】の光を纏い、柳生と仲間たちから受け継いだ、慈愛の剣を構える。 「あなたの魂を縛る、戦いの連鎖!私の【仁】が、それを解き放つ!」


 八犬士の先鋒にして、その絆の象徴。 【義】の槍と、【仁】の剣。


 ほしなの槍が、呂奉仙の理不尽なまでの「武」を、そのまっすぐな正義で、正面から打ち破る。 さくらの剣が、その守りを失った霊核へと、殺すためではなく、救うための刃として、深く突き刺さる。


「「―――届けぇぇぇぇぇ!!」」


【義】と【仁】、二つの徳の光が、ついに、中華最強の鬼神の胸を、完全に貫いた。


「…見事、なり…」


 呂奉仙は、満足そうに、そう呟くと、その巨体から光の粒子を放ちながら、静かに、消滅していった。


「…馬鹿な。わたくしの…最強の駒が…!」 司令室でその光景を見ていた諸葛孔明は、初めてその表情を崩し、撤退を余儀なくされる。 戦場に残っていた孫尚香も、呂奉仙の敗北を悟り、即座に戦線から離脱した。


 最後に、紅蓮の龍女・朱麗の、怒りに満ちた声だけが、戦場に響き渡った。 『おのれ、おのれ島国の蛮族どもが!この屈辱、必ずや、倍にして返してやりますわ…!』


 その捨て台詞を残し、中華英雄たちの気配は、完全に東京から消え去った。 後に残されたのは、崩壊した新宿の街と、そして、傷つきながらも、確かに勝利を掴み取った、日ノ本の英雄たちの姿だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ