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バトル・メイド・サーヴァントII~大東京八宝玉魔法陣編  作者: 黒船雷光


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第百九話:新宿大乱戦・日ノ本総力戦

 鬼神・呂奉仙(りょ・ほうせん)が振るう、絶対的なまでの暴力。八犬士は地に伏し、誰もがその力の前にひれ伏すしか無いかと思われた。 だが、日ノ本の英雄たちの魂は、まだ折れてはいなかった。


 ダダダダダダダダ! 織田焔が放つ、三千丁の弾丸の雨は、呂奉仙にとって、確かに「にわか雨」程度でしかなかった。だが、その雨は、一向に止む気配を見せない。一射、二射、三射――三段撃ちの理を応用した、絶え間ない三連千丁の霊的弾丸連射。それは、確実に鬼神の神経を苛んでいた。


「…この、鬱陶しい小娘が!」 初めて、呂奉仙が、明確な苛立ちを声に乗せた。


「はは!やっとこっちを向いたな、うつけ者が!」 その瞬間を、彼らが見逃すはずもなかった。 瓦礫の山を蹴り、その独眼竜に蒼い雷光を宿した、奥州の覇者が躍り出る。 「―――隻眼(ドラコセプテム)北斗龍(ステレス)伊達星夜(だて・せいや)、参上!」


 その号令に応えるように、これまで影に潜んでいた、伊達配下の武将たちが一斉に姿を現す。 「この国を、好きにさせてなるものか!」 伊達の腹心・片倉小十郎、鬼の伊達成実らが、呂奉仙を囲むように展開する。


「奥州の龍よ、遅れを取るな!『不動明王の加護』、見せてくれよう!」 甲斐の虎・武田嵐花(たけだ・らんか)が、その身に炎を纏い、再び戦場に舞い戻る。 「龍虎相打つも、今はこれまで。越後の龍の力、お見せします!『毘沙門天の怒り』!」 軍神・上杉聖流(うえすぎ・せいる)もまた、その背に神仏のオーラを宿して参戦する。


「「「喰らえぇぇぇ!」」」


 各地から集結した、日本の武将英傑たちが、それぞれの必殺技を、呂奉仙へと同時に叩き込んだ。 意にも介していない…はずの呂奉仙の身体が、初めて、ぐらりと揺らぐ。一体一体では児戯にも等しい攻撃も、これだけの数が、それぞれの誇りを乗せて放たれた時、それは、確実に鬼神の霊核を削り取っていた。

 ユウマの実況欄はものすごい勢いでコメントが溢れる。

「キタコレ驚異の戦国武将列伝」「伊達さんメイド服萌え」「日本人の総力結集!」「美しすぎる闘争」

「オレの焔生きてたんか我!」「ピンチに集結!」「燃える!」「アアアアアア!コレゾ大和魂」


 その頃、別の戦場でも、戦況は動いていた。


「見つけたぞ、軍師殿!」 服部夜刃(はっとり・やいば)率いる九曜衆は、諸葛孔明(しょかつ・こうめい)が仕掛けていた裏工作――霊脈をハッキングし、東京中の霊的エネルギーを吸い上げるシステムを、次々と破壊していく。ついに、孔明の潜む司令室へと、その刃が迫っていた。


「こんな、馬鹿な…!このわたくしの剣が、ただの人間に…!」 もう一方の戦場では、孫尚香(そんしょうこう)が、宮本飛鳥の変幻自在の剣技に、完全に翻弄されていた。


 飛鳥の剣は、もはや武蔵の模倣ではない。仲間との共闘を経て進化した、彼女自身の「二天一流」が、江東の虎娘を、確実に追い詰めていた。「武神を名乗る魂を前に一歩足りとて下がること能わず!」


「―――八犬士、最後だ!」 玲奈が、伏姫の魂の全てを乗せて、号令する。 「今ここで踏ん張らなければ、東京魔法陣は、護れない!」


 絶望的なまでの力の差に、一度は完全に地に伏した八犬士。だが、彼女たちの魂は、まだ燃え尽きてはいなかった。日本中の英雄たちの参戦と、仲間たちの声援が、消えかけた誇りの炎に、再び油を注いでいく。

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