76 車中泊(巨大ロボ泊)します
リイムを取り返した後、私はアリスとリイムを連れて、とっとと逃げた。
『リイムちゃん、取り返せて良かったですね』
「うん、本当に良かった」
そうしてハイレーン近くまで来たら、宇宙空間でクエストをやっていた命理ちゃんと出会った。
彼女、生身で宇宙をふよふよ飛んでるスライムを殴り倒していた。怖い。
ちなみにリイムは「ピヨピヨ」寝息を立てて、私の膝の上。
安心しきっているご様子。
でも帰る時にシンクレアさんが、ちょっとだけ気になる事を言っていた。
「リアトリス旗下は我々の軍とは少々毛色が違う、気をつけると良い。――NPCの殆どは我々の軍の出身で、リアトリス旗下出身のNPCは、ほぼ居ない」
「リアトリス旗下の人はプレイヤーを嫌っているんですか?」
「というか、フェイテルリンクを嫌っている。もちろん全員ではないが、トップが特にそうだ」
「・・・フェイテルリンク・レジェンディアが嫌いなんですか」
「いいや、フェイテルリンクが嫌いなんだ。あそこのデータノイドには、元・星団帝国の上層部も多いからな」
「え・・・・それって?」
「話は終わりだ。気を付けて帰るといい」
「あ、はい。じゃあ私達もう行きますね」
こんな場所にいられるか、私はスワローさんに帰らせてもらう!
という感じで、戦艦タイポグリセミアから逃げてきました。
アリスがショーグンから通信を入れてくる。
『じゃあまた明日』
可愛い女の子が通信ウィンドウで手を振って、地球に転移を始める。
「またねー」
私は、このままハイレーンで寝る。
アリスは私がスワローさんのワンルームが好きなのを知っているので、好んでコチラで寝ていると思っている――私が、そう説明した。
でも話した時、アリスはなんだか察してしまったのか、ちょっと悲しそうな顔をした。
だけど、詳しいことは尋ねてこない――ここも察してくれてるんだと思う。
で、命理ちゃんが帰る場所もハイレーン。
なので命理ちゃんと私はスワローさんで、一緒に移動している。
現在命理ちゃんは、コックピットの上の座席にいる。
アリスのショーグンの姿が消えた所で私は後ろを見上げて、命理ちゃんに声を掛ける。
「今日はどうする? ハイレーンの宿に戻る?」
「・・・・このまま居たいわ。泊まって良い? ――なんだか涼姫が寂しそうに視えるの」
それは多分、3日前、お母さんみたいな人が泊まってくれたせいだろうなあ。
「いいの?」
「ええ。今日はスウの側にいたいわ」
「――私、立ち入り禁止区域のアーバン・ハイウェイのパーキングエリアに泊まってるんだけど――命理ちゃんって禁止エリア入れるの?」
「当然よ、当機はこれでも連合市民よ」
「そっか、それはそうだよね。むしろ、私が入ってるのがおかしい。命理ちゃんが入れるのが正しい。――じゃあ、このままアーバン・ハイウェイに向かうね」
「お願い」
ワームホール航行している間に、部屋着に着替える。
流石に部屋着でゴスロリみたいな服は着ない。
着替えたのは、下は中学の頃の緑ジャージ。このあたりは、あんまり成長してないからまだ着れる。
ただ、上はそうは行かず。在庫処分セールしてたお店で買った――10枚で6000円の変な文字Tシャツってやつ。
福袋じゃないけど袋に入ってたから、文字は適当にランダムのハズが、なぜか、
『敵前逃亡』
『生存本能』
『ハムスターより小心者』
とか、なんか「私の為にこれ包みました?」って言いたくなる言葉ばっかり、10着入ってた。
いま着てるのは、『スキャモン発育曲線』。――意味? ・・・・知らない、農業用語とか?
こんなの・・・そりゃ在庫になりますわって感じだよ。
私がワンルームで着替えてコックピットに戻ると、
❝ちょwww なんだそのTシャツwww❞
❝変な文字Tシャツが部屋着なのかよワロwww❞
❝スキャモン発育曲線ってなんだよwww❞
❝スキャモン発育曲線は、人間の体の発達のグラフの事ワロw❞
❝スウたんのぺーでグラフが歪められてるwww❞
❝ある意味正しいグラフになってるけどなwww❞
「え!? ――なんでコメントが!? えっ、――これ、配信切り忘れ!?」
やらかした!?
❝やっぱ、切り忘れてたのかwww❞
❝ワロワロ、クソワロwww❞
❝コックピットで着替えなくて良かったなw❞
❝いや、着替えてほしかったがwww❞
「なんで誰も今ままでコメントしなかったんですか!? みんなで何を狙ってたんですか!? なんでウチの視聴者はこういう時だけ、物凄い連携力を見せてくるんですか!? ――は、配信切りますね!!」
❝あいあい、おつおつワロワロwww❞
❝今度配信切り忘れたら、カメラの前でお着替え頼むわw❞
❝BANされるワロwww❞
❝OTUKARE-SAMA❞
私は、今度こそきちんと配信を切る。
切れてるよね?
――うん、切れてる。
「危ないところだった」
「お疲れ様」
命理ちゃんが私を労ってくれた。
「ほんと。今ので、さらにドッと疲れたよ」
トラブルが有りながらも、ハイレーンに到着。
私達はスワローテイルで夜空の滑り台を降りて、ハイレーン最大の都市スーパーシティに向かう。
にしてもスーパーシティってすごい名前。――現代日本でもスーパーシティ構想なんてのが立ち上がってるらしいけど、あれの完成発展系って感じの大都市だ。
星が散りばめられたような、沢山の輝きが地平に見えてくる。
その真ん中、沢山の車が流れ星の様に行き来する――アーバン・ハイウェイ。
このアーバン・ハイウェイの第3パーキングが、私のベストプレイス。
なぜかと言うと第3パーキングは大きくて、色んなお店もあるし、どのお店も24時間営業。さらにコイン・シャワーまで設置されてるから凄くありがたい。
シャワーはスワローさんのワンルームにもあるんだけど、滅茶苦茶狭いし。
私は周りの邪魔にならないように、スワローさんを人型形態にして駐車場に立たせる。
この方が面積をとらない。
でも倒れたら危ないんで、一応膝立ち。
私は後ろを見上げて尋ねる。
「ご飯どうする? フードコートで食べる?」
「涼姫の手料理は好きだけれど、今日は涼姫も疲れていると思うから、フードコートでいいわ」
「そっか、確かにリイムを取り返すのにちょっと疲れた。あと、さっきの配信を切り忘れたのも」
昨日はもっと疲れたけどね、だって運動会の後ボス戦だよ・・・・ベッドに入った瞬間、朝にワープしてたよ。
命理ちゃんが、シートベルトを外しながら言う。
「生身は大変よね。涼姫のおすすめメニューとか有るかしら」
「えっと、ここのフードコートのおすすめはね、なんといってもカツカレー」
「カツカレー? ――どんなカツカレーなの?」
「あーっと、具材が溶けて消えるまで煮込まれた、濃厚で複雑な香りと味わいのカレーに、サクサクの衣に包まれたレアビーフカツとエビフライが乗ってくるの。ビーフは噛めば肉汁がたっぷり、エビはプリップリ」
「エビ・・・? ――エイリアン・シュリンプかしら」
「・・・・や、やめて」
「じゃあシャワーを浴びたら、食べに行く?」
「あ、シャワーもね、広めのがあるよこのパーキング」
シャワーを浴びるため、私が立ち上がるとリイムが目を覚まして、私の顔をみながら首を傾げた。
「ママ、シャワー浴びるね」
言うと、リイムは肩に登ってきた。
「ピィ」
なんだろうシャワー一緒に入るつもりなのかな?
水怖くないのかな。
いや――鳥って水浴びするらしいし、鷹とか魚とか潜って取るし、産湯も怖がってなかったし。
水が怖くないタイプっぽい?
というわけで、リイムと一緒にシャワー。
二人で泡々になって、綺麗さっぱり。
準備万端、私と命理ちゃんは水も滴るいい女コンビ――誰がなんと言おうと、いい女コンビでパーキングのフードコートに向かった。
カレーが人気メニューだけあって、店に入った途端鼻腔をくすぐるスパイスの香り。
「涼姫、お腹へったわ」
「同意」
私の肩に乗った子猫サイズのリイムも、上品に目を閉じてスパイスの匂いを嗅いでいる。
「リイムもカレーを食べる?」
「ピヨッ!」
食べたいみたい。
「イルさん、リイムもカレー食べて大丈夫?」
『普通の猫科などは無理ですが、彼は人間の食べ物ならほぼ全て大丈夫です』
「まじか・・・さすが神の馬車を引く生き物」
じゃあ小皿を貸して貰って、私の分をあげよう。
私はそんな事を思いながら、なんだか音がしている店のモニターに目を向けた。
するとそこには、私がヘルメスと戦ってる姿が、
・
・
・
「えっ!?」
お客さんが思い思いのメニューを食べながら、モニターを見ている。
「いやあ、スゲェな。あれで弾幕躱せるんだもんな」
「〖暗視〗か?」
「いやあの時、狂陰さんアビキャン効いてたらしい」
「うっそだろ・・・・マジかよ・・・・」
「それより、あの状況でサーチライトを消すなんて選択が出ることがスゲェよ。ありえん」
トラックの運転手らしいおじ様たちが、私の噂をしている。
転送とかあるのに、こちらでもトラックの運転手いるんですね・・・。
ただ、外にあったトラックの運んでいるものがなんか重そうな物ばっかだったから、転送に重量制限とかあるのかな?
ワームホールは、どこでもホイホイ空けられるものじゃないしなあ。
てか私達、ワームホールを空けるためにMoBと戦ってるんだし。
他にも、スワローテイルのおもちゃを「ブーン」とかやりながらお母さんに、「食べてからにしなさい」って言われてる男の子。
男の子は、モニターを指差す。
「スウ! あれスウだよ! お母さん!」
とか言ってる。
お母さんは、
「知ってるから」
と、困り顔。
視線が私を串刺しにしてきたら怖いので、私は皆さんに見つからないように――息を殺して、抜き足、差し足。
トラックの運転手らしい人が、大きなお冷のボトルを持ち上げて氷の澄んだ音を響かせながら言う。
「そういえばこのパーキングエリアに、よくスウが来るらしいぞ?」
ビビビ、ビクゥ――ッ。
「えっ、マジかよ・・・・一回くらい生で会ってみたいなあ。可愛いんだろうなあ」
あたしゃもう、壁際を中腰になってコソコソですよ。命理ちゃんも後ろから私の真似をしてコソコソ。
すると、この店のドラム缶みたいな形のアンドロイド、安藤ロイさん(名札が掛かっている)がやって来た。
『お久しぶりですスウ様、今日は珍しく外食ですか? 当店を選んでくださって有難うございます。いつも通り奥の席に案内します』
「う、うん・・・ありがとう、安藤さん。だけど今は名前を・・・・」
するとやはり、
「スウ!?」
「スウだって!?」
「ママ、今スウって聴こえた?」
「えっ、スウさん!?」
お客さんたちが一斉にこっちを向いた。
私は壁を向いた。
「スウ、諦めも肝心よ」
「『諦めたらそこで試合――』」
「スウだ!」
「スウがいるぞ!?」
「ママ、スウがいる!」
「うそ・・・ほんとにスウ?」
試合、始まる前から終わってた。
集まってくる人々、
「握手してくれ!」
「シャツの背中にサインを頼む!」
「俺はトラックの横に頼む!」
「スウ、ご飯一緒に食べよ?」
「す、すみませんこの子が――で、でも、もし良かったらどうですか?」
さらに人が、次から次へと席から立ち上がって寄って来る。
◣人生の荒波 パートⅡ◥
全員と握手して、サインして、撮影会して・・・え、トラックの横にスプレーでサイン!? 本当にしていいの!?
相席は、すみません。丁重にお断りしてスウェイ。
こうして30分くらい掛かって、やっと晩ゴハンにありついた。
「スウ、疲れてたのに、さらにお疲れ様ね」
「うん、瀕死。もうHPが赤ゲージ――でも命理ちゃんも、結構色々頼まれてたじゃん」
「当機は、帝国時代の戦闘用データノイドなので体力とかは問題ないわ」
「私も体力欲しいなあ」
「頑張って――というか涼姫がおすすめしてくれたカレー、本当に美味しいわ」
「だよね!」
ビーフカツを肉汁とカレーで一緒に飲んでいると、幸せで生き返る。
リイムもクチバシをスプーンみたいにして、小皿から器用にカレーとゴハンを掬って食べている。
ビーフカツを小皿に一切れ置いてあげたんだけど、クチバシに対して大きすぎるみたい。私はスプーンで小さくしてあげる。柔らかいお肉だからスプーンでも小さくできちゃう。
リイムが上を向いて、小さな羽を ぱたぱた させているのが愛らしい。
命理ちゃんがお冷を飲みながら、私が食べている姿を見て首を傾げた。
「カレーは飲み物?」
「ザッツ ライト」
「太るわ」
「私、あんまり太らないんだよね」
「胸が」
「う・・・うるさい」
なんかふと、アリスが私の胸をこねくり回しながら、「人が必死にダイエットしてるのに――私が欲しい胸ばっかに脂肪が行くとか!」って叫んでる光景が目に浮かんだ・・・・この話題をアリスの前でするのは止めとこう。
というわけで朝です。
一日の長さが違うハイレーンはまだまだ夜だけど、地球は今、朝の6:30。いや時間移動して戻るんだけどね――戻る時間とか私には調節する権利ないし、そもそも出来るのか分からないし。
なのでそろそろ学校の準備しないといけない。昨日は運動会の振替休日だったので、運動会が終わってからは初登校になる。
――あと、命理ちゃんを彼女の泊まっている宿があるはじまりの街に送らないとだし。早めに準備しよう。
「おはよう涼姫」
命理ちゃんが、昨日の夜〈時空倉庫の鍵〉から取り出しワンルームに置いたスタンド付きハンモックから起き上がった。
サバイバル用らしい。寝袋も有るらしいけど、ハンモックのほうが快適なんだとか。
「命理ちゃん、おはよう」
命理ちゃんは、ハンモックに座って伸びをする。
その後私、命理ちゃん、リイムの3人で朝食――今朝は、サンドイッチを紅茶と共に。
みんなで朝ご飯を食べ終えたら、はじまりの街に到着したので、命理ちゃんを降ろす。
さて地球に戻ろう。
「スワローさん、神奈川へお願い」
『イエス・マイマスター』
私は洗い物をしたら、学校の準備をしながら、事務所の駐車場へ。
スワローさんを降りてモノレールに乗る。
いつもの時間のモノレールに乗れば、アリスと合流。
「あっ、涼姫!!」
「おはようアリス」
アリスが彼女の座っている席の隣の窓際の座席から荷物をどけて、ポンポンと叩く。
アリスは私が人を苦手なの知ってるから、いつも窓際の席に座らせてくれる。アリスって、こういう小さな心遣いがイケメン。
「ありがと」
「いえいえ。――それより、昨日はありがとうございました。後でアーカイブを見たら、涼姫が手を引いてくれた時のヘルメスの攻撃が、コックピット直撃コースだったのに気づいて・・・夜、凄く怖くて寝れませんでした」
「・・・うん、無事で良かったよ。確かに、ちょっと眠そうだね」
「はい」
「着いたら起こすから寝る? あっ、高所恐怖症なのに怖くて寝れないか・・・・」
「いえ、涼姫が肩を貸してくれたらきっと眠れます」
「えっ、そう? ――じゃあどうぞ」
「やった」
アリスがちょっと嬉しそうに拳をギュっとしてから、私の肩に頭を預けてくる。そうしてしばらくすると すぅすぅ と寝息を立て始めた。
私は車窓から外を眺める。
青い空、濃くなり始めた緑。
最近立ったらしい双子みたいな家も見えた。
ピンクの屋根と、ミントブルーの屋根の家。両方白い壁が二軒並んで、可愛らしい。
その後ろにある真っ黒な家は、お父さんかな?
そろそろ夏だ、季節が眩しい。
最後の一つ前の駅が視えてきた。ここから終点はすぐだ、なので「アリスを起こさないと」って思っていると――ふと、モノレール下を自転車で疾走する姿があった。
あれ立花さんじゃない?
にしても、疾っ!
でも顔も立花さんだし、背中に竹刀袋を担いでいるから間違いない。
百合ヶ浜女子は、江の島の向こうだっけ。なるほど、ここを通って通学してるのか。
私は〔立花さーん〕と小声で言って、手を振ってみた。
「流石に気づかないか」
クスッ。
そんな風に笑った瞬間である。
ピタリ 立花さんが自転車を止めて足を道に降ろした。
――は!?
そうして周りを キョロキョロ と見回し、背中の竹刀袋を開いて中身に手をかけた。
(え、なにあの人、気付いたの!? ――竹刀に手をかけるって、殺気でも感じたの!? ――い、いや、殺気なんか飛ばしてないからね!? ――あの人に殺気なんか放ったら、私の首が胴体から離れそう!!)
立花さんは暫く目を瞬かせ首を傾げ、自転車を漕ぐのを再開。
疾風の如く、姿を消した。
なんなんだあの人・・・・私は、驚愕で開いた口が塞がらなかった。
と、とりあえず、アリスを起こそう。
「アリス起きて、終点だよー」
すると、アリスが寝言(文字通り)を言い出した。
「う~ん。どうしてスウさんは、食べても太らないで胸ばっかり大きくなるんですか~。・・・・ズルいです不公平です、法律で罰するべきです~」
「やめて?」
悪夢にうなされるアリスを揺り起こして、江ノ電に向かう。
やがて学校に到着。
にしても・・・・う、うーん。
私がちょっと怯えると、アリスが頷いた。
「いつも以上に、視線が飛んできますね」
「だ、だねえ」
私は人間の視線恐怖症だから、若干止めて欲しい。
視線が飛んでくる理由は、教室に入ると確定した・・・・、
「ヘルメス戦見たぞー、スズっち!」
私が教室に入ると、すぐさまチグが私を見つけて手を振ってくる。
他のクラスメイトも、私に話しかけてきた。
「見たぞスウ!」
「とんでもないな、俺等のクラスメイト!!」
「なんであんなバカみたいな量の弾を、真っ暗な中で躱せるんだよ」
「つか機転よ」
「サーチライトに消して姿を隠して、点けて目潰し、さらには置きバルカン」
「あと、八街さんを護ってくれてありがとう!!」
「それ!」
いいながら男子二人が教壇の上で正面から向き合い、走り出す。
「置きバルカン!」
片方の男子が言って、教壇に椅子を置いた。
もう一人の男子が椅子にぶつかって、「うわー」とか言って崩れ落ちる。
そうしてチグに〝げんこつ〟を食らってさらに崩れ落ちる。
「てか――八街が危なくなった時の鈴咲のキレ方、怖すぎ」
「お前ら、ガチで八街に手を出すなよボスみたいに粉々にされるぞ」
「それは否定しない」
私が返すと、クラスメイトたちがちょっと悲鳴を挙げたのだった。
評価、ブマクありがとう御座います!




