646 ミサイルを積み込みます
「では、我々は支援という事で」
柏木一佐、アレックスさん、さくらくんはレシプロ機に乗って支援。
他の人はアサルトUZIや、機関銃(USSFと自衛隊が、水冷冷却装置を追加した)、ロケラン(自衛隊とUSSF作――私のは危ないからね)。で地上から支援。
それから、USSFと自衛隊が私達の機体にミサイルを装備してくれた。
一応、電波誘導――無線機を応用してた。ただMoB相手には、「ほぼ誘導が通用しないだろう」って。
まあそうだよねって思ってたら、ヴィックが「スウ君達ならロックオンできるかもしれないが・・・」って言われた。
しかも「このミサイルは、発射後も、命中するまで相手をロックオンしないといけないタイプで――」とかいい出した私はMoBってロックオン箇所が10センチ以下なんだけど・・・そんな無茶な。って思ったんで、「いっそラジコン操縦にして下さい」って頼んだら、手を打って「その手があった」とか言ってた。
で、眼の前のミサイルはラジコン操縦。ミサイルの推進力はパルスジェットエンジン。――あと、このミサイルの爆発のタイミングはラジコン操縦者がボタンを押す。
コントローラーは四角いヤツにレバーが二個ついてる古典的なヤツ(プロポーショナルシステムって言うんだっけ?)。鉄人でも動かしそうな見た目。しかも戦闘機の後席に乗ってる人が、操縦してくれる。マイルズとマリさんの後席には、ドローン専門のUSSF隊員と自衛隊員が乗ってる。
私の後席・・・・? ――綺雪ちゃん。
「小学生を乗せるなんて!」って私を含め、みんな大反対したんだけど、本人が押し切った。
綺雪ちゃんの実力はみんな知ってるし。
でも危険だったら、即〖飛行〗で逃げて貰って、リイムに〖アポート〗して貰う予定、というか確約。
綺雪ちゃんの意思関係なく、私が〖テレパシー〗でリイムに「綺雪ちゃんを引き寄せて」って送った時も、強制〖アポート〗。
というか、地上の誰かが危険だと判断した時も、強制〖アポート〗。
あと、もし私が被弾した時も、強制〖アポート〗。
アリスが、ミサイルをハードポイントに筋肉で装着している自衛隊員さん達を見ながら、私に尋ねてくる。
「そういえば、なぜ戦闘機は、翼の下にミサイルをつけるんですか?」
「理由は、2つあるかな」
「こ、答えられるんですね、女子高生・・・」
「尋ねておいて、引くのは止めて・・・・」
「す、すみません。なぜなんですか?」
「えっと、1つは気流の関係。翼の上面はツルツルにして空気を早く流してできる限り、真空に近くしたいから、邪魔になるものが無い方が良い。翼を吸い上げさせ揚力を得るためだね――キャノピーが膨らんでるのも、後方が真空になりやすいから、揚力に貢献してるよ。戦闘機の上は本当に計算されてる。下はまぁ・・・・好きにして」
「なるほど、確かに真空になれば引っ張りますね。翼の上に物を乗せるのは、掃除機の口を塞ぐような行為なんですね。・・・そういえばスウさんは前に、飛行機の翼の上は重要だけれど、下は案外どうでもいいって言ってましたね」
「うん。理由のもう1つは、荷重は翼の下側が良いんだ。飛行機って飛んでる時に、下から上に向かって負荷が掛かるでしょ、上へ翼を押されるわけだから、下に荷重があれば、重いのに負荷が逆に減る」
「あー! 納得です!」
「ちなみに、タンクを翼の上に付けちゃった戦闘機があったんだよね」
「どこですか、そのおバカな戦闘機を作った国は(笑)」
アリスがクスクスと笑った。私はちょっと言い淀んでから告げる。
「・・・イギリス」
「・・・そう・・・ですか」
アリスが遠い目になって、空を見上げた。
そして、儚い声で呟いた。
「英国面、出ちゃってるじゃないですか・・・」
「出ちゃってるね・・・」
私が「まあ、優秀な戦闘機ではあったんだよ。たとえば機首上げ旋回する時は、翼への荷重を押さえてくれるし。戦闘機は、機首下げ旋回って、基本的にやらないからね。危険だし効率の悪いから――」と、イングリッシュエレクトリック・ライトニングの良い所もアリスに教えてあげると、胸を撫で下ろしてた。撫で下ろしやすそうな胸とか思ってない。
「それに私がタービンに使った〝ニッケル基・超合金〟を開発したのはイギリスで、イングリッシュエレクトリック・ライトニングにも採用されてた。この合金は、地球で今でも使われてる。最新戦闘機F-35などにもね。優秀なタービン素材だよ」
「ホッとしました」
私とアリスが戦闘機談義をしていると、柏木一佐さんがやってきた。
彼は、部下の筋肉装填を見ながら言う。
「にしても驚いたよ、ミサイルを何で爆発させるか・・・と考えていたら、TNTにナパームにニトロセルロースまであるんだから」
「TNTとナパームは石油があれば簡単ですよ。――皆さんも、TNTとニトロセルロースは作ってたじゃないですか」
「だが・・・・流石にナパームを作ろうという気には、ならなかったよ・・・」




