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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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642 相撲します

 次の日は、自衛隊とUSSFの飛行機作りに時間がかかるので、レクリエーションになった。


 で、なぜか私は自衛隊さんと相撲を取っていた――なんで?

 私は思わず振り返って、リッカに尋ねる。


「ねえ、なんで私はこんなマッチョと相撲を取ってるの?」

「最後のうなぎを巡って、勝負になったんだろう・・・」


 そうだった。


「いくらスウさんとはいえ、スウさんが作るうな重は渡しませんよ!」


 自衛隊員さんの本気の目。


「こちらこそ、うな重は食べたいので渡せません!」


 負けられない戦いが、ここにある。

 ちなみに相手、男筋肉。

 私、女運動不足。


 あっ、私、シャツは着てるよ? どこからか出てきたふんどしは巻いてるけど。

 相手はふんどし一丁。周り氷点下の極寒なんだけど、なんでこの人、体から湯気が出てるの?


「スキルは無しですからね?」


 自衛隊員さんから注意が入った。そう、今回はスキルは無しなんだ。

 そこで、私は正気に戻る。――えっ、どうやって私勝つの? 相手、人外の筋肉だよ?


 私が疑問を思い浮かべていると、観客してるアリスが、隣のリッカに尋ねてた。


「あれ、勝てるんでしょうか」

「勝てる訳ないだろう。フィジカルトップクラスと、運動不足の擬人化が相撲じゃ、勝負にならない」


 リッカも諦め模様。

 私も諦めた。詰んだ――さよなら私のうなぎ。


 自衛隊員さんがニヤリとする。


「ここで1つ、私の必殺技を披露しましょう」


 自衛隊員さんが、コットンをひとつまみ、手のひらに乗せた。

 私、「?」状態。


「私は、とある二つ名で呼ばれていましてね」


 私、「?」状態。


「その名も、『火炎の錬金術師』!!」


 自衛隊員さんが手の平を合わせ、少しだけ手のひらの中を膨らませた。そうして、


「ハッ!!」


 猛烈な気合と共に、両手で手のひらを打ち合わせた。

 彼が手を開くと――、


「も、燃えてる・・・・!?」


 手の中のコットンが、燃えていたのだ。


「な、なんですかあれ」

「おいおい、物理現象って知ってるか?」


 アリスとリッカが疑問の声を上げている。

 ふたぐん科学を信じている狂信者が物理を語るレベルで、目の前で展開されたのは、意味不明な現象だった。

 けど、私はその原理に思い当たった。


「ファイアピストン―――!!」

「なにぃ!?」


 リッカのわざとらしい驚きの声。


「『知っているのか雷電』」


 自衛隊さん、余裕の笑み。


「その通りです」

「やはり」

「『知っているのか、雷電!!』です」


 アリスにまで言われて『雷電』になった私は、原理を、思わず解説してしまう。


賦亜以箭飛摩屯(ふあいやぴすとん)――古代中国、殷の時代、少林寺によって生み出された神業! by大嘘書房。手のひらの中の空気を圧縮して中の温度を200度付近まで高めることで、コットンに火を点けたんですか!?」

「いかにも! よって人は私を『火炎の錬金術師』と呼ぶのです」


 頭おかしい。でも、


「ならば、こちらも負けていられません!」


 火なんかに負けていられない。

 だって、相撲で火を出したからって、なんの役に立つんだ。


「ほう、私の力を目にしてまだそんな虚勢を張れるとは、滑稽を通り越して愉快ですよ? で、どうやって勝つというのです? おバカさん?」


 自衛隊員さんが、手のひらの燃え上がるコットンを私に突き出してきた。そして、


「熱っち!」


 と言ってコットンを取り落とした。火は雪で消えた。


「こちらにだって、隠し玉の1つや2つはあります」

「ほう?」

「今日から私は『雷電の錬金術師』を名乗りましょう」

「面白い」


『火炎の錬金術師』が私に指を向けて、「クイクイ」として、来なさいとしてみせた。


 私は、ハンカチにしている超黒布を手に挾んで揉む。準備完了。


「いきます!」


 叫んで、自衛隊員さんに全力の突進。

 そうして、右手の人差し指を突き出して、


「私の勝ちです!!」


 自衛隊員さんの太ももに触れた。


 刹那「パチッ」という音。


 その瞬間、自衛隊員さんが反射で足を持ち上げて、


「痛ッ!!」


 叫んだ。

 どうだ、いきなりだと如何なる屈強な筋肉の鎧を纏っていても耐えられないだろう!


 つまり私が使ったのは、静電気。

 数千、数万ボルトにも達する電気によって突如襲ってくる痛み。

 まるで、熱いヤカンに突然触れたときのように、原始反射が反応して耐えられない。

 さっき自衛隊員さんが火に触れた時の反応で、体が崩れるのはわかっていた!


 私は自衛隊員さんが片足になった瞬間、残った足を私の足で引っ掛けて、突進の勢いのまま両手で思い切り突き飛ばした。

 相撲の技なんてできない。だけど、足を掛けて突き飛ばす位はできる!

 技も力もない私だけど、片足立ちを片足を引っ掛けて突き飛ばされれば、大の大人でも宙に浮く。

 地面が無ければ立てない!


 自衛隊員さんは私を掴んで堪らえようとしたけど、甘い。私は、躱すのだけは得意だ。


 私は、自衛隊員さんの手を躱した。

 自衛隊員さんすってんころりん。

 相撲は尻もち突いたら負けだよね?


「勝ったぁ!」


 私は拳を握る。


「勝ったぁぁぁあああぁ!!」


 すると後ろから。

 アリスとリッカの、


「う、うそでしょ・・・」

「うせやん」


 周りの自衛隊員さんとUSSFの人からも、


「スウ君が相撲で自衛隊員に勝つとか・・・」

「大番狂わせもいいところだろ・・・」

「少尉、スクワット300」


 なんて言ってた。

 うな重やった!


「さ、流石の狂陰ですね。静電気を使うとは・・・・やられました」


 自衛隊員さん、立ち上がって握手を求めてくる。


「いえいえ、手のひらで火を起こす人類には『頭おかしい』と思いました」


 というわけで固い握手。

 うな重、美味しかったです。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 フェイレジェは男○のある地球が舞台だった…!?(驚愕) それはさておきまさに『柔よく剛を制す』な勝ち方でしたな…某漫画でも最強力士が小細工は技術と言ってましたしね。 スウちゃんが…
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