634 工作のお姉さんを続けます
なんかアリスが吹き出した。
プリティ・ギルティちゃんは引き気味
❝ナパーム作っちまったよ!!❞
❝ナパームって、ナフサとパームヤシを使ってるからナパームだったんか・・・・❞
❝誰が教育番組の工作の先生だ!! そんな物騒なもん作る教育番組があってたまるか!!❞
❝工作は工作でも、テロ工作かよ!!❞
「確かギリシアの炎っていう古代の謎兵器も、石油精製物を使ってるんだよねぇ――ナパームに近いんだから、そりゃ海の上でも燃えるし、消えない炎になるよね・・・と。でもナパームはもっと怖いよ。油だから水に溶けず浮き、粘りついて対象から剥がれず、アルミニウムが酸化することでテルミット反応が起きて超高温が発生する。人体にくっついたりしたら、剥がそうとすると皮膚ごと行くからね。MoBでも辛いはず」
❝ナパーム、マジ、ナパーム❞
❝そんな怖い兵器なのかよ・・・・❞
❝今では、民間人への使用は禁止されてる❞
「タイラント・ケルベロスは強いからね・・・このくらいの火力は欲しいかな――それからもう一個」
石油から精製できるトルエン。吸っちゃダメな奴ね。
「これを、温めた混酸に漬けて固形化したものを取り出し〖パイロキネシス〗で乾かして、さらに温めた混酸にもっかい漬けて、もっかい乾かして、更に温めた混酸に漬ける――この時、普通のガラスだと溶けちゃうから、ホウケイ酸ガラスか石英ガラスか、金の器で反応させないと駄目。あと、オイルに容器を浸して、温度を一定に保つもの大事かな」
そしてこの間、石英ガラスなら天然物だから持ち込めることに気づいて、一旦地球に帰るっていうΩアムアさんに持ってきてもらった。私達、海の都市を探索した意味・・・。まあ、ホウケイ酸ガラスは持ち込めないみたいなんで、石英ガラスの器具は金属含むこともおおいし・・・蒸留器がみつかったのは良かったかな――あと、濃硝酸。それから、ゲルマニウムの元。
よし、
「TNTができた」
「ぶほーーーっ」
「アリス、すっかり吹き出し芸が板について」
「そんな板をつけないで下さい!」
プリティ・ギルティちゃんは「ひっ、ひっ」と、引き笑い。
私が、
「まないt――」
言いかけたら、アリスの目が鋭く光ったので怯えておく。
❝おいおいおい❞
❝しかもなんだよ今、物凄いサラッと作ったぞ・・・・❞
「石油さえあれば、TNTを作るのは難しくないんですよ――これで張り付くロケットランチャーもつくれます。そしてメタルジェットを浴びて大爆発もする――TNTには雷汞埋めて、電気を流したりでしょうか?」
❝「でしょうか?」じゃないわw 知らんわ、んなもんw❞
最後に、私はポケットから小さな板を取り出す。
「あと、遊びで作ったんだけど、これどうしよう」
「なにそれ」
アリスとプリティ・ギルティちゃんが私の手元に視線を落とした。
「CPU」
「・・・・」「・・・・」
「いや、双眼鏡作ってる時に、水晶もあるし、ホウ素、リンがあるんだからできるかな? って設計図入力してみたらできちゃった」
「・・・そんな適当にCPUを」
「意味わかんない・・・」
「でも、これだけ有ってもね使えない。・・・・えっとコンピューターを構成する5大要素は、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、入力装置、出力装置だっけ」
「そんな感じだった気がします」
「補助記憶装置はフィルムに磁石を吹き付ければいけるとして、入力は0と1があればいいか。出力先は飛行機で、主記憶装置は何だっけ。〖サイコメトリー〗――」
「もう〖サイコメトリー〗を主記憶装置にしたらどうですか」
「鬼かアンタは」
「でもスウさんそういうアニメ好きじゃないですか? 信号をやりとりするだけの簡単な仕組みですよね? 〖サイコメトリー〗の信号さえ受け取ればいいわけで・・・・微弱な信号でも半導体で信号を強化して」
「急にIQ上げるな」
「いえ、アニメで見たんで」
「なるほど」
脳に針でも打ち込んでパイロットするの?
ロマンあるけど、自分でやるのは絶対嫌だ。
というか、自分の脳を主記憶装置にする設計図が浮かんでくる自分が怖い。
「コンピューター、作るんですか?」
「いやー・・・コンピューターを作っても、私、プログラミングができないんだよね。
「なんで・・・こんなに色々作れるのに、プログラミングだけできないんですか」
プリティ・ギルティちゃんが首を傾げる。
「人間アピールかい?」
「そんなアピールしなくても、私は人間だよ。授業の時に風邪引いちゃったんだ。なので基礎が全くわからないから諦めた」
するとアリスの提案。
「なるほど・・・・綺怜くんができるかもしれませんよ?」
「えっ!? 小学生なのに!? いやまあ、私も小学校の時に習う予定だったんだけども」
「ですね。学校で習ったって言ってました」
で、聞いてみた。
「いや、無理無理無理!! それマシン語ってことだよね!? 俺が習ったのJavaだよ!」
「へー、今って小学校で教えてるのはJavaなんだ? 私の時はベーシックだったよ。大丈夫大丈夫、スイッチのオンオフするだけだから!」
「いやいやいや0と1の信号で、俺にANDとかNANDとか組めるわけないじゃん!?」
「結構わかってるじゃん! 大丈夫だよっ、その辺りはハード的に解決したから! いけるいける!」
❝小学生になにさせようとしてるんだ、あの鬼畜❞
なんか視聴者に言われてるけど、無視。
「いや、スウねーちゃんは飛行機に乗ったら、コンピューター制御とか無い方が強いじゃんか!」
「それはそう――」
私はスンとした。
「――まあ、作っちゃったから試してみて!」
私が涙目の綺怜くんに、できたてコンピューターを渡すと、アリスがボソっと。
「鬼は貴女ですよ」
とりあえず、作って欲しいものを綺怜くんに頼んだ。
綺怜くん泣いてた。
Ωアムアさんとルーローちゃんが、ヒソヒソしてる。
「小学生にマシン語組ませるとか」
「鬼じゃ、鬼の子じゃ・・・」
ま、まあ、無理はさせないから。
綺雪ちゃんも習ったらしいから「一緒に」って綺怜君は言ってたけど、綺雪ちゃんにはプログラムはちんぷんかんぷんだったらしい。仕方なし。




