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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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628 解決策を考えます

 相手が速すぎる――これじゃあヒット&アウェイで蹂躙される。


「ど、どうすれば・・・・!」


(スウさん・・・・大丈夫ですか!? その機体じゃきつくないですか!? ――一旦逃げて機体を作り直したたほうが!)


 アリスが心配そうな〖テレパシー〗を送ってくる。


(再戦するにしても、戦闘機の速度を上げるのは簡単じゃないし――)


 いや・・・考えは有るけど。

 私は急降下を開始、地面に向かう。


(急降下して、どうするんですか!?)


 そうして、地面ギリギリを飛行。


(超低空飛行? ――大丈夫ですか? 氷山がかなり複雑な形をしてますけど)


 ここでアリスが気づいたような声を出した(〖テレパシー〗だけど)。


(あっ、そうか!)


 タイラント・ケルベロスが、再びヒット&アウェイをしようとする――だけど・・・・ 相手はもう、飛行機の腹の下に抜けられない。


 こちらは、相手が迫ってきている間に機首を上げる。

 斜め上昇Uターン(シャンデル)で反撃だ!


「逃がすか!」


(超低空飛行なら、タイラント・ケルベロスはヒット&アウェイを完璧にできません!)


❝なるほど。ヒット&アウェイ封じの超低空飛行か!❞


 私は、再び上昇して逃げていこうとするタイラント・ケルベロスを照準に捉えた。


「複葉機だから速度では勝てないけど、上昇力では負けない!」


 こっちとタイラント・ケルベロスの距離は、ぐんぐん離されるけど、こっちも機首上げで失速したりしない。

 私は相手を撃ちまくる。


「墜ちろぉぉぉ!」


 だけど駄目だ。私達の作った地球式の機関銃じゃ、なかなかタイラント・ケルベロスは撃墜できない。

 とうとう、遥か上空へ逃げられてしまう。

 あんな遠くじゃ、移動偏差も重力偏差もあるから偏差サポートがないと弾も当たりそうにない。

 というか機銃調和点(左右の翼の機銃の放った弾丸が交差する場所――最も火力が出る)より遠すぎて、弾丸が左右に散らばってしまって正面の敵にまるで当たらない。


 なら。


 私は背面飛行にして、当たりを見回す。

 キャノピーが前面にしかないので落下しそうで怖いけど、兎に角〝アレ〟はないかと――あった!


 私は〝アレ〟に向かって急降下。


 アレとは、渓谷だ。

 私は、氷山が割れたのか溝の様な地形に入った――氷の渓谷だ。かなり深い。

 そこを超低空飛行。

 これなら!


❝・・・・渓谷の中を超低空飛行とか、頭イカれすぎだろ。渓谷を通るか、超低空飛行か、どっちかだけでも相当テクが必要なのに❞


 タイラント・ケルベロスが三度(みたび)ヒット&アウェイを仕掛けてくるけど、ここじゃあ右後ろから左後ろへ抜けて上昇なんてできない。

 ヒット&アウェイをするなら渓谷に入らず浅く飛んで空に逃げないといけないから、ほとんど攻撃できない。


 案の定、タイラント・ケルベロスは上昇中に私の眼の前に来た。撃ち放題!


 私はタイラント・ケルベロスを撃ちまくる。相手は狭い渓谷内で躱しきれず、被弾。

 とはいえ、三つの首を同時に倒さないといけないから、ダメージを蓄積させるだけで一旦ストップ。

 タイラント・ケルベロスが復活するまでのラグが6秒あるから、後一発で倒せるところまでダメージを蓄積させて、同時に――あっ! タイラント・ケルベロスが回復してる!!


「再生持ち!?」


 そ、そういえば、私の〖再生〗ってケルベロスからゲットしたんだった。

 じゃあダメージを蓄積させて、三つの首を素早く撃墜って言うのは駄目か・・・・。


 でも青いタイラント・ケルベロスはとうとうヒット&アウェイを諦めたのか、500メートルほど向こうの上空にとどまった。

 他のタイラント・ケルベロスと合流して、回転しながら弾幕を放ってくる。


 よし、こっちの土俵だ。低速機、しかも複葉機の格闘戦能力の見せ場!

 私はタイラント・ケルベロスに吠える。


「複葉機の格闘戦能力なめんな!」


 だけど、回復する三つの首をどうやって同時に落とそう。

 私は弾幕を避けながら考える――そうだ。


(オックスさん!)

(どうした、スウ)

(手伝って下さい!)


 その右手側にある、ちょっと広めの場所で待ってて下さい、着陸します。


(着陸!? この狭い場所にか!?)

(ギリギリいけます!)


 まず、私は魔術でアーチ状のチタンを生成しておいて上空から落下させ、氷の地面に打ち込んでおく。


 アーチ状のチタンを刺した場所から少し離れた所を狙って、着陸開始。

 スポイラーとエアブレーキを展開して、一気に減速していく。

 空気の抵抗力をさらに増大させるために、横転舵(エルロン)なども使い、旋回しながら一気に減速。

 車輪も出してさらに空気の抵抗にする。

 元々低速な複葉機だから、すぐに、着陸できるくらいの速度になった。

 弾幕も飛んでくるけど、低速にすれば躱しやすくなる。

 弾幕を躱しながら急いで着陸。アレステイングフックをチタンのアーチに引っ掛けた。こうして無理やり停止。

 結構な衝撃が来たけど、ムチウチにならずに済んだ――一応体に〖再生〗を掛けておく。

 急いで〖飛行〗で飛んできたオックスさんを〖念動力〗で回収して後席に。


 オックスさんが慌てる。


「まて、どうやって飛び立つつもりだ、滑走路になるような距離がないぞ!」


❝だよ、どうやるの!?❞

❝空母のスキージャンパーみたいに、坂を利用して飛ぶの? ちょうどいい坂もないけど❞


 私はアレスティングワイヤーを、アーチ状チタンに引っ掛けたまま。プロペラ全開。


 翼にプロペラの風を受けた複葉機が、扇風機に布を付けたらひらひらを舞うみたいな感じで浮き上がる。

 滑走路無しでも飛び立てる。


❝ああ、その手があった!❞

❝プラモデルバトルのときに言ってたやつ!❞

❝70層でも一瞬やってたっけ❞


 後席からオックスさんの声がした。


「なるほど・・・な。うーん、流石というか」


 あ、でも・・・なんかエンジンの調子が悪い。時々、咳みたいな音がしてる。

 早く決着を着けよう!

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