627 80層ボスに立ち向かいます
私は絶望した。
「・・・・リッカに、リッカに言われた!」
「失礼だな、君は!」
❝草❞
「よし。じゃあもう、戦闘準備完了!」
❝いよいよボス討伐かぁ!❞
❝マジかよ、ハエーヨ❞
「夏休みも終わっちゃってるので、巻きで行きますよぉ!」
私が意気揚々と戦闘機に乗り込もうとしていると、アリスが尋ねてきた。
「スウさん、その戦闘機の名前は何にしますか?」
「えっ・・・名前?」
名前とか考えてなかったけど――そっか、名前が有ったほうが良いよね。
・・・・でも私、ご存知の通り、名前をつけるの苦手なんだ。
また変なの付けたらどうしよう。
アリスが遠くで、レースをしているバギーを指し示す。選手は香ナイトさん&鳳ヘプバーンさん、ツクヨミさん&ルーローちゃん。
「ちなみにオックスさんの作ったバギーの名前は、モーモーモーターになりました」
「・・・・あ、気が楽になった」
「どうします? 何テイルにしますか?」
「テイルは確定なんだ?」
「陽キャっぽく〝踊っテイル〟とか、どうですか?」
「うーん。私『踊っている夜を知らない』からなぁ――なんか有るかな――」
しばし体を撓めながら考えた。けど、
「――良いのが思い浮かばないなぁ」
「じゃあ――決めかねテイル、決めあぐねテイル、決定しかねテイルでしょうか」
「でしょわないね」
「戦闘機ですし――葬っテイル。屠っテイル処しテイル、」
「なんか物騒だな」
「スウさんも真面目にアイデアだしてくださいよ」
「私は、アリスがふざけて遊んでいるんだと思ったよ」
「はい、遊んでました」
アリスに軽くチョップする。するとアリスは肩を上げて「首が埋まりました」とか言って、私から逃げだした。
オックスさんとΩアムアさんが、「ジャミ◯」とか言ってる――「ジャ◯ラ」?
私は暫く「アイデアよ出てこい~」と、体を捩りながら考えた。そして閃く、
「〝天翔テイル〟なんて、どうかな」
「天翔テイルですか! いいですね! 飛行機にピッタリです!」
首がもとに戻ったらしいアリスが、手を叩いて称賛してくれた。
「スウにしては、珍しくいい名前だな!」
リッカが何度も頷く。
どういう意味だよ、チビっ子。――いや、自覚してるけど。
「じゃあ改めて、ボス戦へ!」
私が腕を挙げると、みんなが反応した。
「「「おー!」」」
◆◇◆◇◆
「ちょ・・・・聞いてないぞ!?」
「こ、これは戦えん!!」
ボス戦が始まったんだけど、地上戦力のバギー乗り達が、大変なことになっていた。
弾幕が地面に炸裂して、氷の大地が砕けていってる。
「無理だ! タダでさえ悪路なのに、これじゃ戦えるわけがない!!」
私はテレパシーを広域で送る。
(みんな、無理しないで! 海に落ちたら大変だから! 撤退して!)
リッカ、オックスさん、綺雪ちゃん、綺麗くんが〖テレパシー〗を返してくる。
(すまんスウ、流石に撤退する!)
(力になれなくて悪い)
(ごめんなさいスウさん!)
(スウ姉ちゃん悪い!)
バギー組は全員、撤退していった。
一応かなり遠くから狙撃は続けてるけど、殆ど当たってない。
にしてもタイラント・ケルベロスは三つの首が浮いてる感じなんだけど、赤、青、黄色がいる。
そしてそれぞれ能力が違うみたいだ。
青いケルベロスは速い。柔らかい、火力がない。
黄色いケロベロスは硬い。鈍い、火力がない。
赤いケルベロスは火力がある。鈍い、柔らかい。
って感じ
私はとりあえず、与し易い赤を撃墜してみる。
「あー、やっぱ復活するのかぁ」
撃墜した赤いタイラント・ケルベロスが、復活してしまった。
以前戦ったのケルベロスと同じく、三つの首を同時撃破しないと駄目っぽい。
「今回はマイルズいないからなぁ――というか変形できない飛行機だと、一人で2つの首を撃破するのは不可能に近いし。――マイルズが、『またせたな!』 とか言って飛んできてくれないかな・・・・多分USSFも自衛隊も、飛行機作ってると思うし」
(今回は、わたしがいますよ!)
(ボクもいるよ!)
(うん。アリス、リイム、頼りにしてる!)
リイムに乗ったアリスが頼もしい〖テレパシー〗をくれた。
問題はあと一人、人員が欲しい事だなぁ。
「やっぱりなんとかして、さくらくん用の戦闘機だけでも作れないかな」
(にしてもリイムはすごいですね、弾幕を避けてくれます――飛ぶのはリイムにまかせておけば大丈夫そうです)
(ボクの翼は自在だからね! 飛行機より弾幕を避けやすいよ!)
私がちょっぴり熟考していると、青いタイラント・ケルベロスが上空から急降下してきた――ヒット&アウェイ!?
青いタイラント・ケルベロスは、右後方の上空からマシンガンみたいな物を飛ばしながら迫り、天翔テイルの右後ろの下に抜けて左後で再び上昇。
こっちの旋回がギリギリ間に合わない!
こっちは400キロ程度しか出てないのに、相手は600キロくらい出てる。
相手が速すぎる――これじゃあヒット&アウェイで蹂躙される!




