622 量産します
「おーい、クリエイトパーチャーがあったよー」
報告して来たのは、空さん。
「前のやつですか?」
「いや、別の場所にも有ったよん」
「えっ――!?」
「あと、番兵もいなかった」
「まじですかぁ」
「番兵がいただろう痕跡はあったんで、注意した方がいいかも」
という訳で新・クリエイトパーチャーをゲット。
「早速なんか作ってみようかなぁ」
という訳で適当に、プレス機を作成。
仕組みは簡単、油圧とネジという、いつもの距離を力に変える同士を組み合わせた。
どうもクリエイトパーチャーは、物を作るとエネルギーを消費するみたい。
エネルギーは回復するけど0になると、しばらく使えなくなる。
だから何でもかんでもクリエイトパーチャーで作るのは不味いみたいなので、プレス機を作った。
「クリエイトパーチャーのエネルギーが問題だって言ってましたけど、何を作ったんですか?」
私がプレス機で使う型を作っていると、アリスが近づいてきた。
「プレス機――これが有れば、銃が量産できるから」
「えっ、銃をクリエイトパーチャー無しで量産するつもりなんですか? 銃はクリエイトパーチャーで作るのかと思ってました」
「うん、エネルギーの回復が大分鈍いからね・・・」
「でも、本当にプレス機で銃ができるんですか?」
「じゃあ、見てて」
私は反射炉で作った鋼材を小さめのディーゼルハンマー(ディーゼルエンジンの爆発で、ハンマーを上下させる――本当に筒と爆発とハンマーしかないような単純で荒々しい道具)でペシャンコにした鋼の板を持ってくる。
型を設置して、鋼の板をサンドイッチにする。
そしてレバーを、手で回す。
「えっ、手動ですか?」
「今はね、そのうち電動にするよ」
私はハンドルをくるくる回す。
「〖超怪力〗も使わないんですか!?」
「うん、油圧とネジだけで私の力を数百倍にしてくれるから、〖超怪力〗よりパワーが出る」
「マジですか・・・・」
こう増幅した力を再び一点に集め、油圧で同期させる感じで、力を出す。
問題はプレス機のパワーより強度だけど、そこはクリエイトパーチャーのチート能力でなんとかなる。
んで、出来上がるUZIっぽいアサルトライフル(UZIは仕組みが単純だから)。
プレス機銃の名銃と言えばUZIというイメージなのでこれにした(異論は認める)。
遠くに弾丸を飛ばしたいから、弾丸の助走距離を伸ばすために銃身が長い。銃身が長いだけだとバランスが悪いので、ストックも付けた。
あと、弾丸の火薬量を増やすため、長い弾倉。というわけで、アサルトライフルの弾は長くてグリップに収まらないので、ちゃんとアサルトライフルのようにグリップに弾倉を挿入しないタイプ。
「本当に銃ができちゃいました」
「微調整はジュウゾウさんにしてもらおう。――弾丸も、弾頭以外はプレス機で作れるから量産するよ。弾頭は私が魔術で量産する」
さらに私は、M2ブローニングを参考に機関銃を作り上げた。
発砲の反動でクランクを動かし、弾丸をまとめたベルトをスライドさせ、排莢&装填を繰り返し(スライド給弾)、1分間に何百発も弾丸を放つ。連射速度は遅めだけど、地球では今でも現役の名銃。
口径は.50口径。これ、対物ライフルとして有名なバレットM82と同じ口径。つまり、対物弾を連射するおっとろしい機関銃。
ちなみに、私の使ってるニューゲーム(M1911)は.45口径。.50との差僅か1.3mm――1ミリちょっと。
つまりニューゲームやM1911は対物ライフルに近い口径を放つ拳銃なんだよ。そりゃパワー大好きアメリカ人が好きな銃なわけです。
ただ、拳銃弾と、対物弾は火薬の量と、弾丸の形状が違う(先細りしてて高速になりやすく、貫通力も高い)。
❝あーあ・・・。とうとう機関銃作っちゃったよ❞
❝しかもほぼプレス機で部品を作って、クリエイトパーチャーすら使ってないし❞
❝どうなってんだよ、あそこ――とりあえず手動ブレス機なら作れるんで、真似して開発中。あとは製鉄なんだけど・・・・炉、どうすんだっけ❞
その日は炉の作り方を説明しながら、飛行機の設計図を引いた。
次の日、いよいよ飛行機を作る。
「飛行機を作ります」
❝リイムには乗らないの?❞
「リイムは、アリスに乗ってもらいます。――アリスは銃が当たらないんで・・・大太刀で斬りかかってもらいます」
「すみません・・・・」
❝でもリイムなら、単翼機並の速度が出るんじゃ❞
私はカメラをリイムに向ける。
そこには分厚い防寒具を着た、ずんぐりしたリイム(ずんぐリイム)がいた。ちょっとかわいい。
❝なるほど・・・・あれじゃマトモに飛べないな❞
「ずんぐリイムは暑い国のギリシャのモンスターのグリプスですし、鷹とライオンのキメラですから、寒さに滅茶苦茶弱いんですよね。彼は生身じゃほとんど寒さを防げません。そんな状態で防寒具なしで、極寒の空の上を高速で飛んだ日には・・・」
❝ちんじゃう❞
❝てか、ずんぐリイムってなんだw❞
「なのですみません、ずんぐリイムの翼はあんまり頼りにできないです」
「コケェ・・・」
「いいんだよ、ずんぐリイムは何も悪くないから」
「コケ」
「脱がなくていい! というか脱いじゃ駄目! ずんぐリイムが危ないから!」
「コケ・・・!」
ずんぐリイムがちょっと怒って、私をつつきだした。
「ごめんごめん、でも可愛いから」
❝ずんぐリイムが、なんて言ってるんかわからんけど、わかるw❞




