620 ついに遭遇します
前回の絵消しときました。
~~~
◆◇◆◇◆
「こ・・・・ここは・・・?」
私達はいつの間にか、知らない景色の場所にいた。
樹氷というのだろうか辺り一面氷に覆われた木が生えていた。
おかしい、私達がいた場所は、かなり北で生物の痕跡なんてほぼ無かった。
木が凍っているということは、ここは氷に覆われていない時期があって、その時期に木が育っているという事だ。
さっきまでいた場所と、かなり座標がズレている気がする。
雪崩でそんなに移動するはずがない。
私が見回していると、アリスやリッカの姿を見つけた。
「二人共、大丈夫!?」
「なんとか、大丈夫です」
「こっちもだ」
ともかく二人共無事で良かった。
他のみんなはどうだろう。
私は二人に〖再生〗を掛けながら辺りを見回す。
すると駆け寄ってくるクレイジーギークスのメンバーと、プリティ・ギルティさんや、Ωアムアさんや、ヒカリさんたち。
「みんな無事だったんだね! 自衛隊の人とかUSSFの人は」
するとオックスさんだ。
「スウ、どうやら俺達は転移して来たらしい」
「えっ!? そうなんですか!?」
「・・・ああ。綺怜が、ここにのいるみなが、転移陣に入って飛ばされる所を見ていた」
「な、なるほど・・・・だからみんな無事? ――いや、急いでみんなを起こさないと、寒さで」
「どうする、どうやって探す。急がないと不味いぞ」
「〖マッピング〗」
「ああ」
「ちょっと拡大しないと、点が重なってよく見えないな」
私はスキルをコントロールする。
「――なあ、スウ、お前にピンチってあるのか・・・?」
「マリさんにおっぱい揉まれるとか」
「そ、そうか・・・」
見えた。人数が少ないな――。
「これ、自衛隊の人とかUSSFの人は・・・?」
「バラけたようだ」
「そう・・・ですか」
とにかく私たちは、マッピングの位置に表示された人の所に飛んだ。
「し、死ぬところだった・・・。スっちー助けてくれて、ほんとにありがとう」
「プリティ・ギルティちゃんがいなくなったら私が泣きますからね」
プリティ・ギルティちゃんに抱きつかれた。
でも、プリティ・ギルティちゃんが体を抱えて震えてるので、私は樹氷から薪を手に入れて、焚き火を起こした。
薪が濡れてるから、ファイアーピストンじゃ、なかなか火が点かない。なのでパイロキネシスで強制的に着火。
プリティ・ギルティちゃんたちがみんなで焚き火を囲んで温まりだした。
人数が多くて囲いきれないので、もう一つ焚き火を用意して、オックスさんに尋ねる。
「元の場所には戻れそうですか?」
「今のところ転移陣は近くに無さそうだ。周りの様子から、俺達はかなり遠くに飛ばされたみたいだしな」
するとコハクさんが考える。
「どうしますか、自衛隊やUSSFの方たちと合流を優先しますか? ボス撃破を優先しますか?」
「私達は〖飛行〗で飛べるから、ボスを探しながら自衛隊やUSSFの人を探そう――で、ボスがいたら私達だけでも撃破しよう」
私は〖飛行〗で飛び上がってみる。
ああ、座標は大体わかった。
雪のない地面が、南に見えた。だいぶ南に飛ばされたなぁ。
私は戻ってみんなに説明。
「雪のない地面が南に見えました。キャンプには戻れそうにないです。でも、食料とかを確保したいですね」
「よし、食料確保後、皆でボスと自衛隊やUSSFの人を探すぞ」
「「「はい!」」」
オックスさんの号令にみんなが勢いよく返事した。
でもUSSFの人と自衛隊員さんは見つからなかった。
「USSFと自衛隊の方大丈夫かな」
私が言うと、アリスが苦笑い。
「まあ、あの自衛隊と、アメリカの軍人ですからねぇ・・こっちが心配される側ですよ」
ああそっか、私があの人達を心配するのは失礼か。――化け物脳みそと、化け物筋肉の集まりだし・・・。
でも、
「――これは、私達だけでボスを倒すことになりそうだね」
「最悪そうなるかもな・・・よし、ボスをさがすぞ」
オックスさんの言葉で、ボス探しが始まったんだけど
「コケ(ママあそこになにかいる)」
そこは氷山だった。まるで氷の城のような形の氷山広さにしては数キロはあるような。
その上に3つの〝首〟が浮いている。
首はそれぞれ、赤、青、黄色だ。
「あれは――まさか、ケルベロス?」
❝モデレイター(FL運営):スウ様、命名されました。タイラント・ケルベロスです❞
「タ、暴君?」
❝はい、ドミナントなどの最上位種と分析されました❞
「そんなに強いんですか・・・?」
❝10倍近い戦闘力が演算されています❞
10倍!? バーサスフレーム無しで、それと戦えと?
超科学のロボットでも苦戦する相手と、サバイバル環境で戦えと!?
「ま、まじかあ・・・・ちょっとどんな事してくるのか、つついてみよう。情報は何より大事だし。――リイムは危ないから遠くに離れてて」
「コケ・・・(ママ、無茶しないでね?)」
「大丈夫、ちょっとつついて逃げてくるだけだから」
「コケ(・・・うん)」
不安そうなリイムが下がって行くのを見てから、私は〖飛行〗で飛んで、ケルベロスに近づいていく。
「反応した・・・でも前みたいに、いきなり転移してきたりしない」
3つの首は水平に回り始める。輪舞のようだ。そうしてゆっくりと弾幕を放ち始めた。
あれなら、レシプロ飛行機でも躱せるかな?
私は腰の拳銃を取り出して、タイラント・ケルベロスを撃ってみる。
この拳銃が通じるくらい、柔らかければマシだけど・・・。
ところが私の放った弾丸は、タイラント・ケルベロスの周りに発生した赤い壁のようなものに阻まれた。
シールド持ちなの・・・!? ――だとすると、かなり硬い。こっちの武器はバーサスフレームの武器ほど威力のない現代武器だ。
これは・・・ちょっと不味いかもしれない。




