619 再会します
相手まで数十メートルしかない――こんな距離のアサルトライフル――小口径高速弾は躱せない。――今は、シールドもパイロットスーツも、シールド・ドローンもない!
「〖念動力〗!」
私は〖念動力〗の自分の正面に展開。
なんとか銃弾を逸らせた。
「散開!」
私達は、マイルズの合図で、一斉に散らばって距離を取る。
ロケランとか爆弾とかもゴーレムに向けて投げられてるけど、やはり有効打になっていない。
幾つも雪柱が立ち上がる中、空からライフル弾を降らせていたマイルズが、ゴーレムのマシンガンに追われた。
飛んでいるマイルズは躱そうとしているけど、流石に無理で、銃弾を受けて撃墜された。
「マイルズ!!」
私は落下していくマイルズを見て、思わず叫んだ。
「こんの―――よくもぉぉぉ!」
「スウ君、一旦下がれ!」
「みなさんは後退して下さい!! 入れ!! ――セカンドゾーン!!」
柏木一佐の声が聞こえた気がしたけど、頭に血が上った私は腰から拳銃を抜いて両手で構え、ゴーレムの額に向ける。
お前の為に用意した、硬質・高速弾だ!
「ミサイルを撃ち落とせても、銃弾は撃ち落とせる!?」
私は私に向かって飛んでくる弾丸を〖念動力〗でガードしながら、よく狙ってトリガーを引く――耳をつんざく発砲音と、猛烈な反動が返ってきた。――肩が、抜けた。
「ぐぅう」
私は、痛みに顔を歪める。
私の放った銃弾は、ゴーレムの額に吸い込まれて、そこに書いてある文字を穿った。
ゴーレムには消されると土塊に還る文字があるけど、そこを削ったんだ。
するとゴーレムは力を失って、雪原に倒れ込む。
そうしてジルコンの様になって砕け散った。
「――〖再生〗」
私は自分の肩に〖再生〗を使って、すぐにマイルズが落下した方角へ向かう。
「マイルズ!」
急降下すると、周囲をの雪を赤く染めて、埋もれたマイルズがいた。
私が側によると、マイルズは荒い息を吐きながら笑った。
「・・・・下が・・・雪で良かった」
でも笑顔は、苦痛に歪んでいる。
すぐに〖再生〗しないと!
「――傷は、何処!」
患部を探すと・・・・不味い・・・お腹だ――弾丸を先に抜き出さないと! 〖再生〗しても弾丸が中に残ってしまう・・・・!
衛生兵の人が、走り込んでくる。
「中尉!」
私は慌てながら彼女に訴える。
「衛生兵さん、どうしたら! 私〖再生〗で傷は治せるんですが、弾が入ったままだとそこから感染症とかに・・・!」
「――わ、分かりました! すぐに弾丸を摘出をします! ――しかし、過酸化水素水は生産してありますが、清潔な水も必要です! ・・・・お湯を沸かさないと! ・・・マイルズ中尉、まだ耐えられますか!?」
「清潔な水なら、あるぞ!」
リッカが走ってきた。
「そうだ、そうでしたね・・・・! ――しかし麻酔なしの処置になります・・・大丈夫ですか、マイルズ中尉」
「・・・・ああ・・・大丈夫・・・」
「おい、せめてコレを飲め」
オックスさんが瓢箪を、衛生兵さんに投げてよこす。
「これは?」
「45度あるウォッカだ」
「助かります! ――消毒にも使ってもいいですか!?」
「むろんだ」
こうしてマイルズの銃弾の摘出が始まり、弾丸が取り出された瞬間、私は〖再生〗を使った。
最後に衛生兵さんがマイルズに何かを飲ませたり、注射してた。多分薬。
マイルズが、寝息を立て始めたので一安心。
「あー、怖かった」
私は衛生兵さんに尋ねる。
「今の薬は?」
「破傷風に効く抗生物質です。スウさんのお陰で作れました。スウさん達が塩湖を見つけてくれたんで助かりましたよ」
「あー・・・見つけたのは、リあンさんですけどね」
話を終えて、私が救急用のテントを出て、テーブルの椅子に体を埋めると、そこにいたアリスもため息。
「流石に焦りましたね」
「だねぇ。命に関わる怪我は、怖いよ」
アリスが自分のお腹をさすった。
「わたしもスウさんに助けてもらいましたけど、スウさんも危ない時有ったですよね。〖再生〗で助かってますけど」
「私にあったっけ・・・・?」
「ニセモノ命理ちゃんのキックとか」
「あー、そんなのも有ったわ!」
こうして、私達はクリエイト・パーチャーを手に入れたのだった。
そうこうしていると、
「みつけたああああああ! 追いついたぁぁぁぁ!」
そんな声が遠くからした。
声に振り返ると、プリティ・ギルティちゃん、香ナイトさん、鳳ヘプバーンさん!
さらに、Ωアムアさん、アルティmateさん、パトリ夫さん!
懐かしい顔ぶれに、私たちクレイジギークスは一斉に破顔。
みんなで抱き合う。私はプリティ・ギルティちゃんに抱きついた。
「どうやって見つけたんですか!?」
「配信を見ながらだよー! あと、私たちも頑張った!」
「なるほど!」
するとアルティMateさんが「寒くて死ぬかと思ったぞ」なんて言ったら、プリティ・ギルティちゃんが「おじいさんが頑張ってるのに、ヤレヤレ」と肩を竦めた。
感動の再会を終え、落ち着いた所でクレイジーギークスメンバーとプリティ・ギルティちゃんたち、Ωアムアさんたちやヒカリさんたちで集まって、ちょっとした作戦会議。
オックスさんが私に向かっていう。
「先にボスを発見して、どのような兵器が有効か調べる必要があるな」
「ですね――にしても焦ったせいか、ちょっと暑いですね」
するとリッカが空を見た。
「いや、天気が良いからかもしれん、気温が――」
その時だった。
遠くでなにか「ボンッ」という音がした。
「何の音・・・・」
私は音の方を見た、山の上の方だ。
「いかん!」
遠くで柏木さんが叫んだ――すると・・・・ドドドドドと、何かバッファローの群れでも走ってくるような音がして、
――雪崩!!
「まさか、ロケランのせ――」
気づいた時には遅かった。私たちは一気に流されていた。




