609 北の大地に立ちます
北の大陸にたどり着き、さらに北へ北へ。
やがて見えてきたのは、一面雪の銀世界だった。
途中から、凍った海の上を歩いてきたよ。
北の端でないとクリエイトパーチャーは無いらしい。
具体的には緯スウ90度以上。
「さっきまで結構暖かかったのに、こりゃ、いきなりとんでもなく寒くなったな」
「亜麻の服だと不味いぞ・・・」
「クレイジギークスさんは防寒対策はありますか!?」
私には貰ったフェルト生地や、動物の皮から作った物がある。
これ等をそのまま羽織って、亜麻の紐で縛ってマントにすればいい。
「大丈夫です」
「おお、そんな大きなフェルト布をもっていたですか」
「スウ、可愛い布とかズルいぞー」
イノシシの革のマントを羽織ったリッカが、抗議してきた。
「貰ったのは、私だもん~」
「またスウい事を」
「まだあるから、あげるよ」
私は丸めたフェルトを、〖念動力〗で渡す。
「おおっ、流石スウ」
「調子いいなあ」
「大きさあるから、2人分にはなりそうだ」
リッカの言葉を聞いた途端、女性陣がじゃんけんをしだした。
結果、最後のフェルト生地をゲットしたのは、綺雪ちゃんだった。
衛生兵さんがみんなに注意する。
「雪の中なので足の防護をしっかり固めて下さい、凍傷になります。――こちらにネズライオンの革を重ねて作った靴がありますので、足を守って下さい」
ネズライオンのマントを被った衛生兵さんが、ネズライオンの革の靴を配っていく。
革を重ねて作ったことで、途中の空気が断熱材になるそう。
わらじを履いて、ネズライオンの皮の靴を履くらしい。わらじが空気を含んで断熱(ry。
「本当に、ネズライオンの皮を確保しておいて良かったな」
自衛隊員さんが靴を足に縛り付けながら、安堵していた。
隊長さんが点呼で全員いるのを確認して、指示を始める。
「拠点作りを急ぐぞ、土嚢と木材で行く、後続のプレイヤーが寒さから身を守れる拠点を作らないといけない。――島から木材を確保するぞ。乾かしている時間はないが仕方ない――、1班2班拠点を作成。3班、4班は木を伐採。5班運搬。6班焚き火を用意、できるだけ乾燥させる。7班、防寒具作成、及びソリ、スキー、カンジキの増産。8班炊飯調理。技術班、必要な器具や施設を作成――作戦開始!」
「「「ラジャー!」」」
❝うおー、後続の俺等が助かる❞
❝一面雪か・・・・やばいな、防寒対策バッチリで行かないといけない❞
❝今めちゃくちゃ暑い砂漠にいるのに、次は極寒かよー。気温差で体壊しそうだわ❞
❝足はあんなに守らないとヤバイのか、スキー作って持っていかないとな❞
私達は素早くテキパキと連携するマッスルメンたちに、感動する。やっぱりプロはすごいなぁ。
アリスがリイムに防寒具を纏わせながら、マッスルメンたちをチラ見している。リイムは暑い国のモンスターのグリフォンだからか、寒さに弱いみたい。
「流石、プロは行動が早いですし、無駄が有りませんね」
そこへ、メガネを掛けた自衛隊員さんが近づいてきた。
「クレイジーギークスさんは、突然吹雪いた時の為に、かまくらを作成しておいてくれませんか」
「りょかいです」
私がアリスを手伝って、リイムに革の靴を履かせていると、自衛隊員さんにお願いされたので立ち上がった。
「遠くへ行くときはスキーがありますよ」
「あっ、多分要らないと思います飛べますんで」
私の言葉に隊員さんが「クレイジギークスさんには敵わないですね」と言って笑って任務に戻っていった。
私たちは簡単な仕事を任されるようだ。
しかしクレイジーギークスの方へ寄っていこうとする私に、再び声がかかった――
「あっ、スウさんだけは、ちょっと別の作業をお願いします」
「別ですか?」
「スウさんは第一遷移元素を作れるって本当ですか?」
「あ、はいできます」
「では、防寒対策をお願いしたいんですが」
「第一遷移金属で防寒――あー、ニッケルフィラメントですか」
「話が早くて助かります。ニッケルは見つからなかったので、このままでは防寒対策が木炭になってしまいます。それだとすぐに燃料がなくなってしまいますので、後に続くプレイヤーさんも暖を取れるようにしたいのです。――我々が電球を作るので、ニッケルフィラメントの長いものを20本ほどお願いできいますか?」
「りょ。です」
私が返事をすると、リイムの目が光った。「コ」とか真似っ子してる。止めなさい(理不尽ママ)。
「それから、持続的にエネルギーを採取するための発電所の作成も手伝って頂けますか?」
「おkです」
「コケ」
やめなさい・・・。
私はペンを振って、長めのニッケルフィラメントを作る。多分20本分位ある。
一振りで20本作れたので、隊員さんに渡しておく。
ナイフがあるから切れるよね?
「出来ました」
「は、早ッ」




