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488 だんだんと敵が強くなってきます

(マイルズ、中ボスがレーザーみたいなの撃ってくる! 水鉄砲だけど、とんでもない速度で飛んでくる)

(なに!? 大丈夫か!?)

(うん、なんとか避けられた)

(そうか分かった)

(マイルズはなにか対策ある!?)

(大丈夫だ、なんとか出来る)

(そっか・・・良かった。じゃあ、また)

(ああ、情報助かった)

(うん、また後で)

(また後で)


 ロボの背後、透明な壁の向こうの遠くに半透明の水色のドームが見える。

 あれが、反重力装置を守るバリアだろうか。


「ちょっと腕とか切り落とせないかな」


 私は機関銃でロボを射撃してみるけど。

 また キンキン いって弾丸を弾き始めた。


「ちょちょちょ・・・・」


 すると、また周囲に現れる波紋。貝が体当たりしてきた。


「なるほど、そういう攻略法?」


 私は、貝をロボにぶつける。

 ガッツリロボのアーマーが砕けた。


 そこからコアらしきものが露出。


(マイルズ、貝をロボにぶつけたら、胸のあたりに赤い球体が出てきたんだけど)

(それがコアだ! まだ壊すなよ)

(これ、機関銃で壊れるの?)

(壊れる。簡単に壊れると聴いた。だから撃つな)

(りょ)

(というか弾丸が弾かれて困っていたが、そうか貝をぶつければよかったのか)

(前にこういうゲームやったことあるんだよね、アクションゲームのラスボスにこんなのがいた気がする)

(・・・僕もゲームはやるほうだが、3Dシューティングばかりで、アクションゲームはあまりやらないからな)

(準備できたら言ってね)

(了解だ)


 私が30秒ほど、敵のレーザーを止めながら、ロボの周りを回っていると、


(準備OKだ。カウントダウンを頼む)

(わかった。行くね。――(スリー)


 ん、なんかロボがこっち向いた。


(ツー)


 え、何その跳躍力! 速――眼の前!!

 剣で切りかかってきた!!

 どうする!? ――カウント止める!?

 ――いや、〈単分子波動翼〉発動!!

 そのまま背面飛行になって、


(ワ、(ワン)


 私は、相手の剣を〈単分子波動翼〉で受け止めた。

 だけど、翼の中に埋め込まれている機関銃の位置が相手のコアの前にない。このままじゃ撃っても同時に相手を倒せない。

 私は相手の剣を軸にして、機体を回転させる。


(ファイア!!)


 そのまま回転で、相手のコアを左の〈単分子波動翼〉で切り裂いた。

 ジルコンの玻璃みたいになって砕けるロボ。


「ひぃぃぃ、怖かった!」


 とにかくなんとか中ボスを倒した。

 前方を見れば、反重力装置を守っているらしいバリアが消えていく。


「あとはボスを倒して、あそこを攻撃すれば良いのかな?」


 その後、すぐにマイルズとマリさんと合流。


「ナイス」

「そっちも」


 3人でサムズアップ。


❝配信戻ったー!❞

❝心配だったー!❞


 量子通信も復活して、配信も再開されたみたい。

 そこからしばらく飛ぶと、巨大戦艦の最後尾まできた。

 巨大戦艦の中から、手のようなMoBが出てくる。


「さあ、来るよ。第3ステージボス、ミダス!」


 現れたのは、5本の触手を持つMoB。


 MoBが触手を歌舞伎の連獅子のように触手を振り始めると、猛烈な弾幕が螺旋や球を描きながら辺りにばら撒かれ始めた。


 相変わらず猛烈な弾幕だ。しかも弾丸がさっきまでの二倍の速度で迫ってくる。

 けれどこのボスは、まだパターンがある。


 私達の相手じゃない。


 私が暗記している迷路を解くように躱していると、


「ん?」


 なんだろう、今何かを感じた。

 ・・・いつも着ているブラウスに、〝染み〟が有ったような・・・・変な感じ――違和感。


「なんだろう、なんか変だ」

『スウちゃん、どうしたの?』

「変なんです――」

『変?』

「違和感があるんです」

『違和感・・・?』

「理由は分からないんですが」


 あ。――まただ。凄く変な感じ。私は違和感のする方向に視線を向ける。

 そこには、いつも通りの弾幕――ちがう!

 私は一発の弾丸を指を指す。


「分かりました! あの弾幕、一個だけパターンどおりじゃないんです!」

『え、パターンどおりじゃない・・・・一個だけ!?』


❝いや、いや、一個だけ!? 弾幕の並びぐちゃぐちゃだぞ❞

❝なんでそんなの分かるんだよ❞


 マイルズの真剣な声がする。


『つまりここのMoBは、VRの〈発狂〉デスロードとは別の行動をしてくる可能性があるという事か』

『まって、ボスの上に出てるヒットポイントバーが回復して行ってない!?』

『再生能力持ちだと!? そんな能力デスロードのミダスには無いぞ!!』

「これは・・・ちょっと早く倒さないと不味いかも」

『というか、回復力がボクらの火力を上回っている・・・どうやればあの回復力を上回れる!?』

「じゃあ、火力特化のルートを通ります」

『この弾幕に、そんな物があるのか?』

「はい、ちょっと弾幕を避けるのが厳しいルートなんですけれど――あと〈励起翼〉――じゃなかった〈単分子波動翼〉で押しまくります」

『〈単分子波動翼〉か・・・』 


 マイルズがちょっと苦そうな声を出した。

 マリさんが困ったような声を出す。


『ぼくは射撃が得意な人間だから・・・この弾幕を躱しながらじゃ接近用の〈単分子波動翼〉は使えないよ・・・』

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