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すみません!

予約ミスりました!


『こっちにも、絶望がいた・・・・!』

『・・・上位勢って、本当にメチャクチャなのね』

『どうやったらあんな事になるのかしら』


 ブルーテイルが顎に手を当てる。


『また少しランキングの距離が縮まったな。もうお前は、完全に2位だろうな。――というか、たった9ヶ月でそんなに稼ぐとは』


 こんな風にみんなで自己紹介をしていると、62層の攻略に参加するらしい人たちが続々と着艦してきた。四角い離着艦口からバーサスフレームがどんどん入ってくる。

 見れば空母とかも一杯来てる。戦艦はあんまりいない――やっぱり初心者さんが多いのかな。


「本当に人が多そうだね、今回」


 私が近づいてくる沢山の輝きを眺めていると、ブルーテイルが頷いた。


『オークの巨大な拠点が有るらしいからな』

「なんか、大戦争になりそうな匂いがしてきた」

『なるだろうな。しかもここはジャングル惑星だから、乱戦になるかもしれないぞ』

「乱戦は同士討ちが怖いなあ――にしても大分銀河の中心に近づいてきたのに、まだまだ生命に溢れてる惑星があるんだね」

『条件が良いみたいだな。この惑星も、元はテラフォーミングされた星だしな』


 ロブをハンガーに収めながらタマさんが尋ねてくる。

 私も泳ぐの止めてハンガーに行かないと、着艦してくる人たちの邪魔になるや。


『なになに、銀河の中心に行くと生命が減るの?』


 私はタマさんの隣のハンガーに、フェアリーさんをドッキングさせる。


「そうらしいです。恒星が増えたり、金属が減ったりするんで生きるのが難しくなるみたいです」

『恒星が多いと危険な天体現象が増えるからな――とはいえ、ガンマ線バーストにでも曝されなければ大丈夫だろう』


 私とマイルズが返すと、タマさんが感心した。


『マイルズちゃんはともかく、スウちゃんも詳しいのねぇ』


 マイルズもブルーテイルをハンガーに収めながら、タマさんたちに尋ねる。


『お前たちも、俺やスウとパーティーを組むか? 良いか? スウ』

「マイルズが良いなら、私は大歓迎」

『おおっ、それは助かるぜ!!』

『スウちゃんと、マイルズがパーティーにいれば凄く助かる!』

『アタシたち、このところ凄くラッキーねぇ。スウちゃんの幸運パワーかしら』


 こうして私達はパーティーを組んで、オーク攻略戦――ジャラルグ作戦が開始された。




「じゃんじゃんジャングル、じゃんじゃんジャングル。じゃーんじゃーんジャングル~、じゃんじゃんジャングル~」


 私が歌っていると、マイルズが通信を入れてきた。


『なんだその歌は』

「今考えた」

『悪くない、続けろ』

「そう言われても、即興だからここまでしか思い浮かばないし」


 私達5人は広大なジャングルを、小高い丘空眺めていた。

 見渡す限り一面を緑大地を緑が覆い尽くし、緑を緑が覆い返すような。広大な森。地平までずっと緑だ。

 そこを雄大な河が沢山走っている。湖もかなり多いように見える。


『残念だな』

「そんなに?」

『お前の声は、愛らしいと思うぞ。よく通るし心地よい』

「なっ! ・・・・そ、そそそ、そー言うことを普通に言うなぁ! 恥ずかしい!! 配信始めよ。マイルズをユニコーンさんに怒ってもらうんだ」

『ボクはお前の視聴者に何を言われても、気にしないがな』


 私は、エレハントさんたちに訊ねる。


「みなさん、配信をして大丈夫ですか?」

『構わないぜ』

『問題ないわ』

『いいわよ~』


 という訳でSNSで呟いてから配信開始。


❝配信来ちゃー!❞

❝スウスウスウスウ Herスウ! Herスウ! Herスウ!❞


「みなさん、こんにちわです。今日は62層のオーク攻略戦に来ています。パーティーを組んでてマイルズと、それから知り合ったエレハントさん、レナさん、タマさんという方と一緒です」


❝マイルズ、またか貴様ー!❞

❝マイルズ以外、全然知らない人ばっかだなあ❞

❝スウとパーティー組めるとか、うらやましすぎる・・・・どんな幸運だよ、それ❞


『ちわ、エレハントだ。初めて一年も経ってない初心者だ』

『こんにちわ? こんばんわ? こっちは昼だけど――地球はいま夜だっけ? レナです。同じく初心者です』

『やっほー、タマよぉ。一番の初心者よぉ』


❝女子いるじゃん、女子!❞

❝オネェもいるぞ!❞

❝戦場は、いまどんな状況?❞


「偵察部隊が、オークの拠点を偵察してます。あ、地図が送られてきました。敵のレーダー施設を破壊して欲しいらしいですね」

『ボクとスウを、名指しだな。他二人が選出されているらしい』

「――ええ!? 私来てること、銀河連合にバレてるの!?」

『そりゃバレるだろう。行くぞ、スウ』

『俺たちは待機か』

『二人共頑張ってね』

『頼りにしてるわよぉ』


 ブルーテイルが人型から戦闘機に変形して、空に上がる。青い機体がカッコイイ。

 私がフェアリーテイルを戦闘機にして後に続くと、マイルズがこちらに尋ねて来た。


『スウ、ロッテ戦術か、エレメントは知っているか?』

「2人1組を、分隊とするやつだよね」


 ブルーテイルが速度を上げると、テーパー翼が前進翼になった。

 やっぱり前進翼はいいよね。私のフェアリーさんも前進翼だけども。


『シュヴァルムか、フライトは知っているか?』

「分隊2つ、4人で小隊」

『編隊飛行のやり方は?』

「ちょっと知識古いかもだけど、それで良いなら大丈夫」

『まあ、航空ショーで実力を見たしな――よし。戦闘力の高いお前が長機(リード)をやれ、ボクは僚機(ウィングマン)に回って警戒や援護を行う。ボクなら、お前にでも合わせられる』

「わ、分かった。あ、他の二人が来たみたい」


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