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345 上層攻略に行ってみます

 ◆◇◆◇◆



「なるほどー、ボス層以外ってこんな風に攻略してたんだねー」

『ですです』


 私が言うと、アリスが答えてくれた。


 私はアリスと話しながら、宇宙空間で、辺りを飛んでいるゴブリン戦闘機を落としていく。


 ワープ補助装置を設置出来る場所は、空間の裂け目――フロウ・ポイントに限られており、そういった場所は大概MoBに占拠されているらしい。


 転移先にワープ補助装置がないと転移出来ないはずなのに、どうして私達がここに居るかは、先にこの宙域に銀河連合の戦艦が来ていて、その戦艦がワープ補助装置を積んでいるから。

 なぜワープ補助装置を積んだ戦艦が、瞬く間にここに来れた理由は銀河連合は教えてくれない。


 第三の移動方法があるらしいけど、コレに関しては物凄い量のエネルギーが必要らしくて、おいそれと使えるものじゃないらしい。

 あと数千Gとか掛かるらしくて、人間の体では耐えられない。こういう時の連合の戦艦にはヒューマノイドさんと、データノイドさんが乗って先行するらしい。


 さて、ゴブリン戦闘機が半分くらいになった。


❝掃討はええwww❞

❝今までこんな早いフロウ・ポイントの付近のMoBの掃討、見たこと無いワロwww❞

❝1層とはいえ、これはやり過ぎだろw❞


 だってゴブリン戦闘機だもん。最初の1~10層の敵なのに、61層まで来た私達の相手じゃないよ。


「そういえば、エリアスのゴブリンから助けたホテルにまだ行ってないね」

『ですねぇ。いよいよ寒い時期になりましたけど、色々有ってまだ行くチャンスが無いですね』

「今度、行こっか」

『是非。知り合いも増えましたし、みなさんで行きましょうか』

「うんうん。増えた人の分の宿泊費は私が出そう」


 すると、アリスと合体しているリッカだ。


『やったー。スウの奢りだー、わたしスウに奢られるのが一番好き』


 当たり前に来る気だ、当たり前に連れて行くけど。

 増えた知り合いで連れて行くならって、――リッカが、真っ先に思い浮かぶもん。


「誰に奢られるのとかあるの・・・・?」

『一番気を使わなくて良いから』

「・・・・そういう物なの?」


❝リッカと行くのは決定事項なのな?❞

❝当たり前についてくるつもりでワロw❞


「そこは、決定事項です」

『決定事項だぞー』


 私とリッカの声が若干ハモった。


❝ほんと仲いいなあ、アンタ等❞


『にしても、わたしのペット〝チャッピー〟のお陰でバーサスフレームが動かしやすくなったー』


 リッカがウィンドウで、隣に浮いている青いエンゼルフィッシュを撫でる。

 チャッピーって、この前私の意識が異世界に行った時に手に入れた召喚モンスターの名前じゃないか。

 あの魚は、リッカのエッグ・モンスターでペットになった子。能力は〖VR感応アップ〗リッカにピッタリの子が来た。


 私は、今日は連れてきているリイムを撫でた。膝の上で丸くなってる。ライオンサイズ。

 もうすっかり体も強くなって、私よりもGに耐えられる。

 リイムが「コケ」と気持ちよさそうに目を閉じて、私に体を寄せてくる。

 彼が手に入れたスキルは〖アポート〗。見ている対象を、引き寄せられるらしい。見るのはモニター越しでも可。

 〖テレパシー〗と条件は同じらしい。


 ちょっとゴブリン戦闘機を引き寄せて貰おう。


「リイム〖アポート〗で、あの戦闘機を引き寄せられる?」

「コケ!」(任せてママ!)


 リイムが頷くと、彼が前足で掴む仕草をして羽ばたいた。


 眼の前に来るゴブリン戦闘機。

 て、――ちょっと近すぎ!!


 私は慌ててフェアリーさんを人型に変形させて、ゴブリン戦闘機をキック。


 〈徹甲バルカン〉を取って、撃ち抜いた。


「あービックリした」


❝危ねぇ❞

❝スウたんじゃなかったら、今のは事故ってたな❞


 怒られると思ったのか、リイムが私の背中に隠れた。


「いや、リイム怒らないから! リイムは私の言う通りにしてくれただけだから、ありがとね」


 私がリイムを撫でると、彼は頬に頭頂でスリスリしてきた。

 うん、プリチー。


 するとアリスが、


『蹴ったせいで、フェアリーさんの関節がちょっと故障してますね』


 言って、頭に載せた白兎に頼んでくれる。


『因幡、フェアリーさんの足関節をなおして』


 アリスのペットは白兎になった。


 私の好物を与え続けるとああなったらしいという、色々ツッコミどころ満載の個体である。


 アリスが何をあげたのか明かしていないせいか、白兎を連れている人はあまりいない。


 リッカのエンゼルフィッシュは相当数見る。けどエンゼルフィッシュと一番相性がいいのはリッカな気がする。


 因幡ちゃんが耳を振って、フェアリーさんを治してくれた。

 これはもう整備士要らず? ――いや補給とか有るし、因幡ちゃんの力ばっかり使わせるのも悪い。


 なんて事をしている間に、ゴブリン戦闘機が全滅した。


『ストライダーの皆さん、今回も協力ありがとうございました。戦功に合わせて報酬を送りましたので確認してください』


『マイマスター、銀河クレジット80万と、勲功ポイント40万を手に入れました』


❝多www❞


「え、そうなんですか?」


❝ゴブリン戦闘機相手した時の勲功ポイントじゃないんよ、それw❞

❝まあ、ものすごい勢いで爆散させてたしなあ❞

❝ゴブリン戦闘機って、1機につき勲功ポイント1000~6000だよなあ?❞

❝一人だけ、爆発で光の壁を築いてたもんなwww❞


『私とリッカが、勲功ポイント8万づつですからねえ。これでも多い方なんですが』


『ではストライダーの方は、デブリ掃除のクエストをこなしてくれる人員以外は帰投してください。今後も、宜しくお願いします』


 デブリ掃除かあ、江東さんとさくらくんが前にやったけど大変だったって言ってたなあ。


 私は二人に尋ねる。


「デブリ掃除する?」

『わたしは、掃除とかヤダー』

『わたしも撮影が有るので、一旦地球に帰ります』

「そっかあ、私はデブリ掃除やってみようかなあ。色々体験してみたい」

『まじかー。頑張ってー』

『じゃあ、わたしとリッカはお先に』

「うん」


 二人の機体が、宇宙に波紋を残して消えた。


『ではデブリ掃除に参加してくださる方は、旗艦に集まってください』

「はーい」


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