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323 アテナと1on1します

「スケさんーーーッ!!」

『助平お兄ちゃーーーんッ!!』


 すると、ハクセンから通信が入った。


『大丈夫でござる。助平は脱出に成功したらしいでござる』

「よ・・・良かった」

『しかし助平もいよいよハンマーヘッドを卒業でござるなあ。後継機に――なにを買うのやら』

「ハクセン・・・佐々木さんにお礼を言っておいて下さい」

『任せるでござる。助平、スウが・・・――「気にするな」だそうでござる』

「本当に助かりました」

『・・・助平お兄ちゃん、生きててくれて良かった』


 でもスケさんは何故タイミングよくこっちに来たのだろう・・・野生の勘とかだろうか・・・?

 ――あの人ならあり得る。


 ヒヤリとする出来事はあったけど。見えてきた、後光を背負った姿のバーサスフレーム、天装機ポータル。


 大量の盾機と拠点に囲まれて、護られている。


『来た、スウだ!』

『急いでくれ、〈発狂〉ミダスの攻撃が苛烈で厳しい――君を送ったら我々は撤退する!!』

「は、はい!」

『ワープゲート開くぞ!!』


 ポータルが〝黄金と黒な、太い腕〟を前に出す。そうしてゲートを開いてくれた。

 私は勢いのまま、ゲートの中に飛び込む。


 扉を抜けるように入れば、すぐさま目の前にアテナがいた。

 私は、フェアリーテイルを人型にして逆噴射。


「近くに寄ると、こんなに大きかったんだ」


 全高3000メートルはありそうな。女性の胸像みたいなMoBが、鎮座している。

 正直、全体を把握しきれない。


「とにかく――」


 私は徹甲バルカンを取り出して乱射。

 でも――


「こ、これ、まるでダメージが通ってなくない!?」

『こちらビブリオビブレのオペレーター、ペィジィです』

「は、はいっ」

『スウさんの仰る通りのようです。AIに計算させましたが、全くダメージが通っていません。わずかに削れるとかそういうレベルではなく、全くです』

「じゃあ、どうやって倒せば――どこか弱点っぽい場所は――」


 私は素早く考える、脳内で映像がプリズムのように輝く。

 ――あ、そうか。


「――体内は、どうでしょうか?」

『なるほど! 試してもらえますか?』

「はい!」


 私は飛行形態にして急上昇する。

 すると、アテナが歌い始めた。――急ごう。


 全力で加速させてアテナの口の前まで来ると、フェアリーさんを直角に近いカーブで曲がらせ歌う口から体内へ突入。


 エンジンが止まる前に人型形態にして、舌の上に着地。

 って――なんか、アテナの体内にも弾幕が湧いてきた。


 私は〖念動力〗でフェアリーテイルを動かして、弾幕を躱す。

 そうしながら〈時空倉庫の鍵・大〉を開いて、一斉掃射してみる。


「あ、ちょっとダメージが通った。けど――ちょっとだなあ」

『スウさん。アテナの体内に強力なエネルギー反応があります。アテナがこの強力なエネルギーを使っているなら、破壊してしまえばアテナに何かしら反応があるはずです。ウチの副マスター、ハギモト先生曰く「恐らく動けなくなるのではないか」という予想です。コアのようなものだと思われます』

「確かに、熱反応があるならソレを利用している可能性がありますね。――じゃあ奥に進めば良さそうですね」

『お願いします』

「りょ」


 エンジンが回復したので、私はフェアリーテイルを人型形態のまま、喉の奥へ進ませた。


 体内では、人型形態の方が良さそうだ。と思ったんだ。


 アテナの体内は、まるで迷路だった。


「こっちは行き止まり――って、ミダスがいるじゃん!!」


 私は、現れた〈狂乱〉ミダスと戦闘を開始。


 通路だから、躱しにくい!


 相手が〈狂乱〉レベルとはいえ、こっちが人型だとキツイ。

 ――だからって、この狭い中で戦闘機状態は流石に無理だし。

 とにかくできるだけ早めに撃破しないと。


❝何だあのスウの動き・・・❞

❝・・・・壁蹴って躱してるよ。あんな躱し方もできるのかよ❞

❝まって、次の弾幕――多分、避ける場所ないぞ!?❞


 確かに、壁が邪魔で横に躱せない――


❝どうする!?❞

❝やばい、スウが撃墜される!!❞


 私は〈狂乱〉ミダスに突進――ヤツを蹴って、横向きにする。――と、同時に後ろに跳ぶ。

 これで弾幕の形が変わって、躱せた。


❝力技ワロwww❞

❝自分じゃなくて相手を動かすのかよwww❞


 同時に〈臨界黒体放射〉を放って〈狂乱〉ミダスを撃破。

 ――あ、そうだ。


「コメントの皆さん、アテナが手を叩きそうになったら教えてください! 私からは見えないんで!」


❝おk❞

❝任セロリ!❞

❝スウたんとの初めての共同作業、頑張るわ❞

❝古参は何回かあったぞ。懐かしい❞

❝裏山ー!!❞


 更に迷路を奥に進む。そうしながら、〈狂乱〉ミダスを数体撃破。


❝人型なのに、弾の速いミダスの弾幕躱せるのマジですごいな❞


「周りの壁と思考強化があるんで、なんとかです。――道は、熱の反応が高いからこっちで合ってるかな?」


 私は〈時空倉庫の鍵〉から〖念動力〗で、合金板を出して弾幕を防ぐ。


 破壊された合金板は、すぐさま破棄。


 通路が明るくなってきて、分かりやすくなってきた。


 視えた――あれがコア?


 広い空間がみえて中央に浮かぶ、小型太陽みたいな物が見えてきた。


「ここ、凄い熱量」

『マイマスター、〈アイアン・ノヴァ〉の使用許可が連合から降りました』

「え、やだ、使いたくない・・・・」


❝アイアン・ノヴァってあれだろ? 小型の超新星爆発を起こすやつ❞

❝こんな場所で使ったら死ぞ❞

❝細い通路を爆発から全力で逃げないとダメだし、外側にアテナのバリアがあるし、爆発から逃げられないだろ❞


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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 敵の中枢をぶっ壊す→クソめんどい作りの脱出ルートから離脱……グラディ○ス等に代表される昔のシューティングゲームあるあるですね(笑) とはいえスウちゃんの場合は中枢の爆発に加え、(…
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