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321 危険な敵が現れます

 リッカが通信で「むぅ」と唸ったけど、ボスが多すぎるよ。


 私は、連装ミサイルをヘルメスのロックオンできるポイントに合わせていく。


❝え、スウって―――この人・・・・ほんの30センチほどしかないロックオンポイントをロックオンしていってるの? しかも次から次へと・・・・❞

❝せやで❞

❝〈錯アト〉で見せた、変態技術❞


 集中してるから言わないけど「変態じゃない」。


❝い、いや・・・・ヘルメスって移動速度がスワローテイルより早いし、のたくったような変則的な動きしてるのに、なんでロックオンできるの・・・❞


「よし、ミサイル一斉発射!!」


 ロックオンした100体に向かって、ミサイル群が一斉に撃ち出される。

 さらに徹甲ガトリングと、荷電粒子砲、黒体放射ガトリング、臨界黒体放射。

 もちろん一匹につき1発じゃない。倒せるまで何発でも放つ。


「〈γ崩壊・輻射砲〉」行けぇ!


 周囲に広がった波がヘルメスを次から次へと破壊していく。

 バーサスフレームは、巻き込まれても大丈夫。

 黒体があるからダメージがない。


 ヘルメスの弾幕がこっちに来るけど、ビスカムアルバムにはバリアが有るので簡単には抜かれない。

 もちろん躱せるものは躱す。機体がさすがに大きすぎて、躱しきれてないけど。


❝一人で中隊規模の火力発揮してるよ、あの子!!❞


『うおおお、ヘルメスが撃墜された!! なんだ、あの花は!』

『なにあれ、空母? やたら火力高いけど』

『・・・・武器積み過ぎじゃね、居住区も、バーサスフレームも搭載する気なしで武器だらけなんだけど。・・・・なにあれ』

『つか、真ん中にいるのフェアリーテイルじゃん。てことはスウ?』

『やっべぇ、またチートだ。もはや非常識すぎる』

『みなさん、ヘルメスから開放された方はピンチになっている所へ合流してください、連携を回復してください!』

『おう!』


 私はみんなと協力してヘルメスやアンティキティラ、ミダスを撃墜していく。

 そうして、敵の数が三分の一になった頃だった。

 ついに、アテナが動いた。


 両腕を広げた胸像な女性のような見た目だったアテナが歌い始め、彼女の両手が正面で打ち合わされる。


 宇宙なのに、何故か歌声が聞こえる・・・・なんて思ってる場合じゃない。


 止まる全員のバーサスフレームのエンジン。

 だけど私はこれを予見して、花を蕾にしておいた。


 蕾状態の外側は、非常に硬い装甲が何重にも張られているので盾にできる。


 蕾の外へ猛烈な弾幕が炸裂していく――蕾の中とはいえ、視界がなくなる訳じゃない。外の様子はカメラで見えてる――見えるから怖い。


 弾幕が、次から次へとぶつかって来るんだもん。


 普段は避ける事ばっかしてるんで、弾幕が当たってくる光景に慣れてなくて、体が震える。


 ―――一秒、短いようで長い時間のあと――エンジンが再起動した。


 広域通信で、沢山の人が悲鳴を挙げている。


『やばい、機体がダメージを受けすぎた。――わ、悪いもう無理だ転送装置で逃げる!!』


 何機かのバーサスフレームが爆散してたり、ワープしたのか消えていく。

 近くに戦艦があるからワープが可能だ。

 マザーグースでも良いらしい。

 ・・・・爆散した人、大丈夫かな。


 ビブリオ・ビブレのオペレーターさんがみんなに注意する。


『エンジンを止められても、転送装置は起動するみたいです。危ないと思ったら逃げてください! 今回ダメでも、いつもみたいに次のチャンスはあります。――自分の命を優先してください!!』


 にしてもエンジンを止められると、被弾が凄い。

 いずれは、ビスカムアルバムの装甲でも破られてしまいそう。


 ビスカムアルバムは、火力は有るけど回避力が激減するのがちょっとキツイな。


 後方なら弾幕も躱せるけど、流石にエンジンを止められたら無理だし。

 それに、こんな巨体だと〝あの方法〟が使えないし。


 ミダスはもういないし、アンティキティラはあと10体くらい


 エルメスもあと50体くらいだし――なんとかなりそう。


 私はビスカムアルバムとのドッキングを解除――ビスカムアルバムにはオートパイロットで、戦艦に戻ってもらう。


 エンジン停止が危ないから、ドリルドローンやシールドドローンたちにも、時空倉庫や、フェアリーテイルの内部に戻ってもらう。


 私は身軽になったフェアリーテイルで、ヘルメスと戦い続ける。


 追いかけ回しながら、ずっとドラムロール。


❝速度を高度で保存できないから、角運動で保存してるのか❞

❝視界が回るー! よく弾幕に掠らないなあ❞

❝おい、アテナの腕が動いたぞ!!❞

❝スウ、めちゃくちゃ慣性掛かってるけど、大丈夫か!? エンジン止められたら、ものすごいスピードでぶっ飛ぶぞ。弾幕にぶつかる!❞


 アテナが手を叩く。


 エンジンが止まった。

 まずは固体水素をエンジンの予熱で温めて、逆噴射で速度を緩めてから――。


(〖念動力〗〖怪力〗〖超怪力〗〖質量操作〗!!)


❝え、なんで普通に弾幕を躱してるん?❞


 行ける、レベルを上げた〖念動力〗〖怪力〗〖超怪力〗、そして〖質量操作〗で機体を動かせば躱せる!


 実弾系の武器は撃てるみたいだから、その反動とかも使って躱す。

 あと火力を増すためバーサスフレーム用の〈時空倉庫の鍵〉を開いてその中の武器も使う。


 アリスとリッカも合体して、事前に考えておいた〖重力操作〗と〖水作成〗の反動でバーサスフレームをコントロールしている。


 流石アリスとリッカ、物凄い息があってる。二人のスキルで、見事に一機をコントロールしてる。


 なんて他人の事を見てる場合じゃなかった――私に、躱せそうにない攻撃も幾つかくるけど、


❝ぶつかる!!❞


 私は〈時空倉庫の鍵・大〉から合金板を〖念動力〗で取り出して弾幕を防いだり、近くに浮いていた破壊されたバーサスフレームの物らしきデブリを、これも〖念動力〗で引き寄せて、盾にする。ちゃんと中に人がいないか〖マッピング〗と〖透視〗で確認してから。


 爆発の勢いにフェアリーテイルの翼を当てて、宇宙を跳ねる。


❝なるほど、〖念動力〗で躱してるのか!❞

❝まともに戦えてるの、マジで数人しかいないじゃん❞

❝ユーはスナークの〖次元防壁〗で耐えてるな❞

❝こうなるとマイルズすら、流石にキツイみたいだ❞

❝スキルが少ないマリさんも、今回は駄目っぽい・・・❞

❝防御できるスキルがないと駄目なのか! ――でも、あの二人がまともに戦えてないのは、不味くないか!?❞


 その時、宇宙空間に波紋が浮かんだ。


『え? まだ来るの!? て、敵勢力来ます―――数100・・・・少なめですが』


 ・・・100なら安心かな?


『ま、不味い!! 跳躍してくる敵判明―――〈発狂〉ミダスです!!』

「〈発狂〉ミダス!?」


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怒涛のボスラッシュでワロ
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