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フェイテルリンク・レジェンディア ~訓練場に籠もって出てきたら、最強になっていた。バトルでも日常でも無双します~  作者: 毘沙門 子子


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310 To be――Yourself(貴女らしく)

「ク、クリアって、なんですか?」


 アリスが疑問を口にしている。

 私は、口の泡を拳で拭って答える。


「〈発狂〉デスロードを、今クリアした」

「え――? どういう・・・・」


 記憶が、馴染んでいくのが分かる。

 

 アリスとリッカは、私がこの数秒で9年を過ごしたのが分からず、困惑。


「スウさん、クリアってなんですか?」

「な、何をクリアした?」


 私は、敵の空母を睨む。


「入れ、――ゾーン」


 青く染まる世界。


「えっ――目の光が消えた? ゾーンに入ったんですか・・・? さっき入れないって」


 私は綺怜くんに走る。


「綺怜くん」

「どうした、スウさん・・・!?」

「操舵を代わって」

「え、大丈夫なのか・・・? 記憶無くしたんじゃ」

「もう大丈夫」

「め、目が真っ暗だけど」

「うん、もう大丈夫」


 私は綺怜くんに席を譲ってもらい、操縦桿を握る。

 狙うは、敵空母。

 奴らは今も、街に空爆をしている。


「もう、勝手はさせない・・・〈励起剣〉!!」


 私が言うと、リあンさんが悲鳴を挙げた。


「まってまってスウ、アンタ今弱体化してるんじゃ!?」

「いけぇぇぇぇぇぇ!!」


 私は夢中で、敵の空母に戦艦を突進させた。


「や、やめ―――っ! ぶつかるぶつかるぶつかる!!」


 大丈夫!

 轟音が鳴って、空母に〈励起剣〉が激突。

 互いに側面へ大砲を放ちながらすれ違う。

 だけど、200メートル級の空母と1000メートル級の戦艦では大砲の数に差がありすぎる。

 マザーグースの背後で、真っ二つになり爆散する敵空母。


『朕の――朕の方舟が、こんなにもアッサリ、馬鹿なぁぁぁぁぁぁ―――!!』

『*こ、皇帝、脱出をッ!!*』


 断末魔のような悲鳴が聴こえてきていた。

 多分、脱出はできるよね?


「ちゃ、ちゃんと命中させた・・・?」


 リあンさんが眼を丸くしている。


❝復活したぁぁぁぁぁぁ!❞

❝俺達のスウたんが戻ってきたぁ!!❞

❝短いデバフだったな!w❞

❝なんにしても良かった!❞


「シュネさん、本当にありがとう! ありがとう―――!」


 私はシュネさんに心から感謝しながら、敵機をどんどん薙ぎ払っていく。

 ホワイトマンなんか、記憶を取り戻した私の相手じゃない。

 オックスさんの砲撃に合わせて、船体を動かすことも忘れない。

 背後から迫る、敵のホワイトマン。


「後ろに着いたからってぇ!!」


 私は、シャンデル機動気味のループ機動を展開。

 シャンデル機動は、斜め45度に船体を倒して、上昇。そのまま後ろに方向転換する機動。それを今回は、斜め上宙返りに変える。


 私は左斜め上に、戦艦を上昇させた。


 この機動は、相手に広い背中を見せるから()い的になるので、戦闘機では敵の前でやっちゃいけない機動。

 だけど今乗ってるのは硬い戦艦だ。少々の被弾は問題ない。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ――」


 リあンさんが絶叫。


「――スウ!? 巨大な戦艦で何してるの!?」

「スウ姉ちゃん、全長1キロもある戦艦でやって良いことじゃない!! ――墜落する、墜落!!」


 戦艦が宙返りを始めると、揚力が無くなり落下を始める。


「ほら、落下してるぅ!!」


 リあンさんが血の気の失せた顔で泣いてるけど、大丈夫。

 私は、マザーグースの機首を下げて失速から回復。

 船体を持ち直す。


「オックスさん!」

「応!!」

「バリア解除! ――面舵ぃ!!」

「堕ちろぉ!」


 船体の左側面を敵に向ければ、オックスさんが一斉砲撃。

 リッカと楓ちゃんとハクセンも、綺怜くんも、砲撃に加わっている。


 瞬く間に敵機を撃墜していく。


❝もう敵の半数が削れたwww❞


『なんですのこの戦艦、その巨体で自由に動き回りすぎどすわ。どないなってはりますんや!』


 私はニクサに答える。


「私が操縦を代わったからには、もう好きにはさせません!」

『なんやあんたさん。さっきまでは、てんで弱くなってはったのに、どないしはりましたんや!』

「ちょっと思い出しましてね! ――その機体、攻撃を反射するみたいですね」

『さよや。あんたさん等には、この防御力はなんともできはらへんやろ』

「――でも、さっきの感じからして、飽和攻撃には! ――弾込め!」


 私の命令をオックスさんが繰り返す。


「装填開始!」


 オックスさんの命令一下、リッカ、メープルちゃん、ハクセン、綺怜くんが反応する。


「「「装填開始!」」」


 私はみんなが弾込めをしている間に、ニクサの機体に斬りかかる。

 ニクサは、マザーグースから伸びた超巨大なビーム剣に慌てて、人型になって剣を繰り出した。


 超巨大な剣と、ニクサの小さな剣が鍔迫り合い。


『反攻機を舐めたらあきまへん。こんな攻撃、跳ね返したりますわ!』


 恐ろしいことに、巨大な剣で切りつけているダメージが、マザーグースの剣に返ってきている。


 爆散する、マザーグースの〈励起剣〉。


『どないや!』


 でも、残念――戦艦のサイドに入ったのが、貴方の敗因。


 戦艦の大砲はサイドに撃てるように、多数の砲門が配置されている。

 なぜ正面ではないのか、それは正面だと面積が狭いから。

 横陣と同じ発想で、こうなっている。


 敵に対して横長な陣形が、戦争でよく使われるのは、正面に火力を集中するため。


 戦艦も同じく、横長な面に大砲を沢山配置して、敵に火力を集中できるように設計されている。


「全砲門開け!」


 私が叫ぶと、オックスさん、リッカ、メープルちゃん、綺怜くんが一斉に大砲を操作。


 私はサイドを指さした。


「目標、ニクサ機」


 みんなの操る大砲が、一斉にニクサ機へ向いた。


『あ、あきまへん! そ、その数はあきまへん!』


 私はオックスさんに叫ぶ。


「撃ち方、始め!」


 オックスさんが、みんなに命令する。


「撃ぃ方ぁ、始めぇ―――!!」


 ニクサ機への集中放火。

 でも、さすが――相当数を反射してくる。戦艦のシールドが削られていく。

 だけど、とうとう反射しきれなくなったのか、ニクサ機が吹き飛んだ。


 私は、またも命令。


「主砲、開け! 目標、ニクサ機!!」

「砲門解放。偏差誤差修正1.01。主砲準備完了!」


 照準が、逃げるニクサ機を捕らえた。

 ちょっと照準がニクサ機のド真ん中を狙いすぎな気もするけど――オックスさん容赦ないな・・・。

 でも、街を空爆してたんだし、オックスさんの慈悲は得られないか。

 とにかく、今しかない。


「てぇぇぇぇぇぇ――ッ!!」

「アイ・マム!」


 オックスさんは、言いながら主砲を発射。

 極太ビームが、ニクサ機に命中。

 光の中にニクサ機が呑まれていく。


『ひ、ひっ、ひぃぃぃぃぃぃ!!』


 ニクサの悲鳴と共に、ニクサ機は爆散した。

 し、死んじゃったかな?

 オックスさん、ド真ん中に当てすぎ問題。


「・・・う、撃って良いのは、自分が撃たれる覚悟のあるヤツだけだ」


 私が言い訳を呟いていると、ニクサの脱出したパラシュートが見えた。

 ちょっと「ホッ」とする、私。


 私の視聴者の人っぽい機体もやってきた。


 戦闘機と、潜水艦と、駆逐艦と、戦車と、ヘリが合体。

 巨大メカになる。


『『『『『完成! 星電機(せいでんき)ボルトステラーΕ(イプシロン)!!』』』』』


「な、なにあれ・・・」


 突然の登場に、私は吹き出してしまい、ゾーンがちょっと解けた。


 星電機(せいでんき)ボルトステラーΕ(イプシロン)は、


『超電磁ドリィィィル』


 とか、


『超電磁コーク・スクリュゥゥゥ』


 とか、なんか回転するものを利用した技を沢山繰り出してた。

 絶対、特機。


 最後には、


『みんな』

『応!』

『ええ!』

『今こそ5つの心を重ねて1つに!』

『『『『『いくぞ!!!!!』』』』』

『超電磁ギャラクシィィィ!』


 いや、ギャラクシーは回転してるけどさ、スケールよ。


 なんか敵を謎空間に封じ込め、そこで銀河をぶつける技らしい。

 どゆこと?


 ホワイトマン1機だけを謎空間に吸い込んで、星電機ボルトステラーΕ自身も謎空間に消えた。


 しかも単体攻撃カヨ。

 エネルギーが無駄すぎる、規模が馬鹿すぎる。


 必殺技らしきものが終わると、空がガラスみたいに割れて、星電機ボルトステラーΕが出てきた。

 あと、ホワイトマンの残骸。


 ホワイトマン、なにされたんだろう。

 ――いや、銀河をぶつけられたんだろうけども。


「『もう全部、あいつ等だけでいいんじゃないか?』」


 私はボソリ。


 彼らがリメルディアを愛する限り、この国はきっと安泰。


 敵は指揮官の空母も、ニクサも失い大混乱。

 這々の体で逃げていった。


 私は隣に立っていたアリスとハイタッチ。


 周りのみんなもハイタッチをしあっている。


「えっと、なんか特機持ち出してきてくれた視聴者さんも、ありがとうございました」


 すると開くウィンドウ。見えたのは、鼻筋になんか謎の白いテープを張った、燃えるような赤髪の少年だった。


『へんっ、いいって事よ! でも、どうしてもお礼がしたいってんなら、今度ネーちゃんのおっぱいを揉ませ――』


 言いかけた少年の頭を、急に現れたウィンドウの少女が、スコーンと叩く。

 なんか透き通る海のような色の髪をしている。


 ていうかあの二人は別の場所にいるっぽいのに、なんでウィンドウ越しに殴れたの?

 どういう現象?


『――チ、チトセ!?』

『スウさんに、なに言ってるのよ! アツシ!』

『わ、悪かった! もう言わないから!!』


 アリスが苦笑い。


「この人たち、どっか別の惑星出身だったりしないですよね?」

「わ、分からない」


 その後、リメルディアのみなさんに更に歓迎されました。

 クレイジーギークス+ハクセンと、特機の5人も一緒に。


 星電機のみんなは、暫くファンタシアに滞在してリメルディアを守ってくれるらしい。

 超頼もしい。


 さて、危ないことしたセーラさまにはちょっとお尻ペンペンして、なんか急に火照った顔で見つめられ。

 歓待もそこそこに、私がアイビーさんにホムンクルス工場の位置を報告。


「東の大陸の中央、マグナトレスカ山脈のアウト・レイクの北、200メートルの位置緯度39経度-120に、ホムンクルス工場はあるそうです」

『有難うございます! 流石スウさん達ですね・・・・まさかこんなに早く位置を特定してくれるとは。しかもそこまで詳しく』


 急いだせいで記憶奪われたんですけどね。


「いえいえ、では今度こそまともな蘇生方法をよろしくお願いします」

『はい、もうファンタシアで待機していた部隊が工場に向かっています』

「頼もしいです――そういえばリアトリス旗下はどうなりましたか?」

『解散まではさせられませんでしたが、予算大幅削減になりました』

「なるほど・・・・」

『更に様々な情報を開示させています』

「ちょっと安心ですね」

『はい。では私もしばらく研究室に缶詰になりますので、これで』

「頑張ってください」


 こうして通信を終えた時だった。


 アイビーさんのウィンドウが閉じると、アイビーさんとは別のウィンドウが視界に開いた。


『やあ』


 アッシュブロンド――少女に見える顔。


「あ!」


 現れたのはシュネさん。

 私に踏切で記憶をプレゼントしておいてくれた、ゴスロリ軍服の人。

 今さっき私を助けてくれた人!


『こんどこそ、お互いに久しぶりかな?』

「はい! 今回は、本当にありがとうございました!」


 アッシュブロンドの幼い顔が、しずかに微笑む。


『いやいや、ボクも助かってるからね。お陰で今度こそ、目的を達成できそうだ』

「え・・・? ――目的?」

『それについて語るには、君はまだこの銀河の事を知らなさすぎる』


 シュネさんはゆっくりと首を振った。


「実際、貴女は何者なんですか?」

『聞いているだろう? シュネ様って、クナウティアが言ってた筈だ』

「あ・・・・やっぱりクナウティアさんの言ってたシュネって、貴女だったんですね」

『そう。そしてクナウティア、リアトリス、ユーグレノゾア3機の連理演算器の上にいるのは1人しかいない――』

「一人?」


 シュネさんはしずかに、ゆっくり、しかし泰然と頷いて答える。


『銀河連合・元帥』

「・・・・元帥」

『それがボクさ。それからボクが君に渡した、封印されている記憶は今回のものだけじゃない』

「え、まだあるんですか!?」

『――今話せるのは、ここまで。――じゃあ、次に会うのは話せるようになった時だね。4章以降で』


 シュネさんのウィンドウが閉じられた。


「4章以降で会おうっていうことは―――4章に入ったら、私はこの銀河の事を良く理解してるの?」


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― 新着の感想 ―
結局自力ではどうにもならなかった どころかまだこれがあるのかぁ
さーて今回のフェイテルリンクは、 『星電機ボルトステラーΕさん、ホワイトマンに必殺技はオーバーキル過ぎててワロ』 『セーレさま目覚めちゃったネ』 『シュネさんメタすぎるって!!』 の3本でお送り致しま…
更新お疲れ様です。 スウちゃん記憶が戻ったのは嬉しいんですが、個人的にはちょっと心配なんですよね。只でさえゾーンを使う→よその魔眼系の主人公みたく脳に負担バリバリだったのに、今回も記憶の再読み込み(…
感想一覧
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