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287 相談

 シバ機の剣を持ったままもう一度スナップロール、ねじって剣を奪ったら〈励起翼〉でシバ機を吹き飛ばした。


 シバ機のシールドが砕ける。


 一旦距離が開くフェアリーテイルとシバ機、シバ機が腰からダガーの様に短いビーム剣を取り出した。


『これなら白刃取りはできまい!』


 シバ機が再びワイヤーを引いて、フェアリーテイルを強引に引き寄せる。


『侵入者――ゴブリンになれ!』

「そんな物になる気はない! ――入れ、ゾーン」


 私は〈汎用バルカン〉を撃ちながら、シバ機に迫る。

 シバ機が実体盾で、弾丸を防ぐ。


 私は〈励起翼〉を準備。

 そしてリミッターを外して加速。


「〖前進〗!」


 質量と加速で、盾に体当たり、盾を砕く。

 そして、アレスティング・フックをシバ機の顔面に引っ掛けて、ヤツを転がす。


『んなっ!? ――なにぃ!?』


 人型のバーサスフレームで飛ぶのはまるで、フライボードに乗るような感覚だ。

 ではフライボードに乗って、空中で転んだらどうなる――それがシバ機に起きていた。

 ものすごい勢いで、コロニーの地面に飛んでいくシバ機。

 だがそこは手練れのパイロット、すぐさまロケット噴射を止めて、姿勢を直そうとする。

 でも、


「させない!」


 私は、フェアリーテイルを人型にする。

 そうして称号を使う。


「〖伝説〗」


 私はVRで飛び蹴りの姿勢になって、通信を切る。


「ハイパー・スズヒ――」


 命理ちゃんの見様見真似で、


「――キィィィィィィック」


 急降下キック。


 キックがシバ機の胴体に突き刺さる。


『ぐおっぉぉぉ!!』


 衝突の瞬間、凄まじいGに耐えるシバの声がした。

 私も掛かるGに〖質量操作〗を使い、歯を食いしばる。


 そうしてコロニーの地面にシバ機をエスコート。

 だが衝突の瞬間――このまま一緒に衝突したら、私もヤバイ。

 足のロケット噴射を噴射。

 フェアリーテイルを急速離脱。


 シバ機は、ロケット噴射の反動も浴びながら地面に激突。


 私は飛行形態にフェアリーテイルを戻して、上空へ離脱。


「どうだ・・・・?」


 私は目下を確認。

 シバ機は動かない。

 よし「できるだけ」殺さないを遂行できたかな?


『ハッチ開きましたわー』


 西園寺さんのプランE、脱走準備が完了したという連絡が入った。

 アリスとみずきの方を確認すれば、左右に飛んだショーグンとダーリンが、同時にロブを真っ二つにしていた。


「よし、アリス、みずき、チグ! 逃げるよ!!」

「はい!」

「応!」

「ひやひやしたよ」


 こうして私達はリアトリスのコロニーを無事脱出したのだった。




 ❝Sight:八街 アリス❞




 リアトリスのコロニーから帰ってきて、リッカ、チグ、西園寺さんと分かれ、わたしと涼姫は戦艦マザーグースの涼姫の自室に居ました。


 マザーグースの内部は涼姫の許可がないと入れないので、秘密の話をするなら、ここが一番安心だという判断です。


 フェアリーさんのワンルームを大きくしたみたいな部屋です。

 広く、天井が高いです。でも重力を切ると手すりなどが出てきます。

 なので昔、わたしが無重力で身動きが取れなくなったみたいな事故は起きません。


 わたしは、秘密をどうするか、涼姫に方針を委ねます。


「真実どうしますか? ――どこまでの人に言いますか?」

「とりあえず、舞花ちゃん、綺怜くん、綺雪ちゃんは絶対、それから楓ちゃん。というかクレイジーギークスのみんな、クラスメイト、音子さんとヒナさんにも。ストリーマーズの人に言うのは音子さんとヒナさんに任せよう」

「妹を優先してくださって有難うございます。――姉のアンもいいですか?」

「当たり前だよ、桂利さんにも言わないとねプレイヤーなんだから。あと風凛はプレイヤーじゃないけど、重要ポジションだし」

「――軍隊関連の方はどうしますか・・・すでに復活入った人が多いって聞きますが」


 涼姫が不安そうに尋ねてきます。


「・・・マイルズやエレノアさん、マリさん、柏木さんは復活判定入ってないよね?」

「そういう話は聞いてませんね。その方々はおしなべて強いですから、多分大丈夫ですよ。――ユーはどうしますか?」

「苦手だけど、恨みとかないし・・・アイリスさん助けてくれようとしたり、良いところもあるし」


 あとは、そうだ。・・・・一応アイツも同じ学校ですし。


「サルゴンはどうしますか?」

「あ・・・そっか、そんな人も・・・・でもあの人はアリスの本名叫ぼうとしたり、秘密が守れなさそう」

「そうですね・・・残念ながら、彼には開示できませんね。すでにFLで死ぬのは危険な事は理解しているはずなんですから、死なないことを祈りましょう」

「・・・・うん」


 死ぬのが危険と言うだけで、十分な情報でしょう。あとは自己責任でやってください。


「そして涼姫」

「・・・ん?」


 わたしは涼姫の瞳を見ながら言います。

 これが一番大事です。


「戦うのを止めてくださいね」

「えっ・・・・」


 涼姫が目を見開きました。

 こ・・・この人まさか。


「アレを知って、まだ戦う気だったんですか!?」

「で、でも・・・・」


 涼姫が叱られる子供のように、俯いて口籠ります。


「わたしも、もう戦いませんから――さっきみずきも言ってました。戦うのは当面見合わせるって、楓ちゃんにも言っておくって。――それから『涼姫、楓をあの時助けてくれて、本当にありがとう』って、伝えて欲しいって」

「・・・・そ、そっか」

「わたしもです・・・あの日、舞花を助けてくれて―――本当に、本当にありがとうございました」


 わたしは少し涙を流しながら、スウさんにお礼を言いました。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 まぁ『死んだらゴブリます』って知ったら、自分の身内や大切な人は戦いに身を投じて欲しくないですわなぁ…自分が同じ立場なら間違いなく同じお願いをすると思います。 でもスウちゃん主人公…
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