表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

249/467

245 スウと戦います

「なっ」


 黒い命理ちゃんの全身はスパークしている。

 だけどたしかに彼女は立っている。

 さらに回復まで始めている。

 そうかスキル〖祈り〗でギリギリで耐えて、〖起死回生〗で回復を始めたのか!


 私は243mmキャノンと、タイニーガンと、フォルゲンファウスト16連ランチャーで黒い命理ちゃんを掃射する。


 バリアが阻んできた。

 そうだ、この娘バリアも持ってたんだった!

 ドライアド戦でも、首都奪還の時でも使ってた!


 黒い命理ちゃんのスパーク背中のスパークが激しくなる――不味い、〈真空回帰砲〉が放たれる!


 私は〈時空倉庫の鍵・大〉の中から出した武器で攻撃を続けているけど、黒い命理ちゃんのバリアが硬い、このままじゃ間に合わない――何か、何か起死回生の一手は――!?


 そうだ〖念動力〗ならバリアにも阻まれない――いや、まてよ。


 私は苦し紛れで、スキルを使う。


「〖味変化〗!!」


 私は、黒い命理ちゃんの口の中の空気の味をとんでもない激辛にした。


 目を見開いた黒い命理ちゃんが、口を押さえて足をジタバタさせて悶絶する。


(き――効いた!)


「これもお届け!」


 私は黒い命理ちゃんに寄ると、彼女の肩に触れる。


 〖サイコメトリー〗で〝鉄棒で股間を打った記憶〟を黒い命理ちゃんにくっつけ、彼女の記憶の一番前に持ってきた。


 機械の体でも〖サイコメトリー〗が通用するのは、実験済み。


 黒い命理ちゃんがさらに目を見開いて、股間を押さえて涙を流し崩れ落ちた。

 でも、これは・・・ちょっとオーバーキルかも。


 その間にも、私は一斉掃射を続けてバリアを破壊。


「ごめんね」 


 243mmキャノンで、黒い命理ちゃんを消し飛ばした。


 一応〝鉄棒で股間を打った記憶〟は回収。

 よし、これで全体の戦いの均衡が崩せる。


 私は、一番ピンチに陥っている命理ちゃんの元へ飛んだ。


「命理ちゃん!!」

「ス、スウ―――・・・・」


 命理ちゃんは、すでにボロボロだった。


 立つのがやっとの様子。


「あとは任せて!」

「・・・ごめん」

「命理ちゃんをこんな目に遭わせて、ただで済むと思うなよッ!!」


 私は、自分に更に再生を使いながら、スモークグレネードを投げつける。

 そうして、危険な〖念動力〗の位置を察知。


 長い透明の腕のような物が、8つ浮いている。


 黒いスウの〖念動力〗の全てを、私の〖念動力〗で掴んだ。


 黒いスウが舌打ちをする。


 スモークグレネードが吐いた煙はもう用済みなので、〖空気砲〗で弾き飛ばす。


 念動力の操作を捨てた私と黒いスウの間で、8本の〖触手〗が交差する。


 左、

 右、

 左、

 上、


 同じ能力同士――決着がつかない。いや、黒いスウはバーサクモードな分、相手の方が有利――こちらが徐々に押されていく。


『〖味変化〗』


 黒いスウが私の唾液の味を変えてこようとする。


「〖味変化〗! 私のやり方が、私に通用するもんか!」


 私は変化した自分の唾液を、すぐさま甘くした。


 私は、黒いスウの乗る黒いリイムの口の中を激辛にする。目を見開いた黒いリイムが墜落。


 黒いスウは黒いリイムの異常に気づいて〖味変化〗を使おうとするが、私が先に黒いリイムを掌握。


 黒いリイムに〝鉄棒で股間を打った記憶〟を植え付けた。


 翼をバタつかせて大暴れする。黒いリイム。


 そんな様子をみた本物のリイムは「コ・・・コケェ」となんかドン引きっぽい声を出していた。

 でもごめんリイム、今はそれどころじゃないんだ。


 私は、黒いリイムを容赦なく一斉掃射で吹き飛ばす。


 そこから私と黒いスウは互いに243mmキャノン、タイニーガン、フォルゲンファウスト16連ランチャーを放つけど。

 私と黒いスウ、どっちにも当たらない。

 すると、黒いスウが〈荷電粒子砲〉を取り出した。


 不味い――私は放射線被害を出すアレを使えないけど・・・・あっちは使える!


 私は触手で〈荷電粒子砲〉の射出口を押さた。

 触手は黒体だから、荷電粒子を吸い込める。

 でもそうすると、触手の数が足りなくなる。

 だけど触手が二本増えたくらいじゃ、私には当てられない。

 そうして、そろそろだ。


 高速で飛んでいた黒いスウが、床に激突――転がった。

 そのまま黒いスウは、動かなくなった。


「気軽に、バーサクモードなんか使うからそうなる」


 そう、黒いスウのバーサクモードが切れたのだ。だから黒いスウは意識を失った。


 私は黒いスウにも一斉掃射、黒い影を消し飛ばした。




 一方、私が黒いスウを下すほんの少し前。


 霞の様になったリッカが、黒いティタティーの横に潜り込む。


 黒いティタティーは、ギリギリ反応できた。

 氷のつららを生成して飛ばす。

 けど、リッカが打刀の柄で氷のつららを弾き飛ばす。


 さっきアリスが言ってたやつだ。刀の柄はナイフ程の長さが有る、これだけあればリッカは攻撃を弾けるって・・・・流石、脅威のチビっ子。


「胴ォォォォォォ」


 リッカの剣が、まともにティタティーの脇腹に叩きつけられる。

 だけど、黒いティタティーも着ているシルバーセンチネルのせいで、致命傷にならない。

 連合製の振動して相手を切り裂く打刀でも、シルバーセンチネルを抜けないのか・・・!


 抜水術を封じられている今、リッカの膂力だと、強力なパイロットスーツの防御力を破れない。と、私は思った。

 私が無理だと思っている中、リッカがなぜか、黒ティタティーに背を向けた。

 ――背中に襲ってくるつららを、背中に回した打刀で弾き飛ばす。


 リッカはそのまま一回転。

 ――回転の勢いのまま逆袈裟を、フルスイングするように、黒いティタティーに叩き込んだ。


 僅かに切れ目は付いたけど、シルバーセンチネルの防御力はまだ破れていない。

 同じ場所を何度も攻撃すれば・・・もしかすると。

 そんな風に思っていると――リッカは〖水作成〗と〖飛行〗と〖空気砲〗と〖怪力〗――さらにパイロットスーツの能力アップの勢いを使って、黒いティタティーに叩き込んだ打刀に、肩から体当たり。


 体当たりで、打刀を相手にめり込ませた!

 ――ついに打刀が相手のシルバーセンチネルの防御力を上回った!


「タァァァァァァ―――!!」


 リッカは体当たりをしたまま、打刀を引き切る。


 打刀が深くまで潜り込む――心臓を打刀が切り裂いた事で、黒いティタティーが霞のように消えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 ふう…どうにかこうにかギリギリって感じですね。スペックは同じでもそれ以外の不明要素……コピーし切れない『記憶』などの手札がなかったのが黒シリーズの敗因かな? 本当に全くどうでもい…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ