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239 テイマーします

 クラゲを集めないように一匹ずつ処理しながら進む、私達。

 順番に倒していくと、イルさんの声がした。


『宝箱が出たようです』

「これが宝箱なんだ?」


 見れば、宝箱宝箱した宝箱が地面にあった。

 私が出したみたい。


「なんだろ。開けてみるね」

「はい」


 なんか、青い宝石が付いたブローチみたいなのが出てきた。


「イルさん、これなに?」


『深海の欠片。――持つ者の水属性を強化してくれます』


 じゃあ。


「これってリッカの〖水作成〗を強化できるのかな?」

「おっ、ほしいぞー!」

「うんうん。〖水作成〗が強くなるならリッカが使って」


 リッカが私からブローチを受け取って、パイロットスーツの中に入れる。


「え、中に入れるの?」

「モンスターの攻撃で壊れたら嫌だから」

「・・・・なるほど」


 リッカが手を広げると、巨大な水球が上空に浮かんだ。


 25メートルプールを満たせそうな量だ。


 50万リットルはありそう――とすると、重さ50万トン。怖い。

 さすが〖水作成Ⅴ〗。


「これが、今まで前に作れた水の量」


 リッカが一旦、水球を消す。


「次は、本気。〖水作成〗!」


 さっきの倍の量が有りそうな水球が、上空に出現した。

 100万リットルは有りそう・・・!


 リッカが拳を握ると、100万リットルの水球が半分のサイズになった。


「流石にこの量を、もっと小さくはできないかあ」


❝やばいって、あんな量の水をだして圧縮とか❞

❝リッカも人外になってんじゃん❞


「よし、威力も見ておこう」


 リッカが拳を開く。

 すると、半分に圧縮されていた、100万リットルが開放された。

 上空から降ってくる大量の水。


(なにしてんのこの子!?)


 リッカが流される。


「ぎゃああああああ」


 私達も流される。

 私とアリスが、流されながら叫んだ。


「リッカああああああ!!」

「バカですか!?」


 命理ちゃんと、ティタティーが仲良く流されていく。


「ざばー」

「ざばー」


 リイムは飛んで、私の頭に停まった。

 私をサーフボードに波に乗る、リイム。


❝クソワロwww❞

❝一帯が水浸しwww❞


 私達は地面に〖触手〗を突き刺して、地面につっぷして止まる。


❝さすがオクトパスゥ❞


 なんだそれ――てか、なんで私はこんなにタコに縁があんの?

 しかし、パイロットスーツがあるから怪我はしてないけど。

 リッカが拳を〝ぐーぱー〟しながら見つめている。


「うむ、好感触」

「この、いたずらっ()!!」


 私はリッカのほっぺたをつねろうとするけど、透明なヘッドギアが邪魔でつねられない。


「今のわたしは無敵だ。スウのほっぺ攻撃は通用しない」


 私は〖念動力〗を使ってリッカのほっぺたをつねった。


「痛ひゃい痛ひゃい。スウいスウい」

「次やったら〖味変化〗で、口の中を火事にするからね」

「激辛はやめへ」


 リッカにお仕置きを終えて、私達は152階へ。

 ここもプルモースライムがウジャウジャいた。

 だけど攻略方法は分かったので相手ではない。サクサクダンジョンを降りていく。

 とはいえ157階に行くのすら、数日かかった。

 途中、ヴォーパル・グリズリーとか、アーク・ケルピーとか、シャングリラ・ゴリラとか倒しながら先に進んでいく。

 その間、手に入った印石は、

 

 〈乱歩(ランダムウォーク)〉 蛇行しながら高速移動する。

 〈早泳ぎ〉 泳ぐのが早くなる。

 〈ドラム〉 胸を叩くとドラムの音がなる。

 〈輝け〉 光球を作れる。


 あとは熊とゴリラが、〈怪力〉と〈強靭な胃袋〉をいっぱい出した。

 アリスは熊から〈防御力上昇〉をゲットしていた。結菜の持ってたやつ。


 熊はあんまり印石を落とさなかったけど、〈熊袋類(ゆうたいるい)〉というきぐるみな防具と〈熊手(くまで)〉というでっかい熊の手みたいなグローブをいっぱい出した。


 で――157階の城で、それは出てきた。


「ドミナント・オーガ!」

「ちょっ―――、何匹居るんですかあれ!!」


 ゲートから出て、城の通路のようなダンジョンの階段の上を見れば、悍ましいほどの数のドミナント・オーガ。


 命理ちゃんの歯車のような虹彩が回る。


「〖透視〗で見て軽くカウントしたわ。ざっと、1000以上はいる」

「いや、あんな数〈真空回帰砲〉で処理出来ないよね? でも――この通路渡らないと駄目なんでしょ? あんなのどうしろと・・・」

「城の壁を、破壊していきますか?」

「外に出れるなら空爆するけど」

「あ・・・でもまた、灼熱地獄じゃないですか? ちょっと〖透視〗しますね――あ・・・駄目です、天井や壁の向こうは灼熱地獄です。しかも結構やばそうですよ、青く光ってます」


 恒星の見た目の色は空気を通ると変わるけど、下手したら2万度以上? ヤバイって。

 もし壊しちゃったらティタティーに黒体で防いでもらって、その間に通路を塞がないと・・・・2万度に耐えられる素材ってあるかな・・・黒体を連合から買ってくるしか無いね。

 というか、


「それじゃあ〈真空回帰砲〉すら使えないじゃん。城の壁を壊したら目も当てられない」

「どうしましょう」


 全員の顔が曇る。


 リッカが私の方を見て、のたまう。


「スウのドラマティックな解答を、聴かせて欲しい」

「リッカ、ユーの真似だけは止めて・・・」


 リッカのモノマネはともかく、なんとかしないと進めない。


 私達は、何かいい方法は無いかと、しばらく考えて。


 私は、ポンと手を打った。


「いい方法が有った」

「え、本当にドラマティックな解答を見つけたの?」

「ほんとうに、その独特な表現は真似しないでって。――ちょっとやってみる」


 私はリッカに返事して、バーサスフレーム用の機関銃で、手当り次第にドミナント・オーガを吹き飛ばす。

 そして、安全を確保したらすぐさま近づいて、


「〖仲間〗」

「あーーー! これはドラマティックな解答だ」

「そっか、そうですね。これは大正解です!!」

「さスウだわ」

「なるほど」


❝やりおるマン!❞

❝倒せないなら仲間にしてしまえ・・・か❞


 ドミナント・オーガたちが、どんどん白く光っていく。


「よし。行けるみたい」


 こうして私は、通路に溢れかえっているドミナント・オーガを仲間にしながら進んでいった。

 ちなみにここのドミナント・オーガは、印石を出さない様だった。MoBの種類ではなく、ダンジョンの問題のようだ。

 で、あと気づいたのが――この仲間にするっていう方法で、マンハント・ペリトンも処理できるって言うこと。


 57階に戻ってマンハント・ペリトンも片っ端から仲間にすると、すぐに通路が完成してメチャクチャ感謝された。


 パワードスーツのマイルズが、肩にでっかいアサルトライフルを担ぎながら笑う。


「なるほど。やるな、スウ」

「スウ、ドラマティックな解答だ」


 本物のユーも、お出ましだった。

 他の人たちも喜んでくれる。

 女性が少ない、流石に生身の戦いだと女性はきつかったか。


「おおお、これで58階に行けるぞ」

「助かるよ」

「やるなあ、流石スウさんだわ」

「間違いないな」


 私は皆さんに頭を下げる。


「じゃあ、私達は158階に戻ります」


 マイルズが呆れる


「100階、差があるんだが・・・」

「スウ、驚異的(プラディジャス)な疾さだ」


 ユーはまた変な表現してた。

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 >オーガさんをいっぱい仲間に つまり(喋れなさそうなので内心で)「イエッスゥ!」と言いながら進軍するムキムキ部隊が完成した訳ですね(違 それでは今日はこの辺りで失礼致します。
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