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235 他のプレイヤーの攻略が止まります

ミスして236話の内容を235話として投稿してました><

 先ず動いたのはアリス。彼女は以前オーガにした時ように〖重力操作〗で突っ込んで、さらに〖重力操作〗で身体強化して、プチ・ヒドラの足を切り裂く。

 そこへ跳んだリッカが打刀を振り回して、プチ・ヒドラの中央の首を細切れにした。

 やっぱりリッカは強い。リッカがいるとプチ・ヒドラの再生能力以外は問題にならない。


 再生していくプチ・ヒドラをアリスが〖重力操作〗で軽くして、フロアの中央へ蹴り飛ばした。


 ティタティーも無数の氷の槍でプチ・ヒドラを貫いて、更に氷漬けにした。

 彼は、さらに氷のハンマーを出現させ、フロア中央に吹き飛ばす。

 ちなみに、ハンマーはティタティーが筋力で振り回したわけじゃない。

 よく分からない魔力っぽいもので振り回していた。


 私は〈243mmキャノン〉でプチ・ヒドラの上半身を吹き飛ばして〖質量操作〗でプチ・ヒドラを軽くする。

 さらに〖念動力〗や〖超怪力〗を使って、みんながプチ・ヒドラを集めている場所に投げる。


 ティタティーが、集まった全てのプチ・ヒドラを氷漬けにした。

 流石100年も戦ってきた手練れだけあって、判断が迅速かつ的確。


 準備はできたので、命理ちゃん以外の私達は5階に戻るゲートに向かって走る。


「命理ちゃん危ないときや、戻っても良さそうなら念話で教えてね!」

「了解」


 こうして私達が5階に戻って暫くすると『マイマスター、〈超怪力〉の印石が出たようです』という報告が入った。


『プチ・ヒドラを倒しました。銀河クレジットを10万、勲功ポイントを5万手に入れました』


 どうやら命理ちゃんが、プチ・ヒドラを倒したようである。


(倒したわ。プチ・ヒドラを、プチッと倒したわ)


 余裕そうである。


 その後、真空回帰砲の残り熱とか怖いんでしばらくしてから6階に戻ると、丸くくり抜かれた洞窟があった。


 落ちてる印石を回収。


 〈超怪力〉かあ、ダブったなあ。これは――アリスにあげるべきかな? 正直このパーティーで唯一アリスの戦力だけが心許ない。


「アリス、〈超怪力〉出たんだけど、いる?」

「え、良いんですか?」

「うん。正直アリスを強化しないといけない気がする」

「そうですね・・・蛍丸をかなり重くしましたが、リッカの水圧を使った技・・・」

「抜水術な!」


 リッカが名前を宣言してきた。そっか、名前は「抜水術」に決まったのね。


「はい。抜水術には、まるで敵いませんし」


 私は、アリスに印石を手渡す。


「だよねえ。じゃあアリスにあげるね」

「あ、じゃあこれをお礼にあげます」

「なになに」

「〈透視β〉です。私も被ってしまいました」

「それは嬉しいかも!」


 こうして私は、アリスと印石を交換することにした。

 人も集まってきている。


「スゲェ。これが命理の力かあ」


 なんて声がした。

 赤い印石を拾って糸を切って、アリスにくっつけてプレゼント。


「こんなレア印石・・・ありがとうございます!」

「うむうむ苦しゅうない。私も〈透視β〉ありがと。でもお礼をしたいなら、猫耳メイド服での1日奉仕でいいよ」

「それやってみたいです!」

「あ、喜ぶんだ? ――で、どうしよう。プチ・ヒドラがいる場所なんて攻略できる?」


 そんな事を私達が話していると、モヒカンの男性が、


「みんなで安全なトンネルのような物を作ろっかー。メンバー募集~」


 なんて話をしていた。


 結局モヒカンさんがリーダーとなり、作業ロボットを銀河連合から買って、それを護衛しながら道を作ることになった。私もクレジットを消費して、10体ほどのロボットを寄付しました。


 道作りのリーダーに抜擢されたモヒカンさんは「ロボット10体って・・・嬉しいけど――数多いねえ」なんて苦笑してました。


 とは言え、最初にプチ・ヒドラが溜まっていた? だけで、その後は普通のヘビみたいなMoBばかり発見された。


 プチ・ヒドラがでても数が少ないなら、一回細切れとかにしてその間に次の階へのゲートに走れば、次の階に行けるみたいだし。

 もしまた出現したら命理ちゃんに消し飛ばしてもらうか「〈真空回帰爆弾〉を、銀河連合から融通してもらおう」という話になっていた。

 こうして、6階は次の階のゲートまでの安全な道が作られたのでした。

 ちなみにプチ・ヒドラは、私達が欲しいような印石は出さなかった。


 〖透視〗もβも、あんまり遠い距離までは透かせなかったんだよねえ。

 〖超怪力〗や〖透視〗をリッカ辺りにって思ったんだけど、プチヒドラがそもそもなかなか出ないので諦め。


 ――そうして、その後も危険な層が度々出現し、57層で私達以外のプレイヤーの攻略はとうとう止まることとなった。




 攻略が止まったので、私達はプレイヤーにより21層の草原に作られた町の露店に居た。


 道とか整備されていて、ここはかなり安全に来れるらしく、非プレイヤーの人とかNPCの人とかが商売している。

 なので超空洞ダンジョンの時と同じく、物資を運んで商売をしてます。


 私は、最近ハロウィンイベントで運営から配られたクッキーをもぐもぐしながら〈時空倉庫の鍵・大〉の中から物資の搬出をする。

 まあ、ゲート開いて眺めてるだけだけど。


 今は10月の初め頃。


 ハロウィンイベントが始まり、運営からカボチャのマスクが配られた。

 私達5人はウッキウキで、みんなでマスクを被った。

 でもこのマスク、クッキー食べにくいな。


 カボチャのマスクの隙間からマスクの中にクッキーを突っ込んでいると、カボチャのマスクを被った男性たちの噂話が聞こえてきた。


「プチ・ヒドラみたいに復活する奴だらけだぞ57階の城。マンハント・ペリトンって鳥のモンスターがウジャウジャいるって」

「道を建設してるらしいけど、マンハント・ペリトンが多すぎてなかなか建設が進まないらしい」


 攻略が止まったのはこのマンハント・ペリトンのせい。もう建設が始まって、3日目なんだよね。


 マンハント・ペリトンってヤツの数が多すぎて、1匹行動不能にしても次のやつを倒している間に行動不能にしたヤツが復活してしまうらしい。

 そのせいで道作りが遅々として進まないんだとか。

 このままだと、いつまで掛かるか分からない。


 命理ちゃんの真空回帰砲だって、無限に湧いてくるマンハント・ペリトン相手じゃ意味ないし。

 ちなみにマンハント・ペリトンの印石は〖毒耐性〗か〖空気砲〗で、大量に溜まってしまった。

 あと51階まで目新しいMoBも居なかったので、手に入った印石は全部砕いて欠片にした。


「私達は、そろそろ151階に行こうか」


 アリスが、カボチャのマスクの下からぐぐもった声で返事をする。


「ですニャン」


 ちなみにアリスは、カボチャのマスクを被ってメイド服を着ている。

 カボチャのマスク――ジャック・オ・ランタンとメイド服はなかなか相性が良い。

 あと語尾がニャンなのは、理由が後々わかるかもしれない。


 カボチャのマスクを被ったリッカが、拳を振り上げる。


「いよいよかー」


 カボチャのマスクを被った命理ちゃんが、頷いた。


「いよいよね」


 カボチャのマスクを被ったティタティーが、杖を握りしめる。


「気をつける」


 みんなでカボチャのマスク被ってる光景、シュールだなあ。


「じゃあ本格挑戦前、最後のレベルアップをしようか」

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