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235/469

231 課金要素が出現します

 私達がダンジョンから帰還すると、ダンジョン前に人だかりが出来ていた。

 人々が騒ぎ出す。


「出てきた。本当にスウたちだ」

「アナウンス通り、マジでクリアしたっぽい」

「スウさん、一式さん、リッカたん。銀河連合からアナウンスがあったんだけど、『超空洞ダンジョン』をクリアしたって本当?」


 私は、知らない人に怯えてアリスの後ろに隠れる。

 アリスが、私を撫でながら返事をした。


「はい、クリアしましたよ」


 一斉に「おおっ」と、感嘆が挙がった。


「ダンジョンボスの宝箱出た? 出たなら、なんだったの?」

「鞘でした」


 人だかりの顔が、急に曇る。


「鞘・・・・それは」

「ハズレか」

「ご愁傷さまだなあ」


 リッカが「フッフッフ」などと笑っている。

 大当たりだったもんねぇ。


 私達が人だかりに囲まれていると、後ろから知った人の声がした。


「やー、参ったな。やっと52階まで行けたところだったんだけど、ダンジョンが変質を初めて、階層が消えて押し出されてしまった」


 ウェンターさんだった。

 というか。え、ダンジョン消えちゃったの!?


「す、すみません。ウェンターさん、消えるとは思って無くて!」

「いやいや、仕方ないよ」


 ウェンターさんの後から続々と人が出てくる。


「やられたー」

「1階だけの巨大なフロアになっちゃった」


 うわー、せっかくみんな攻略してたのに悪い事しちゃったかな。

 なんかPTを組んでいるらしいイケメンたちが。


「おー、よくもやってくれたよー」

「まあ仕方ないよ」

「そうだな」

「やっと26階まで登録出来たのに、やられたなあ」


 登録? ・・・〖パーティー〗のスキル持ちさんかな?


「ほ、ほんとごめんなさい・・・」


 イケメンに怯えながら頭を下げる私に、4人は私に笑うだけだった。


「まあ。スウさん命名のでかでかダンジョンの方もあるし」

「んじゃ、あっち行くかー。こっちクリアされたんだし、すぐ開放されるだろう」

「階ごとに自然あふれるダンジョンらしいし楽しみだぜ、また速攻クリアされるんだろうけど」

「そうだなぁ」


 イケ面達が相槌を打って立ち去っていく。


 私は怯えながら「やっちゃったなあ」という顔をしていた。

 すると、周りが「そんな事ない」と言い出す。


「さっさとここをクリアしてくれて良かったよ」

「こっちをクリアしたんだし、でかでかダンジョンがすぐに開放されそうだから寧ろ感謝」

「うんうん」


 そうなのかなあ。と私が思っていると、アナウンスが流れてきた。


『ただいま超空洞ダンジョンがクリアされましたので、でかでかダンジョンの開放を前倒しさせて頂きます。本時刻(ほんじこく)より入場可能です。皆様ふるってご参加下さい』


 人だかりの人々が騒ぎ出す。


「な? ホラきた! スウたん達クリアありがとな!」

「よっしゃ、でかでかダンジョンいくぞー!! パーティーメンバー募集~! 当方スキル〖パーティー〗持ちです。でかでかダンジョン行く人声かけてくれ~!!」


 良かった。問題なさそう。

 私が安堵していると、頭がモヒカンの男性が首を傾げた。


「ところで、ダンジョンが変質してどうなったんだろう?」


 隣りにいたスキンヘッドの男性も首を傾げる。


「今のとこダンジョンをクリアしたら、全部変質したよね」

「最初のダンジョンは、好きな階に飛べるようになったし」

「次のダンジョンはモンスターが強くなった」


 私は、命理ちゃんを振り返る。


「ダンジョンをクリアすると毎回変質するの?」


 命理ちゃんが、首を縦に振った。


「そう。ダンジョンをクリアすると、ダンジョンにアイリスの幻影が現れる。そして変質する」


 そっかアイリスさんが現れるのか。やっぱ、ダンジョンはアイリスさんの夢みたいな場所なんだなぁ。

 とか考えていると、ダンジョンの中からアフロの男性が出てきて叫んだ。


「おい、大変だ! ――このダンジョン、クリアによる変質やばいぞ!!」


 知り合いなのか、モヒカンの男性が返す。


「なに? なにに変質したの?」

「課金ショップが開かれてる!」


 か、課金?


 モヒカンの男性が眉をひそめた。


「課金とか、何が凄いん・・・?」

「星団帝国時代の物品が、色々売られてるんだよ!!」


 え、まじで?

 周りがピンと来てないみたいなので、アフロの男性が大きな声になる。


「要するに、ロストテクノロジーが売られてるんだよ!! 特機もある!!」


 特機!? そ、それって――やばくない?

 ロストテクノロジーや特機が売られているという言葉で、モヒカンの男性が納得の表情になってアフロの男性に尋ねる。


「ど、どうやって買うの?」

「・・・・星団帝国時代のクレジットが必要らしいけど」

「どこで手に入れるの?」

「わ、わかんねぇ」


 私はアフロの男性と、モヒカンの男性のやり取りを訊きながら考える。

 ・・・・そう言えばさっきゲットしたなあ。バグかと思ってたけど、ここで使えって事かな。


『マイマスター、アイビー・アドミラー少将から通信です』


 私達5人の顔の前に開かれる、いつもの大きなウィンドウ。


『大変な事になりました!! スウさん、アリスさん、リッカさん、命理さん、ティタティーさん! 今すぐフェロウバーグの基地まで来てください!!』


 こうして私達は、銀河連合に呼び出された。

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