227 掲示板が騒ぎます
最先端アースウノイド:
悲報、ダンジョンまた増える。
最先端アースウノイド:
スウの命名「でかでかダンジョン」。普通に空とか山脈とかある感じのダンジョンらしい。151階までは確実に有るらしい
つか、スウに命名させるな。あの人、ネーミングセンスだけは故障してんだから。
最先端アースウノイド:
じゃあ、今探索してる方はなに?
最先端アースウノイド:
ハズレの可能性が大きいって
最先端アースウノイド:
おいおい、まじかよ
最先端アースウノイド:
色々アイテムが手に入ったから徒労、とは言わないけどさあ。
手に入るの剣ばっかだったけど。
最先端アースウノイド:
新しい方は、調査した銀河連合曰く、星団帝国があった時代からみても最大級のダンジョンらしいぞ。
最先端アースウノイド:
本命っぽい。
最先端アースウノイド:
どうする? 移動する?
最先端アースウノイド:
いや、まだ一部のプレイヤー以外立ち入り禁止。
とりあえず、銀河連合の正規軍が安全を調査中。
最先端アースウノイド:
あー、ストライダー協会に『でかでかダンジョンの調査隊に力を貸して』みたいなクエストの募集があったなあ。
最先端アースウノイド:
あの、滅茶苦茶条件の厳しかったやつか。
最先端アースウノイド:
ダンジョンは特にスキルが重要だし。
アレに参加できるのは、ファンタジー小説とかの冒険者ランクみたいに言ったらAランク以上って所か。
最先端アースウノイド:
そういえば新しいダンジョンの外に、町の建設始まってるな。
最先端アースウノイド:
ウチのクランは、もう新しいダン町に宿取った。
宿がどんどん埋まってるから、早くしたほうが良いかも。ダンジョンが開放されてから宿を取ろうとか考えてたら、遠い場所から通うハメになるかも。
最先端アースウノイド:
ちなみにスウたちは「でかでかダンジョン」も、151階から開始だって。
最先端アースウノイド:
ズッリィィィ!!
最先端アースウノイド:
羨ましすぎ。
最先端アースウノイド:
いいなあ。クレイジーギークス入りたいなあ
最先端アースウノイド:
いやクレイジーギークスじゃなくて、命理のパーティーに入らないとだめだろ。
もう定員だし、メンバー交代不可だし、解散したら1階からだし。
つまりどうあがいても、普通に頑張ろう。
最先端アースウノイド:
今まで攻略してる超空洞ダンジョンの方も、星の騎士団がやっと50階に来たのに、スウたちは85階からだって。
最先端アースウノイド:
最初にクリアするとか言ってた星の騎士団、涙目。
「そっち、モータル・ミノタウロス行った!」
毎日のように風スライムを狩って印石の欠片を集めたり、交換所で印石の欠片を買ったり(風スライムから出た印石は山分け、ほとんど私が出した印石だけど、みんなが強化不足で死んだりしたら嫌だし。――ただ私は有用なスキルが多いので、買った分はちょっと私が多めに貰ってる)
もちろんティタティーのスキルも強化して、私達は超空洞ダンジョンの85階に来ていた。
アリスが蛍丸で、ミノタウロスの攻撃を真正面から受け止める。
モータル・ミノタウロスは、パワーに関してはドミナント・オーガより強力。
だけど、アリスは強化した〖重力操作〗で、その攻撃に耐えられている。
「〖氷の光帯〗」
「目からビーム」
ティタティーの冷たい視線(物理)と、命理ちゃんの熱視線(物理)で、モータル・ミノタウロスが蜂の巣になる。
というか命理ちゃん、目からビーム出したり、指から弾丸撃ったり、胸からミサイル撃ったり――どこぞのスーパーロボットですか?
地響きを立てて、倒れるモータル・ミノタウロス。
『マイマスター、〈食欲増加〉の印石がドロップしました』
私は〖サイコメトリー〗で速攻、印石と私を繋いでいる糸を、ぶっちぎる。
この乙女の大敵なゴミ印石は、手に入れる度に糸を切ってからぶっ壊して欠片にしている。
絶対に、使うものか。
間違って使ったらと思うと、毎回ヒヤヒヤ。
アリスもリッカもこの印石が出たら、恐怖の表情になって、私に「早く糸を切って!」と ぴょんぴょん しながら急かす。気持ちは分かるんで、急いで糸を切ってる。
アリスなんか、最初にドロップした時は悲鳴を挙げたほど。
出来た欠片はちゃんと有効利用するために、〈時空倉庫の鍵〉に投入。
だけど、人間の最期の方って食欲がなくなるとヤバイらしいから、そういう方の為に、何個かは残してたりする。
知り合いの看護師さんが「食べなくなると、人は一気に弱っていく」と言っていたから。――全員は救えないけど。
私は、巨大な洞窟を見回した。もう敵はいない。
「この洞窟ダンジョンの85階は、余裕みたいだね」
「みなさん50階で止まってるのに、ティタティーさんと命理ちゃん、涼姫がいると、サクサクですね」
「チーター共めぇ、わたしも強力な剣が欲しいぞー」
リッカがフェイレジェの打刀を鞘にしまいながら、不満を口にした。
すると、命理ちゃんが返す。
「多分降りていけば、宝箱から出ると思うわ」
みんなで頷く。
私達はまだ手に入れてないけど、このダンジョン実は宝箱まで有るんだよね。
しかも剣が出やすい。
「The・宝箱!」って感じの見た目で、入れ物としても優秀。
この宝箱自体がフェイテルリンク交換所では今、大人気。飛ぶように売れているんだとか。
私も宝箱が出たら売るつもり。
リッカが命理ちゃんに顔を向ける。
「確かに、このダンジョンの宝箱からは、いっぱい剣関連が出てるけど――今持ってるのより強いのはでてないし」
「多分出ると思うのよ。ダンジョンの最深ボスのドロップ品は別格だから、これだけ沢山剣関連が出るダンジョンのボスを倒せば、凄く凄く強力な剣が出るんじゃないかと思うわ」
命理ちゃんの言葉に、リッカが急に張り切り出す。
「よし! 最深部目指すぞー!」
私は、拳を突き上げたリッカに笑う。
「急にやる気になった。――でもさ、ボスからはきっと一本しか剣が手に入らないよね? アリスの分はどうしよう?」
「わたしは、何が出ても蛍丸がいいんですよね。武器をなんでも使えるリッカとは違いますし、慣れた刀を使い続けたいです」
「じゃあ、こういう物もあるわ。別のダンジョンで手に入れたのだけれど、物体を重くする薬」
物体を重くする・・・? ――ヒッグス粒子にでも作用するのかな?
アリスが、命理ちゃんが取り出した薬を見て困惑した。
「え、それは・・・・確かにわたしは〖重力操作〗がありますけれど、あまり重くなるなら持ち運びが大変そうです。常にスキルを使い続けているわけにも、いきませんので――それに体重を重くしたりは困りますよ?」
アリスが、薬を恐怖の表情で見ている。
「で、こっちは物体を軽くして浮かせる薬。重くする方を刀身に、軽くする方を鞘に使えばいいかも」
「なるほど――! いいですね、それ!」
「何個かあるから、〖重力操作〗を使いながら、ちょっとずつ重くしていったら良いと思う」
「助かります!」
こうしてアリスの強化案が生まれた。
あとはリッカの武器だけど、上手いこと出るかな?




