148 ゴブリンのヤベーのと戦います
「マジ!? ――空さん、〈強靭な胃袋〉でたよ!」
『うっそ!! ほんとに!? もうでたの!? 凄んご! 女子の発想じゃないとか言ってごめん!』
脈絡なく謝られた。
「じゃあ一旦、印石を回収して駆除を続けましょうか」
ドローンで印石を回収。
その後も、駆除を続けた。
そうして1時間ほど経ったときである。
「地震?」
『大きいな』
『見て、あのビル・・・・!』
遠くにそびえていた一際高い、50階はありそうなビルが崩れる――地面に吸われるように消えた。
代わりに立ち上がる真っ白な――蟻の女王に見えるなにか。
腹部が異様に長く、さっきまで建っていたビルと同じくらいの長さが有る。
そんな腹部の先端には、真っ白な女性のシルエット。
VRに表示される『ミュータント・ゴブリン・クイーン』の文字。
「あれがクイーンですね――・・・・ミュータントって付いてるんで、普通より強そうですけど」
『ハイパーミュータントじゃないからまだマシか。あいつを倒したら一応、駆除完了って事でいいんだよな?』
『オッケェ。バリア持ちな火力機のあたしが盾になるんで、攻撃ヨロー! あと、そろそろ撮れ高だし、配信再開するわー!』
「はあい。こっちも配信再開します」
❝再開きちゃー!❞
❝Har スウ!❞
❝うわ、なにあのキモイの。女王アリみたいな感じ?❞
❝でけぇ・・・あんなのが地中にいたのかよ!❞
❝でも、先っぽは美人だな❞
空さんがゴブリン・クイーンに突っ込んでいく。躊躇がない・・・雄々しい。
ロケットエンジンを吹かせてクイーンの女性の部分に組み付いた――両手同士で組み合って向き合う、「手四つ」って奴。
『うおりゃあああ!!』
空さん叫びながら、ヘッドパット。
スタートスターの頭が光ってる、〈励起翼〉の頭版らしい〈励起ヘッド〉?
クイーンの表情が歪んだ――するとクイーンからの反撃があった。
クイーンが、スタートスターに拳を叩き込む。
一見、なんのダメージもないように見えた。
でも、
『い――痛ったあああああああああ』
『どうした空!』
空さんの異変に、オックスさんが叫んだ。
『コイツの攻撃、衝撃が機体を貫通してくる! 中の人間に直接攻撃掛けてくる――パイロットスーツがなかったら死んでたかも!?』
「それは危険すぎます・・・! 一旦距離を取って下――」
クイーンの腕が、スタートスターを掴んで離さない。
『ごっめん、選択まずった!』
元々空さんは接近戦を得意とするから、取った行動は責められない。とにかく空さんとクイーンを引き離さないと。
「イルさん〈臨界・励起翼〉!!」
『〈臨界・励起翼〉。イエス、マイマスター』
私は翼でクイーンの腕を叩き斬ろうとするけど、躱されてしまう。
❝スウの攻撃を躱しやがった!❞
ブル・フォートレスから砲弾が打ち込まれているけど、何故かあまり効いている様子がない。
「こんの――」
私は〈粒子加速ヨーヨー〉を射出して近くの高層ビルに撃ち込んで、振り子の要領でフェアリーさんを強制的に方向転換。
❝飛行機で立◯機動始めた❞
❝ああもう、滅茶苦茶だよ。やってる事が、飛行機ではない❞
❝あれって空中戦機動って呼んでいいの?❞
❝空中戦機動かは怪しいな・・・・乗ってるのも、人類か怪しいらしいしな❞
ビルの先端をワイヤーで切断しながら、クイーンに突撃。
「〈臨界・励起翼〉!!」
『〈臨界・励起翼〉。イエス、マイマスター』
今度は躱させない――一瞬機首を右に向けフェイントを入れて、左に舵を切りなおす。
❝戦闘機でフェイントってのも、やっていいか可怪しいんだって・・・❞
青い衝撃と共に、クイーンの腕が叩き切られる。
空さんが自由になって、ロケット噴射を噴かして距離を取る。
『スウ、助かった。あり!』
クイーンが怒りの咆吼と共に、口からレーザーの様なものを私に向かって射出。
フェアリーさんに命中するけど、黒体塗料で熱が吸収されてダメージには至らない。
「でも・・・・これ、生身で相手してたら瞬殺されてたかもしれないね」
『こ、こわ・・・』
『本当に生身で洞窟を探索しなくてよかったな』
クイーンが体を揺らして地震を起こすけど、それも空を飛んでいる私達には通用しない。
さらに胴体から緑色の霧を噴射した――恐らく毒だけど、これも宇宙も航行できる密閉された機体に乗ってる私達には通用しない。
『あのクイーンは対人用って感じだな』
『生身で戦ったらヤバイけど、バーサスフレームならなんともないかな? 貫通してくる衝撃が怖いけど』
するとクイーンが叫んだ。今度はレーザーじゃない。
なに? 衝撃波?
だとすると、もしかしてマズくない?
クイーンの周囲に放たれた衝撃波が、私達3人の機体を覆う。
衝撃が貫通してきて、私の肉体を直接攻撃してきた。
―――
パイロットスーツが、心臓マッサージのように激しく収縮するのを感じた。
私は肺に詰まった息を、咳とともに吐き出す。
「ゲ―――ゲェホ――」
―――え?
――あ・・・・気絶してた!
パイロットスーツが起こしてくれたんだ。
「やばっ!!」
衝撃で弾かれたフェアリーさんが、コントロールする人間を失って傾いている。
イルさんが、私の体を揺り起こそうとしている姿勢で青ざめている。
『マイマスター、姿勢制御ジャイロに異常を検知!』
『スウどうした!』
『スウ、なにがあったの!!』
❝起きろスウ!! 墜落するぞ―――!❞
「やばい、やばいやばいっ!!」
景色が回転してる。
私はイヤーギアに触れながら、フェアリーさんを人型に変形させVR操作に切り替える。
空さんとマッドオックスさんは、人型形態だったから大丈夫みたいだ。
❝流石にスウでも、これはまずい!❞
❝おいおい、大丈夫か!?❞
「ジャイロに異常? あ、バランサーがイかれてる! じゃあ、翼を一旦たたんで気流の影響を減らして――頭上が地面!?」
❝逆噴射間に合うか!?❞
『地面に激突するぞ!!』
『スウ!!』
私は〈粒子加速ヨーヨー〉をフェアリーさんの腕からビルに射出して突き刺し、それにぶら下がって何とか停止した。
❝ああ、あの謎の武器か・・・❞
❝っぶねえ! 逆噴射で行けたか?❞
❝ミスったらあらぬ方向に飛んでたとは思う。激突は避けれても、機体をまた操作しないといけないし❞
急いで操縦桿を握り直して、足のロケット噴射で上空へ逃げる。
「今のは食らわないようにしないと・・・――飛行形態も止めたほうが良いね」
私は壊れたシートベルトの留め金を後方に投げながら、VRでフェアリーさんを操作、クイーンから距離を取る。
ふと〖第六感〗が騒いた。
急いで〖マッピング〗を使うと、視界が真っ赤になった。
モンスターを示す赤い点だらけだ。
空には敵影は見えない。なら下だ。視線を下ろして地面を視る。
すると巨大なゴブリンが沢山居た。本当に巨大だ、フェアリーさんは人型のとき全高が13メートルあるけど、それより頭一つ分大きい。
そんなのが地面を埋め尽くそうとしている。
見ればクイーンの尻から、続々と産まれていってる。
しかもあのゴブリン、羽付きだ。羽蟻って訳・・・?
女王が敵に合せて産むタイプを変えたんだろうか、外に出てきたから産むタイプが巨大になったんだろうか。なんで急にあんなのを産み始めたのかわからないけど、不味い事態なのは分かる。
巨大ゴブリンが一匹翅を鳴らして、こちらに飛んでくる。名前はホブ・ゴブリンって表示されてる。
にしても、なんて数をこんな短時間で産むんだ。
「こ、このクイーン、ヤバくない?」
『やばいな』
『やばいね』
「早く駆除しないと、この辺り一帯、大変なことになるよ」
飛んできたホブ・ゴブリンが、フェアリーさんに槍を突き出してくる。
私は〈励起剣〉で槍を受け止め、入れ違いざまにホブ・ゴブリンを両断する。
手応えが悪い――斬れにくかった。
斬ったホブ・ゴブリンが、フェアリーさんの背後で結晶化して砕けたのを確認する。
私はあんまり接近戦は得意ではないので距離をとりつつ、地上のホブ・ゴブリンを〈励起バルカン〉で撃つけど、効きが悪い。
これ、私が巣を熱で攻撃したから熱耐性持ちを産んだって感じ?
こんな高速進化するとか、本当にやばいぞゴブリンって――ミュータントのクイーンだからなの?
私は、仕方なく〈汎用バルカン〉で撃っていく。
実弾は効きが良い――けど、実弾であの数を相手していたら弾薬が空になっちゃう。
こういう事もあるのか――今度バーサスフレーム用の〈時空倉庫〉に予備弾をいっぱい補充しておこう・・・。
私が、弾薬節約のために〈加速粒子ヨーヨー〉でホブ・ゴブリンを相手していると、空さんが地面に降りて行った。
『ホブ・ゴブリンはあたしに任せて! ダッシャアアア』
空さんが、プロレス技みたいなのでホブゴブリンを倒し始めた。
股で挟むように蹴る、シャイニングウィザード? とかいうのとか。
相手を担いでブリッジしながら投げたり。
相手を逆さに抱きかかえるようにジャンプして、相手の頭を股で挟んで地面に激突、相手の脳天を地面に叩きつける。ほんと、色々豪快。
「凄い。空さんって、プロレスラーとか目指してるのかな」
私が見事なプロレス技に感心していると、オックスさんが首を振る気配がした。
『弟で鍛えたらしい』
「・・・・弟さん」
❝不憫な❞
❝おい今、空さん垂直落下式ブレーンバスターしたぞ❞
❝弟さん・・・脳みそ無事かな❞
ホブ・ゴブリンが高い位置から垂直落下して、脳天から地面に叩きつけられている。そしたら頭を押さえているホブ・ゴブリンが、空さんに足を掴まれブンブン回され始めた。あれは知ってる。ジャイアントスイングって奴だ。
スタートスターとホブ・ゴブリンが独楽みたいに回転して、スタートスターがゴブリンを周りの敵にぶつけて薙ぎ倒していく。
やがてスタートスターが手を離す。私は、遠心力で空に投げ飛ばされたホブ・ゴブリンを見ながら弟さんの身を案じた。
とにかくクイーンを倒そう。
私は〈汎用スナイパー〉でクイーンを狙う。
けど、衝撃波を放たれて弾丸を止められる。
「マジで・・・」
これがブル・フォートレスの砲弾が効いてなかった理由か。
「なら、〈励起バルカン〉で」
私はフェアリーさんから、レーザーのようなものを連射するけど。
これも衝撃波のようなもので弾かれる。
「あの衝撃波は、なんなんだ」
本当に黒体放射が使いたくなってきた。
『ちと苦しいか?』
「〈励起翼〉なら効きましたから、至近距離からの攻撃ならいけそうですけど――衝撃波が来るからあまり近寄りたくないですね」
あの敵、機体の中の私本人を攻撃するとか、フェアリーテイルの弱点を的確に突いてくる。
「でてきて。カストール、ポルックス」
『呼んだ? ママ』
『マザーの手伝いだ!』
オックスさんが感心するような声を出した。
『なるほど〈ドリルドローン〉か』
「私がコントロールするから、二人共私の脳に接続して」
『はいママ』
『了解だ、接続開始!』
よし。私は左手でカストール、右手でポルックスを操作するイメージで飛ばす。
クイーンがポルックスに向かって、口腔を見せた。
レーザーを放つつもり? それは不味い、二人には黒体塗料が塗られていない。
私はクイーンの口腔の向きを避けて、二人を飛ばす。
クイーンが衝撃波を放つけど、二人はロケットエンジンを持っている。衝撃波を割いて進める。
私とオックスさんは、衝撃波の射程外。
やがて〈ドリルドローン〉がクイーンの腹に突き刺さった――だけど、ちょっと威力が足りない。
体内まで行かない。
すると――ブル・フォートレスが〈ドリルドローン〉を見ている私の視界に入った。
「え、何を――」
ブル・フォートレスは、ポルックスに近づきながら飛んでいる。
衝撃波がブル・フォートレスを襲うけど、オックスさんはモノともしていない。
私が気絶するような衝撃波を、オックスさんは受けてるはずなのに。
・・・・中の人が強いと、あんな事も出来るんだ・・・?
『オラアアアアアア!!』
オックスさんが気合の声と共に、ポルックスのお尻を殴りつけた。
その一撃でポルックスがクイーンの体内に侵入。
私はこの機を逃さず、ポルックスをコントロール。
クイーンの体の中を突き進ませる。
クイーンが甲高い悲鳴を挙げる。
ちょっとエグイけど、攻撃は止めない。
やがてクイーンの頭頂からポルックスがでてくる。
『おし、ナイス連携!』
オックスさんが言って、ブル・フォートレスが拳を肩の前で構えた。
クイーンの色が一気に、焦げたカラメルみたいな色になって、砕け散り粒子になって消えた。
イルさんから入る報告。
『マイマスター、印石が出ました』
「え、今のはオックスさんとの協力じゃないの? よく出たなあ」
『マッドオックス氏の攻撃は、クイーンに触れていません』
「なるほど――?」
『おお、ズルいぞスウ』
「す、すみません。イルさん、なんの印石?」
『〈産卵〉です』
・・・・・・。
「要らない」
『し、しかし』
メガネを掛けたイルさんが慌てた。
「要らない!! ――しかも〈産〝卵〟〉ってなに。産むの卵!? 産まれてくるの人間じゃないでしょ!?」
絶 対 要 ら な い。
ゴブリンって奴は、どいつもこいつも!
「オックスさん、これ要ります?」
『絶対に要らないな』
だよね?
一応最新層のゴブリンのボスみたいな奴のミュータントからでた印石だし、アメリカ軍が買いたいって言うなら、売ってしまおう。
あとはホブ・ゴブリンを掃討すれば、クエスト完了でいいのかな?
こうして私達は、クイーンの残した奴らを殲滅するのだった。
『マイマスター、印石が出ました』
私は後ろに待機して配信を撮っているイルさんドローンを、窺うようにしながら尋ねる。
「また・・・? なんの印石?」
『〈熱耐性〉です』
「それは嬉しい!」
なんだやれば出来るじゃん、ゴブリン。
こうして私達はクエストを終えて街に戻った。
ストライダー協会でどんな敵が出てきたかとか報告していると、受付嬢さんが、犬みたいな耳をピンと立ててビックリする。
「えっ、ミュータント・クイーンが出たんですか!?」
「えっと、はい」
「よく・・・無事でしたね・・・生身でレーザーとか毒とか大丈夫でしたか?」
「バーサスフレームで戦ったんで」
「そ、それはナイス判断です――生身で戦っていたら、危ないところでしたね。でもクイーンが巣穴から出てきたんですか?」
「熱で巣を攻撃したら出てきました」
「ひ、卑怯・・・――」
え、なに、不味かったの・・・?
私の困ったような顔で察したのか、受付嬢さんが首を振る。
「――あ、いえ、ご無事で何よりでした! 特別権限ストライダーになれる人に怪我がなくてよかったです」
「はあ・・・・どもです」
戦利品(宝石とか)を協会に売る。
街で発見したものは出来るだけ協会に売ったほうが良いらしい。持ち主に戻すこともあるので、その方が喜ばれるんだとか。
儲かったクレジットを私たちに分配していたオックスさんが、こちらを向く。
「その特別権限ストライダーって何なんだ?」
詳しいことは、私も良く分かってない。
とりあえず知ってることを答えてみる。
「なんか〈発狂〉デスロクリアしてたら、もらえたんです。あとなんか色々権限が貰えて――」
私が下手な説明をしていると受付嬢さんが、私の言葉を補足してくれた。
「特別権限ストライダーの特別権限が発動すると、自由裁量で動いて良くなります。軍人だって文句言えません。早い話、前線に立つ将官になります。主に大規模クエストや、特別な環境に入るとき、あとは普通のプレイヤーが入れない場所にも入れるようになりますし、将官クラスなどからクエストが発注されることが多くなります」
「最後はともかく、便利だな」
「それでやたらアイビーさんや、ユタさんが私に接触してきてたのか」
「いえ。その辺りは多分、スウさんの腕を見込んでだと思います――そうだ、そんなスウさんに依頼が来てるんですが」
「え、指名で?」
「はい、軍からの指名依頼です」
「また、軍・・・」
「帝国軍の研究所の遺跡が有るのですが、そこの探索依頼です」
「しんどそうだなあ・・・」
私が「大変そうだから、断わろうかなぁ」と言う声を出すと、受付嬢さんが急に慌てだした。
「で、でも色んな物とかが有りそうですよ!? 重要なもの以外は貰っていいそうですし、――研究所なんでパイロットスーツとかも有るかもです!!」
受付嬢さんは、断られると困るのかな。
うーん、パイロットスーツが有るかも知れない・・・・か。――それは良いかも。
命理ちゃんの体を修理する方法も、見つけられるかもしれない。
ただし、
「・・・・アリスと行っちゃ駄目だ、これは・・・・」
パイロットスーツがあるかも知れないなら。
クレジットを数えていた空さんが笑いながら、言う。
「じゃあ、コハクとリあンとさくらを連れてってあげなよ。スウによる楽ちんクエスト体験ツアー」
「・・・みなさんが良ければ」
その後、3人共から「是非」という返事が返ってきた――んだけど、この帝国時代の研究所・・・・相当危険で、空さんの言う「楽ちんクエスト」にはならなかった。
それから〈強靭な胃袋〉と〈暗視〉は他にも出たんで、アリスとリッカに配っておきました。
〈繁殖力強化〉は・・・希望者に。
「あ、そうだ受付嬢さん」
「良かった受けて下さった――えっ・・・・はい!」
「そのクエスト行くの、明後日でいいですか? 外せない用事があるんです」
「明後日ですか。ただの興味本位なんですが、明日は何が有るのか聴いていいですか?」
「明日、アリスとリッカのインターハイがあるんです。その応援に行きます」
「なるほどです。それは大切な用事ですね」
「はい」
「こちらでも準備がありますので、もう少し後で構いません。準備が整い次第、連絡さしあげますね」
「ありがとうございます」
私は、惑星ユニレウスのストライダー協会の窓を振り返った。
ユニレウスも今、夏だ。星が白く滲む高い空。――昊。
明日、・・・アリスとリッカ、二人の真剣勝負が行われる。
二人のぶつかり合いに想像を馳せると、私の中から様々な感情が、綯い交ぜになって出てくる。
それは声になる。
「二人共・・・頑張って」




