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ループ・ボード

作者: はらけつ

コンコン


「これが、ね」


コンコン


「これが、な」


透明板を、打つ。

厚手の、プラ板様の物を、打つ。

クリアパーツの様に、輝いている。


打つは、デュム。

もう一人、打つは、ログ。

グラフが描かれた透明板を前に、デュムとログは、駄弁っている。


透明板の上方片隅には、【F】と、刻まれている。

もう一面には、【B】と、刻まれている。


デュムとログは、【F】側に立って、話している。

透明板自体は、大きくない、

デュムとログの上半身ぐらい、しかない。

上下左右七十センチの正方形、と云ったところだ。


厚さは、ちょっと、厚手。

一ミリくらいはあるかも、しれない。


それが、アルミらしきポールに嵌められ、固定されている。

透明板が、透明板に描かれたものが、眼の高さに来る様に、固定されている。


「これが」

「わが社に伝わる」

「伝説の」

「透明板、か」


デュムとログは、改めて、透明板を、見る。

しげしげ、見る。

何も、他の、アクリル板やプラ板と、変わったところは無い。


【F】と【B】の刻印が、刻まれているだけだ。

それ以外、特異な点は、無い。

ちょっとばかし、厚手なくらい。


が、この透明板が、伝説化しているのは、理由がある。

この透明板に、描かれたグラフは、現実化する。


業績予想、営業成績予想、売上・利益予想などを、グラフに、示す。

この透明板に、右肩上がりのグラフにして、描き込む。

その予想は、きっかりグラフ通りに、推移する。


最初は、オーナーが、持って来た。

家の押し入れに有ったので、持って来る。

大きさと云い形と云い、プレゼンに便利に使えそうなので、持って来る。


その頃、社の業績は、だだ下がり、どん底行き、だった。

そもそも、透明板を家から持って来たのも、費用削減。

費用削減で、新しくアクリル板等が買えないから、だった。


そんな透明板であるが、ギブ・アンド・テイク、等価交換、エネルギー保存の法則。

利を得るためには、取り扱いに、充分注意しなくては、ならない。

でないと、手酷い損害を、こうむる。


【禁忌三項】と云うものが、ある。

透明板取り扱いの際、犯してはいけないこと、だ。


一.ものを描くのは、【F】(表面)と刻印された側。

二.直接、光を、当てないこと。

三.直接、××を、加えないこと。


以上の三点、だ。


グレムリンの様だが、グレムリンの様に、ハチャメチャには、ならない。

ならないが、シビアに、キツい。

これらを犯すと、シビアに、手酷い損害が、降りかかって来る。



禁忌一


デュムとログから遡ること、十数年前。

カルーとビルと云う社員が、いた。


先日来、会社のオーナーが自宅から、色々、物を持って来ている。

費用削減の一助の為に、持って来ている。

カルーとビルは、その中から、使えそうな物を、物色していた。


「ビル」

「ん?」

「これ、何か、使えるんとちゃうか?」


カルーは、透明の板を、拾い出す。

片面に【F】、片面に【B】と、刻印されている。


「使えるかな?」

「使えるやろう。

 何かの資料提示の時とかに」

「 ・・ 使えるか」


ビルは、納得する。

納得して、使えそうな物エリアに、よけておく。


使えそうな物として、拾い出されたものの、しばらく、捨て置かれる。

透明板は、放ったらかしに、される。



カルーは、探している。

四半期業績説明に使う物を、探している。

業績の実績と予想を表わすグラフを、描くものを、探している。


そういや ・・


使えそうな物エリアを、再訪する。

ちょっとばかり、探る。

ちょっとばかり、ひっくり返す。


ガサゴソ ・・ ガサゴソ ・・

ガサゴソ ・・ ガサゴソ ・・


 ・・ これ、これ


カルーは、取り出す。

透明板を、取り出す。


思っていたぐらいの大きさ・厚さ、だ。


うん、丁度ええ


カルーは、透明板を抱え、持って行く。



数日後。


会議の日。

部署毎に、四半期の業績を説明する日。


カルーの在籍する部署は、カルーが書類等作成して、発表する。

カルーの部署は、経営管理室。

会社全体の直近の四半期の業績実績を、説明する。

と共に、直近の四半期の業績予想を、説明する。


カルーは、透明板に描いたグラフを、示す。

会議の出席者に、示す。


グラフの、向かって左方は、直近四半期の業績実績を、表わしている。

右方は、直近四半期の業績予測を、表わしている。


予想のグラフは、概要とは云え、詳しい。

時期(上頃・中頃・下頃)と、売上・利益(金額ベース)が、大まかとは云え、記してある。


カルーは、そのグラフに、随時、描き込みを加える。

描き込みを加えながら、説明する。


グラフが、描かれているのは、【F】側。

描き込みが、加えられたのも、【F】側。



それからの動きは、カルーの想定外、だった。

いや、ある意味、カルーのグラフ通り、だった。

一分の隙も、無く。


会社の業績は、右肩上がりに、推移してゆく。

カルーのグラフ、カルーの業績予想を、辿る様に、推移してゆく。


そして、四半期が終わった時、業績実績は、業績予想と、重なる。

カルーの業績予想のグラフは、業績実績のグラフと、ピッタリ重なる。



「カルー」

「ん?」

「これ?」

「ああ。

 いつもの様に、頼む」


今や、カルーは、経営管理室副室長。

そもそも、経営管理室が社長直属の組織なので、社長の覚えも、目出度い。

将来の中枢経営陣、取締役も、夢で無い。


カルーが、(透明板に描いた)グラフは、ピタリ、ピタリと、当たる。

業績予想は、業績実績と、相成る。

四半期毎の、右肩上がりの良そうグラフは、四半期毎の、右肩上がりの業績グラフと、なる。


お陰で、会社の業績は、ここ何決算期か、連続黒字だ。

社員も、株主も、市場も、ウハウハだ。


それにともない、カルーは、評価される。

高評価が、続く。

あれよあれよと、駆け上る。

出世の階段を、昇る。


そして、気付けば、経営管理室副室長。

部署の、No.2。

でも、室長=社長なので、実業務上(事実上)、No.1。


会社の経営方針を、(事実上)左右する立場に、なる。

勿論、社長、重役陣、その他の経営陣の意見も、取り入れなくてはならない。

が、実際問題として、カルーに反対する者は、いない。


ビルは、カルーの引きで、経営管理室の一員、になっている。

そして、カルーの片腕に、なっている。


カルーとビルは、例の透明板を前に、練っている。

直近の四半期業績予想を、練っている。


と云っても、カルーとビルに、根を詰めた様子は、無い。

至って、気楽に、臨んでいる。


それもそのはず。


透明板に描いたグラフは、実現される。

カルーとビルの間では、それは当たり前のこと、となっている。

社内的にも、カルーとビルの描くグラフに、『間違いは無い』雰囲気と、なっている。


カルーとビルは、ちゃちゃちゃと、計算する。

計算結果を、ちゃちゃちゃと、パソコン上で、グラフにする。

直近四半期予想、完成。

後は、透明板に、描き写すだけ、だ。


「分かった」


ビルは、答えると、描き移す。

パソコン画面のグラフを、描き移す。


ちょっと、インクの出が、悪い。

透明板に、グラフを描くマジックインクの出が、悪い。

ビルは、試しに、もう片面に、インクを滑らす。


こちらの面では、インクは、滑らかに出る。


あ、こっちに、描こ


ビルは、もう片面に、グラフを、描く。

【B】面に、グラフを、描く。



表面が、右肩上がりの時は、裏面は、右肩下がり。



カルーは、面目、丸潰れ。


直近四半期の予想は、見事に、外れる。

外れるどころか、真逆に、推移する。


その前の四半期業績実績を辿る様に、直近四半期業績予想は、降下する。

云わば、半年かけて、元の売上・利益に戻った様なもの、だ。

元の木阿弥、だ。


カルーの評価、だだ下がり。


挽回を期して、再度、四半期業績予想に、挑む。

カルーの意気込みは、只事では無い。


業務の補助は、ビル。

そう、ビル。

またしても、ビル。


カルーは、四半期業績予想を、出す、グラフにする。

ビルは、描き移す。

パソコンの画面から、透明板に、描き移す。

描き移した面は、【B】面。



落ちた。

下がった。

今度の直近四半期業績予想も、降下する。

それも、その前の、四半期業績実績を辿る様に、降下する。


四半期業績予想に対して、売上・利益を計算し、費用も計上している。

その結果として、また、赤字、だ。

連続赤字、だ。


四半期業績予想のグラフは、カルーのこれまでの実績を、無にするかの様、だ。

振り出しに戻る、かの様だ。


カルーは、二回連続、失敗する。

もう失敗は、できない。


今度、また、失敗すれば、多分、確実。

確実に、左遷される。

窓際の閑職に、異動させられる。


『使えねーやつ』の烙印が、押される。

『今までのは、単に、運が良かった、偶然のこと』の烙印が、押される。

出世コースから外れ、二度と戻れない。


カルーは、悩む。

悩み続ける。


事態は、自分の置かれている状況は、把握している。

把握しているが、問題点が、とんと、分からない。

問題点が分からないから、打開策が、見出せない。


カルーに纏わり付く雰囲気は、ダウナー、オフビート、黒ダーク基調。

その雰囲気は、部署全体にも、伝わる。

ビル始め、経営管理室の社員の雰囲気も、暗い。



「ん?」


ビルは、気付く。

何かに、気付く。


透明板の片面には【F】、もう片面には【B】、と刻印されている。

刻印されているのは、知っている。

が、それを意識して、グラフを、描き移していなかった。


今、グラフが描かれているのは、【B】面。


そういや ・・


朧げながらも、ビルは、思い出す。


前回も、【B】面だった様な ・・


そう思った時、ビルの頭に、光が、走り抜ける。


もしかして ・・ もしかして ・・ !


ビルは、【B】面に描かれたグラフを、素早く消す。

消して、透明板を、ひっくり返す。


磨く。

【F】面を、丁寧に、磨く。

少し笑みを、浮かべながら。



次の直近四半期。

カルーとビルは、面目躍如。


直近四半期業績予想は、実際の業績と、ピッタリ一致する。

グラフの推移と合わせ、ピッタリと推移する。


やはり


ビルは、確信する。


「カルー」

「ん?」


ビルは、カルーに、話し掛ける。

周りには、誰一人として、いない。


カルーとビルは、一応、上司・部下。

二人とも、人目のある処では、敬語を用い、それ相応の態度を取っている。


が、二人きりとなると、別。

態度は、ラフに緩くなり、長年の友人関係の対応、となる。


「気付いてたか?」

「何、が?」

「これ」


と、ビルは、指し示す。

透明板に刻印された、【F】と【B】を、指し示す。


「ああ、気付いてた」


カルーは、『既に、気付いていた』らしい。


「けど、『なんや、刻まれとんな』ぐらいに思って、

 あんま、気にしてなかった」


『気付いてたけど、気にしていなかった』らしい。


「俺も、気付いてたけど、気にしてなかった」

「そやろ」

「けど」

「けど?」

「あることに、気付いてん」

「何、や?」

「気にしてなかったけど、気付いてん」

「なんや、ややこしいな」


確かに、ややこしい。


「いや、実は簡単なこと、やねん」

「どういうこと、や?」

「俺ら、グラフを描き移す時」

「描き移す時」

「【F】側も、【B】側も、気にしてなかったやろ?」

「気にしてなかった」

「ごっちゃにしてた、やろ?」

「うん」

「それが、実は、意味あるもんやったら?」

「はい?」

「【F】側と【B】側に、意味があったら?」

「はい?!」


カルーは、驚く、眼を丸くする。

ビルは、してやったり。


「今回」

「うん」

「四半期業績予想」

「うん」

「【F】側に、描いてみてん」

「うん」

「結果は、ご覧の通り」

「うん ・・ ?」


カルーは、まだ、ピンと来ない。


「それで」

「それで?」

「以前のことを、思い出してみた」

「以前のこと?」

「予想が上がった時は、【F】側に」

「うん」

「予想が下がった時は、【B】側に、描いてた様な気がする」

「それ、ホンマか?!」

「それを確かめる為に、今回、【F】側に、描いてみた」

「で、結果が ・・ 」

「ご覧の通り」


カルーは、ここで、ニンマリ笑う。


「ちゅーことは」

「ちゅーことは」

「俺ら、これから、上がりっぱなし、入れ食い状態ってことか」

「そやな。

 上昇の一途、ってことや」


カルーとビルは、ニンマリ笑い合う。

顔の崩れが止まらない様に、笑い合う。



それから、社の業績は、うなぎ上り。

町中の中小企業に過ぎなかったものが、全国的な東証一部上場企業、となる。


カルーは、社の、中興の祖と、崇められる。

ビルは、カルーの片腕として、次いで、崇められる。


カルーは、最終的に、会長となる。

ビルは、最終的に、社長となる。

二人まとめて、伝説的な存在、となる。


それと共に、透明板も、伝説的な存在、となる。

厳重に管理され、門外不出。

機密は、しっかり守られ、関係者以外、取扱い不可。



禁忌二


この社では、年に一回、全社員参加の業績報告会が、ある。

例年、大きな会場を借り切って、催している。


ファンデとファンアは、ある年の会場設営を、任される。


うわっ


げっ


ファンデとファンアは、二人とも、心密かに、嫌がる。

社としては、年一回の、大きなイベント。

成功すれば、ファンデとファンアの実績になることは、間違い無い。

それを、嫌がっている。


無理も無い。


参加社員は、年々、増える。

それに伴い、大きな会場が、必要とされる。

そんな大きな会場が、一地方都市に、幾つもあるわけが無い。


自然、会場は、毎年、決まって来る。

その会場は、ほぼその都市唯一の規模だから、予約の取り合いが、厳しい。

そこに持って来て、全社員数が、そろそろ会場の収容人数を、超えようとしている。


と云うわけで、近年の、全社員参加業績報告会の実施は、無理難題化している。


「ファンア」

「ん?」

「どうする?」

「どうする、って。

 まず、会場決めなあかんやろ」

「やっぱり、そうか」

「『すべては、それから』やろ」


ファンデとファンアは、行き詰っている。

初手から、行き詰っている。


会場選びが、全く、進んでいない。


全社員数が、ついのことに、会場の収容人数を、超えてしまった。

だから、苦肉の策で、二回、行なうことにする。

同じ会場で、同じ内容の報告会を、二回、行なうことにする。


それで、参加人数のことは、クリアできる。

が、会場選びが、振り出しに、戻る。


会場は、予約が殺到している。

同じ日の、連続した長時間なんて、予約が取れっこない。

第一希望日、第二希望日は、当然の如く、駄目。

第三希望日、第四希望日も、振られる。


その後になると、時期で、無くなる。

業績報告会の時期で、無くなる。

既に、来期の只中に、入ってしまう。


ファンデとファンアは、ほとほと、困る。


業績報告会の日は、第一希望日とも第二希望日とも、気候的には、晴れ予想。

人出は、参加社員数は、充分見込める。


見込めるが、その予想人数の多さが、裏目にも、出ている。

多過ぎて、会場が無い、近隣には無い。


「お天気は、問題無さそうやのにな ・・ 」

「ほんま。

 晴れ確率、九〇%以上、やのにな ・・ 」


ファンデとファンアは、口惜しい。


「ん。

 当日、晴れか」

「晴れ確率、九〇%以上、か」


ファンデとファンアは、顔を、見合わせる。

何かに気付いた、らしい。


「晴れ、やな」

「晴れ、や」

「お天気の心配が無い、のなら ・・ 」

「別に、屋内にこだわることも無い、わな」

「野外でも、ええやん」

「逆に、その方が、ええかも。

 一回で済むし、人数的にも融通効くし、風通しええし」


ファンデとファンアは、意見の一致を、みる。


「野外にしよう」

「そうしよう」


次回、全社員参加の業績報告会は、野外で実施されることに、決定する。



一旦、野外にすることが決まると、後は、サクサクッと、進む。

会場選びも、会場設営も。

収容人数も、収容方法も。

その他諸々も、サクッと、進む。


拍子抜けするくらい、物事は、順調に、進む。

野外なので、『日射しとか、暑さ対策が必要では?』と思われたが、時季的に、その心配はいらない。


ファンデとファンアは、ほくそ笑む。


ええやん


ええ感じやん


今回の業績報告会を成功させれば、ファンデとファンアの、大きな実績となる。

加えて、野外開催と云う、新機軸を打ち出したことで、プラス・アルファの評価も、足されることだろう。


残るは、実際に、無事開催終了を迎えることだが、それについては、心配していない。

現状から見るに、九〇%以上の確率で、成功するはずだ。

つまり、ファンデとファンアの輝ける未来は、九〇%以上の確率で、保証されている。


野外会場が、開く。

社員が、続々、入場する。


野外席が、続々、埋まる。

まもなく、ほぼ、満席となる。


野外席から、熱気が、発せられる。

その熱気は、『やらされている』感より、ワクワク感の方が、勝っている。

社員のみんなも、初めての野外開催で、ワクワク感の方が、先に立っている、らしい。


オオーーーーーーーーーー !!

オオーーーーーーーーーー !!


どよめきが、あちこちで、起こる。


野外ステージに、人が、入場して来る。


会長

社長

専務

常務

本部長

等、経営陣が、入場して来る。


満更でもなく、手を振っている。

野外席のコールに答え、にこやかに、手を振っている。

経営陣も、喜んでいる、ようだ。


会長、社長の挨拶の後、始まる。

早速、業績報告会が、始まる。


野外ステージ全面に張ったスクリーンに、業績概要が、次々と、映し出される。

経営陣の担当者が、その都度、立ち上がって、説明を加える。


スクリーンに、直近四半期業績実績と直近四半期業績予想のグラフが、映し出される。

明らかに、今までの映像と、異なる。


よく見れば、野外ステージ上に、例の透明板が、ある。

グラフは、透明板に、描かれている。

それを、大きく投影して、スクリーンに映し出している、ようだ。


野外ステージは、明るい、眩しい。

日射しが直に当たって、太陽光が、照らし出している、ようだ。



えっ!

キャッ!

うわっ!


唐突に、野外席から、声が、上がる。

悲鳴の様な声が、上がる。


スクリーン画面が、溶け出す。

正確には、スクリーン画面のグラフが、溶け出す。

線が、デロデロになって、垂れ下がっている。


って、ことは!


ファンデは、眼を、遣る。


つまり!


ファンアも、眼を、遣る。


眼を遣った先は、透明板。

野外ステージ上に出された、透明板。

ステージのスクリーンに、大きく投影されている、透明板。


日射しが、眩しい。

日射しが、透明板に、当たっている。


透明板は、晒されている。

太陽光に、晒されている。

太陽光に、直接、当てられている。


透明板に描かれたグラフが、溶けている。

グラフの線も、メモリの線も、グズグズに、溶けている。

溶けて、垂れ下がった跡が、ホラー映画の様、だ。


溶ける、溶ける。

垂れ下がる、垂れ下がる。


 ・・ ・・

 ・・ ・・


透明板に描かれたグラフは、すっかり、消え去る。

黒い筋を残し、消え去る。

透明板の底の方には、黒溜まりが、広がる。


透明板は、ただの、透明な板と、なる。

野外スクリーンは、何も映し出さないスクリーンと、なる。



そこからの業績報告会は、テンションだだ下がり、となる。


急遽、パソコンをプロジェクターに繋いで、スクリーンに投影する。

投影して、改めて、説明を始めたものの、後の祭り。


参加社員全員に、白けた雰囲気が、漂う。

参加経営陣は、責任転嫁を決め込み、『我関せず』の態度を、取るばかり。


結局、進行、説明、MC等一切合財、ファンデとファンアが、行なう。

人前に出て、表に立って、行なう。


その結果、こたびの業績報告会の評価は、ファンデとファンアに、集中する。九〇%が低評価、残りが良くも悪くも無い評価。

ファンデとファンアのポジションは、天国から地獄に、突き落とされる。



ところに持って来て、


業績が、ダダ落ち、した。

四半期業績予想は外れ、その前の四半期業務実績が、チャラに成るほど、業績は落ち込む。

丁度、半期かけて、元の業務実績に、逆戻りする。


これは、ファンデとファンアの落ち度とは、云いにくい。

が、『縁起が悪い』と云うことで、ファンデとファンアにも、影響が、出る。


ファンデとファンアは、左遷される。

地方に、飛ばされる。

別々に。

つるんでいたら、『また、二人で、悪いことしでかしかねない』とでも、云う様に。



「これが」


デュムが、言う。


「これが」


ログが、答える。


「透明板を取り扱う際に注意する、禁忌三項、と呼ばれるもの」

「いやいや」

「ん?」

「二つしか、言ってへんやん」

「ああ、それな」


デュムは、眼を、ちょっと、宙に、彷徨わせる。


「三つ目は」


彷徨わせた眼を、ログに見据え、言う。


「三つ目は?」

「実は、まだ良く、分かってへん」

「なんやそれ」


ログは、思わず、ツッコむ。


「言い伝えとか、それを文書にしたもんは、

 あるっちゃあるんやけど ・・ 」

「やけど ・・ ?」

「肝心なとこが、よう分からんねん」

「肝心なとこ?」


『どこや、それ?』みたいに、ログは、訊く。


「禁忌三項の内、二つは、


 一.ものを描くのは、【F】(表面)と刻印された側。

 二.直接、光を、当てないこと。


 で、ちゃんと判明してるけど、残り一つは、


 三.直接、××を、加えないこと。


 と、云うわけで」

「と、云うわけで」

「肝心なとこが、分かってへん」

「なんやそれ。

 中途半端やな~」


ログは、再度、ツッコむ。

ツッコんで、続ける。


「××って、山城新伍やあるまいし」


昔懐かしいツッコミも、見せる。


「可能性、有りそうなのは ・・ 」

「力」

「そやな。

 俺も、そう思う。

 でも ・・ 」

「でも?」

「『どんだけの力、加えたらええのか?』とか、分からへんやん」

「そやな」

「加え過ぎると、壊れてしまうかもしれんし」

「そやな。

 だから、壊れる一歩手前、ひん曲がるかひん曲がらんか、くらいの

 ところで、ええんとちゃうか?」

「そやろか」

「とにかく、いっぺん、やってみな分からんやろ」

「そやな」


ログの提案に、デュムは、同意する。



「あかん」

「思った以上に、固い、強い」


デュムとログは、透明板に、力を加えてみた。


人力、ペンチ、テコの原理。

人圧、気圧、果ては万力まで。


が、一向に、透明板は、歪まない。

泰然自若、としている。

変化は、無い。


つまり、


加えるものは、力ではない、と云うことだ。

他の何か、だと云うことだ。


「力や、無いんか」


デュムが、溜め息交じりに、言う。


「そうみたい、やな」


ログが、諦め口調で、答える。


「他に、何が、有りそうや?」

「う~ん ・・ 」


ログは、考える。

考えて、絞り出す。


「 ・・ う~ん ・・ 彩り?」


尋ねる様に、答える。


「彩り、か~。

 そんなファンキーな答えは、思い付かんかったな」


デュムは、少し考えて、言葉を紡ぐ。


「やってみるか」

「えっ!」


答えを発したログの方が、驚く。

『マジで!本気にしたん!』と言う様に、驚く。



塗る。

透明板を、塗る。

透明板に、色を、付ける、加える。


赤 青 緑 黄 紫

白 黒 金 銀 銅


色々な、様々な色に、彩る。


透明板は、すっかり、不透明板に、なる。

カラフル板に、なる。


何かの、イラストの様、だ。

何かの、前衛絵画の様、だ。


 ・・ ・・


しばらく、待つ。


 ・・ ・・


待ち続ける。


 ・・ ・・


何も起こらない、様だ。

(不)透明板に、変化は、起こらない。


「これでも、無いか」


デュムは、溜め息交じりに、言葉を、吐く。


「そうみたいやな」


ログが、残念そうに、頷く。


「後は ・・ 」

「チョコ」

「 ・・ う~ん ・・ 」

「生クリーム」

「 ・・ う~ん ・・ 」

「オリーブオイル」

「ちょっと待て。

 大喜利みたいに、なって来てる。

 真面目に、考えよう」

「割とマジ、なんやけどな」


デュムの指摘に、ログは、口を尖らす。


 ・・ ・・


二人して、考える。


 ・・ ・・


考え続ける。


 ・・ ・・


煮詰まる。


「あー、ラチあかん。

 休憩、ブレイク、お茶・お菓子」

「うん。

 そうしよう」


デュムの提案に、ログは、即、賛成する。


「何が、ええ?」


ログが、訊く。


「チョコ。

 生クリーム入ってるっぽい、滑らかなチョコ。

 それが欲しい口に、なってしもとる」

「生クリーム入ってるかどうか分からんけど、チョコならあるで」

「ほな、それ」

「飲み物は」

「緑茶」

「ペットで、ええか?」

「出来れば、茶葉で」


変なとこ、こだわるな


ログは、思う。

思いつつも、急須に茶葉を、入れる。

ポットから、急須にお湯を、注ぐ。


せっかくなので、ログも、緑茶にする。

茶碗代わりに、デュムのマグカップに、お茶を、注ぐ。

ログのマグカップにも、急須から、お茶を、注ぐ。


チョコを、ほおばる。

緑茶を、飲む。


 ・・ ・・


チョコを、ほおばる。

緑茶を、飲む。


 ・・ ・・


デュムもログも、休憩とは言ったものの、囚われている様だ。

考えに、囚われている様だ。

透明板・第三の禁忌に、囚われている様だ。


「あかんあかん!」


デュムが、出し抜けに、叫ぶ。

叫んで、続ける。


「どうせ考えてしまうなら、ガッツリ、考えよう」


ザッ


ガッ


トンッ


立ち上がる。

透明板を、取る。

透明板を、休憩している机の上に、置く。


休憩時間も引き続き、シンキング・タイム、となる。


 ・・ ・・


デュムは、考える。


 ・・ ・・


ログも、考える。


 ・・ ・・


沈黙は、続く。


ガサッ


ログが、動く。

マグカップを、取ろうと、する。


ガッ


マグカップを、掴めない。

持ち手に、指が、引っ掛かる。


ドガッ ・・

 ・・ バシャー ・・


マグカップが、倒れる。

マグカップから、緑茶が、こぼれる。


「うわっ!」

「ゲッ!」


デュムは、驚いて、避ける。

ログは、慌てて、布巾を、探す。


「うわっ!」

「ゲッ!」


デュムとログは、今度は、同時に、驚く。


こぼれた緑茶が、透明板に、かかっている。

しっかり、びっちゃりと、かかっている。


と、しばらくして


 ・・ シュル ・・

 ・・ シュル ・・ シュル ・・

 ・・ シュルル ・・ シュルルル ・・


縮む。

透明板が、縮み始める。

音が聞こえるかの様に、縮み始める。


見る見る。

見る見る小さく、なる。

縮んで小さくなるのに比例して、太さは、増す。

まるで、プラ板が、縮むかの様に。


透明板は、十分の一くらいに、縮む。

彩られた、四半期業績予想のグラフも、縮む。

縮んで、高精細になったのか、なんとも綺麗なグラフと、化している。


 ・・ ・・

 ・・ ・・


デュムとログは、見るしかない。

透明板の一連のムーブを、見るしかない。

呆然と、見守るしかない。


「ログ」


デュムが、ようやっと、口を、開く。


「ん?」

「加えたあかんもん」

「うん」

「熱、やったな」

「そうみたいやな」


デュムの答えに、ログも、同意する。



いともたやすく縮んだ透明板は、彩り豊かな色彩を、見せる。

十分の一の大きさ、だが。

十分の一の大きさになったグラフ、だが。


デュムとログは、こっぴどく、怒られる、叱られる。

厳重注意を、受ける。


なにせ、社の、伝説の、宝物。

それを、いじって変な風にしたので、さもありなん。

左遷、あるいは解雇とも、なりかねない。


デュムとログは、その後一切、透明板に関わることは、許されなくなる。

デュムとログは、解雇されないことと引き換えに、それを、受け入れる。


でも、デュムとログのお陰で、禁忌の三つ目が、判明する。


禁忌三項


一.ものを描くのは、【F】(表面)と刻印された側。

  【B】(裏面)側には、描かない。


二.直接、光を、当てないこと。


そして、


三.直接、熱を、加えないこと。



透明板は、縮んだままから、戻らない。

縮んだプラ板が、戻らない様に。


業績も、戻らない。

右肩上がり基調には、戻らない。


いや、厳密な意味では、戻る。

数値的には、計算上は、半期前に、戻る。


四半期業績予想と、四半期業績実績が、十分の一に、縮む。

つまり、半期を費やして、その前の半期業務実績に、近いものとなる。

チャラとは云わないが、毛の生えたものぐらいのプラスに、過ぎない。


そこからの社の業績は、上がったり、下がったり。

景気に左右され、天候に左右され、社会状況に左右される。

まあ、一般的な会社と、状況を一にする。

独り勝ちは、許されない。


透明板は、縮んだままから、戻らない。

彩りも、彩られたまま、綺麗なまま。


力を加えても、圧力を加えても、ウンともしない。

傷一つ、加えられない。

当に、鉄壁。


そして、無用の長物と化し、倉庫の奥深くに、眠らされる。

伝説も、数年で、忘れ去られる。



「これ」

「うん」

「受付に飾ったら、ええと思わん?」

「ああ、ええかも」


ルシンダとアンナは、発掘する。

倉庫から、彩り豊かな、小さくなった透明板を、見つけ出す。


ルシンダとアンナは、受付嬢。

社の入口ロビーの受付に、待機している。

訪問者の取り次ぎを、行なっている。


アポイントメントのある人は、その人を、該当社員へ、該当部署へ。

飛び込みの人は、担当部署へ。

その他、冷やかし等は、受付で、シャットアウトする。


あんまり、潤いのある処では、ない。

でも、潤いは、欲しい。

そもそも、受付が、殺風景。

殺風景なので、『綺麗な絵でも、飾りたい』、と思っている。


二人して、目ぼしいものを求めて、倉庫を、探索する。

そして、見つけたのが、彩り豊かな、小さくなった透明板。

ステンドグラスの様に、色鮮やかで、抜け感もある。


ルシンダとアンナは、ホクホク顔で、綺麗な透明板を、持ち出す。


透明板を、飾る。

入口ロビーに、飾る。

受付台の背後へ、飾る。


ルシンダとアンナが、常時待機している、受付台。

その背後、ルシンダとアンナの頭上に、社章が、デカデカと控えている。

その社章の下、ルシンダとアンナの姿に隠れる様に、透明板は、備え付けられている。


ルシンダとアンナが、遮りとなって、来客や他の社員からは、透明板は、見えにくい。

が、何人かの来客と、何人かの社員は、気付く。

気付いて、透明板の、綺麗さに、彩りに、癒される。


透明板を見た、来客も社員も例外無く、顔が緩む、心がほぐれる。

その結果、透明板を褒め、色の鮮やかさに、感心する。

社交辞令や冷やかしで無く、ルシンダとアンナに、心地良い言葉を、掛ける。



ジージー ・・ ジージージージージー ・・

ミーン ・・ ミンミンミンミンミン ・・


夏が、来た。

早速、暑い。


連日、猛暑日。

連日、熱帯夜。


常時、熱中症注意。

常時、紫外線注意。


道行く人も、心なしか、ヘタっている。

建物も、陽炎で、心なしか、揺らいでいる。


来社した来客も、帰社した社員も、汗だく。

汗を拭き拭き、扇ぐ、ファンを廻す。


そして、入口ロビーに、入る。

来客、社員、例外無く、脱力する。

涼しさに、身を、晒す。


受付台に来る頃には、皆、にこやかな緩んだ表情に、なっている。

入口から入って来たばかりの顰め面とは、雲泥の差、だ。


クーラーの利きは、入口ロビーを通り抜けるだけの人には、なんとも有難い甘露。

が、常時そこにいる人には、極冠の地獄。


ルシンダとアンナにとっては、『ここは、南極か!』てなもの。

長袖上着とカーディガンを、しっかり、着込んでいる。

靴下も、厚手。



そんな日が、数日、数週間、続く。


毎日、日射し強く、温度上昇、猛暑日。

熱中症、紫外線、イライラ注意。

常時、クーラーは、利き過ぎ、利かせ過ぎ。

クールビズ、どこ吹く風。


 ・・ ・・

 ・・ ・・

 ・・ ガタッ ・・


小さな音が、響く。

ルシンダとアンナの背後から、響く。


「アンナ」


顔を前に向けたまま、ルシンダが、訊く。


「うん」


顔を前に向けたまま、アンナも、答える。


「何か、音、せんかった?」

「した」

「したよね」

「何か、聞こえた」


二人同時に、恐る恐る、振り返る。


何も、動いていない。

変ったところは、無い。


『気のせいか』と、二人して、前を向く。


 ・・ ・・

 ・・ ・・

 ・・ ガタッ ・・


小さな音が、再度、響く。

ルシンダとアンナの背後から、再度、響く。


『あ、これ、確実なやつや』の顔で、ルシンダは、アンナの顔を、窺う。


『うん』とばかり、アンナも、頷く。


と、


 ・・ ・・

 ・・ ガタッ ・・

 ・・ ガタッ ・・ ガタッ ・・

 ・・ ガタッ ・・ ガタッ ・・ ガタッ ・・


もう、間違え様が、無い。

ルシンダとアンナの背後で、何かが、音を出している、蠢いている。


勇気が、いる。

背後を振り返るには、勇気が、いる。


ルシンダとアンナは、眼を合わせ、頷く。

頷いて、お互い、心の中で、カウントダウンする。


 3

 2

 1

 ゼロ!


ルシンダとアンナは、同時に、背後を、振り返る。


ガタッ ・・ ガタッ ・・

ギシッ ・・ ギシッ ・・

グネッ ・・ グネッ ・・


動いている、蠢いている。

透明板が、身体を、捩らせている。

ルシンダとアンナの、すぐ背後で、身体を、捩らせている。

その様は、その彩り豊かなものが蠢いている様は、ウミウシを、連想させる。


「「 キャー! 」」


 ・・ ・・ !

 ・・ ・・ !


ルシンダとアンナは、思わず、叫ぶ。

叫ぶが、人気の無いロビーには、二人の叫びだけが、響き渡る。


透明板は、蠢く。

ルシンダとアンナの叫びを無視して、蠢く。



「reset!」


透明板が、出し抜けに、音を、出す。

機械音で合成された、叫び声を上げるかの様に、音を、出す。


「「 キャー!! 」」


ルシンダとアンナは、またしても、思わず、叫ぶ。


その音(声?)と共に、透明板は、更に大きく、蠢く。

いや、物理上、大きくなる。


小さな透明板が、徐々に、大きくなる、

小さいサイズだったものが、大きなサイズとなる。

十分の一サイズだったものが、通常サイズとなる。


それに従い、彩りも、変化する。

透明板が、大きくなるに従い、彩りが、ぼやけて来る、薄まって来る。


 ・・ ・・


彩りは、どんどん薄まり弱くなり、抜け感が、増大する。


 ・・ ・・


彩りは、申し訳程度の色彩となり、抜け感が、透明感となる。


 ・・ ・・


薄っすら色が付いている程度になり、透明度が、七〇%くらいになる。


 ・・ ・・


すっかり、色は落ち、透明になる。

透明板は、すっかり、透明になる。

透明板は、元の様に、戻る。


そう、


元の様に、戻る。


そこには、彩りも、グラフも、何も、描かれていない。

【F】と【B】の文字が、刻まれているだけ。


「アンナ」

「うん」

「これって ・・ 」

「うん。

 そやと、思う」


ルシンダとアンナは、透明板を見つめる。

見つめたまま、各々、頷く。


ルシンダとアンナは、仕事柄、一応、伝説を知っている。

伝説の噂は、聞き及んでいる。


その伝説に、該当するものが、眼の前に、ある。

伝説の透明板に、ピッタリ合致するものが、眼の前に、ある。


ルシンダとアンナは、伝説を、知っている。

【禁忌三項】も、全て、知っている。

つまり、透明板の扱い方を、知っている。


ニンマリ


ルシンダとアンナは、顔を見合わせて、微笑む。


いそいそ


誰も見ていないことを確認して、透明板を、外す。

受付台の下、ルシンダとアンナの足元に、隠す。


ほくそ笑む。

ルシンダとアンナは、ほくそ笑む。

透明板の使い道を考え、ほくそ笑む。



そして、透明板は、ループする、輪廻転生する。

人間の性に左右され、人間の性を左右する。


あらゆるナントカは、使い様。


{了}

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