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作者: 松江将門

 21XX年、瞬間移動の列車が開発された。それは、ブラックホールの吸引力を用いていて、乗り心地も悪くないが、乗っていて一つ不快なのは、窓の外を見ていると、誰かに見られているような感覚になることである。たまに、叫び声も聞こえてくることもある。

 その瞬間移動列車は、絶対に乗り遅れてはいけない、という規則があり、詳しいことはわからないが、乗り遅れると、非常にまずいことになるらしい。


 僕は東京へ旅行に行くことになった。一人での旅行で少し寂しいが、楽しみである。僕は初めて瞬間移動列車を使うことにした。

 しかし、あろうことか、その朝、寝坊をしてしまったのだ。丁度、発車の時刻に起きたのだ。すると、周りの景色が急に黒くなっていき、次第には真っ暗になってしまった。

 その時、僕はニュースで言っていた瞬間移動列車の仕組みの話を思い出した。

 「乗客の情報を車両に登録して、瞬間移動をしています。なので、乗り遅れると、列車と乗り遅れた列車とで別々で別次元の空間に入ってしまうんです。しかし、タイムスリップをするのは、列車だけですから、乗り遅れた人は非常に危ない状態になってしまうんです。」


 はっと我に返ると、眼の前に列車が浮かんでいた。助かる見込みはないが、藁にもすがる思いで、乗客へ助けを求めた。

 「助けてくれ!助けてくれ!」

 しかし、乗客はまるで何か気持ちの悪いものを見たような顔をして、窓のカーテンを閉めてしまった。

 列車の影はだんだん薄くなっていき、遂には消えてしまった…


 20XX年のあるアパートの一室で男は冷や汗をかきながら夢を見ていた。

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